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クレジット利用呉服類売買公序良俗違反例

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平成20年11月 1日(土):初稿
「呉服販売業者・従業員間売買の無効例2」の話を続けます。
平成20年1月30日大阪地裁判決(判時2013号94頁)の他にも呉服販売業者が提携クレジットを利用して従業員或いは高齢等で精神能力の劣った顧客に対して短期間に大量の商品を販売してその売買契約を無効として争われた例は多くあり、以下公刊された3判例の骨子を紹介します。

○平成18年9月29日大阪地裁判決(裁判所ウェブサイト、消費者法ニュース71号178頁)
原告が、被告会社らから、被告信販会社らによる立替払を利用するなどして、売買代金合計約1800万円に及ぶ呉服、寝具等を複数回にわたり購入したことにつき、未払分の売買代金債務・立替金債務の不存在確認等を求めた事案において、被告会社らは、認知症によって原告の判断能力が低下していることに乗じて、客観的にみて購入の必要のない高額かつ多数の呉服、寝具等をそれと知りつつ過剰に販売したものであり、売買契約は、公序良俗に反し無効であるとし、割賦販売法30条の4第1項及び信義則に基づき、被告信販会社らに対する抗弁の対抗を認め、原告が立替払金の支払を拒絶することのできる地位にあることを確認した事例

○平成20年1月29日高松高裁判決(判例時報2012号79頁)
販売店が、肝性脳症による精神神経障害を発症し消費者としての判断力,自己制御力等の精神的能力の面で正常とはいえない状態にある顧客に対し、クレジットを利用して1年数か月の間に多数回にわたって約6000万円相当の着物等の販売を継続した売買契約の一部を公序良俗違反により無効として、販売業者とクレジット会社の行為のいずれもが過量販売ないし過剰与信として不法行為にも該当するとした事例

○平成20年4月23日大阪地裁判決(裁判所ウェブサイト)
自社の従業員にその支給される給与に相当する額を支払わせることとなる商品の販売を継続した呉服販売会社の行為は、著しく社会的相当性を逸脱するものであり、不法行為を構成するとされ、信販会社が、加盟店である販売会社が不法行為に当たる社会的に著しく不相当な商品の販売行為をしていることを知りながら当該商品の購入者と立替払契約を締結した行為は、販売会社の不法行為を助長したものとして、販売会社と共同不法行為を構成するとされた事例

○当事務所でも生まれつきの精神遅滞の顧客に比較的短期間に多額の呉服類を販売した売買及びクレジット契約についてその無効を主張して争っている事案を取り扱っていますが、呉服販売店の高齢者等精神能力の衰えの生じた方への販売には問題を含むものがあり、厳しく監視する必要性を感じております。上記3判例はいずれも相当な長文ですが、後日、内容を精査して紹介したいと思っております。
以上:1,127文字

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