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1年2ヶ月前の同種事故既往症による素因減額を否認した地裁判決紹介

○平成28年2月17日の交通事故で後遺障害等級第14級を認定された事案で、被害者は、平成26年12月17日にも同様の交通事故(追突)に遭い、外傷性頸部症候群及び腰椎捻挫の傷害を負い、通院し、腰椎捻挫につき、平成27年12月28日症状固定の診断を受けていたことから、加害者側は、従前事故による傷害との因果関係が不明として後遺障害を否認し、さらに従前事故の既往症による素因減額を主張しました。

○これに対し、確かに,本件事故発生日においても,平成26年12月の事故により生じた腰部症状が残存している点は否定することはできないとしながら、本件においては、原告の症状固定日を本件事故から約6か月半後の平成28年8月末日としており、従前の症状が原因で、治療期間が長期化したり、症状が重くなったと認めることはできないので、損害の公平な分担から素因減額をすることが相当でないとした令和2年1月28日大阪地裁判決(自保ジャーナル2068号143頁)の関連部分を紹介します。

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主   文
1 被告は,原告に対し,104万2579円及びこれに対する平成28年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを20分し,その11を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告に対し,232万9030円及びこれに対する平成28年2月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等
1 事案の概要

 本件は,原告が,後記2(1)記載の交通事故により負傷したとして,被告に対し,民法709条,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条に基づき,損害賠償金及びこれに対する事故日である平成28年2月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

2 前提事実(当事者間に争いがないか後掲証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)
(1) 交通事故の発生
 次のアからオまでの内容の交通事故(以下「本件事故」という。)が発生した。(争いのない事実,甲1)
   ア 年月日時 平成28年2月17日午後4時15分頃
   イ 場所 大阪府枚方市〈以下省略〉先路上(以下「本件事故現場」という。)
   ウ 被告車 被告が運転する普通乗用自動車(大阪○○○み○○○○)
   エ 事故態様 道路外の駐車場から車道へ進出しようとしていた被告車と歩道を歩行していた原告の衝突あるいは接触事故(具体的な事故状況については争いがある。)

(2) 本件事故現場の概況(甲2)


         (中略)


第3 当裁判所の判断
1 争点1(本件事故の態様,責任原因,過失相殺)について

         (中略)


2 争点2(本件事故によって原告に生じた傷害及び症状固定日)について
(1)
ア 原告は,本件事故により,腰椎打撲傷,右大腿打撲傷,胸椎打撲傷及び右手関節捻挫の傷害を負った旨主張し,被告は,右手打撲の傷害のみ認め,その余の傷害の発生を否認する。

イ まず,腰椎打撲傷について,被告は既往症として腰痛が生じていたのであり,本件事故により増悪したか不明であるといわざるを得ないので,本件事故による腰部の受傷を否認する。
 この点,証拠によると,①原告は,平成26年12月17日,交通事故(追突)に遭って,外傷性頸部症候群及び腰椎捻挫の傷害を負い,市立ひらかた病院に通院し,腰椎捻挫につき,平成27年12月28日,症状固定の診断を受けたこと(乙5[8,12,14ないし21,53ないし56,67ないし74頁]),②原告は,平成26年12月20日から,頸椎捻挫,背部挫傷及び腰椎捻挫の傷病名で,なつめ鍼灸整骨院への通院を開始し,背部挫傷については平成27年1月30日に,頸椎捻挫については同年4月30日にそれぞれ治癒し,腰椎捻挫については本件事故日に平成28年2月17日への通院をもって中止とされたこと(乙5[22ないし51頁]),③原告は,本件事故当日の平成28年2月17日,福田総合病院において,元々の腰痛が増悪したなどと訴え,腰部打撲及び右手打撲の診断を受けたこと(甲4,6,乙2)が認められる。

 上記②のとおり,原告は,本件事故当日まで,なつめ鍼灸整骨院へ通院しているが,原告が背負っていたリュックサックに入れていた水筒が凹んだことからうかがわれるとおり,本件事故の態様は原告の腰部に外力が加わるものであったこと,原告が,本件事故当日,福田総合病院で元々の腰痛が増悪した旨訴えていること,市立ひらかた病院の医師は,腰椎捻挫につき,本件事故の約1か月半前の平成27年12月28日に,症状固定の診断をしていること等の事情に照らせば,本件事故と腰椎捻挫との因果関係が認められる。

ウ 次に,右大腿打撲傷について検討するに,本件事故の態様に照らすと,右大腿を損傷しても不自然ではないこと,原告は,本件事故の翌日である平成28年2月18日には右大腿打撲傷を訴えていることに照らすと,本件事故と右大腿打撲傷との因果関係が認められる。

エ そして,胸椎打撲傷については,本件事故により発生した機序が明確ではない上,原告がそれに関連する痛みを訴えたことや,その治療がされた形跡もうかがわれないことに照らせば,本件事故と胸椎打撲傷との因果関係は認められない。

オ そして,右手については,原告は,福田総合病院では右手打撲と診断されているものの(甲4,乙2),みやのさか整形外科の診療録において,「右リスト背側に腫脹あり。」と記載され(乙3[6頁]),右手関節捻挫の診断を受けていることから,右手関節捻挫であると認められる。

(2) 上記(1)のとおり,本件事故により,原告には,腰椎打撲傷,右大腿打撲傷及び右手関節捻挫の傷害を負ったことが認められる。
 次に,症状固定日について検討するに,原告は,みやのさか整形外科への最終通院日である平成29年4月20日が症状固定日である旨主張する。
 しかし,原告の傷害は打撲や捻挫にとどまっていること,本件事故は,車両との衝突事故であるが,被告車が本件駐車場から本件道路に進出しようとする際のものであり,被告車が低速であったと考えられること,原告は,平成28年8月1日には,変わりがない旨述べ,同年9月13日には突然左肩甲部の痛みを訴える(乙3[12ないし14頁])など主訴が一貫しない部分が出ていること等の事情に照らせば,原告の症状は遅くとも平成28年8月末日には固定したものと認めるのが相当である。

3 争点3(原告の後遺障害の有無及び等級)について
 前記前提事実のとおり,損害保険料率算出機構は,原告の腰椎打撲傷後の腰痛,臀部痛等の症状について,後遺障害等級14級9号に該当する旨認定している。
 被告は,これに対し,腰部症状については,既往症として腰痛が生じていたのであり,本件事故により症状が増悪したか不明であることを前提に後遺障害の残存を否定する。しかし,既述のとおり,原告については,本件事故により,腰椎打撲が認められるところであり,被告の主張は前提を欠き,採用することができない。

 損害保険料率算出機構による上記認定に加え,原告は,本件事故当日から,福田総合病院で腰痛を訴え,症状固定日までその訴えは一貫していることに照らすと,原告には,腰椎打撲傷後の腰痛,臀部痛等につき,後遺障害等級14級9号の後遺障害が残存したものと認められる。

4 争点4(素因減額の有無)について
 被告は,原告には,本件事故発生日においても,平成26年12月の事故により生じた腰部症状が残存しており,少なくとも20%から30%の素因減額が行われるべきである旨主張する。
 確かに,本件事故発生日においても,平成26年12月の事故により生じた腰部症状が残存している点は否定することはできない。しかし,本件においては,原告の症状固定日を本件事故から約6か月半後の平成28年8月末日としており,従前の症状が原因で,治療期間が長期化したり,症状が重くなったと認めることはできないので,損害の公平な分担から素因減額をすることが相当であるとはいえず,被告の主張は採用することができない。

5 争点5(本件事故と相当因果関係のある原告の損害)について
(1) 治療費 小計4万5660円
ア 福田総合病院 1万1800円
 前記前提事実のとおり,原告は,平成28年2月17日に福田総合病院に通院し,証拠(甲6)によると,その治療費に1万1800円を要したことが認められるところ,これは本件事故と相当因果関係を有する損害である。

イ みやのさか整形外科 3万3860円
 前記前提事実のとおり,原告は,平成28年2月18日から平成29年4月20日までみやのさか整形外科に通院し,証拠(甲9の2ないし7,甲10の1ないし10)によると,症状固定日である平成28年8月末日までの治療費に3万3860円を要したことが認められるところ,これは本件事故と相当因果関係を有する損害である。

ウ 薬代 0円
 証拠(甲11の1及び2)によると,原告は,平成28年12月29日及び平成29年1月7日に薬の調剤を受け,その費用として合計1330円を要しているが,これは症状固定日後の調剤であり,本件事故と相当因果関係を有するものではない。

(2) 休業損害 23万7150円
ア 本件事故により原告に生じた傷害の内容に照らすと,休業の必要性がないとはいえない。

イ 基礎収入は,原告主張の7650円とするのが相当である。
 また,証拠(甲12の1ないし3)によると,原告は,タクシー乗務員であり,症状固定日である平成28年8月末日まで,31日休業したことが認められる。

ウ よって,休業損害は,以下の計算式のとおり23万7150円となる。
 7650円×31日=23万7150円

(3) 通院慰謝料 82万0000円
 本件事故により原告に生じた傷害の内容,程度,通院状況に照らし,通院慰謝料として82万円を認めるのが相当である。

(4) 後遺障害慰謝料 110万0000円
 既述のとおり,原告の後遺障害は後遺障害等級14級9号に該当するところ,後遺障害の内容,程度に照らし,後遺障害慰謝料として110万円を認めるのが相当である。

(5) 逸失利益 50万9919円
ア 証拠(甲14)によると,原告は,本件事故前年である平成27年には235万5614円の収入を得ており,これを基礎収入とするのが相当である。原告は,本件事故直近の3か月分の収入から年額の基礎収入を算定しているが,相当ではなく,採用することができない。
 また,既述のとおりの原告の後遺障害の内容や程度に照らせば,労働能力喪失率は5%が相当であり,労働能力喪失期間は5年(ライプニッツ係数4.3294)が相当である。
 よって,逸失利益は,以下の計算式のとおり50万9919円となる。
 235万5614円×0.05×4.3294=50万9919円

イ なお,被告は,原告に減収が生じていない旨主張する。しかし,証拠(甲15)によると,本件事故後の原告の収入は216万7202円であると認められ,これは従前の収入の約92%であり,喪失した労働能力の割合(5%)を超える減収率である。
 そうすると,本件事故により,原告には減収が生じているといえ,被告の主張は採用することができない。
 また,仮に,原告がタクシー乗務員ということで,収入が乗客の多寡や運行距離等の不確定な事情に左右されやすいことから,約8%の減収は,その不確定要素の範囲内であるとして,本件事故による減収はないと評価したとしても,証拠(甲19,原告本人)によると,原告は,本件事故後はタクシー利用者が集中する一方で交通規制が厳しい場所に集中して並ぶなどして,短時間で収入を得る努力をして,減収を抑えていたと認められので,逸失利益を認めるのが相当である。

(6) 文書料 740円
 証拠(甲8)及び弁論の全趣旨によると,原告は,交通事故証明書代として540円,印鑑証明書代として200円を要したことが認められ,これは本件事故と相当因果関係を有する損害である。

(7) (1)ないし(6)の合計 271万3469円

(8) 既払金(自賠責保険) 176万4890円
 証拠(甲8)によると,自賠責保険金として176万4890円が支払われたことが認められる。

(9) 既払金控除後の金額 94万8579円
 271万3469円-176万4890円=94万8579円

(10) 弁護士費用 9万4000円
 本件事案の難易,本件訴訟経過,認容額等を考慮して,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用としては9万4000円を認める。

(11) 総計 104万2579円

第4 結論
 よって,主文のとおり判決する。
 大阪地方裁判所第15民事部 (裁判官 古賀英武)
 
 
 〈以下省略〉
以上:5,356文字

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