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元夫支払慰謝料に不貞行為第三者慰謝料補填を認め請求棄却した地裁判決紹介

○不貞行為第三者に対する慰謝料請求訴訟は、相当、増えていると思われますが、私の事務所でも、この訴訟或いは示談交渉事件が途切れたことは殆どありません。私が代理人となるのは専ら不貞行為第三者だけですが、不貞行為をした一方配偶者が、他方配偶者に対し結構な金額の慰謝料を支払って和解した場合でも、不貞行為をされた配偶者は、なお、不貞行為第三者の責任を追及して訴訟となる例も結構あり、現在、この種事件裁判例を集めています。

○原告が夫Aと昭和46年4月に婚姻し、2人の子供をもうけましたが、夫Aは、昭和57年4月頃から被告女性と男女関係となり、昭和59年3月から3年程関係は途絶えていたところ、昭和62年に至り、再度、関係が復活し、同年10月には夫Aが別居して原告に離婚訴訟を提起し、平成2年6月に夫Aが妻の原告に対し、慰謝料500万円、財産分与400万円を支払い、協議離婚が成立しました。

○しかし、原告は、不貞行為第三者である被告に対し、なお300万円の支払を求める訴えを提起しました。これに対し、平成3年9月25日横浜地裁判決(判時1414号95頁)は、被告に300万円の慰謝料支払義務を認めながら、夫Aから原告への慰謝料500万円の支払によって被告の支払義務も填補されて消滅したとして、原告の請求を棄却しました。妥当な結論です。

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主   文
一 原告の請求を棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。

第一 請求
 被告は原告に対し、金300万円及びこれに対する平成元年5月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
 本件は、夫の不貞の相手方に対し、同不貞行為が妻としての権利を侵害し、夫との婚姻関係を破壊した不法行為であるとして、慰謝料を請求した事案である。

一 (争いのない事実)
1 原告と訴外Aは婚姻した夫婦であった。

2 訴外Aは、CC大学国際学科の非常勤講師をしているものであるが、その傍ら、昭和57、8年当時には訴外DF株式会社(訴外会社)で商業英語全般の指導等にも従事していた。そして、同会社の従業員であった被告と知り合い、情交関係を結ぶにいたった。

3 その後原告と訴外Aは、平成2年6月11日、裁判上の和解(本件和解)によって協議離婚し、同日、右和解にしたがって同人から原告に対し、慰謝料金500万円及び財産分与として金400万円の合計金900万円が支払われた。

二 (争点)
 被告は、本件情交関係を結んだ当時には訴外Aに原告ら妻子があることを知らなかった旨主張し、不法行為の成立を争うほか、仮に、不法行為の責任を負うとしても原告は、既に本件不貞の主たる責任者である右訴外人から金500万円の慰謝料の支払いを受けているのであるから、その損害は填補され、被告の賠償責任は消滅していると主張する。

第三 争点に対する判断
一 不貞行為について

1 当事者間に争いのない事実に(証拠省略)を総合すれば、次の事実が認められる。
(一) 原告と訴外Aは、昭和46年4月22日婚姻し、両者間に昭和46年9月26日長男一郎が、昭和50年12月8日長女春子がそれぞれ出生した。

(二) 被告と訴外Aは、昭和57年夏、訴外会社のパーティーの席で知り合い、翌58年から同人が被告に英語の指導をするなど交際するとともに、同年4月ころからは情交関係を結ぶようになった。

(三) 被告は、右関係の当初、訴外Aに妻子があることを知らず、昭和58年5月ころこれを知るようになったが、なお暫く右情交関係を継続していた。

(四) 被告と訴外Aとの不貞関係は、間もなく原告の知るところとなり、被告は、原告から同人と別れるよう申入れられるなどし、また、自らも一旦は右の関係を解消しようと考えて昭和58年8月、EA市内に転居し、更に翌59年3月からは、Ap市内に居住するようになった。そして、被告の右転居後の約3年間は訴外Aとの間で面会等直接の交渉はなく、時折手紙や電話での交信がなされる状態であった。

(五) 昭和61年6月、被告は、訴外Aと今後の関係について話し合おうと母親を伴って上京し、これを出迎えた右Aと東京駅で再会したところ、その場を原告依頼の興信所の調査員に現認されて写真をとられ、訴外Aが同調査員と争うとの一件がおきた。このことにより原告は、未だ被告と訴外Aの不貞関係が続いているものと考え、被告の父親に宛てて被告の責任を追求する旨の内容証明郵便を送りつけたり、深夜を問わず被告やその両親のもとに架電し、激しい抗議を繰り返すようになった。

(六) 一方、訴外Aは、右の一件以来原告に対する態度を硬化させ、自らAp市内に被告を尋ねて情交関係を結ぶなどし、更に、昭和61年8月には原告に無断で東京都Bp市内にアパートの居室を賃借し、ここでしばしば寝泊まりするようになり、翌62年10月からは原告と完全に別居するようになった。そして、これと前後して、原告に対し、昭和62年夏には米国のグアムで離婚の裁判を提起し、またその後、日本国内でも離婚の調停及び訴訟(別件離婚訴訟)をそれぞれ申し立てるなど、被告との結婚を希望することを理由に離婚を強く求めるようになった。

(七) この間被告は、昭和63年8月ころから訴外Aの前記Bp市内の居室にほど近い現肩書住所地にアパートの居室を賃借し、しばしばここに滞在して右Aと会い、情交関係を伴う交際を続けていた。

(八) 原告は、別件離婚訴訟において、訴外Aの離婚の意思が強固であり、当該争訟が長期化することの不利益を考慮して遂に平成2年6月11日、離婚に応ずることとし、長男及び長女の親権者を原告と定めたうえ、訴外Aが原告に対し慰謝料として金500万円、財産分与として金400万円を支払うこと等を約した本件和解をし、これに基づき同月14日同人と協議離婚をするにいたった。

2 右の認定事実によれば、被告は、訴外Aに妻たる原告のあることを知った後もなお情交関係を結び、その後約3年間右関係を中断したものの,再びこれを結んで継続したこと、そして、この被告と右Aとの不貞関係が主たる原因となって原告と同人間の婚姻関係が破綻したものであることが認められる。したがって、被告は訴外Aの原告に対する貞操義務違反に加担し、原告の妻たる地位を侵害したものであるから、原告が受けた精神的苦痛を慰謝すべき責任があるというべきである。

 そして、原告が被告の不貞行為によって精神的苦痛を受けたであろうことは容易に推認されるところ、前記認定の事実及び本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると、原告の右苦痛を慰謝するには金300万円が相当である。

二 損害の填補について
 原告と訴外A間で本件和解が成立し、これにより同人から原告に対し、離婚慰謝料として金500万円が支払われたことは当事者間に争いがない。

 前記認定のとおり、原告と右Aとの離婚の主たる原因は被告と同人の不貞行為にあるというべきであるから、右金500万円の慰謝料には本件不貞行為による原告の精神的苦痛を慰謝する趣旨も当然含まれているものといわざるをえない。そして本件の不貞行為は被告と訴外Aの原告に対する共同不法行為を構成し、それぞれの損害賠償債務はいわゆる不真正連帯債務の関係になるものと解されるところ、本件では右のとおり共同不法行為者の一人である訴外Aから原告に対し、既に前記認定の相当額を上回る慰謝料の支払いがなされているのであるから原告の本件精神的損害は全額填補されている関係にあり、被告の原告に対する本件損害賠償債務も右訴外人の履行行為により消滅したものといわざるをえない。
よって、原告の請求は理由がない。
(裁判官 加々美光子)
以上:3,179文字

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