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新68期司法修習生事務所訪問雑感1

平成27年 5月 9日(土):初稿
○平成23年2月9日初稿「新64期司法修習生事務所訪問雑感」の続きです。
繰り返し記載してきましたが、50代までの私は事業拡張の意欲はなく、勤務弁護士(イソ弁)の必要性は全く感じず、むしろ、勤務弁護士なんぞ雇ったら足手まといとなって、却って売上が落ちて、折角、3名プラスアルバイト1名の4名の事務員に対する福利厚生が薄くなってしまうのではと思っていました。事務員に対する福利厚生としては、年に2回の安比高原旅行を手始めに、原則年に1回の海外旅行等普通の事務所よりは厚くしていると自惚れていました。

○そのため50代まで、司法修習指導担当をする度に、その司法修習生或いは周辺の司法修習生から、勤務弁護士採用要請を受けても全て断ってきました。ところが60代に突入する平成23年に至り、「新64期司法修習生事務所訪問雑感」記載の通り、「30年掛けて作り上げてきた法律事務所としてのハードと法律事務所運営システム・ソフトを私一代で終わらせるのが勿体ないと感じ」、平成23年1月29日、東北弁連主催の就職説明会に勤務弁護士採用意思ある事務所として初めてブースを出しました。

○そして平成23年2月8日、7名の司法修習生の事務所訪問を受け、自慢の、自称日本一便利なデータベースソフト桐を駆使した法律事務処理システムを披露して、当事務所必須採用条件は桐を使いこなせることと告げ、桐学習意欲のあることが絶対条件として、平成23年2月23日、学習意欲ある5名の司法修習生が集まり桐初心者講座を開催しました。その様子は、「平成23年2月桐初心者講座開催-じっくり・ゆったり」に詳しく記載しています。

○この新64期司法修習生向け桐初心者講座は、少なくとも1ヶ月に1回は開催して、その中から勤務弁護士を採用しようと思っていました。ところが平成23年3月11日、全く想定外の東日本大震災が発生し、宮城・岩手・福島の東北三県は、大混乱に陥りました。仙台地方裁判所もしばらく業務を停止し、弁護士業務は相談はあっても、事件依頼はピタリと止まり、平成23年5月19日初稿「弁護士業務と東日本大震災の影響」に「当事務所もそうですが、3月以来、弁護士稼業売上が激減している事務所が多そうです。当事務所では、売りとしている交通事故事件相談も大震災以来減っています。皆さん、大震災で、目の前の生活が大変で、弁護士に相談するどころではないのだろうなと思っていました。」との状況になりました。

○一時は、平成23年売上は例年の半分以下に落ちるのではと危惧する程の状況となり、平成23年5月に至り、新64期司法修習生で桐初心者講座に参加頂いた方々に、大変、申し訳ございませんが、大震災依頼事件受任が停止状況となり、売上激減につき、勤務弁護士採用どころではなく、現在居る事務員の雇用を守るため採用は撤回しますと宣言せざるを得ませんでした。

○ところが、平成23年9月に至り、桐初心者講座に参加した新64期司法修習生の1人から、「先生は、事務員の雇用を守るため新人弁護士採用を控えると言われましたが、その事務員の雇用も守るためにこそ、是非、私を採用して下さい。私を採用すれば先生の事務所売上激増は間違いないなく、必ずや事務員の雇用を守ることが出来ます。」と、一瞬、我が目を疑う内容のメールが届きました。

○私は、一瞬、何と生意気なとも思いましたが、直ぐに、よくぞここまでホラが吹ける、大したものだ、謙虚で控えめで何より慎み深い私には全くない才能を持ち合わせていると考え直し、その採用を決めました。それが現在古川支部に共同事務所を構えて独立一年後には新人弁護士を採用し、飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を上げている「菅原・佐々木法律事務所」「菅原健弁護士」です(^^)。やはり業績を上げる人間は、小心者の私とはまるで違って剛胆です。私も少しは菅原弁護士を見習わねばと思うのですが、60代半ば近く達する今となっては後の祭りです(^^;)。
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