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買った建物に幽霊が出る話し1

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平成17年 8月 8日(月):初稿
○暑い日が続きますが、少しだけ涼しくなる話しをします。
Aさんは、レストラン兼休憩所用に、民家を購入して、改造してレストランを始めましたが、開店初日からサッパリ客が入りません。開店後1週間経ってもサッパリ客が入らず、不審に思い、近所の家を訪ねて、聞いて回りました。

○すると最初に訪ねた方が、Aさんの顔を気の毒そうに見ながら、訳を説明してくれました。
Aさんが購入した建物は10年ほど前まで50代の独身女性Bさんが独りで住んでいたのですが、近所では変わり者で通り、近所付き合いもなく、仕事にも就かず、遊び歩いて、お金がなくなり、栄養失調で亡くなりました。

○Bさんは時々その建物を出てしばらく帰ってこないことも度々あったので、近所の人たちは又どこかに出かけたのだろうと思っていましたが、Bさんの所在が判らなくなって不審に思ったBさんの親戚Cさんが、その建物に入って調べたら、やせ細って腐乱したBさんの遺体を発見しました。

○Cさんは直ちに警察を呼んで検死手続等して貰いましたが、建物内の冷蔵庫は空っぽで食料が全くなくなっており、検死に当たった医者の説明では、Bさんは数ヶ月前に栄養失調で死亡していたことが判明しました。

○Bさんはずっと独身で子供もなく、両親はとっくに亡くなっており、Bさんは一人っ子で兄弟もいません。相続人は先ず配偶者と子供、子供がないと配偶者と両親、両親もいないと最後は配偶者と兄弟姉妹となりますが、Bさんには何れもなく、相続人がいない様に思えました。

○Bさんは、栄養失調で亡くなる位ですから預貯金等は全くありませんが、この建物とその敷地だけがBさんの財産でした。相続人がいないとこの建物と敷地の処分も出来ません。そこでBさんの遺体を発見した親戚のCさんが、弁護士に相談し、弁護士が、Bさんやその両親の戸籍を調査しました。

○するとBさんのお父さんには認知した子供Dさんが居ることが判明しました。Bさんには、母親違いの弟が存在しBさん唯一の相続人でした。Cさんがその旨Dさんに連絡すると、驚いたDさんは、相続分は要らないとのことで相続分を全てCさんに譲渡することになりました。

○かくしてその建物と敷地の所有者となったCさん、普通であれば1500万円はするその建物と敷地を僅か500万円で売却しました。そのような安い価格での売却に至ったのは、この建物に幽霊が出るとの噂が出たからでした。
栄養失調で餓死し骨と皮だけのBさんが夜な夜な現れ建物に電気を付けて建物内を徘徊し、実際、誰もいないはずの建物に電気がついているのを目撃した近所の人が沢山いたとのことです。
(この話題後日に続けます。)

以上:1,086文字

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