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飲酒運転事故で死亡慰謝料合計3150万円を認定した地裁判決紹介

○交通事故での死亡慰謝料は日弁連青本令和2年2月最新27訂版基準は以下の通りです。
一家の支柱の場合 2800~3000万円
支柱に準ずる場合 2500~2800万円
その他の場合   2000~2500万円
この基準額は、死亡被害者の近親者固有慰謝料もあわせた、死亡被害者1人当たりの合計額と解説されています。

○しかし、飲酒・赤信号無視等で事故態様が悪質な場合、轢き逃げ・証拠隠滅等事故後の行動が極めて悪質な場合、基準を上回る慰謝料が認定される傾向があります。自転車で走行中に駐車場から進出してきた飲酒運転被告車に衝突されて死亡した24歳女子の死亡慰謝料2800万円、母親250万円、弟100万円の固有慰謝料の合計3150万円の慰謝料を認定した令和2年2月26日大阪地裁判決(自保ジャーナル・第2068号)慰謝料認定理由部分を紹介します。

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主  文
1 被告乙山は、原告春子に対し、6124万2667円及びうち5849万2667円に対する平成29年12月20日から、うち275万円に対する平成27年5月11日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
2 被告乙山は、原告一郎に対し、110万円及びこれに対する平成27年5月11日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、別紙訴訟費用目録記載のとおりの負担とする。
5 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。
(別紙)
訴訟費用目録
1 原告らに生じた費用の9分の2及び被告乙山に生じた費用の11分の7を被告乙山の負担とする。
2 原告らに生じた費用の9分の7、被告乙山に生じた費用の11分の4並びに被告丙川及び被告丁山に生じた費用を原告らの負担とする。

事実及び理由
第一 請求

1 被告らは、原告春子に対し、連帯して、9403万5974円及びうち8853万5974円に対する平成29年12月20日から、うち550万円に対する平成27年5月11日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
2 被告らは、原告一郎に対し、連帯して、330万円及びこれに対する平成27年5月11日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要等
1 事案の概要

 本件は、被告乙山が運転する普通貨物自動車(以下「被告車」という。)が、甲野花子(以下「花子」という。)が運転する自転車(以下「本件自転車」という。)に衝突し、花子が死亡した事故(以下「本件事故」という。)につき、花子の母である原告春子及び花子の弟である原告一郎が、被告らに対し、以下の損害賠償を求める事案である。

         (中略)

第四 損害に関する当裁判所の判断
1 花子の損害


         (中略)

(5) 慰謝料 2800万円
 花子は、本件事故当時24歳であり、当時、仕事の面では自分に合った職場を見つけ、私生活では、結婚を約束した交際相手と順調な交際を続け、実家から離れていたものの、母や弟との交流も絶えず、同居していた友人女性をはじめとした友人知人と交友するなど、充実した毎日を送っていたのである。

ところが、何の落ち度もないにもかかわらず、被告乙山の一方的な過失により、突如としてその命を奪われ、家族や交際相手を含む多くの人間関係も断ち切られ、将来を奪われる結果となったのであり、しかも、本件事故が被告乙山による飲酒運転中に発生したものであることなどからすると、花子の被った肉体的精神的苦痛は甚大なものがあり、本件訴訟に現れた一切の事情によれば、本件事故と相当因果関係のある花子の死亡慰謝料は2800万円とするのが相当である。
 
         (中略)

2 原告春子の損害
(1) 慰謝料 250万円
 原告春子は、愛情を持って育てた娘である花子を本件事故により突如として失い、原告春子にとってかけがえのない花子が死亡したとの現実を受け入れられず、花子を失ったことによる喪失感にさいなまれ、苦しみ続けており、その悲しみが癒えることは未だないのである。そして、本件事故が被告乙山の一方的な過失により発生したもので、かつ、本件事故が被告乙山による飲酒運転中に発生したものであることなどからすると、原告春子の被った精神的苦痛は多大なものがあり、本件訴訟に現れた一切の事情によれば、本件事故と相当因果関係のある原告春子の慰謝料は250万円とするのが相当である。

他方、慰謝料の具体的な金額が当事者間において客観的に確定する前に慰謝料請求権を譲渡することが許されるかについてはひとまずおくとしても、少なくとも、三郎が原告春子に慰謝料請求権を譲渡した原因となる事実の主張がされていないことや、本件全証拠をもってしても、三郎の受けた損害についての立証はされていないから、三郎の慰謝料請求権に基づく請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。


(2) 弁護士費用 25万円
 本件事案の内容や訴訟活動の難易、上記(1)の損害額等によれば、本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は20万円をもって相当と認める。

(3) 合計 275万円

3 原告一郎の損害
(1) 慰謝料 100万円
 原告一郎は、姉である花子と幼いころから仲が良く、花子のことを慕い続けていたところ、本件事故により突如として姉である花子を失ったばかりか、本件事故による影響により大学に通学できなくなり、原告一郎自身の人生にも大きな影響が及んだことに加え、本件事故が被告乙山の一方的な過失により発生したもので、かつ、本件事故が被告乙山による飲酒運転中に発生したものであることなどからすると、原告一郎の被った精神的苦痛は大きく、本件訴訟に現れた一切の事情によれば、本件事故と相当因果関係のある原告一郎の慰謝料は100万円とするのが相当である。

以上:2,437文字

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