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独仏弁護士事情視察旅行事前勉強会雑感

平成21年 4月28日(火):初稿
○平成21年5月31日から1週間の予定で日弁連業務改革シンポジウム委員会第1部会有志の一員としてドイツ・フランスの弁護士事情視察旅行に参加する予定です。そのための事前勉強会が平成21年4月25日(土)にあり、私は株式会社商事法務発行日弁連法務研究財団編「法と実務2」25頁以下の「フランス弁護士職の業務と収入に関する現状-法曹人口増加と弁護士職の状況に関する一例-」をまとめて報告しました。その内容は「フランス弁護士制度の沿革等」以下に記載したとおりです。

○フランスとドイツの司法制度全般については,「フランス共和国の司法制度」、「ドイツ連邦共和国緒司法制度」に要領よくまとまっています。ドイツ弁護士事情については、通訳を兼ねて同行するA弁護士から詳しい報告がありました。A弁護士はドイツ連邦共和国外国法弁護士登録もされてフランクフルトの法律事務所にも勤務されたことがある日本におけるドイツ法の第一人者でドイツ弁護士事情に精通されています。

○A弁護士の話ではドイツと日本の弁護士に対する感覚は全く異なっているようです。ペーター・ゴットヴァルト氏の「ドイツにおける弁護士の状況」によると「2006年元旦の時点で,13万8104人の弁護士が認可されている。その数は常に増加しており,過去10年間の増加率は81%である。」とのことです。

○弁護士で食えないのでタクシーの運転手をしていると言うたとえ話が出るのはドイツの弁護士ですが、この論文でも「近年,『弁護士の窮状』が指摘されている。過去10年間,弁護士の収入が伸び悩んでいるのは否定できず,インフレと弁護士数の恒常的増加に基づき,実質所得は減少している。また,単独で開業する弁護士(Einzelanwalte)は,利潤の小さい依頼でも引き受けなければならない状況が増えている。」と記載されています。

○A弁護士の話でもドイツでは弁護士資格は、数多い国家資格の一つに過ぎず、弁護士資格を得たから弁護士になるとは限らず、弁護士資格を得ても弁護士以外の仕事に就く例も多いとのことです。質の悪い弁護士が増えるので弁護士数を抑制すべきなんて議論はドイツでは全く通用しないし、まして弁護士が食えなくなるから弁護士数を抑制すべきなんて議論は,ドイツの感覚とは全くかみ合わないのでこれを前提とした質問等はしない方が良いと言う話が印象に残りました。

○ドイツの弁護士の話を聞き,私が担当したフランス弁護士はまだ恵まれていると思ったところ、これまた、フランス留学経験のあるB弁護士の話では、フランスでも弁護士の地位は高くなく、裁判官・検察官の地位が遙かに高く(試験も別個)、公務員、教師より更に低い地位にしか評価されていないとのことで、日本の弁護士の地位はまだまだ高いと再認識させられました。

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