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文化功労者年金法に基づく年金の強制執行ができるとした最高裁決定紹介

○「文化功労者年金法に基づく年金の仮差押決定を認可した地裁決定紹介」の続きで、令和5年3月30日京都地裁決定が、文化功労者年金法に基づく年金の仮差押決定を認可しましたが、原審令和5年11月24日大阪高裁が、文化功労者自身が現実に本件年金を受領しなければ本件年金の制度の目的は達せられないから、本件年金の支給を受ける権利は、その性質上、強制執行の対象にならないと解するのが相当で、上記権利に対しては強制執行をすることができないというべきであると判断し、上記権利の仮差押えを求める本件申立ては理由がないとして、これを却下しました。そこで、抗告人(京都大学)が許可抗告をしていました。

○これに対し、文化功労者年金法その他の法令において、本件年金の支給を受ける権利に対して強制執行をすることはできない旨を定めた規定は存せず、そして、文化功労者年金法の上記の各定めによれば、本件年金は、文化功労者の功績等を世間に知らせ、表彰することを目的として支給されるものと解され、そうすると、国が文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を文化功労者として決定することにより、その者に本件年金の支給を受ける権利が認められることで、表彰の目的は達せられるものといえ、その者が現実に本件年金を受領しなければ上記目的が達せられないとはいえず、したがって、本件年金の支給を受ける権利は、その性質上、強制執行の対象にならないと解することはできず、本件年金の支給を受ける権利に対しては強制執行をすることができるというべきであるとして、原決定を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻した令和6年10月23日最高裁決定(判タ1531号○頁)を紹介します。

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主   文
原決定を破棄する。
本件を大阪高等裁判所に差し戻す。

理   由
 抗告代理人○○○○の抗告理由について
1 本件は、抗告人が、文化功労者年金法所定の文化功労者である相手方を債務者として、相手方の第三債務者国に対する同法に基づく年金(以下「本件年金」という。)の支給を受ける権利について仮差押命令の申立て(以下「本件申立て」という。)等をした事案である。

2 原審は、文化功労者自身が現実に本件年金を受領しなければ本件年金の制度の目的は達せられないから、本件年金の支給を受ける権利は、その性質上、強制執行の対象にならないと解するのが相当であり、上記権利に対しては強制執行をすることができないというべきであると判断し、上記権利の仮差押えを求める本件申立ては理由がないとして、これを却下した。

3 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 文化功労者年金法は、1条において、同法は文化の向上発達に関し特に功績顕著な者(文化功労者)に本件年金を支給し、これを顕彰することを目的とする旨を、3条1項において、文化功労者には、終身、本件年金を支給する旨を、同条2項において、本件年金の額は、文化の向上発達に関する功績に照らし、社会的経済的諸事情を勘案して、文化功労者を顕彰するのにふさわしいものとなるようにしなければならない旨をそれぞれ定めているところ、同法その他の法令において、本件年金の支給を受ける権利に対して強制執行をすることはできない旨を定めた規定は存しない。

そして、文化功労者年金法の上記の各定めによれば、本件年金は、文化功労者の功績等を世間に知らせ、表彰することを目的として支給されるものと解される。そうすると、国が文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を文化功労者として決定することにより、その者に本件年金の支給を受ける権利が認められることで、上記の表彰の目的は達せられるものといえ、その者が現実に本件年金を受領しなければ上記目的が達せられないとはいえない。したがって、本件年金の支給を受ける権利は、その性質上、強制執行の対象にならないと解することはできない。
 以上によれば、本件年金の支給を受ける権利に対しては強制執行をすることができるというべきである。

4 以上と異なる見解の下に、本件申立てを却下した原審の判断には,裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原決定は破棄を免れない。そして、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 
(裁判長裁判官 林道晴 裁判官 宇賀克也 裁判官 渡辺惠理子 裁判官 石兼公博)
以上:1,871文字

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