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障害者差別投稿に侮辱行為を理由に60万円の慰謝料支払を命じた地裁判決紹介

○脊椎骨端異形成症により両上肢及び下肢機能に著しい障害を負っている原告が、インターネット掲示板における被告の投稿は、重度障害者である原告の社会的評価を著しく低下させるものであり、原告の生存する意義や人格的価値を否定し、これにより原告の外部的名誉が侵害されたなどとして、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償金等約194万円の支払を求めました。

○これに対し、本件投稿の内容や投稿の態様を考慮しても、本件投稿が具体的事実を摘示することによって原告の社会的評価を低下させるものとはいえない一方、原告の生存する意義及び人格的利益を否定する趣旨のものであって、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為であるということができるから、被告が本件投稿をしたことによって、原告の名誉感情が侵害されたと認められ、これについて不法行為が成立するとして、60万円の支払を命じた令和6年1月24日前橋地裁判決(LEX/DB)を紹介します。

○判決文の別紙投稿記事目録は省略されていますが、報道によると、原告が、24時間の訪問介護を求めて前橋市を提訴したとの報道を受け、愛知県に住む投稿者の男性は匿名掲示板「5ちゃんねる」に「生かしておく理由がない」などと書き込んだとのことです。

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主   文
1 被告は、原告に対し、60万円及びこれに対する令和4年4月13日から支払済みまで年3パーセントの割合による金銭を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し、その7を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、194万5617円及びこれに対する令和4年4月13日から支払済みまで年3パーセントの割合による金銭を支払え。
(請求の法的根拠)
・主請求:被告が、インターネット掲示板「5ちゃんねる」において、別紙投稿記事目録記載の投稿(以下「本件投稿」という。)をしたという不法行為(民法709条)による損害賠償請求
・附帯請求:遅延損害金請求(起算日は本件投稿をした日、利率は民法所定)

第2 争点及びこれに対する当事者の主張
1 名誉毀損及び名誉感情の侵害の有無(争点1)

(原告の主張)
 本件投稿は、原告の生存する意義や人格的価値を否定し、重度障害者である原告の社会的評価を著しく低下させるものであり、これにより原告の外部的名誉が侵害された。
 また、本件投稿は、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為であり、これにより原告の名誉感情が侵害された。

(被告の主張)
 本件投稿は、前橋市に対して24時間体制の重度訪問介護を求める原告の主張に対する消極的意見の表明であって、原告の人格的利益を否定するものではない。
 仮に本件投稿が原告の人格的利益を否定するものだとしても、本件投稿によって原告の社会的評価が低下したとはいえない。また、原告は、新聞やネットニュースを通じて自身の主張を発信していたから、同主張に対する消極的意見のひとつである本件投稿は、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為とまではいえない。
 したがって、被告が本件投稿をしたことによっては、原告の外部的名誉及び名誉感情は侵害されていない。

2 原告の損害(争点2)
(原告の主張)
(1)慰謝料 150万円
 本件投稿によって被った精神的苦痛に対する慰謝料は150万円を下らない。
(2)調査費用 26万8743円
 原告は、本件訴訟を提起するために発信者情報開示請求手続をし、これに26万8743円を要した。
(3)弁護士費用 17万6874円
(4)合計 194万5617円

(被告の主張)
 否認ないし争う。

第3 判断
1 認定事実

 本文中に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
(1)原告は、脊椎骨端異形成症により両上肢及び下肢機能に著しい障害を負っている障害者である。(甲1)

(2)△△新聞は、令和○年○月○○日の新聞記事において、原告が、前橋市に対し、24時間体制の重度訪問介護の提供を求める行政訴訟を提起したと報じた。(甲2)

(3)上記同日、5ちゃんねるにおいて、「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」と題するスレッドが立てられた。
 同スレッドの1件目の投稿には、上記新聞記事の内容、すなわち、上記訴訟の提訴の事実、原告の実名等が記載されていた。(甲3)

(4)被告は、上記同日、上記スレッドにおいて、別紙投稿記事目録記載の投稿(本件投稿)をした。(甲4)

2 争点1(名誉毀損及び名誉感情の侵害の有無)について
(1)原告は、本件投稿について、重度障害者である原告の社会的評価を低下させるものであるから、原告の外部的名誉を侵害すると主張するけれども、本件投稿の内容や投稿の態様を考慮しても、本件投稿が具体的事実を摘示することによって原告の社会的評価を低下させるものとはいえない。

 他方、本件投稿は、原告の生存する意義及び人格的利益を否定する趣旨のものであって、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為であるということができるから、被告が本件投稿をしたことによって、原告の名誉感情が侵害されたと認められ、これについて不法行為が成立する。

(2)被告は、原告が、新聞やネットニュースを通じて、自身の主張を発信していたから、同主張に対する消極的意見のひとつである本件投稿は、社会通念上許容される限度を超えるものとまではいえないと主張するけれども、被告主張の上記事実によっても、上記判断に影響を及ぼさない。

3 争点2(原告の損害)について
(1)慰謝料 50万円
 本件投稿が原告の生存する意義及び人格的利益を否定する趣旨のものであること、本件投稿が障害者を差別するヘイトスピーチに該当するものであること、他方、本件投稿が短文であって、投稿回数が1回であること等を考慮して、慰謝料は50万円を相当と認める。

(2)調査費用 5万円
 証拠(甲4、5)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、本件投稿が匿名によるものであったことから、本件訴訟に先立って、弁護士に委任した上で、本件投稿の発信者を特定するための発信者情報開示請求訴訟を提起し、その判決によって本件投稿の発信者が被告であることを特定したことが認められる。
 上記の発信者情報開示請求訴訟の手続を進めるためには、専門的知識を有する弁護士に委任する必要があるから、同手続に係る弁護士費用のうち相当と認める部分が、本件投稿と相当因果関係のある損害といえる。これに対して、同手続に係る印紙代その他の実費は,同手続の被告であるプロバイダが負担すべきものであるから、本件投稿と相当因果関係のある損害とはいえない。
 証拠(甲5)によれば、原告は、上記の発信者情報開示請求訴訟において、弁護士費用25万1000円及び実費1万7743円を支出したと認められるが、このうち同手続に係る弁護士費用5万円を、本件投稿と相当因果関係のある損害と認める。 

(3)弁護士費用 5万円
 本件訴訟の提起及び維持に必要な弁護士費用は、5万円を相当と認める。

(4)合計((1)~(3)) 60万円

第4 結論
 以上によれば、原告の請求は、60万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容すべきである。
前橋地方裁判所民事第1部
裁判長裁判官 田中芳樹 裁判官 杉浦正典 裁判官 清水瑛夫

別紙 投稿記事目録(省略)
以上:3,060文字

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