仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 弁護士等 > 法曹養成2 >    

司法修習はブラック企業くらい理不尽との理不尽な感覚雑感

平成26年 9月11日(木):初稿
○既に30年以上継続しているRU(ライジングアップ)という異業種交流会で、平成26年9月10日、宮城県選出参議院議員熊谷大(ゆたか)氏の話を聞く会を開催しました。RU(ライジングアップ)の平成26年会長は宮城県会議員坂下康子氏で、政治家の生の話しを聞くこともテーマの一つです。和田正宗参議院議員、郡和子衆議院議員に次いで3人目が熊谷大氏でした。

○彼は教育問題に最大の関心があり、その関心の源泉は、中学教師時代に生徒に将来の夢のアンケートにあり、そのアンケートでは、実に3分の2の生徒が「金が欲しい」との回答だったことに衝撃を受けたとの話しが印象に残りました。彼が教鞭を執った中学校は、子供の貧困が問題になっている仙台市でも貧しい地域でした。親が貧しいため常にお金に負われて夢が持てなくなり、貧困の連鎖となっている現状を、目の当たりにした彼は、この状況を何とかしたいと言う思いが自民党参議院議員候補者公募に応じた理由とのことでした。

○熊谷氏は、現在、公立学校授業料免除、返還不要な奨学金制度等の貧しい家庭の生徒が勉学に意欲を持って取り組むことができる制度創設に力を入れているとのことですが、貧乏人でも法曹を目指すことができるよう司法修習給費制復活が必要との議論があります。

○この司法修習給費制復活についての私の考えは、「給費制の復活と司法修習の充実を求める集会記事雑感」、「同2」に記載したとおりで、結論として現在の弁護士制度を前提とする限り、広く一般国民の賛同を得るのは到底無理というものです。

○この給費制に関して「言語空間+備忘録」の「私が司法修習生の給費制に反対する理由」に私より更に説得力ある文章が掲載されています。ここでの「なぜ、民間の事業者(自営業者)である弁護士を、国のお金で養成しなければならないのか」との疑問は、一般国民として当然と思います。

○東京新聞平成22年10月20日記事「司法修習生 納得できぬ給費継続」での「各種資格のなかで法律家だけをなぜ特別扱いするのか、説得力ある説明もない。」、「司法改革は、弁護士が特別な存在ではなく、普通の隣人として身近にいる社会を目指している。人権活動を“人質”に自分たちの利益を守ろうとするかのように聞こえる主張は、『人権擁護と社会正義の実現』を使命とする弁護士にふさわしくない。」との主張は全く同感で、給費制がないことを理不尽と考えることに、何と理不尽なと感じてしかたありません(^^;)。

*************************************


「司法修習はブラック企業くらい理不尽」 元司法修習生たちが「対価を払え」と提訴
弁護士ドットコム 9月10日(水)10時14分配信


国によって義務づけられた司法修習を一日中受けているのに、お金がもらえないのはおかしい――。元司法修習生たち110人が、そんな風に主張して、国に1人あたり1万円の損害賠償を求める裁判を9月9日、東京地裁に起こし、記者会見を開いた。

司法修習は、司法試験に合格した人たちが受ける約1年に及ぶ研修で、合格者が裁判官・検察官・弁護士になるためには絶対にくぐり抜けなければならない関門だ。司法修習生については2011年まで「給費制」という制度があり、国から毎月20万ほどのお金が支給されていた。

今回の訴訟は、給費制を廃止した法改正を「違憲無効」として、制度の復活を求めることが主な目的だ。東京のほかに熊本と札幌でも同様の訴訟を起こす予定という。

●「理不尽なことがまかり通っている」

原告団長の石井衆介弁護士は記者会見で、司法修習を「ブラック企業」になぞらえて、次のように話した。

「新卒で採用し、一年間研修を義務として命じているにも関わらず、その間まったく無給。しかも兼業もできず、健康保険料も個人負担・・・そんなブラック企業があったら、マスコミなどから袋叩きにあうことは間違いありません。それくらい理不尽なことがまかり通っています」

また、もうひとりの原告団長の芦葉甫弁護士は、自身の修習時代を次のように振り返った。

「司法修習を積むには、法律の専門書が必要ですが、高価なのでなかなか買えませんでした。

また、第一線で活躍している先輩法曹たちの話を聞く『学びの場』に出かけるための交通費もかさみました。

さらに、東日本大震災が起きて間もないころだったので、(原発事故のあった)福島の状態を見るのも勉強の一環と考えましたが、新幹線代・宿泊代をねん出をするために、食費にもしわ寄せが行きました」

芦葉弁護士によると、2011年に給費制が廃止されて以降、司法試験合格後に経済的な理由で「法曹への道」を断念する人があらわれているという。

弁護団の共同代表をつとめる宇都宮健児弁護士は、「司法は国民の人権を守るためにある。給費をカットされた原告だけではなく、国民の人権を守るための制度を確立したい」と今回の訴えの意義を強調していた。 (弁護士ドットコムニュース)

以上:2,040文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック
※大変恐縮ながら具体的事件のメール相談は実施しておりません。

 


旧TOPホーム > 弁護士等 > 法曹養成2 > 司法修習はブラック企業くらい理不尽との理不尽な感覚雑感