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面会交流として手紙の送付等間接交流のみを認めた家裁審判紹介

○「面会交流として子のメールアドレス・LINEID通知を認めた高裁決定紹介」の続きで、その原審平成31年2月26日さいたま家裁審判(判時2442号65頁)関連部分を紹介します。

○離婚後の非親権者父である申立人が,親権者母である相手方に対し,子である利害関係参加人らとの面会交流を認める旨の和解離婚時の和解条項がありましたが、未成年者らは、申立人との面会を拒否する気持ちが強固になり、直接面会交流ができなくなりました。

○そこで申立人父は、未成年者らが相手方母から一方的な情報のみを聞かされ続けて片親疎外の状態に陥ったからであるなどと主張し,利害関係参加人らとの直接交流を求めましたが、さいたま家裁は,利害関係参加人らの手続代理人も選任して意向調査等を行った上,相応の年齢に達している利害関係参加人らの拒否の意思が強固であることなどから、直接交流を認める和解条項を変更し,手紙の送付等の間接交流のみを認めました。

*******************************************

主   文
1 当事者間の東京家庭裁判所平成25年(家イ)第5525号ないし同第5527号面会交流調停申立事件において平成26年11月17日に成立した調停の調停条項並びに当事者間のさいたま家庭裁判所平成27年(家ホ)第101号離婚等請求事件において平成28年1月28日に成立した和解の和解条項中第12項及び第13項を次のとおり変更する。
2 相手方は、申立人が長男、二男及び三男に宛てて手紙を送付することを妨げてはならない。
3 相手方は、申立人に対し、長男、二男及び三男がそれぞれ高校を卒業するまでの間、各学期の終了時において、長男、二男及び三男の各成績表を送付しなければならない。
4 相手方は、申立人に対し、長男、二男及び三男がそれぞれ高校を卒業するまでの間、可能な限り、長男、二男及び三男の近況を撮影した写真を送付しなければならない。
5 手続費用のうち長男、二男及び三男の手続代理人の報酬は申立人の負担とし、その余は各自の負担とする。

理   由
第1 事案の概要

 本件は、離婚した元夫婦間において、申立人が、当事者間の子である長男、二男及び三男(以下「未成年者ら」という。)と申立人との面会交流について定める審判を求める事案である。

 なお、申立人と相手方との間では、さいたま家庭裁判所平成27年(家ホ)第101号離婚等請求事件(以下「離婚訴訟事件」という。)において平成28年1月28日に申立人及び相手方が離婚し、未成年者らの親権者を相手方(母)と定める旨の和解(以下「本件和解」という。)が成立し、その和解条項には、申立人と未成年者らとの間の面会交流について、別紙「離婚訴訟事件における和解条項(面会交流関係部分抜粋)」記載のとおりの条項(以下「本件和解条項」という。)が設けられており(本件和解条項においては、申立人が「被告」と、相手方が「原告」と、未成年者らが「子ら」と表記されている。)、本件申立ては、本件和解条項の変更を求めるものと解される。

第2 当裁判所の判断
1 事実の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(1)当事者等

ア 申立人(昭和42年×月×日生の男性)及び相手方(昭和46年×月×日生の女性)は、平成11年×月×日に婚姻し、その間に長男(平成12年×月×日生)、二男(平成15年×月×日生)及び三男(平成17年×月×日生)の3子をもうけた。

イ 申立人及び相手方は、いずれも医師であり、申立人は、平成18年9月から、実家で経営する病院で産婦人科医として医療行為を行っている。

(2)別居・離婚に至る経緯(離婚訴訟事件の記録)
ア 申立人は、平成12年頃、友人宅において、深酒の上、相手方を突き飛ばしたことがあった。

イ 相手方は、平成15年3月当時、二男を妊娠中であったが、その頃、長男(当時3歳)が申立人のかばんを開けて遊んでいるときに性風俗店の女性の名刺を発見し、相手方は、このことをきっかけに、申立人を追及したところ、相手方は、性風俗店の利用を認めた。相手方は、この出来事を受け、長男を連れて実家に帰ったが、その後、申立人が謝罪し、二度としない旨の書面を作成したため、相手方は、申立人を許すこととし、二男を出産した後の平成16年1月に自宅に戻った。

         (中略)

(3)面会交流の実施状況等(平成29年9月14日付け調査報告書)
ア 申立人は、本件別居後の平成25年7月2日頃、相手方に対し、未成年者らとの面会交流を求める調停を申し立てた(東京家庭裁判所同年(家イ)第5525~5527号)。その後、同年11月に本件別居後初めての面会が実施され、その後も、おおむね1か月に1回の頻度で面会が実施されるようになり、平成26年11月17日、申立人が未成年者らと1か月に1回程度面会することを相手方が認め、その具体的な日時・場所・方法については子の福祉に配慮し当事者双方が事前に協議して定める旨の調停が成立した。同調停の成立後も、おおむね1か月に1回の頻度で面会が実施された。

         (中略)


オ 長男は、平成28年4月5日、申立人に対し、「前回の面会で僕はあなたのことを信用できなくなりました。もう面会はしたくありません。学校行事にも来ないでください。」とのメールを送信した。申立人は、同メールを受け、長男が上記のようなメールを送るわけがないと思い、相手方に対し、苦情を述べた長文のメールを送信した。

カ 平成28年4月25日、G内のレストランにおいて、面会が実施された(以下この面会を「平成28年4月の面会」という。)。未成年者らは、申立人に対し、もう面会はしたくない旨を繰り返し訴えたが、申立人は、平成28年3月の面会の際に申立人の実家に行くことになった理由や、未成年者らのために面会を実施すべきである旨などを述べ、未成年者らの意向を受け入れなかった。

キ 申立人は、平成28年11月2日、本件に先立つ調停の申立てをした(さいたま家庭裁判所同年(家イ)第2970~2972号。以下「本件調停」という。)が、平成30年7月5日、調停不成立となり、本件審判手続に移行した。

(4)未成年者らの面接結果等

         (中略)


2 前記認定の事実関係によれば,本件別居後に申立人との面会が開始された当初は、未成年者らがこれを積極的に拒否することはなく、1年以上の期間にわたり継続的に面会が実施され、平成28年1月28日に本件和解が成立したが、未成年者らは、面会を重ねるにつれ、申立人や申立人との面会に対する負の感情を増大させており、かかる状況の中で、平成28年3月の面会が実施され、その際、申立人が当初の約束や未成年者らの意思に反し未成年者らを申立人の実家に連れて行ったことなどから、未成年者らの申立人に対する信頼が崩壊し、未成年者らが申立人との面会を拒否するようになり、未成年者らはその後も繰り返し、直接的又は間接的に面会の拒否の意思を表示しているにもかかわらず、申立人が未成年者らの真意ではないなどとして未成年者らの意思を受入れないことから、未成年者らは、申立人との面会を拒否する気持ちを更に強固にしているものと認められる。
 
上記に述べたところによれば、本件においては、本件和解の成立後に、本件和解条項を変更すべき事情が生じているものといえ、本件和解条項を変更すべき必要性が認められる。


3 そこで、検討するに、次のとおりの理由から、本件和解条項を主文のとおり変更することが相当である。
(1)直接の面会について

ア 前記2のとおり、未成年者らは、現在、申立人との面会を強固に拒否している状況にあるところ、かかる状況の下で、未成年者らに申立人との面会を強いるとすれば、未成年者らの判断能力や人格を否定することになり、未成年者らの福祉に反する結果となってしまう。これに加え、未成年者らの年齢等に鑑みれば、申立人と未成年者らとの面会は、申立人や相手方の意思のみによって実現することが不可能というべきであって、現時点において、相手方に対し面会の実施義務を課すことは相当ではないというべきである。

イ よって、本件和解条項のうち直接の面会について定める第12項は、その効力を失わせることとするのが相当である。

ウ 申立人は、未成年者らが「片親疎外」の状態にあり、その状況から脱却させるために申立人との直接の面会を実施する必要がある旨を主張するが、上記のとおり、未成年者らが申立人との面会を強固に拒否している状況の下では、直接の面会を実施することは現実的に困難であるし、無理にこれを実施しようとすれば、子の福祉の観点から相当でないばかりか、未成年者らが申立人に対する拒否感を更に強めるだけの結果になり、逆効果となることが容易に予想されるから、申立人の主張は採用することができない。

(2)間接交流について
ア 相手方は、間接交流の方法として、成績表及び写真の送付を提案するところ、これらは申立人が未成年者らの状況を知る手段として有用であるから、これらの旨を定めておくのが相当である。

イ また、申立人が未成年者らの状況や意思・心情を十分に理解し、未成年者らの心情に寄り添う態度を示すことによって父子関係の改善を図り、将来的に直接の面会の実現を図ることが全く不可能であるとまではいえないところ、父子関係の改善を図る方法として、申立人が未成年者らの心情に応えた手紙やプレゼントを送付することは有用であるということができるから、これらの旨を定めておくのが相当である。

 なお、前記のとおり、二男及び三男は申立人との手紙の授受をも拒否している状態にあるが、受領した手紙を読むかどうかについては二男及び三男の意思に委ねれば足り、手紙の送付そのものを禁止するまでの必要はないというべきである。

ウ 申立人は、間接交流の方法として、メールやSNSを用いたメッセージの送信を主張するが、前記のとおり、未成年者らが申立人との面会を強固に拒否している状況の下では、未成年者らが申立人に連絡先を教えることに同意するものとは思えないし、未成年者らの意思に反して未成年者らの連絡先を申立人に伝えれば、未成年者らが申立人に対する拒否感を更に強めるだけの結果になり、逆効果となることが容易に予想されるところであるから、現時点でメールやSNSを用いたメッセージの送信による間接交流を行うことは相当でない。

(3)その他審判において定めるべき事項の検討
ア 前記2の経過に照らせば、未成年者らは時間の経過の中で徐々に申立人や申立人との面会に対する負の感情を増大させていったものであり、また、その原因についても様々な事情が複雑に絡み合っているものと推測されるところ、現時点においてその原因を明確にすることは極めて困難であるといわざるを得ない。なお、申立人は、申立人との面会を拒否するに至った具体的な理由が未成年者らから述べられていないと主張するが、上記に述べたところによれば、未成年者らが理由に具体的に表現できないこともやむを得ないというべきである。

イ そして、前記認定の事実関係によれば、上記の「様々な事情」の中には、
〔1〕未成年者らは本件別居・離婚の原因が申立人の側にあると認識していること、
〔2〕本件別居の前後やそれ以降における申立人の言動(別居の理由についての自己正当化、別居を防止するための未成年者らに対する執拗な働き掛け等)、
〔3〕未成年者らが相手方の下で生活をしたいとの意思を示したにもかかわらず、申立人がこれを未成年者らの真意として受け入れなかったこ
と等、申立人側の要因がいくつか考えられる反面、前記認定の事実関係によれば、相手方は本件別居の前後に、未成年者らに対し別居を決断するに至った原因を説明していることがうかがわれ、その時期等に照らせば、相手方の説明が申立人に対する負の感情を多分に含んだものになってしまっていた可能性は否定できず、未成年者らはその影響を一定程度受けているものとも考えられるところである。

 もっとも、離婚の成立から3年が経過しており、本件別居や離婚に関する相手方の感情は既に落ち着いているものと考えられることや、未成年者らが相応の年齢に成長していることに照らせば、現時点においては、未成年者らが相手方の言動から受ける影響は小さくなっているものと考えられる上、事実の調査の結果によっても、現時点においてもなお相手方が未成年者らに対し不当な言動を行っているような事情は何らうかがわれないから、相手方に対し、未成年者らに対する特定の言動を禁止すべき必要性は認められない。

ウ また、前記のとおり、将来的に直接の面会の実現を図ることが全く不可能であるとまではいえないところ、非監護親である申立人及び監護親である相手方は、いずれも直接の面会の再開に向けた努力を継続すべきであると、一般的・抽象的にはいうことができるが、申立人及び相手方が行うべき具体的な行為については様々なものが考えられる(例えば、申立人においては、過去における未成年者らと関わり方を振り返るべく、第三者による助言を受けること等が考えられるし、相手方においては、申立人が何らかの努力を行ったときに、そのことを未成年者らに対し的確に伝えること等が考えられる。)ところであって、申立人及び相手方が、それぞれ、その時々の状況に応じて、子の福祉を考慮・尊重しながら、何ができるのかを自ら考えるべきものであって、家庭裁判所が公権力を行使して、なすべき行為を具体的に特定し、義務付けることは相当でないというべきである。

エ 申立人は、未成年者らが申立人との面会を拒否するに至った原因が不明であり、これを解明した上で、面会交流についての定めを検討する必要があると主張するが、前判示のとおり、上記原因を完全に把握することは困難である上、上記のとおり、審判によって申立人及び相手方に直接の面会の再開に向けた特定の行為を義務付けることは相当でないから、仮に上記の原因が追究できたとしても、本審判における結論を左右しないといえ、申立人の主張は採用することができない。

(4)まとめ
ア 以上に述べたところによれば、本件和解条項のうちプレゼントの送付について定めた第14項は維持した上で、第12項及び第13項を主文第2項から第4項までのとおり変更することとするのが相当である。なお、申立人は、前記(1)から(3)までに取上げたほかにもるる主張するが、いずれも上記の判断を左右するものではない。

イ ところで、前記1(3)アの調停は、本件和解において面会交流についての合意がされたことにより、効力を失っているものとも考えられるところであるが、本件和解において上記調停の効力を失わせる旨が明示されていないため、本審判においては、本件和解条項の変更に加え、上記調停の調停条項も変更し、その効力を失わせる旨を明らかにしておくこととする。

4 以上の次第で、主文のとおり審判をする。なお、手続費用のうち未成年者ら手続代理人の報酬については、申立人の上申により手続代理人の選任に至ったことに照らし,申立人の負担とするのが相当であり、その余の手続費用については各自の負担とするのが相当である。
(裁判官 中嶋謙英)

別紙 離婚訴訟事件における和解条項(面会交流関係部分抜粋)
12 原告と被告は、子らの福祉の観点から被告が子らと自由に面会交流することに協力するものとし、少なくとも以下のとおり実施することを認める。なお、その具体的な日時、場所、方法等は、子らの福祉を尊重し、当事者間で協議して定める。 
(1)月1回程度の面会交流
(2)子らの春休み、夏休み、冬休み期間中を主として、子らと宿泊を伴う面会交流を年に3回程度
13 原告は、被告に対し、子らの福祉の観点から被告が子らと自由に、電話、メールその他の方法で直接連絡を取ることを認める。
14 原告は、被告に対し、子らの福祉の観点から被告が子らに自由に、誕生日、クリスマス、進学等の機会を含め過剰にわたらない範囲でプレゼントをすることを認める。
以上:6,592文字

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