○「
”レンタル彼氏”業者へのHP作成・更新料請求を認めた地裁判決紹介」の続きで「レンタル彼氏」業務に関する話題です。判例データベースでたまたま「レンタル彼氏」と言う用語を見つけ、これは何だと思って判例を当たると令和6年3月13日東京地裁判決(LEX/DB)で、ポータルサイト運営会社から「レンタル彼氏」業者に対する業務委託料請求事件でした。「レンタル彼女」業務はその存在を聞いたことがありましたが、「レンタル彼氏」業務は殆ど聞いたことがなく、ネット検索すると結構サイトが出てきて驚きました。
○「レンタル彼女」業務は、結構需要があり、商売として成り立っていると推測できますが、「レンタル彼氏」業務は需要が少ないのではと推測していました。そこでキーワード「レンタル彼女」で判例データベース検索をすると関連判例は1件も出てきませんが、キーワード「レンタル彼氏」で検索すると関連判例が18件も出てきました。事件内容はポータルサイト運営会社から「レンタル彼氏」業者へのポータルサイト等業務委託料未払代金の請求と思われました。「レンタル彼女」業は、需要も多く商売として成り立ち、ポータルサイト運営委託料も支払い、事件にはならないところ、「レンタル彼氏」業は需要も少なく商売としてうまくゆかずポータルサイト運営委託料支払も滞りがちになり、訴訟に発展すると推測できます。
○「レンタル」業務よりさらに一歩進んだ性風俗産業においては、「
風俗産業においても男女平等化が急速に進んでいる報道紹介」に、「
女性向け風俗店のサイトを開いてみてビックリ、私には想像もできない世界が開いています。風俗産業においても男女平等化が急速に進んでいることが実感できました。」と記載していました。さらに一歩進んだソープランド業務においては、「
やはりソープ・ボーイは“生き地獄”?」に女性向けソープランド業について「
女が男を買うことは相当抵抗があるのではと思われ、性産業として成り立つだろうかと疑問を感じていましたが、後記記事によると女の男を買うことへの抵抗はやはり強かったようです。」なんて記載していました。
○いずれにしてもポータルサイト運営委託料の支払いを怠り訴訟沙汰になっているのは「レンタル彼氏」業務の方が「レンタル彼女」業務より圧倒的に多く、「レンタル彼氏」業は商売としてはなかなか難しそうです。ところで、キーワード「レンタル彼氏」で出てくる裁判例の当事者は、殆どが「GOLDMINE株式会社」でした。
○この業者、「レンタル彼氏」業者を食い物にする悪徳業者として以下の通り
消費者法ニュースに掲載されていました。最近の判例では、同社の請求は、本件業務提携契約は特商法51条1項に定める業務提供誘引販売取引に該当することとなり、原告は、特商法55条2項所定の書面を被告に交付していないため、被告による特商法58条1項に基づく本件業務提携契約の解除が認められ、その効果は遡及効となることから、原告の請求には理由がないとして棄却されています。特商法の勉強が必要です。
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GOLDMINE事件について
144号シリーズ:特商法・割販法(クレジット・リース)預託商法
弁護士(東京) 瀬戸和宏
弁護士(東京) 川見未華
1 はじめに
(1)事件の概要
本件の事案は、GOLDMINE株式会社(以下、「G社」という)が、Webページにおいて、高収入のアルバイトであるとしてメンズバイトを募集し、応募者に対し「レンタル彼氏」としてG社の運営するポータルサイト「Cosmen」(以下「本件サイト」という)に登録すれば、初期費用と月額のポータルサイト利用料がかかるが、レンタル彼氏として高収入を得ることができると説明して「業務提携契約」を締結するが、実際には、レンタル彼氏としての仕事はなく、その結果、契約を解除する旨の連絡をしたり、あるいはG社から提供された自身のポータルサイトの情報を更新することもなく放置して月額利用料を支払わないでいたところ、数年後にG社から一括請求を受ける、というものである。
(2)事件の特殊性
契約者が、G社からの請求に応じないと、支払督促を提起され、これに異議を述べると簡易裁判所の訴訟が係属する。東京簡裁以外の支払督促に異議を述べると、支払督促を取り下げ、合意管轄である東京簡裁に提訴される。この結果、G社を原告とする同一内容の訴訟が東京簡裁に多数係属す・・・
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