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令和 5年 1月31日(火):初稿 |
○「人身傷害保険金は先ず被害者過失割合部分充当とした最高裁判決紹介」で令和4年3月24日最高裁判決は、「人身傷害保険について保険会社が被害者に対して自賠責保険分を含めて一括払することを合意した場合においても,人傷保険会社が自賠責保険から支払を受けた損害賠償額相当額を被害者の損害賠償請求権の額から控除することができない」と判示したことを紹介していました。 ○ところが、現在も保険会社に人身傷害保険金請求をする際は、以下の画像のように「●人身傷害保険金を受領した場合は、支払保険金の額を限度として私が有していた賠償義務者に対する損害賠償請求権および自動車損害賠償保障法に基づく損害賠償額の請求受領権が、貴社に移転することを確認します」との約定が残っています。人身傷害保険金を支払った保険会社は、この約定に基づき支払金額全部について、自賠責保険金請求をしていると思われます。 ○令和4年3月24日最高裁判決は、過失相殺が存在する交通事故損害賠償請求における人傷保険金の意味について、先ず被害者の過失割合部分損害に充当されることを確認していますので、人身傷害保険金を支払った保険会社が、被害者に代位して自賠責保険金を請求できるのは、あくまで加害者の過失割合部分のみであり、被害者の過失割合部分は請求できないはずです。従って、上記「貴社に移転する」範囲は、「賠償義務者の過失割合部分を限度として」との限定文言を加えるべきです。 ○上記約定は、「●人身傷害保険金を受領した場合は、支払保険金の額のうち「賠償義務者の過失割合部分」の額を限度として、私が有していた賠償義務者に対する損害賠償請求権および自動車損害賠償保障法に基づく損害賠償額の請求受領権が、貴社に移転することを確認します」と変更されるべきですが、変更されていないようです。 以上:755文字
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