平成27年 5月10日(日):初稿 |
○「新68期司法修習生事務所訪問雑感1」を続けます。 平成23年3月11日発生東日本大震災後数ヶ月間の売上激減で、いったんは新人弁護士採用を断念しましたが、その秋に目を疑う剛胆な内容での採用申込メールを頂き、私に欠けたものを持っていると感じた菅原健修習生の採用を決め、平成23年1月から勤務して貰いました。 ○私にとっては初めての新人弁護士採用です。当初1年間自分の事件を持つことを禁止し国選刑事事件以外は専ら事務所事件に専念するよう指示して弁護士業務見習いを初めて貰いましたが、当初1年間は戸惑うことばかりでした。当初の私の実感は、1年生弁護士は給料を支払うどころか、授業料を貰わないと合わないと言うことに尽きます。 ○仙台には、弁護士歴10年以内の30代の若い時、自分より僅か8期後輩の新人弁護士を採用し、その後、次々と新人弁護士採用を続け、今や10人の弁護士を擁して仙台最大事務所となった官澤総合法律事務所があります。私は弁護士歴32年目年齢60代に入って初めて新人弁護士を採用し、官澤総合法律事務所のボス弁護士の偉大さを再認識しました。 ○そして後継者を育てるためには、遅くても今よりはいくらか稼いでいた50代初めから勤務弁護士を採用すべきだったと後悔しましたが、後の祭りでした(^^;)。菅原健弁護士は、勤務1年経過直前に2年での独立の申出を受け、快く了解し、2年目からは自分の事件を解禁し、大いに稼いで事務所に少しでも上納し、事務所売上に大いに貢献するよう励ましました(^^;)。 ○弁護士見習い1年を経過すると菅原弁護士は見違えるように成長しました。担当した事務所の難事件にも大いに貢献してくれるようになりました。何よりも感心したのはお客様に対するサービス精神です。私だったら30分で切り上げる法律相談をお客様が納得するまで時に数時間に渡ってお客様に付き合いシッカリを話を伺う姿勢です。せっかちの私にはない貴重な資質です。 ○彼の1年生弁護士時代は、この貴重な資質に気付かず、果たして弁護士としてやっていけるかと心配した時期もありましたが、何よりも愛想が良く且つ剛胆で私より遙かに弁護士として伸びる資質を持っていました。そしてIT会社副社長の経験もある彼は、おそらく綿密に市場調査をして、同期友人弁護士と古川で開業することを決め、平成25年12月、「菅原・佐々木法律事務所」を開設し現在に至っています。 ○そして今や落ち目の勤務先事務所を凌駕する勢いで業績を伸ばしています。HP冒頭に「とりあえず、菅原と佐々木にきいてみよう。無料法律相談受付中。」なんて気の利いたキャッチフレーズを思いつくセンスは私には全くありません(^^;)。平成27年2月には早くも勤務弁護士を採用し、更に菅原弁護士は弁理士登録もしています。 ○菅原弁護士の独立1年目、彼が当事務所在籍中担当して貢献してくれた事務所事件の報酬金が入るとごく僅かですが分け前として送金していました。僅かでも足しになればと思ったからですが、平成26年12月当事務所忘年会に参加してくれた彼に独立1年目の売上を聞いて驚きました。30数年前になりますが、私の独立1年目より遙かに大きく稼いでいました。僅かですが担当事件の分け前をやる必要など全くなかったと後悔しましたが後の祭りでした(^^;)。 しかし、縁のあった弁護士の活躍を聞くのは嬉しいものです(^^)。 以上:1,394文字
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