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兼業主婦外貌醜状9級に25%労働能力喪失を認めた地裁判決紹介

○専業主婦の後遺障害等級第9級醜状痕についての逸失利益を認めた判例を探しています。2020(令和2)年赤い本下巻(講演録編)47頁以下に綿貫義昌裁判官の「外貌醜状に関する逸失利益、慰謝料をめぐる諸問題」との講演録が掲載されており、この問題については大変参考になるデータが満載されています。「男子外貌醜状9級に35%労働能力喪失を認めた地裁判決紹介」もここで見つけました。

○専業主婦の醜状痕の逸失利益については、ズバリその者の判例は見つかりませんが、9級16号外貌醜状を残す37歳兼業主婦について、前額部の醜状痕は後遺障害等級9級16号に相当することが認められるところ、その内容・部位・程度に加えて、原告春子の性別・職種・心理的影響に照らすと、労働能力喪失率は25%を、労働能力喪失期間は67歳までの29年を認めるのが相当とした平成28年10月26日神戸地裁判決(自保ジャーナル・第1990号)が見つかりましたので、関連部分を紹介します。

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主   文
(中略)
2 原告五郎は、原告春子に対し、637万5208円及びこれに対する平成24年8月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(中略)
11 訴訟費用は、これを4分し、その3を原告三郎、原告春子、原告夏子、原告秋子、原告冬子及び原告四郎の、その余を原告会社、原告五郎及び原告松子の各負担とする。
12 この判決は、第1項ないし第9項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求

(中略)
2 B事件
(1) 原告五郎は、原告春子に対し、2,631万4,463円及びこれに対する平成24年8月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(中略)

第二 事案の概要
 本件は、信号機により交通整理の行われている丁字路交差点(以下「本件交差点」という。)において、青信号で右折しようとした原告三郎運転の自動車(以下「丁山車」という。)と青信号で直進しようとした原告五郎運転の自動車(以下「庚山車」という。)が衝突した交通事故(以下「本件事故」という。)が発生し、これにより庚山車に関連する物的損害について保険金を支払った原告会社に求償金が発生し、丁山車に乗車していた原告三郎、原告春子及び原告夏子に人身損害が、丁山車を使用していた原告三郎並びに丁山車の所有者である原告春子、原告秋子、原告冬子及び原告四郎に物的損害が発生し、庚山車に乗車していた原告五郎及び原告松子に人身損害が発生したとして、第一の請求欄記載のとおり、原告会社が原告三郎に対して保険代位に基づく求償金を、原告三郎、原告春子、原告夏子、原告秋子、原告冬子及び原告四郎が原告五郎に対して不法行為ないし自賠法3条(人身損害)に基づく損害賠償を、原告五郎及び原告松子が原告三郎に対して不法行為に基づく損害賠償をそれぞれ求めたという事案である。

         (中略)

第三 争点に対する判断

         (中略)

3 争点3について(原告春子の人身損害)
(1) 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、①原告春子は、本件事故により外傷性くも膜下出血、左側頭部裂創、前額部裂創、前頭洞前壁骨折、顔面骨骨折、頸椎捻挫、左手関節痛の傷害を負ったこと、②原告春子は、平成24年8月15日から同月20日までの間、D病院に入院し(入院日数6日)、同月24日、D病院に通院し(実通院日数1日)、同年9月5日から平成25年6月18日までの間、E整形外科に通院し(実通院日数57日)、主に頸椎捻挫と左手関節痛の治療を受け、同日、症状固定したこと、③原告春子は、同日の症状固定時、一部に若干の隆起を伴い、わずかに淡紅色の色素沈着を伴う前額部中央やや右から左眼瞼部にかけての線長約5.6㌢㍍の線状痕に左前額部から左眉毛上部にかけての線長約1.6㌢㍍の線状痕がY字型に繋がる縫合創痍が残存したが、頸部の運動制限や神経学的異常所見はなく、頸椎X線で明らかな骨傷や不安定性もなかったこと、④原告春子は、同年10月21日、前額部の線状痍については、長さ5㌢㍍以上と捉えられることから、「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として後遺障害等級9級16号に該当する旨、頸椎捻挫後の頸部の疼痛、だるさの遺残、頸部が動かしにくい感じ、違和感の遺残等については、自賠責における後遺障害に該当しない旨判断を受けたことが認められる。

(2) 治療関係費
 証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下のとおり(①ないし③-④)、治療関係費は合計24万4,176円が認められる。
    ① D病院 42万7,930円
    ② E整形外科 16万9,240円
    ③ F薬局 4,346円
    ④ 健康保険分 35万7,340円

(3) 入院雑費
 入院雑費9,000円(日額1,500円×入院日数6日)は当事者間に争いがない。

(4) 装具費
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、原告春子の治療に頸椎装具(費用1万1,227円)が必要であったことが認められ、装具費は1万1,227円が認められる。

(5) 通院交通費
 上記(1)認定の原告春子の受傷の内容・部位・程度、治療経過に照らすと、D病院の退院時及び通院時のタクシー利用の通院交通費を認めるのが相当である。そして、証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下のとおり、通院交通費は合計3万1,780円が認められる。
    ① 平成24年8月20日退院分
 D病院から自宅タクシー代1万5,810円
    ② 平成24年8月24日通院分
 自宅からD病院タクシー代1万5,160円+D病院から自宅電車代810円=1万5,970円

(6) 休業損害
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、原告春子は、本件事故当時、原告三郎及び原告夏子と同居し、原告三郎と家事労働の半分程度ずつを分担するとともに、地方公共団体の嘱託職員等としてカウンセラーの業務に従事しており、平成23年分の給与等合計327万1,758円を得ていたことが認められることに照らすと、基礎収入は上記給与等327万1,758円を認めるのが相当である。また、上記(1)認定の原告春子の症状経過、治療経過に加えて、証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、原告春子は、平成24年9月下旬、職場復帰したことが認められることに照らすと、休業期間は平成24年8月15日から平成25年6月18日までの308日を認め、兼業主婦として、平成24年8月は100%の、同年9月以降は平均65%の労働制限を認めるのが相当である。したがって、休業損害は184万7,870円{327万1,758円÷365日×(17日×1+291日×0.65)}が認められる。

(7) 入通院慰謝料
 上記(1)認定の原告春子の受傷の内容・部位・程度、症状経過、治療経過、入院日数6日、通院期間302日に照らすと、入通院慰謝料は195万円を認めるのが相当である。

(8) 後遺障害逸失利益
 上記(6)認定のとおり、原告春子は、本件事故当時、原告三郎及び原告夏子と同居し、原告三郎と家事労働の半分程度ずつを分担するとともに、地方公共団体の嘱託職員等としてカウンセリング業務に従事しており、平成23年分の給与等合計327万1,758円を得ていたことが認められることに照らすと、基礎収入は上記給与等327万1,758円を認めるのが相当である。また、上記(1)認定の事実に照らすと、原告春子の前額部の醜状痕は後遺障害等級9級16号に相当することが認められるところ、その内容・部位・程度に加えて、原告春子の性別・職種・心理的影響に照らすと、労働能力喪失率は25%を、労働能力喪失期間は67歳までの29年(ライプニッツ係数15.1411)を認めるのが相当である。したがって、後遺障害逸失利益は1,238万4,503円(327万1,758円×0.25×15.1411)が認められる。

(9) 後遺障害慰謝料
 上記(1)認定の事実に照らすと、原告春子の前額部の醜状痕は後遺障害等級9級16号に相当することが認められるから、後遺障害慰謝料は670万円を認めるのが相当である。

(10) 小計 2,317万8,556円
以上:3,395文字

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