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”連帯保証人を求めない監督指針改正:金融庁”紹介

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平成26年 1月20日(月):初稿
○顧問をしているクレジット会社から貸付をした債務者の連帯保証人が弁護士を付けて、連帯保証契約は金融庁の「経営と無関係の個人連帯保証人廃止」の監督指針に違反して無効だとの主張をしてきたが、ホントにそうですかとの質問を受けました。直ちには答えられず、金融庁のHP等から色々情報を探りました。

○確かに金融庁は平成23年7月14日付で融機関が企業へ融資する際に、直接的な経営に無関係な第三者の個人連帯保証人を求めないことを原則とした監督指針を改正していました。金融庁の「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」143頁には、「Ⅱ-10 経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立等」にはその趣旨について詳細に説明されています。

○顧問会社の貸付契約は、平成23年7月14日以前の契約ですが、民法上の連帯保証契約は行政監督庁の監督指針違反としても、それを理由として直ちに公序良俗違反等で全て無効となる訳ではないと思われます。しかし、「Ⅱ-10 経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立等」には、
(2)保証履行時における保証人の履行能力等を踏まえた対応の促進
保証人(個人事業主たる主債務者を含む。)に保証債務(当該主債務者の債務を含む。)の履行を求める場合には、上記意義にある指摘に鑑み、保証債務弁済の履行状況及び保証債務を負うに至った経緯などその責任の度合いに留意し、保証人の生活実態を十分に踏まえて判断される各保証人の履行能力に応じた合理的な負担方法とするなど、きめ細かな対応を行う態勢となっているか。

なんて記述もあります。

○また、「業務運営の適切性、健全性に問題があると認められれば、(銀行)法第24 条に基づき報告を求め、又は、重大な問題があると認められる場合には、法第26 条に基づき業務改善命令を発出するものとする。」という記述もあり、慎重に対処する必要がありますと回答しましたが、この問題、シッカリ勉強が必要です。

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円滑化法経営と無関係の個人連帯保証人廃止
 金融庁は、平成23年7月14日、金融機関が企業へ融資する際に、直接的な経営に無関係な第三者の個人連帯保証人を求めないことを原則とした監督指針を改正しました。
 金融機関は企業へ融資の際、返済の確実性を高めるために経営責任のない第三者の親族や知人に経営者同様の債務責任を負わせる連帯保証人を求めてきましたが、債務責任などの説明が不十分なケースが多く発生し以前から強く批判されていました。

 金融庁では、同年3月11日に発生した東日本大震災以前より、連帯保証人の監督指針改正の検討をすすめていましたが、震災後の甚大な被害から債務を負った経営者が破綻し、連帯保証人へ債務責任を請求する危険性が高まったため、改正が急がれました。金融庁へ対する監督指針は、法規命令以外のかたちで私人の権利義務に関わる事項について定められますが、同指針に反して経営責任のない第三者の連帯保証人を求める金融機関に対しては、銀行法26条を基に行政処分がくだされる場合があります。

金融庁:既に保証している契約は実態に即し個々に判断
 監督指針の改正は、施行日以降の契約に適用され、根保証付手形貸付の書換継続や個人連帯保証契約の更新(継続)などの契約については、金融機関が新たに個人連帯保証契約を締結する場合は、本指針を踏まえた対応が求められます。また、既に保証している証書契約について金融機関へ連帯保証人を外すことを要請する場合は、金融機関と連帯保証人との関係のなかで実態に即して個々に判断されるべきとしています。金融機関は、監督指針改正によって新しい基準の主旨を十分考慮し、無理な返済が行われないよう慎重な対応が求められます。
 本指針は、法人向け融資や個人事業主向け融資が対象となり、住宅ローンや無担保ローンなど個人向け融資は対象外となります。

金融機関の物的担保追加や金利引上げの懸念に例外措置も
 経営者は、金融機関から融資の際、第三者の連帯保証人を求められないことから、迷惑をかけたくないという精神的不安からも解放され事業に専念できますが、金融機関側では与信判断が狭まる懸念が残ります。結果として金融機関は、物的担保の追加や金利の引上げなど求めざるを得ない状況となることも想定されます。とくに小規模企業や零細企業、個人事業主においては、自らの信用力を補完するために、経営に直接関わりを持たない親族など限られた範囲で互いに保証し、融資を受けている場合もあります。

 監督指針改正によって、一律に第三者の保証を原則、廃止することは結果として経営基盤が弱く、資金繰りが確保されない融資先に資金供給が阻害される懸念も残ります。金融庁では、相互に保証する協力者から積極的に連帯保証の申し出が合った場合、適切な説明責任が課せられれば例外と認めるとしています。
[2011.7.25更新]

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