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”マイクロバイオームとは―人と細菌の共生関係と健康”紹介

令和 5年 2月 1日(水):初稿
○現在悩んでいることに歯周病の進行があり、歯磨きは就寝前の外、起床直後もうがいだけだったものを、5分以上歯ブラシでの歯磨きも励行するようになりました。昨日、Amazonに注文していた「歯周病の新常識」が届き、早速読み始めたら、「はじめに」に「ヒトマイクロバイオーム」と言う言葉が出てきました。初めて知る言葉で、分かり易く解説したネット記事を探したところ、「マイクロバイオームとは―人と細菌の共生関係と健康」が見つかりました。以下、そのまま紹介します。

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マイクロバイオームとは―人と細菌の共生関係と健康
2019.04.30-2022.09.28


私たちの体重の約3%は微生物で、人体の内部や表面には1万種を超える微生物がいるといわれています。
ヒトマイクロバイオームとは、人の身体に棲みつくこうした細菌叢のこと。宿主の健康や疾病にも影響を与えると考えられており、研究がすすめられています。
この記事では、マイクロバイオームとは何か?という疑問にお答えし、マイクロバイオームと人の健康との関わりについてご説明します。

マイクロバイオームとは
人体の内部や表面には、なんと1万種、数百兆個にも及ぶ数の微生物が存在するといわれています。
よく知られているのは腸内細菌ですが、その他にも皮膚や鼻腔、口腔、膣などさまざまな場所に細菌たちが暮らしています。
これらはヒトマイクロバイオーム(英語:human microbiome)と呼ばれ、その数はヒトの細胞の数よりもはるかに多いのだそうです。

マイクロバイオームの多くは人体と共生関係にあり、ヒトはこうした微生物と協力するように進化してきました。

ヒトとマイクロバイオームの関係の例として、分かりやすいのが赤ん坊です。
母親の胎内で無菌状態でいた赤ん坊が最初にマイクロバイオームを獲得するのは出産時に通る産道(膣)であるといわれています。そうして母親の膣にきわめて近いマイクロバイオームを獲得した赤ん坊は、帝王切開によって母親の膣のマイクロバイオームを受け継がずに(分娩室の空気や接する人の皮膚マイクロバイオームを獲得して)生まれる赤ん坊と比べて、ブドウ球菌感染を発症する確率がきわめて低いそうです。

また、人工的に作られた無菌の動物の身体では獲得免疫の形成がしっかりと行われず、病原体の排除がうまくいかなかったり、免疫の過剰反応によって炎症性疾患を引き起こしたりといった現象がみられることも報告されています。

このように、ヒトマイクロバイオームは人の健康や疾病に大きな影響を与えていると考えられています。

常在菌は人によって違う!
ヒトマイクロバイオームには多様性があり、同じマイクロバイオームをもつ人は存在しないといわれています。特に皮膚のマイクロバイオームは個人間で大きく異なり、一人の人間の右手と左手の間でも大きな違いがあるそうです。

ヒトの腸内細菌を調べると、住んでいる地域などによっても差は認められるものの、同じ地域に住む人間間でも個人差は大きく、年齢等によっても左右されるとみられています。
また、腸内細菌のバランスは食事と深いかかわりがあると考えられていますが、同一の食事内容であるからといって同一の腸内環境になるというわけではないこともわかっているそうです。

マイクロバイオームは宿主の健康状態によっても異なるため、マイクロバイオームを調べることである疾患の症状の進み具合について分かることもあるとされています。
例えば肺のマイクロバイオームは、喘息や嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの病状について知るための大きな手がかりとなるそうです。
同様のことは扁桃腺や耳管のマイクロバイオームにもいえるそう。

マイクロバイオームは同じ人の中でも短期間で大きく変化するといわれています。
健康な人のマイクロバイオームと疾患を抱える人のマイクロバイオームの研究を進め、人の健康とマイクロバイオームとの関わりを明らかにすることで、将来さまざまな病気の予防や治療に役立つことが期待できそうです。

腸内細菌叢と健康
ヒトマイクロバイオームの中でも、腸内細菌は宿主の健康に大きく影響していることでよく知られています。

腸内細菌の中でもビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢である健康的な腸では、善玉菌が作り出す乳酸や酢酸などにより内部が酸性に保たれ、悪玉菌や食中毒菌の増殖が抑えられます。その結果、発がんや肌荒れ、体臭や口臭の原因となることもあるといわれている悪玉菌による腐敗産物の産生も抑制され、症状の予防や改善につながるといわれています。

また、いわゆる善玉菌と呼ばれる微生物以外にも、身体に影響を及ぼす細菌がいます。

その一種が、バクテロイデスというグループに属する数種類の菌です。
これらの細菌は通称「痩せ菌」とも呼ばれ、腸内で短鎖脂肪酸を作り出し、過剰に脂肪細胞が肥大化するのを防ぐことが明らかになっています。バクテロイデス類が腸内に少ない人には肥満の症状があることが多いそうです。

善玉菌や「痩せ菌」は、人の食生活と深く関わっています。

たとえば「痩せ菌」については「食物繊維」をエサとして増えてゆくことが分かっており、人を対象とした実験で「低脂肪・高食物繊維」の食事を摂取するようにしたところ、24時間後には腸内フローラの変化が確認できたそうです。また、食事の前に食物繊維を摂る生活を2週間継続しただけで、腸内の「痩せ菌」が実験前の25%も増加したという報告もあります。

マイクロバイオームをすべて管理することはできませんが、腸内細菌に関してはプロバイオティクスやプレバイオティクスなどの摂取、また生活習慣によってある程度コントロールできることが分かっています。
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