平成17年 8月 9日(火):初稿 |
○ほんの少し涼しくなる話しを継続します。この話しは当事務所で過去に扱った事件をアレンジして再構成したものでありあくまでフィクションです。 栄養失調で死亡し数ヶ月後に腐乱死体で発見されたBさん所有土地建物を取得した親戚のCさんは、普通は1500万円するところ僅か3分の1の500万円でその土地建物を売却しました。 ○Bさん所有建物には骨と皮だけに痩せ細って餓死したBさんの幽霊が出るとの噂が出ており、そのような曰く付き建物を普通の価格で売ることは到底不可能です。そのためCさんは500万円という超破格代金で売却したのですが、購入したのは不動産仲介業者E社で目的は転売した。 ○E社は購入後、建物を100万円程度の費用でリフォームして勿論Bさんが餓死した事情など全く隠して1300万円で売りに出し、隣町のFさんが幽霊騒ぎの事情を全く知らずに購入しました。Fさんは結婚予定の息子夫婦に使用させるために購入したのですが、息子夫婦は幽霊騒ぎを聞きつけそんな家に住みたくないとなり、FさんはE社に買い戻しを要請しました。 ○E社は幽霊騒ぎなど全く知らなかったと言い張り、買戻価格は700万円と主張します。Fさんは至急お金が必要な事情も生じたためやむなく700万円での買戻に応じました。 ○するとE社は700万円で再購入したこの曰く付き土地建物を1500万円で売りに出し、レストランチェーン店を経営するAさんがレストラン兼休憩所建物として1500万円で購入しました。AさんはE社から購入の際、使用目的はレストランであることを明示しましたが、勿論、E社は、元所有者Bさんの餓死及び幽霊騒ぎ事件の話しは全くせず、Aさんもそんな曰く付き建物とはつゆ知らず購入したわけです。 ○折角開店したレストランはサッパリ客が入らず、近所の人からBさんの餓死及び幽霊騒ぎ事件を聞いたAさんは、激怒し、E社に抗議して、売買契約は解除するので代金1500万円を返せと強く迫りました。 しかしE社は、Bさんは病死したと聞いていた、幽霊騒ぎ事件など全く知らないとしらを切り、売買契約解除には全く応じられないと主張して譲りません。 ○涼しくなる話しが却って熱くなる話しになり恐縮ですが、実はこのような事例は結構あります。多いのは所有者が自殺した場合です。元所有者の自殺を隠して売った場合の売主の責任が良く問題になります。 (この話題後日に続けます。) 以上:987文字
|