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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
     

R 7- 1-21(火):位置指定道路通行の日常生活上不可欠の利益を否定した最高裁判決紹介
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○「位置指定道路自動車通行禁止を求めた請求を棄却した高裁判決概要紹介」の続きで、平成9年12月18日最高裁判決(判時1625号41頁、判タ959号153頁)での「建築基準法42条2項の規定による指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有する。」との基準適用の具体例を示した平成12年1月27日最高裁判決(判時1703号131頁、判タ1025号118頁)を紹介します。

○建築基準法42条2項の規定による指定を受け現実に開設されている道路にその敷地所有者が自動車の通行の妨げとなる金属製ポールを設置した場合において、右道路が専ら徒歩又は二輪車による通行に供されてきた未舗装のものであり、右道路に接する土地の所有者は、同土地を利用しておらず、賃貸駐車場として利用する目的で右ポールの撤去を求めているにすぎないなど判示の事実関係の下においては、同土地の所有者は、右道路を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえず、敷地所有者に対して人格権的権利に基づき右ポールの撤去を求めることはできないとしました。

○平成9年12月18日最高裁判決の示す位置指定道路を通行することについて「日常生活上不可欠の利益を有する者」の該当性判断で、本判決は、本件私道の形状や過去の通行態様、上告人Xらによる利用の状況や目的等を勘案して、自動車による通行についての日常生活上不可欠の利益の存在を否定したものです。

********************************************

主   文
原判決を破棄する。
被上告人らの控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○、同○○○○、同○○○○の上告理由第二点について
一 原審の適法に確定した事実関係は、次のとおりである。
1 被上告人らは、東京都中野区本町四丁目29番の6及び13の各土地(以下「被上告人ら共有地」という。)を共有し、上告人らは、同番の2、3、14及び15の各土地(以下「上告人ら共有地」という。)を共有している。上告人ら共有地のうち29番の2及び3の各土地には、北端と南端でそれぞれ公道に接する未舗装の私道(一審判決別紙図面一の斜線部分。以下「本件私道」という。)が設置されており、被上告人ら共有地は、本件私道以外の道路に接していない。

2 本件私道は、戦前に開設されたものであって、その幅員は、場所によって一定しないものの約2メートルから3メートルであり、建築基準法施行後、同法42条2項に規定する指定により同条1項の道路とみなされている。被上告人らの母であるAは、上告人Xの父から賃借していた被上告人ら共有地上に建物を建てて居住し、主に徒歩で本件私道を通行していた。

3 Aは、昭和28年11月、上告人Xの父が昭和22年に国に物納した29番の6の土地を大蔵省からの払下げにより取得し、昭和39年2月には、同番13の土地を上告人らから買受け、上告人らとの間で、右各土地を要役地、本件私道を承役地として、徒歩及び二輪車による通行を目的とする通行地役権(以下「本件通行地役権」という。)を黙示的に設定した。

4 上告人らは、昭和59年5月、上告人ら共有地のうち29番の14及び15の各土地上にマンションを建築した。その際、右各土地と本件私道との境の塀が撤去され、道路中心線から右各土地寄りに約2メートル後退した位置にフェンスが設置されたため、同所付近における本件私道の幅員は、従前の約2・7メートルから約3・4メートルに拡幅された。

5 被上告人らは、昭和61年10月31日に死亡したAを相続し、昭和63年10月頃、空き家となっていた被上告人ら共有地上の右建物を取り壊し、右土地を更地にした。

6 被上告人ら共有地は、平成2年3月から約1年間、近隣のビル建築のため、工事関係車両の駐車場、仮事務所設置用地として利用されたが、その際、上告人らは、右建築工事の請負業者が前記マンションの建築工事を担当した業者であったことから、右請負業者の要請を受けて、右建築工事中、工事関係車両が本件私道を通行することを承諾した。右期間以外には本件私道を自動車が通行したことはなかった。

7 上告人らは、平成3年8月頃、前記フェンスを撤去し、新たに道路中心線から3メートル以上離れた一審判決別紙図面二のP2、P3、P4の各点を結んだ位置にフェンスを設置し直した上、道路中心線から一メートル弱の同図面の1から10の各位置に鎖でつながれた金属製ポール10本(以下「本件ポール」という。)を設置した。

8 被上告人らは、その共有地を賃貸駐車場として利用する目的を有している。

二 本件において、被上告人らは、自動車の通行を妨げられているとして、上告人らに対し、通行地役権又は通行の自由権(人格権)に基づき、本件ポールの撤去を求めている。

 原審は、通行の自由権(人格権)に基づく請求について、概要次のように判示して、これを認容した。
 一般人は、建築基準法42条2項の規定による指定を受けた私道について、その反射的利益として自由に通行する権利を有し、右通行が妨害された場合には、通行妨害の態様、指定された道路の使用状況等によっては通行の自由権(人格権)に基づき、通行妨害の停止や予防を請求することができる。

本件ポールの設置は、建築基準法44条1項に直接違反するものではないが、現状での通行可能な範囲を著しく制限する行為は、同法の趣旨に反するものと解すべきである。本件私道の自動車による通行は、従来、一般公衆に保障されていたものではないし、被上告人ら共有地の利用状況や賃貸駐車場としての利用目的からみて、日常生活に必須の要請であるとは認め難い面があるが、通行の自由が確保される必要があるのは、本件私道に接する土地の居住者が利用する場合に限定されるものではなく、本件ポールの設置により緊急自動車の進入が制限される事態の発生も予想されるから、被上告人らは、通行の自由権(人格権)に基づき、公共の福祉に反して違法に設置された本件ポールの撤去を求めることができる。

三 しかしながら、原審の右判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 建築基準法42条1項五号の規定による位置の指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである(最高裁平成8年(オ)第1361号同9年12月18日第一小法廷判決・民集51巻10号4241頁)。そして、このことは、同条2項の規定による指定を受け現実に開設されている道路の場合であっても、何ら異なるものではないと解するのが相当である。

 これを本件についてみるに、前記事実関係によれば、本件私道は、専ら徒歩又は二輪車による通行に供されてきた未舗装の道路であり、上告人らの承諾を受けた請負業者が建築工事のため1年間本件私道を自動車で通行したことがあるほかには、自動車が通行したことはなく、被上告人らは、Aが死亡した昭和61年10月以降、その共有地を利用していないのみならず、右共有地を居住用としてではなく、単に賃貸駐車場として利用する目的で本件ポールの撤去を求めているにすぎないというのであるから、被上告人らが本件私道を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえない。

 そうすると,被上告人らの人格権的権利が侵害されたことを前提として本件ポールの撤去請求を認容した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があり、右違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は理由があり、その余の上告理由について判断するまでもなく、原判決は破棄を免れない。そして、原審の認定した事実によれば、本件通行地役権は自動車の通行を目的とするものではないのであるから、右権利に基づく請求も理由がないというべきである。以上に述べたところからすれば、被上告人らの右各請求を棄却した第一審判決は正当であるから、被上告人らの控訴を棄却すべきである。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 井嶋一友 裁判官 小野幹雄 裁判官 遠藤光男 裁判官 藤井正雄 裁判官 大出峻郎)

以上:3,679文字
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R 7- 1-20(月):位置指定道路自動車通行禁止を求めた請求を棄却した高裁判決概要紹介
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○判例時報2025年1月11号に位置指定道路の敷地所有者が隣接地で運送業を営む会社に対して当該位置指定道路の自動車での通行禁止を求めた請求が棄却された事例として令和4年12月13日東京高裁判決が掲載されていました。私が持っている判例データベースには、まだ未掲載の判例です。時折、質問・相談を受ける私有地である位置指定道路を第三者が通行している場合の通行の可否について参考になります。

○以下、結論が異なった原審令和4年4月22日東京地裁立川支部判決要旨も含めて私が整理した概要を紹介します。次回判例勉強会での私のレポートです。参考判例平成9年12月18日最高裁判決(判時1625号41頁、判タ959号153頁)は、スッカリ忘れていましたが「位置指定道路の通行妨害と妨害排除請求権を認めた最高裁判決紹介」で紹介していました。

・要旨
位置指定道路の敷地所有者が隣接地で運送業を営む会社に対して当該位置指定道路の自動車での通行禁止を求めた請求が棄却された事例(上告棄却・上告受理申立不受理で確定)

・論点
私人所有位置指定道路の自動車による通行の自由認定基準

・参照条文
民1条Ⅲ・198・199、建基法42条Ⅰ

・事案
S40建基法42Ⅰ位置指定X所有道路(本県道路)をX土地所有者XがX土地内建物住人の通行に利用
h30YはY土地を取得し本県道路を通行することなく公道に出入り
r2.4YがX土地の境界付近Y土地に従業員用駐車場設置し、Y従業員が出退勤時に自動車で本県道路通行
r2.8XがYに対し本件道路通行禁止と不法行為慰謝料200万円請求し訴え提起
第一審r4.4.22東京地裁立川支部判決
Yは本件道路通行について日常生活不可欠の利益を有しない
Xの自動車通行禁止要求は権利濫用に非該当として
X請求を認容(不法行為慰謝料請求は認めず)

参考h9.12.18最高裁判決
建基法位置指定道路の通行につき日常生活上不可欠の利益を有する者は、特段の事情のない限り、敷地所有者に対して通行妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有する

Y控訴

・控訴審判示
控訴審判示

①Yによる本件道路自動車通行は、位置指定道路所有者Xとして受忍すべき程度にとどまり、所有権者の妨害排除請求権が発生する妨害行為とは言えない
②Xの本件道路管理に具体的な支障が生じていないのに、本件道路自動車通行禁止によりYの駐車場使用不能となる不利益を知りつつ、Yからの協議申し入れを一切拒否し、Yにのみ本件道路自動車通行禁止を求めることは権利濫用に該当
として、
Xの自動車通行禁止請求を棄却

Xの自動車通行禁止請求の当否は、当該地域の地理的状況、当該私道の従前の使用形態、通行制限の目的・態様、当該私道に接道する敷地所有者等の敷地利用状況・他の通行手段の有無等諸般の事情を考慮した上、その必要性・相当性を具体的に検討して決するのが相当

位置指定道路(私道)通行妨害関連判例
①h3.4.19最高裁判決
位置指定道路も現実に道路として開設されていない土地については土地所有者以外の者が自由に通行することはできない
②h5.11.26最高裁判決
通行妨害の程度が軽微であり日常生活の支障が生じていないことを理由に妨害排除請求は認められないとした
③h12.1.27最高裁判決
h9.12.18最高裁判決にいう日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえないとした

・備考
位置指定道路

特定行政庁(都道府県知事や市町村長等)から「土地のこの部分が道路である」という指定(道路位置指定)を受けた幅員4m以上の私道のこと。建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないという接道要件があり、それを満たすための道路として私道を指定する場合がある。

シティユーワ法律事務所
位置指定道路解説抜粋

https://www.city-yuwa.com/glossary/16235/
3 位置指定道路の通行の自由道路位置指定は、道路を建築基準法上の道路とするための行政処分ですが、その効力として、道路内に建築物を築造することや、当該私道の変更又は廃止をすることを制限されることになります(建築基準法44条・45条)。

したがって、第三者も、その私道を通行するのに障害がなくなりますが、これは、道路位置指定という行政処分によって受ける公法上の反射的利益であって、道路位置指定によって新たに私法上の通行権(通行地役権等)を発生させたからではないと考えられています。

4 位置指定道路の通行制限の可否
前述のとおり、道路位置指定の効力として、道路内に建築物を築造することや、当該私道の変更又は廃止をすることを制限されることになります(建築基準法44条・45条)。したがって、位置指定道路の所有者は、これらの規制に反しない範囲での管理権を有するにすぎないことになりますが、反面において、その範囲内では位置指定道路の通行を制限することができると考えられています。

以上:2,024文字
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R 7- 1-19(日):”不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!”紹介-呼吸力テスト
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○「”不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!”紹介-序文」の続きで、奥仲哲也医学博士著著「不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」第1章「きちんと吐けている?吸えている?あなたの呼吸力はどれくらい?」の備忘録です。

CHECK1:肺のお疲れ度チェック
普段の生活で息苦しさを感じるシーン-チェックが0であれば合格、一つでもあれば不安
□少し急ぎ足で歩いているとき
□急いで着替えをしているとき
□シャンプーをしているとき
□大きな声でしゃべっているとき
□怒ったり、泣いたりしているとき

□気づくと口で呼吸をしている
□スマホ・パソコン作業で前屈みの姿勢が長い
□ため息が多い

TEST1:肺年齢テスト
肺年齢は肺活量より1秒間にどれだけ息を吐き出せるかが重要-テスト方法は「スパイロメーテー」

CHECK2:「呼吸過多」危険度テスト
慢性的な呼吸過多が、姿勢の悪さ・慢性疲労、睡眠障害、肩こり、頭痛等を招く-チェックが0であれば合格、一つでもあれば不安
【症状】
□激しい運動をしていないのに呼吸が苦しいことがある
□静かにしていても自分の呼吸音が聞こえる
□1分間の呼吸数が25回を越えている
□あくびが多い
□気づくと口呼吸をしている
□ため息が多いと指摘される
【姿勢・体動】
□が少し開いていることが多い
□呼吸するとき肩が上下する
□呼吸するときにもお腹も胸も動かない
□呼吸するときにお腹よりも胸の動きが大きい

TEST2:酸素保持力テスト
【方法】
鼻から普通に息を吸い小さく吐いて鼻をしっかりつまみ、息をしたいと自然に感じるまでの時間:30秒以上で理想的

TEST3:最大空気量力テスト
【方法】
できるだけたくさんの息を吸って息を止め鼻をつまみ息を止めていられる時間:41秒以上で理想的

CHECK2:呼吸時の体動テスト
【方法】
仰向けに寝て、足裏を床につけヒザを立て、お腹の両側に手を当て、息を吸ったときお腹・胸がどう動くか観察:お腹がヨコに膨らめば合格

以上:827文字
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R 7- 1-18(土):”不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!”紹介-序文
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○「有田秀穂医師著”医者が教える正しい呼吸法”紹介-吐くことが重要2」の続きで、久しぶりに呼吸解説本の紹介です。「呼吸法は鼻で吸い口で吐くが正解と思っていましたが-大いなる間違いでした」記載のとおり、令和5年10月26日、ツルカメフィットネススタジオでの大久保直政先生のレッスンの際、呼吸の話しとなり、吐く時は口から最後まで吐ききることを意識して呼吸していますと話すと、大久保先生から、それは間違いと指摘されて以来、鼻で吐くことの重要性を解説している書籍を探し始め、呼吸解説本を手当たり次第に購入していました。

○現在、呼吸解説本だけで30冊程度集めましたが、その殆どは、息を吐くときは口でよい、口と鼻いずれでも良いとの解説で、口で吐くことを否定し、鼻で吐くべきと強調している書籍は3冊程度です。数ヶ月前に購入した呼吸器外科医山王病院副院長呼吸器センター長奥仲哲也医学博士著「不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」が積ん読で中身を読んでいなかったことに気付き、読み始めました。ザッとみると呼吸は字のごとく「呼=吐く」のが先で、しっかり吐くのが基本とされながら、「ガス抜き呼吸」法では口から吐き、「加圧呼吸」法では鼻から吐くと記述され、吐くのは鼻でなければならないとの立場ではないようです。

○この著作の序文「はじめに」だけで結構勉強になり、以下、その備忘録です。

・ある年の健康診断で呼吸機能低下が判明してショックを受け、以来、「呼吸」と「姿勢」に気を付けて実践
・その結果、還暦過ぎた現在も身長約180㎝、体重64㎏の若い頃と変わらない体型を維持
・余談ですが、最近になってなんと身長が少し伸びました
※身長は羨ましい限りです、私は僅か163㎝だった身長が更に2㎝縮んで161㎝に減っています

・多くの人は、呼吸や姿勢についてかなり誤解していることに気付く
次の一つでも該当すれば呼吸機能低下兆候
□坂道や信号を渡ろうと少し急いだだけで息が乱れる
□階段を上がるのがおっくうでエレベーター・エスカレーター利用が以前より増えた
□自分の呼吸音が聞こえる
□ストレスや不安を感じるシーンでドキドキするだけでなく息苦しくなる
□気付くと口呼吸になっている、口を開けて寝ている(らしい)
※幸い私はまだ全て該当しません

・肺という臓器はとてもがまん強く多少弱っても身体に影響が出にくい-症状がなくても弱っている可能性あり
・現代人の多くは「浅く速い呼吸」になっており、様々な不調の原因となる
本書では
・「呼吸力」チェック&テスト
・呼吸仕組み説明
・理想の呼吸法「横隔膜呼吸」の紹介
・みるみる効果が出る「呼吸筋トレ」紹介

2週間続けると
・疲れにくくなる
・持久力がつく
・心身の不調が解消
・お腹周りが引き締まる
ことてきめん
以上:1,156文字
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R 7- 1-17(金):2025年01月16日発行第381号”見知らぬ弁護士の手紙”
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○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和7年1月16日発行第381号「見知らぬ弁護士の手紙」をお届けします。

○有名な伝記小説作家シュテファン・ツヴァイクなんて名前は全く知らず、ウィキペディアで調べると「オーストリアのユダヤ系作家・評論家である。1930年代から40年代にかけて大変高名で、多くの伝記文学と短編、戯曲を著した。特に伝記文学の評価が高く、『マリー・アントワネット』や『メアリー・スチュアート』『ジョゼフ・フーシェ』などの著書がある。」と解説されています。教養のない私には、大山ニュースレターがホントに勉強になります(^^;)。

○弁護士としてお客様からその相手方に対する売掛金や売買代金・貸金等の催告書を送付することは日常茶飯事ですが、そのような権利行使催告ではなく、相手に義務のないことについて、何かのお願いをする文書の送付を依頼されることもあります。そのような場合は文書は「突然、誠に恐縮ですが、…」から始まって、弁護士の名乗りを上げますが、却って相手が怒り出さないよう神経を使って表現を考えなければなりません。多方面に博識な大山先生は「巧い表現」を大量に蓄積されているはずで、少しずつでも披露してもらいたいところです。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

見知らぬ弁護士の手紙

40過ぎのピアニストがツアーから戻ると、知らない女性から分厚い手紙が届いていた、というのが「見知らぬ女の手紙」の始まりです。舞台で女優が延々と、自分が送った手紙を読み上げるという劇です。手紙の内容は①15年前、13歳で初めて会ったときからあなたに思いを寄せていた②18のときにあなたと関係を持ったが捨てられた。③妊娠がわかり、子供を産んで育てて嬉しかった。④偶然またあなたと会い、関係を持った。しかし、あなたに娼婦扱いされて悲しかった⑤子供が死んだ。私も死ぬので、その前に手紙を送る、といった感じです。

もともとこの劇は、有名な伝記小説作家シュテファン・ツヴァイクの小説が原作なんですが、一人の男性に異常な執着を見せる女性の話です。劇の内容ではなく、役者の演技を見る芝居です。内容的には、私がまとめたことに尽きていますが、手紙の言葉はとても遠回しで感情過多です。手紙を読むだけなのに、2時間近くかかるという、凄い演劇です。篠原涼子の舞台に行きましたが、女性の執着・狂気を熱演してました。双眼鏡で見ていた妻によると、涙だけでなく鼻水まで出していたそうです。ただ、篠原涼子が読んでくれるのなら別ですが、現実の世界で、こんな長い手紙が来たら、まず読まないですよね。

1枚目を読んで、意味不明なことが書いてあるような手紙ですから、怪文書としか思えません。まして送り主が知らない人なら、なおさらです。そう考えると、このニュースレターなんかまさに「見知らぬ弁護士の手紙」ですから、読んで貰えるだけで有難いです。ただ、弁護士の仕事をしていると、面識のない人に手紙を出すことはよくあります。被告人から、親戚からお金を出してもらって欲しいから聞いてみてもらえないかと言われたことがあります。「これこれの理由で、お金を出すことを検討願います」と手紙を送りました。すると警察から電話がかかってきて、「振り込め詐欺だと相談があったんですが、そちらは本当に弁護士事務所でしょうか?」 まあ、見知らぬ弁護士からの手紙に警戒するのはやむを得ないのでしょう。

そこまで凄いのは1度しか経験してませんが、依頼者に代わって交渉相手にお手紙を書くときは相当気を使います。それでも、「なんだって弁護士から手紙が来るんだ。喧嘩売ってんのか!」みたいなお怒りを受けることもあります。刑事事件で加害者が被害者に対して、謝罪文・反省文を送ることはよくあります。その送った手紙の写しを、裁判のときに、「被告人の反省を示す証拠」として提出するわけです。そのためにも、被害者側に謝罪文を受け取ってもらいたい。でも、これってつまるところは、加害者側の勝手な都合なんですよね。それを考えると、「見知らぬ犯人からの手紙」を無理に押し付けるようなことははばかられます。

それなら、謝罪文など作らなくてよいかと言えば、そういうわけにもいかない。弁護士として被害者側と話していると、「謝罪文はあるんでしょうね。まずは見せてください」なんて言ってくる人がたまにいるのです。そういう人って、謝罪文の中身に対するチェックも厳しいのです。いきなり、「先生、この謝罪文、どう思いましたか?」なんて聞いてきます。なんか雰囲気的に、「私もチェックしてました」とは言えない。言葉を濁していると、「全く反省の気持ちが見えない」といいながら、まさに「重箱の隅をつつく」ようなことを指摘してきます。民事事件の場合、当事者が事件について説明する陳述書というのを裁判所に出します。本人に書いてもらったものは、かなり長くなるのが普通です。「見知らぬ女の手紙」の長い手紙と同じで、一見無駄に思える文章の中に、本人の思いが詰まっているんですが、そのまま裁判所に出すのはやはり問題です。できる限り本人の思いは残しながらも、かなりバッサリと短くしててしまうのですが、「私の言いたいことが全て無くなった!」なんて怒られたりもするのです。

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◇ 弁護士より一言

観客席で、私の隣は太ったおじさんでしたが、この人大きないびきをかいて、本当に気持ちよさそうに寝てたんです。そこで私が、軽くツンツンと突いて、起こしてあげました。その後私の方が眠りに引き込まれたときに、隣のおじさんがトントンと軽くたたいて、起こしてくれたのです。「見知らぬおじさん」同士、心が通じ合ったなと、嬉しかったのでした。あ、あほか。。。

以上:2,462文字
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R 7- 1-16(木):NHKテレビ小説”カムカムエヴリバディ”突然の主役交代に驚く2
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○「NHKテレビ小説”カムカムエヴリバディ”突然の主役交代に驚く」の続きです。令和6年11月18日からNHKテレビ小説「カムカムエヴリバディ」再放送が始まっています。午後0時30分から45分の15分間の放映です。ウィークデイは午前11時30分頃、いつもの店屋物の日替わり定食を食べ、正午前に事務所マンション玄関から徒歩1分のところに裏玄関がある自宅マンションに戻り、リビングルームのリクライニングシートに横たわり、NHK昼のニュースから徹子の部屋まで鑑賞しながら、その間20分程度うたた寝をするのが、私の日課になっています。

○自宅にはオスとメスの2匹猫がおり、その猫のトイレ掃除とエサ交換も昼休み日課の一つで、オス猫が令和6年10月29日に亡くなるまでは、オス猫が私のヒザの上に乗ってうたた寝を共にしていました。オス猫は生まれつき病弱で、8歳2ヵ月で亡くなりましたが、8年の生涯の後半4年間は、毎週土曜日午前どうぶつ病院通いでした。毎週腎臓病対策点滴と2週間に1回尿管結石でオシッコを出すため常時おちんちんに挿入しているカテーテル交換のためで痛みに耐えながら必死で生きてくれました。

○オス猫存命中は、全く近寄ってくれなかったメス猫は、オス猫が亡くなり、ひとりだけになってからは寂しさを感じるようになったのか、徐々にリクライニングシートで横になっている私に近寄るようになり、12月になると時々、横たわっている私のヒザに乗ってくれるようになりました。オス猫は生前盛んに人にすり寄りましたが、メス猫は、オス猫が亡くなる前は人にすり寄ることが全くありませんでした。しかし、最近、人にすり寄るようになり、且つ、ヒザの上に乗ってくれるようになると可愛さが募ります。ただ現時点では、ヒザの上に乗るのは5~10分程度で、一緒に2,30分共にうたた寝をするまでにはなりません。

○1月15日もメス猫と共にNHKTV小説再放送「カムカムエヴリバディ」を鑑賞すると、令和3年12月22日放送の回が、3年と23日ぶりに放映されました。「NHKテレビ小説”カムカムエヴリバディ”突然の主役交代に驚く」と記載した回の放送です。前回の放送もほぼ覚えていましたが、小学1年生入学式の日に雨の中、母安子を探しに岡山から大阪まで一緒に大阪で暮らした家に向かう子るいの姿に涙が出てきました。3年1ヵ月の経過でさらに涙もろくなったようです。

○母と暮らした大阪の家に着き、窓の外から中を見ると、愛しい母が、敵国アメリカ人と寄り添っている姿を呆然と眺め、雨の中、必死に走るるいの姿に胸を打たれました。母は自分を捨て、父を殺した敵国アメリカ人と寄り添っていると思い込み、子供ながら悔しさと絶望感でいっぱいになります。あとを追ってるいを探しにきた母と会ったときには、るいが母に冷たく「I hate you」と言い放つのももっともです。

○母26歳、子7歳の時のすれ違いのシーンで、絶望した母はアメリカに渡り、52年後に母78歳、子59歳になった時に、日本で再会するまですれ違いが継続しながら、最後は見事にすれ違いが回収され、「I hate you」が、「I love you」と変わります。100作以上ある、NHK朝のTV小説の中で、「カムカムエヴリバディ」の特に「安子編」が最高傑作と確信していますが、再放送も3分の1が経過しました。残りの3分の2を愛猫と共にうたた寝しながら、鑑賞するのが楽しみです。
以上:1,420文字
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R 7- 1-15(水):映画”ダンス・ウィズ・ウルブス”を観て-じっくり感動
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○令和7年1月12日(日)は、日中3時間かけて映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を最近購入した中古BDソフトで鑑賞しました。Amazonで4KUHDソフトを探すも見つからず、やむを得ず中古で2000数百円の価格で販売されていたものを購入して届いたばかりでした。アメリカ合衆国生成過程で、ネイティブアメリカンすなわちインディアンに対する差別について勉強になる映画と何かの本で知ったからの購入でした。

○映画コムでは「ケビン・コスナーが主演・製作を務めて初メガホンをとり、南北戦争時代のアメリカを舞台に、先住民と交流を深めていく軍人の数奇な運命を壮大なスケールで描いた西部劇。」と解説されています。1990(平成2)年製作なので令和7年からは35年前の映画ですが、BDソフトでも映像はまずまず綺麗でしたが、見渡す限りのアメリカの荒野等雄大な景色やバッファローの大群の疾走シーンなど4KUHDで再現して貰いたいところです。

○ケビン・コスナー演じる主人公ジョン・ダンバー中尉は、当時の最西部であるサウスダコタのセジウィック砦に赴任するも、砦は無人で廃墟となり、近くには人骨が埋められています。この廃墟となった砦を少しずつ修繕しながら毎日詳細な日記をつけて援軍到来を待ちますが、その過程でインディアンのスー族と交流を深めていきます。たった1人での生活の中で愛馬と、時折訪れるオオカミと戯れるシーンが印象に残りました。このオオカミとの交流、オオカミがダンバー中尉に迫る危険を知らせてくれ、最後まで中尉を守ろうとしていた姿が胸を打ちました。

○スー族のナンバー2でダンバー中尉と親しくなるきっかけを作った俳優は、見覚えのある顔でしたが、ダンバー中尉に反感を持っていたインディアンも最後は大切な仲間と認知していく過程も素直に受け止めることができ、じっくり感動を味わいながら鑑賞を終え、3時間の長丁場も大変心地よいものでした。

映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」日本版劇場予告


John Barry 映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」 THE JOHN DUNBAR THEME from Dances with Wolves


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R 7- 1-14(火):”田中角栄 わたくしの少年時代”紹介-三つの校訓
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○「”田中角栄 私の履歴書”紹介-恩師草間道之輔先生の言葉」に、角栄本集めを趣味にしている私の角栄本125冊目として、田中角栄氏本人著作「田中角栄 私の履歴書」を購入したことを記載していました。Amazonで中古本価格が50万円しかなかったところ、たまたま、1万8600円の中古本が見つかり、直ちに注文し、令和6年12月25日に届きました。

○その後、令和6年12月28日、田中角栄氏本人著作として「自伝わたくしの少年時代」をAmazonで見つけ、定価550円のところ、中古価格2000円前後で売りに出されているのを発見して、早速注文し、令和7年1月1日に届けられました。私の角栄本126冊目で、昭和48年9月20日第1刷発行定価550円です。ちょび髭を生やした田中角栄氏ご本人の似顔絵入り立派な外装箱に入った立派な書籍です。「苦闘の半生をえがく感動の自伝 総理田中角栄著」と記載された立派な帯もついていました。

○その帯の表には「病弱で、ひどいどもりだった少年が、母親の愛情と自らの人間的魅力により、きびしい運命をきりひらいていった現実の感動ドラマ。小学生中級・上級 中学生向」と記載され、二田小学校時代の鼓笛隊員として3人の教師と8名の小学生が並んだ写真も貼り付けてあり、帯の裏には第一章小さいころは弱かったから始まる目次が記載されています。昭和47年に総理になった翌年に田中角栄氏自身で記述し発行した書籍です。

「自伝わたくしの少年時代」29頁に「4 三つの教訓」として、田中角栄氏が入学した二田尋常高等小学校の教訓が記載されており、以下に紹介します。
1.「至誠の人、真の勇者」なにごとにも、まごころをつくす人こそ、ほんとうの勇者なのだと草間道之輔校長が1年生にもわかるように、やさしく話してくださった。
2.日本に童謡をひとめた巖谷小波(いわやさざなみ)先生が書かれた「自彊不息(じきょうやまず)」-つねに努力しておこたってはならない
3.粕谷竹堂(かすやちくどう)という人が書かれた「去華就実(かをさりじつにつく)」-なにごともかざらず、実直にせよ
○この3つの校訓は、二田尋常高等小学校講堂に額に入って掲載されていたとのことで、角栄氏は「わたくしという人間のすべては、この三つの校訓にしたしんだ8年間につくりあげられたものと思っている。」「わたくしは入学いらい、どんなこともしんけんにやろうと思った。どんなことにも、まごころをつくそうと自分にちかった。」と記載しています。努力の人田中角栄氏の本領がここに芽生えたようです。
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R 7- 1-13(月):ツルカメフラメンコアンサンブル令和7年1月11日練習状況
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恐れ入りますが、本ページは、会員限定です。

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R 7- 1-12(日):映画”激突!”を観て-流石”天才!”の一言
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○令和7年1月11日(土)は、ツルカメフラメンコアンサンブル令和7年初の練習会でしたが、練習終了後、最近購入したばかりの4KUHDソフトで1971(昭和46)年製作映画「激突!」を鑑賞しました。映画コムでは、「「地球最後の男オメガマン」などで知られるSF作家リチャード・マシスンの短編小説を当時25歳のスティーブン・スピルバーグがTV用に監督したサスペンス・アクション。」と解説されています。日本では1973(昭和48)年劇場映画として映画公開されています。

○令和7年からは50数年前の製作ですので、画像は粗いだろうと推測していましたが、流石に4KUHDにリニューアルされた画像は、まずまず綺麗なものでした。ソフトの特典映像として当初のTV用の映像も入っていますが、おそらくDVD映像で、4KUHD化された映像には格段に劣っています。「激突!」は天才スピルバーグの初作品と知っていましたが、鑑賞するのは全く初めてで、そのストーリー展開も殆ど予備知識無く鑑賞しましたが、その感想は、ただ一言、「流石!天才!」でした。

○私の25歳は、司法試験合格前年の受験勉強中ですが、その年齢でこの映画「激突!」を監督として製作したのには、ただただ驚きです。ストーリー冒頭は、ちと、かったるい感じがしていましたが、大型タンクローリーが登場して、嫌がらせが始まってからは、正に画面に釘付け状態でした。広大なアメリカ大陸の延々と続く道路を疾走する主人公演ずる普通自動車と大型タンクローリーの抜きつ抜かれつの交錯状況のスピード感を感じさせる画面構成の緊迫感は正に手に汗を握っての鑑賞でした。

○単なる「激突」ではなく、「激突!」と「!」を付けた意味も良く判ります。原題「DUEL」(決闘)を邦題で「激突!」としたのは、一瞬の激突ではなく、「!」の連続と意味で付けたと思われ、邦題の方が映画にマッチしています。ラストシーンにちと不自然な感もありましたが、最後の最後まで謎を残したままで終わったのは、敢えてそうしたと思われます。いずれにしても映画の楽しみを満喫させてくれる映画でした。

映画『激突!』(1971)予告編


激突! 最後のカーチェイス


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R 7- 1-11(土):キスに黙示の同意もないとして慰謝料5万円支払を命じた地裁判決紹介
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○原告男性及び被告P2女性は、いずれも被告会社の既婚従業員であり、原告が、被告P2から誘われて二人で食事をした後、承諾していないにもかかわらず被告P2からキスをされたことが不法行為に当たるなどと主張して、慰謝料350万円等の支払を求めました。被告会社にも職場環境配慮義務に違反するとして、慰謝料100万円の支払を請求しました。

○これについて、キス行為は、原告に対する不法行為を構成するとして、慰謝料5万円の支払を命じ、被告会社に対する請求は、キス行為が行われた際の会食は、被告会社の業務とは関係なく、被告P2が職場における立場の優位性を背景に誘ったものとは認め難く、被告会社が本件行為について使用者責任を負うとの原告の主張には理由がなく、また、職場環境配慮義務に違反したともみとめられないとして、原告の請求は棄却した令和6年9月13日大阪地裁判決(LEX/DB)の被告P2請求関連部分を紹介します。

○原告とP2は、「ヨメ」、「ダンナはん」などと呼び合う仲になっており、キス行為の3日前に、P2は原告にLINEで「ほんまにP4(原告の名前)って言うたらいかんけど好きや。」とメッセージを送ったのに対し、原告から「良い感じでわたしも好きですよ、P2さん。」などと返信を受け、更に原告から「いつでも離婚できる、東京に一緒に異動してもいい」とも伝えられ原告から好意をもたれていると確信してのキス行為でした。

○「被告P2は、居酒屋を出てから原告の手をつなぎ、駅までの道を歩き、駅の近くに来たところで立ち止まり、原告の唇に1回、短時間のキスをした(本件行為)。原告は、この時、被告P2の手を振り払ったり、キスされることに抵抗したりする素振りは見せなかった。」と認定されています。

○それでも判決は、原告の同意なく性的な行動であるキスをしたというものであるから、本件行為が職場におけるセクハラに該当するか否かにかかわらず、原告に対する不法行為を構成するというべきであるとして5万円の慰謝料を認めています。女性に性的行動をするときは、シッカリ同意を取り、至難の業ですが、その証拠を残しておく必要があります(^^;)。

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主   文
1 被告P2は、原告に対し、5万円及びこれに対する令和5年1月15日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 被告らは、原告に対し、連帯して、350万円及びこれに対する被告P2については令和5年1月15日から、被告会社については同月17日から各支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 被告会社は、原告に対し、100万円及びこれに対する令和5年1月17日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
 なお、原告は、第1項及び第2項につき仮執行宣言の申立てをし、被告会社は仮執行免脱宣言の申立てをした。

第2 事案の概要
1 原告及び被告P2は、いずれも被告会社の従業員である。
(1)被告P2に対する請求
 原告が、被告P2から誘われて二人で食事をした後、承諾していないにもかかわらずキスをされたこと(以下、被告P2が原告にキスした行為を「本件行為」という。)が不法行為に当たるなどと主張して、不法行為に基づき、慰謝料350万円の支払を請求した(附帯請求は、不法行為日の後であり、訴状送達日の翌日からの民法所定の年3%の割合による遅延損害金の請求)。


     (中略)

2 前提事実(証拠等によって認定した事実は括弧内に証拠等を掲記する。その余の事実は争いがない。)
(1)当事者
ア 被告会社
 エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ株式会社は、教育研修の企画・実施及び教育システムの企画・開発・販売・運営等を目的とする株式会社であったところ、令和5年7月1日、株式会社NTT ExCパートナーに吸収合併された(以下では、合併前後を問わず、「被告会社」という。)。

イ 原告
 原告は、平成20年7月1日以降、被告会社で勤務する40代女性である(丙3、弁論の全趣旨)。なお、原告は、平成21年に結婚し、現在も婚姻中であるところ、社内においては、旧姓である「P4」を使用している(原告本人、弁論の全趣旨)。
 原告は、令和元年12月当時、営業本部西日本営業部主査(第一営業担当)であった(丙3)。

ウ 被告P2
 被告P2は、平成22年7月1日以降、被告会社で勤務する50代男性であり、既婚者である(丙2、弁論の全趣旨)。被告P2の自宅は京都市にあり、同自宅にはP2の家族が居住している(弁論の全趣旨)。
 被告P2は、令和元年12月当時、営業本部営業推進部営業推進部門主査(営業推進担当)、営業本部西日本営業部兼務(第一営業担当)であった(丙2)。

     (中略)

(2)本件行為
 被告P2は、令和元年12月26日、原告と二人で食事をした後、駅までの道のりを歩いている際、原告と手をつなぎ、駅の付近で原告にキスをした(原告による承諾があったか否かについては争いがある。)
     (中略)

4 主な争点に関する当事者の主張
(1)争点(1)について

(原告の主張)
ア 原告は、被告P2が原告と同じプロジェクトに関与しており、プロジェクトの核となる作業を行う人物であったこと、先輩であったこと等から、被告P2の機嫌を損ねないよう対応せざるを得ない状況にあった。かかる状況の下、原告は、令和元年12月26日、被告P2から、忘年会の趣旨で食事に誘われた。原告は、他の社員も一緒だと思って被告P2の誘いに応じたところ、店には被告P2しかおらず、二人で食事をすることになった。原告は、食事の後、被告P2と徒歩で駅まで行く途中、突然、被告P2に手をつながれ、その後一切承諾していないにもかかわらず、キス(本件行為)をされた。

イ 被告P2による本件行為は、原告による同意がないままなされたものであり、セクハラに該当し、不法行為を構成する。

(被告P2の主張)
ア 被告P2が原告との関係につき、被告会社内において優越的な立場にあったことはない。
 被告P2は、令和元年12月26日、原告と食事をした後、駅まで歩く道すがら、どちらからともなく手をつなぎ、駅に到着した際に、どちらからともなくキスをしたものであって、原告の意思に反して手をつないだりキスをしたりしたものではない。

イ 本件行為は、原告と被告P2のそれまでの職務内外のやり取りを前提に、両名の間で親しい関係に至った状態で、互いの明示又は黙示の同意の下でなされたものであって、不法行為を構成しない。
 本件行為前後の原告と被告P2との一定の好意を寄せ合うLINEのやり取りや、会食の経緯などに鑑みれば、本件行為は原告と被告P2の私的な会食後の出来事であり、職場におけるセクハラには該当しない。

     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 認定事実
(前提事実、括弧内の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実。証拠は特記しない限り枝番を含む。)


     (中略)

(4)令和元年12月26日(本件行為当日)の出来事
ア 原告と被告P2は、京橋で待ち合わせをし、京阪電車で移動し、京都市中書島駅の近くの居酒屋で、二人で食事をした。

イ 原告は、被告P2との食事中か居酒屋から駅までの帰り道であったかは定かではないものの、年始は空いている、いつでも離婚できる、東京に一緒に異動してもいいという趣旨の発言をした(乙3、原告本人・8~9、27頁、被告P2)。

ウ 被告P2は、居酒屋を出てから原告の手をつなぎ、駅までの道を歩き、駅の近くに来たところで立ち止まり、原告の唇に1回、短時間のキスをした(本件行為)。原告は、この時、被告P2の手を振り払ったり、キスされることに抵抗したりする素振りは見せなかった。その後、原告と被告P2は、別々の電車に乗って帰宅した。(乙3、原告本人、被告P2)

エ 被告P2は、原告と別れた後の午後11時24分、原告に対し、LINEで「今日もほんま楽しかった。好きな気持ち伝えられて良かった。気を付けて帰るように!」とのメッセージを送った。被告P2は、原告から返事がなかったことから、午後11時28分、原告に対しLINEで「おーい!返事ないけど大丈夫か~」とのメッセージを送った。これに対し、原告は、被告P2に対し、午後11時29分に「大丈夫ですよ。ちゃんと電車乗ってますし…何より最寄駅まで送ってくださったのがありがたいです。」と、午後11時32分に「大丈夫ですよ、今日、楽しかったから。ちゃんと帰ります。」とのメッセージを送った(LINEのやり取りの詳細は、別紙2の「295」~「323」のとおり。ただし、認定事実(1)イ参照。)。(以上につき、乙1)

     (中略)

2 争点(1)について
(1)本件行為について
ア 被告P2は、本件行為について、原告の同意があり、不法行為が成立しないと主張する。認定事実(4)ウによれば、被告P2は、本件行為をすることについて、原告の明示の同意を得ていない事は明らかであるから、黙示の同意があったか否かについて、以下検討する。

 認定事実(1)イ、(2)ウ、エ及び(3)アによれば、原告と被告P2は、令和元年12月11日に被告P2が、原告を「ヨメのP8」と呼び始めたのを契機として、「ヨメ」、「ダンナはん」などと呼び合うようになっていたほか、同月16日には、原告が、原告からの誘いを断った被告P2に対し、「あんまり距離置くと泣きますよ、ヨメ。」、「一緒にいましょ。P2さん、男前、大好きです。」などとメッセージを送り、同月23日には、被告P2からの「ほんまにP4って言うたらいかんけど好きや。」とのメッセージに対し、原告も、「良い感じでわたしも好きですよ、P2さん。」などと返信するなど、お互いに好意を持っているかのように読めるLINEのやり取りを行う関係にあったことは認められる。

 もっとも、原告と被告P2はいずれも既婚者であることからすると、仮に原告が被告P2に対して好意を持っていたとしても、直ちに被告P2と性的な行動に当たるキスをすることについてまで同意していることまでは推認できないというべきである。そして、証拠(甲9)によれば、原告は、本件行為を受けた直後の同月26日午後11時23分~午後11時42分にかけて、知人女性に対し、「センセイかの(原文のまま)突然の告白…死んでも良いかな。」、「サシ飲み行ったワタシが悪いんかな?」、「これは不味い。」、「忘れたいわ。お手軽なんやろな、ワタシ。」などと、本件行為を不快に思っていることをうかがわせる内容のLINEのメッセージを送信していることが認められる。加えて、原告は、本件行為の3日後になされた、二人で年始に会おうという趣旨の被告P2からの誘いを直ちに断っていること(認定事実(5)イ)、原告が、令和2年1月中旬には、原告及び被告P2の上司であるP5課長に対し、被告P2の言動に関する相談をしていること(認定事実(7)ア)等の事情を総合考慮すると、原告としては、被告P2からキスされることについて、黙示にも同意をしていたとは認められない。

 そして、本件行為は、原告の同意なく性的な行動であるキスをしたというものであるから、本件行為が職場におけるセクハラに該当するか否かにかかわらず、原告に対する不法行為を構成するというべきである。

     (中略)

5 争点(4)について
 上記2で検討したとおり、本件行為は原告に対する不法行為を構成するところ、原告及び被告P2がいずれも既婚者であること、被告P2が原告にキスをしたのは本件行為の1回限りであり、その態様としても、キスしていた時間は短時間であり、原告もその場では強い拒絶を示していないこと、被告P2が本件行為に及んだのは、原告に対し、LINEで「ほんまにP4って言うたらいかんけど好きや。」とメッセージを送ったのに対し、原告から「良い感じでわたしも好きですよ、P2さん。」などと返信を受けた3日後であり、原告からいつでも離婚できる、東京に一緒に異動してもいいという趣旨の発言を受けた後のことであって、被告P2としては、原告から好意を持たれていると誤信してのことであると思われること、本件行為に至るまでの経緯等、その他本件に現れた一切の事情を総合考慮し、原告の本件行為による慰謝料は5万円を相当と認める。
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R 7- 1-10(金):交通事故損害について生命保険金の損益相殺を否認した最高裁裁判決紹介
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○「火災による損害について火災保険金の損益相殺を否認した最高裁裁判決紹介」の続きで、この最高裁判決の元になった生命保険に関する昭和39年9月25日最高裁判決(判時385号51頁、判例タイムズ168号94頁)を紹介します。

○上告人に雇われトラックを運転していた訴外B運転の貨物自動車に亡Aが衝突され負傷し、これにより病院で死亡した事故について、亡Aの両親である被上告人らが、上告人に対し、損害賠償を求めて提訴しました。

○最高裁判決は、訴外Bの業務上過失を認定するも、亡Aにおいても、国道を横断するにあたり一旦停止して安全を確認すべき注意義務を怠った過失があると認定して過失相殺をして、上告人の損害賠償責任を認めて請求を一部認容した原判決を支持し、生命保険契約に基づいて給付される保険金30万円は、すでに払い込んだ保険料の対価の性質を有し、不法行為の原因と関係なく支払われるべきものであるから、不法行為により被保険者が死亡したために相続人たる被上告人らに保険金が給付されたとしても、これを損害賠償額から控除すべきではないとして上告を棄却しました。

○交通事故などにより被害者が死亡し相続人からする損害賠償の請求において、被害者を被保険者とする生命保険金がその相続人に支給されたとき、保険金は損益相殺などの法理により控除すべきとの考え方もあり、この最高裁判決の一審37年4月12日函館地裁判決では控除していました。通説は、控除すべきでは無いとしており、本判決もこれらの通説に従つた判断を下しました。現在は当然の結論とされていますが、損害保険についても基本の考え方は同じです。

○損害保険は生命保険と違って保険代位制度があり、保険者が保険金を支払った限度で加害者に対する損害賠償請求権を取得した結果、被害者はその限度で損害賠償請求権を失うことになります。その限度については、保険法第25条の規定で、被害者全損害のうち加害者に請求できない部分に保険金が充当され、それを越える部分にしか代位できません。

○例えば被害者Aが加害者Bの不法行為で1000万円の損害を受け、過失相殺の結果、加害者Bに800万円しか請求できず、200万円不足する場合、被害者Aが受け取る損害保険金は200万円を越える部分のみ、被害者Aの損害賠償請求権800万円に代位できます。したがって保険金が300万円の場合、代位できるのは200万円を越える100万円だけです。その結果、被害者Aは、加害者Bに請求できるのは、100万円を保険代位によって失い、700万円になります。保険金が200万円を越えない場合は、保険代位はありません。

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主   文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理   由
上告代理人○○○○の上告理由第一点について。
 不法行為における過失相殺については、裁判所は、具体的な事案につき公平の観念に基づき諸般の事情を考慮し、自由なる裁量によつて被害者の過失をしんしやくして損害額を定めればよく、所論のごとくしんしやくすべき過失の度合につき一々その理由を記載する必要がないと解するのが相当である。

 そして、原判決は、その認定した事実のもとにおいて、被害者Aに過失がある旨を判示したうえ、過失相殺により損害額を約3分の2に減じたのであつて、原判決には、所論のごとき違法のかどは見当らない。
 所論は独自の見解として排斥を免れない。

同第二点について。
 生命保険契約に基づいて給付される保険金は、すでに払い込んだ保険料の対価の性質を有し、もともと不法行為の原因と関係なく支払わるべきものであるから、たまたま本件事故のように不法行為により被保険者が死亡したためにその相続人たる被上告人両名に保険金の給付がされたとしても、これを不法行為による損害賠償額から控除すべきいわれはないと解するのが相当である。
 したがつて、損害額の算定に当つてこれを控除しなかつた原判決の判断は正当であつて、これと異なる所論は、独自の見解として排斥を免れない。
 よつて、民訴401条、95条,89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)

上告代理人○○○○の上告理由
第一点

 原審は本件に於ける事故発生は運転手とA(事故後死亡)との共同過失であると事実を確定しAの過失につき損害額を斟酌する当り著しい理由不備の違法が生じた。
一、原審の確定した運転手の過失上告人の雇傭者である貨物自動車運転手Bは昭和34年11月17日午前9時頃通称札幌国道を函館方面から桔梗駅方面に向つて小型四輪車(貨物自動車)を運転し時速35キロで五稜郭駅附近に差しかかつた際先行のバスが徐行に入り左折しようとしたのでその右側からこれを追い越そうとしたのであるが右バスの為め前方及び左方の見通しが妨げられていたのであるからかかる場合自動車運転者としては充分警戒をし警音機の吹鳴徐行の措置をとり安全を確認する迄は臨機停車し得る態勢をもつて進行すべき業務上の注意義務があるにも不拘之を怠り時速25キロに減速したのみで漫然バスを追越したため折から自転車に乗り右道路を横断しようとして左方から現われて来たAを僅々数メートルの至近距離で発見し急拠制動をかけたが及ばず同人に自車左前部を衝突させた。

二、原審の確定したAの過失他面Aも亦前記バスに先行する貨物自動車が五稜郭駅に向つて左折し来ていてその為め横断し様とする札幌国道の右方からの車馬の状況を確認し難い状況にあつたのであるから一たん停止して安全を確認すべき注意義務があるのにこれを怠り漫然進行したため本件事故にそうぐうした。

三、即ち原審は本件事故は右両人の共同過失に原因すると確定したのである。

四、処が運転手Bの過失による分の損害を雇傭主である上告人に負担せしむるにあたり原審はAの前記過失を斟酌して3分の2とする旨不平等の査定を為し損害額(イ)A生存利益、(ロ)同医療及び葬式費、(ハ)被上告人等の慰籍料として被上告人X1に金55万円同X2に金50万円を支払う様判断されたのである。

五、過失相殺に関する民法第722条の2は各行為者の過失ー不注意と社会性(特に本件の如き交通事故につき)を客観的看察の下に比較し其軽重程度を公平に査定の上斟酌しなければならない、換言すればなぜ共同過失につき不平等の(一審に於ては平等だとした)査定したかを合理的に明らかにしなければならないのである。然るに原審只漠然とAの過失を斟酌して3分の2を負担せしむる旨判断したのであるから判断に理由不備の違法が生じたと信ずる。

第二点
 原審は被上告人等がAの前記事故死により同人の生命保険金30万円を本件損害額より控除せずこの当否に対する判断を脱漏した違法がある。
一、Aは生前朝日生命保険株式会社金10万円東邦生命保険相互会社金20万円の各生命保険を自己を被保険者及び保険金受取人と指定して契約していた処本件事故死と共に被上告人は親として右各保険金30万円を現実に給付を受けたのであるこのことは一審及び原審に於ける被上告人Xの本人訊問の結果明らかである。然るに被上告人は右生命保険金30万円は本件損害に関係ないと称し之を損害額から控除せず又上告人は被上告人等主張の損害額を一審以来極力争うて居るのであるから(一審では之を差引いた)原審はこの点に関する当事者の主張につき当否を判断せざるべからざるに之を看過し本件損害額を確定したのであるから要するに争点に関し判断を脱漏した理由不備の著しいものがありと信ずる。
以上:3,151文字
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