平成25年10月29日(火):初稿 |
○「映画”そして父になる”を観て-私ならどうする1」を続けます。分類分けとしては、趣味の映画の話しではなくなったので、大分類「家族」の中分類「親子」にしました。 もし私が、弁護士として、この問題を相談されたらどう回答するかとの観点で考えてみました。 事案は、 野々宮良多・みどり夫妻の間に生まれた長男として慶多と命名されて出生届された子は、真実は、斎木雄大・ゆかり夫妻の間に生まれた長男であり、斎木雄大・ゆかり夫妻の間に生まれた長男として琉晴と命名されて出生届された子が、真実は、野々宮良多・みどり夫妻の間に生まれた長男 であるというものです。 ○判りやすく A男・B女が、甲男・乙女の間に生まれた長男丙についてA男・B女の間に生まれた長男Cとして出生届をした 逆に 甲男・乙女が、A男・B女の間に生まれた長男Cについて甲男・乙女の間に生まれた長男丙として出生届をした とします。 ○先ず客体を誤った出生届けの有効性の問題がありますが、この問題も大変難しく、取り敢えず置いて、DNA鑑定等で生物学的には、丙は甲男・乙女の子であり、CはA男・B女の子と確定されたとします。 そして、映画と同じく小学校入学の前の年にその事実が判明し、Aは高給取りのエリートサラリーマンで、A・B夫婦は都心の高級マンションに居住し、甲は、田舎町の電気屋で売上も少なく、甲・乙夫婦は、小さな一戸建ての狭い住居に戸籍上の弟・妹と一緒に居住しているとします。 ○この場合、A・B夫婦から、実子と思って育ててきた長男丙が、真実は、甲・乙夫婦の子で、甲・乙夫婦が長男Bとして育ててきた子がA・B夫婦の子だと判明したが、今後、どうしたらよいでしょうかという相談を受けたとします。 このような相談を受けた場合、この問題は、法律問題にとどまらない社会・心理学等からの総合判断も必要であり、法律専門家だけの見解では、結論付けるのは難しい旨を先ず話しますが、兎に角、真っ先に考えなければならないのは、一番迷惑を受ける子Cと丙の立場であり、C、丙には何らの罪もないので、その利益を最優先に考えるべきと回答します。 ○C・丙の利益を最優先して考えるとすれば、7年近い事実を優先する即ち現状維持であり、「取り違えはなかったことにする即ち事実に目をつぶり、秘密として墓場まで持って行く」と言う方法があります。そのため事実を知る病院等関係者とDNA鑑定書廃棄処分等綿密な協定を結び事実が他に漏れないようにするための契約関係を整備することも必要です。しかし、事実を隠蔽することによる綻びが将来出現する可能性もあり、現状維持には相当の覚悟が必要です。 ○事実を隠蔽しての現状維持ではそれによる綻びが心配な場合、事実を認め、その事実を法律にあわせる方法もあります。丙は甲・乙夫婦の子、CはA・B夫婦の子であることを認め、これを前提に丙をA・B夫婦の養子、Cを甲・乙夫婦の養子とする戸籍訂正をして、事実上の親子関係を法律上も親子関係として現状を維持する方法です。子の丙・Cへ説明は、その成長程度を見て相当後日に行い、兎に角、現状はそのままにします。この場合の、戸籍訂正をどのような段取りで行うかは、結構、面倒そうでじっくり時間をかけて検討する必要があり、後日の宿題とします(^^;)。 以上:1,341文字
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