平成23年 9月19日(月):初稿 |
○繰り返しアナウンスしていますが、平成23年11月11日(金)午前10時から横浜市のパシフィコ横浜で第17回業務改革シンポジウムが開催され、私も「小規模事務所におけるマーケッティング戦略」と題する分科会にスタッフとして参加します。午前中に分科会スタッフが、研鑽を重ねてきた小規模事務所としてのマーケッティングに関する基調報告をし、午後は、マーケッティングを実践している若手弁護士を中心とするパネルディスカッションを行います。 ○この分科会では、法律事務所の安定経営実現と弁護士の使命たる「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を達成していくために、単に「お客様の利益を擁護する」との視点ではなく、お客様の満足度を高めるとの視点でさらなるお客様志向を目指す具体的方法を模索して提案することを目的としています。 ○法律事務所安定経営のためには先ずお客様に法律事務所を知ってもらう必要があり、その法律事務所情報伝達手段としてはHPが最適であり、「集客効果のある法律事務所HPとは?」に記載したとおり、私も委員会内で私なりに考えた硬化のあるHPについて報告したこともあります。 ○私の感覚では、特に平成23年に入り、東日本大震災と言う全く未曾有の大災害が発生したことなども重なり、被災地弁護士業界は相当の不況に陥っています。最大の原因は、ここ10年以上に渡り、弁護士業界に特需をもたらした多重債務事件と関連する過払金返還請求事件の激減で、仙台弁護士会では数年前から毎日多重債務相談を行って居ましたが、相談者がないとの理由で担当者にキャンセルの連絡が相次いでいます。更に追い打ちをかけているのが法テラスによる弁護士報酬低価格化です。 ○私の事務所の場合も、多重債務事件は1,2年前までは安定的供給源で売上の一定部分を占め、安定売上には大きく貢献していましたが、平成23年に入り、売上に占める割合は激減しています。仙台では殆どの事務所で同様と思われますが、ネット上には相変わらず多重債務専門を謳う全国規模の事務所HPが相当程度あり、果たして集客効果がどれだけあるのか知りたいところです。 ○先日、「集客効果のある法律事務所HPとは?」を見たとのある地方弁護士さんから、「ここ数年,マーケティングについて考え,実践したことを中間的に総括したいと思い,『所長弁護士が考える 法律事務所のマーケティング』というブログを立ち上げました。」、「先生の目から見ると,当事務所のマーケティングはどんな風に写るのでしょう。」との投稿を頂きました。当事務所HPご覧頂き有り難うございました。 ○この「所長弁護士が考える 法律事務所のマーケティング」、じっくり読ませて頂きましたが、素晴らしい内容です。一昔前は、地方は恒常的弁護士不足で弁護士のマーケッティングなんぞ考える必要がなかったはずですが、昨今はこのように地方で仕事をする弁護士さんにも、熱心にマーケッティングを考える方が登場し、その数も増加しているように思えます。普通の商売では当たり前のことですが、弁護士業界では普通のことが普通に行われず済んでいました。 ○この所長弁護士さん、平成19年3人目の弁護士を迎えより広い事務所に移転するときから事務所ビジョン確立とマーケッティングを考え始め、そのキャッチフレーズは、「いつでも,どこでも,だれにでも 上質な法的サービスを。」とのことで、その実践概要を、 (a) 質の高い法的サービスを作るために (b) 質の高い法的サービスを提供できるという情報を広く法的ニーズをもっている人のところに届けるために (c) 法的ニーズのある人が,「いつでも,どこでも,だれでも」相談を受け,依頼できるようにするために に分けて具体的・詳細にその実践方法を記述されています。 私が思いつかなかった事項としては、 (a)では・マナー研修、・精神的に問題をもった人の対応に関する研修 (b)では、・DVD作成(プロモーションビデオの意味も持たせて)、・非顧問型,準顧問型,顧問型利用企業社員への広報 、・会議室の無料貸出し (c)では、・支店構想、・事務所内夜間・土曜相談、・出張相談、・公民館セミナー(無料相談会付き)、・無料相談券の配布、・メンバーズカードの作成,配布 等々多数あります。また思いついても実践は余りしていません(^^;)。 ○「04 全ては新件相談のために-即日相談に応じる覚悟」での考え方も、これは大変重要な視点だと気づかされましたが、長くなったので、別コンテンツで紹介しますが、興味ある方は、直接、『所長弁護士が考える 法律事務所のマーケティング』をご覧下さい。 以上:1,892文字
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