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建物内賃借人自殺の責任範囲に関する判例全文紹介1

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平成22年 3月24日(水):初稿
○賃貸建物内で賃借人に自殺された場合の法律問題を「賃借建物で自殺があった場合の賃借人の責任」「賃借建物で賃借人が自殺した場合の責任範囲の一例」の2コンテンツで私なりの説明をしております。この建物内での賃借人自殺の問題は弁護士が扱う例が多いようで、10名近い若い弁護士さんから判決全文データの要請を受けております。わざわざ裁判所に行って判決を閲覧謄写するのは現実的ではありませんのでメールで全文を送付させて頂いております。

○今般、「賃借建物で賃借人が自殺した場合の責任範囲の一例」についての全文データを探しているとの若い弁護士さんからメールを頂き、合わせてこの記事がどこかで引用先明示無しで引用されているとのご指摘も受けました。私自身は判例は、憲法第82条の裁判公開の原則から、法治国家日本において全国民に公開されるべき重要データと思料しておりますので、その判例を単に要約しただけの記事についてどこでどのように引用されようと目くじらを立てるつもりはございません(^^)。

○判例データは、全国民にとっての貴重な財産であり、また法律実務家にとっても実際事案を長い時間かけて審理し,その結果をまとめた判例は、法律の教科書・参考書以上に価値のある最重要資料であり、最高裁において是非とも原則として全ての判例全文を公開して頂きたいと思っています。ところが現実にはごく一部の判例データしか公開されていないのが残念なところです。以下、賃借建物内自殺の法律問題を考えるに当たっての貴重なデータである平成19年8月10日東京地裁判決全文を、3コンテンツに分けてご紹介します。

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東京都杉並区〈以下省略〉 
原告  株式会社○○
同代表者代表取締役  A 
同訴訟代理人弁護士  瀬戸和宏 
福岡県鞍手郡〈以下省略〉 
被告  Y1 
同訴訟代理人弁護士  野中英朗 
東京都世田谷区〈以下省略〉 
被告  Y2 
同訴訟代理人弁護士  八木原一良 

主文
1 被告らは,原告に対し,連帯して,132万3144円及びこれに対する被告Y1は平成19年4月3日から,被告Y2は平成19年4月1日からそれぞれ支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
 
事実及び理由

第1 請求
 被告らは,原告に対し,連帯して,676万8000円及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日(被告Y1は平成19年4月3日,被告Y2は平成19年4月1日)から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
1 本件は,原告がBに別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)の203号室(以下「本件203号室」という。)を賃貸し,被告Y2がBの連帯保証人であったところ,Bが本件203号室内で自殺したが,これは賃借人であるBの善管注意義務違反に当たるとして,原告が,Bを相続した被告Y1に対しては賃貸借契約の債務不履行に基づき,被告Y2に対しては連帯保証契約に基づき,連帯して,原告が被った損害676万8000円及びこれに対する本件訴状送達の日の翌日(被告Y1は平成19年4月3日,被告Y2は平成19年4月1日)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

2 争いのない事実
(1)原告の商人性

 原告は,株式会社である。

(2)賃貸借契約
 原告は,Bに対し,平成15年10月,原告が所有する本件建物の本件203号室を期間2年の約定で賃貸し,さらに,原告とBは,平成17年10月15日,期間を平成17年10月28日から2年間,賃料月額6万円,共益費及び管理費はなし,敷金6万円の約定で本件203号室の賃貸借契約を更新した(以下「本件賃貸借契約」という。)。

(3)連帯保証契約
 被告Y2は,原告に対し,平成17年10月13日,本件賃貸借契約に基づくBの原告に対する債務を連帯保証すると約束した(以下「本件連帯保証契約」という。)。

(4)Bの自殺
 Bは,平成18年10月19日,本件203号室内で自殺した。

(5)Bの相続
 上記(4)のとおりBが死亡したが,同人には子がなく,父親であるCもすでに死亡していたから,母親の被告Y1がBを単独相続した。

(6)訴状送達日
 本件訴状は,被告Y1に平成19年4月2日,被告Y2に平成19年3月31日にそれぞれ送達された。

3 争点
(1)Bの債務不履行の有無
(2)被告Y2の連帯保証責任の範囲
(3)原告の損害


以上:1,946文字

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