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不貞期間5ヶ月に慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介

○原告女性は、原告の夫Cと5ヶ月間不貞行為を継続したCと同じ職場の被告女性に対し、慰謝料500万円と弁護士費用50万円の支払を求めました。

○被告女性は不貞の事実は認め、当初20万円の慰謝料支払を提案したことについて、原告は誠意がなく感情を逆なでした、不貞発覚後もCと同じ職場で勤務を継続しており原告の感情を慰謝する態度が微塵もないなどと非難しています。

○これに対し、原告とCは離婚しておらず、Cは、本件の不貞前と同様の生活を継続し、離婚の予定もなく、不貞の期間は5か月余りと短期間であったことから、本件の慰謝料額としては、100万円を認めるのが相当とした令和6年12月9日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○同じ裁判官が「期間4年の不貞行為について慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介」記載の通り、不貞期間4年でも600万円の慰謝料請求に対し100万円の支払を認めています。不貞期間からは100万円の慰謝料は高すぎる感もしますが、最も責任がある配偶者Cはどのような責任をとるのか聞いてみたいところです。

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主   文
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和5年12月21日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和5年12月21日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告が、原告の夫と不貞行為を行った被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金合計550万円(慰謝料500万円、弁護士費用50万円)及びこれに対する不法行為後である令和5年12月21日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

1 前提事実(争いがないか、掲記の証拠等により容易に認められる事実)
(1)原告は、平成14年11月に、C(以下「C」という。)と婚姻した。原告とCとの間には、令和6年5月30日時点で、18歳になる長女と16歳になる長男の2人の子がいる。(弁論の全趣旨)
(2)原告ら家族は、茨城県つくば市で生活していたが、Cの仕事の関係(Dにて勤務)で、平成29年頃から、Cは、平日は品川に単身で居住し、週末は自宅に帰宅する生活を送っていた(争いがない。)。

(3)被告は、令和5年4月から、Eの特別研究員として、Cの主催する研究室に所属することとなった(争いがない。)。
(4)令和5年5月末から、Cと被告は不貞関係になった(争いがない。)。
(5)令和5年11月9日、Cは、原告に対して不貞を認め、同月12日、被告は、原告に対して不貞を認めた。(争いがない。弁論の全趣旨)

2 争点及びこれに関する当事者の主張
 本件においては,被告がCと不貞関係にあったことについては、争いがなく、本件の争点は損害の点である。
(1)原告の主張
ア 慰謝料 500万円
 以下の点を踏まえれば、慰謝料額は500万円を下らないというべきである。 
(ア)原告とCの婚姻期間は20年以上であり、長期に平穏な婚姻生活を築いていたものであるが、被告の不法行為により、一瞬にしてそれは崩れ去った。
(イ)原告とCとの間には、子どもが2人いて、子どもを含めた家庭生活の平穏も害されている。

(ウ)不貞期間は、令和5年5月末から11月までの約半年、不貞の回数もかなりの回数に上っている。
(エ)被告は、当初、20万円という著しく低廉な慰謝料を提示するなど、原告の感情を逆なでしていた。
(オ)被告は、現時点でも不貞行為の相手であるCと同じ職場で働いており、原告の感情を慰謝する態度は微塵も見受けられない。
(カ)不貞行為が発覚してからも、Cと被告は、原告に見つからないようにやりとりを継続していた。

イ 弁護士費用 50万円
 弁護士費用としては、50万円が相当である。

ウ 合計 550万円

(2)被告の主張
ア 争う。
イ 慰謝料額の算定にあたっては、以下の点が斟酌されるべきである。
(ア)原告とCの婚姻関係は破綻していない。
(イ)原告とCの婚姻関係は、もともと円満を欠いていた。
(ウ)被告がCと初めて不貞行為に及んだのが令和5年5月29日で、最後が同年11月6日である。不貞期間は約5か月にすぎない。

(エ)不貞相手である被告の責任は副次的なものとみるべきである。
(オ)被告が不貞関係を主導した事実はない。
(カ)被告は、原告に対して、当初から不貞を認めて謝罪し、誠実な提案をしていた。

ウ なお、原告は、被告に職場を変更するよう要望しているが、被告にこれに応じる法的義務はなく、被告が職場の変更をしないことをもって、慰謝料の増額事由として考慮すべきではない。

第3 当裁判所の判断
1 慰謝料額について

(1)証拠(乙4、被告本人)によれば、被告とCは、令和5年5月29日から同年11月6日まで不貞関係にあったと認められ、これを覆すに足りる証拠はない。そして、前記前提事実(5)のとおり、同月12日までに、C及び被告が原告に対して不貞を認め、原告にCと被告の不貞行為が発覚したことが認められる。

(2)原告とCの婚姻関係は不貞開始時点で20年余り継続していたものであり(前記前提事実(1)、上記(1))、婚姻期間は長期間であったといえる。また、原告とCの婚姻関係が円満でなかったことを示す的確な証拠はなく、証拠(原告本人)によれば、当時、原告及びCは、高校3年生になる長女及び高校1年生になる長男と普通に家庭生活を送っていたものと認められる。

 もっとも、他方において、証拠(原告本人)によれば、原告とCは離婚しておらず、Cは、本件の不貞前と同様の生活(平日は単身赴任先(ただし、不貞後は、平日も、なるべく自宅に戻るようにしている)、週末は自宅に戻る)をしており、離婚の予定もないことが認められる。また、本件の不貞の期間は5か月余りであり、短期間であったといえる。

(3)以上の事情を考慮すると、本件の慰謝料額としては、100万円を認めるのが相当である。

 この点、原告は、被告が職場の変更をしないことや不貞発覚後に秘密のメールアドレスで連絡を取り合っていたことを指摘するが、これらの点をもって、特段慰謝料が増額されることになるとは解されない。
 その他、原告指摘の点、また、被告指摘の点を検討しても、上記判断が左右されることはないと解する。

2 弁護士費用
 上記1の認定額からすれば、弁護士費用としては、10万円を認めるのが相当である。

3 まとめ
 以上より、被告は、原告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、上記損害金合計110万円及びこれに対する不法行為後である原告が起算日としている令和5年12月21日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金を支払うべきである。

第4 結論
 よって、原告の請求は、主文第1項掲記の限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法64条本文、61条を、仮執行の宣言につき同法259条1項を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第7部 裁判官 烏田真人
以上:3,051文字

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