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”弁護士のための医療法務入門”-カルテの書き方紹介1

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令和 3年 4月27日(火):初稿
○医学論争を含む交通事故事件においては殆どの事件で医療記録(カルテ)が文書送付嘱託手続で取り寄せられて時に膨大な量のカルテが証拠提出されます。そして心理においてはカルテ記載事項を丹念に読み込みその解釈に基づき保険会社側・被害者側で厳しく対立する主張の遣り取りがなされます。そのカルテの法的位置づけ、記載方式等解説した参考書を探していましたが、今般、第一法規株式会社発行「弁護士のための医療法務入門」を入手しました。以下、その中の「カルテの書き方」備忘録です。

カルテの法的位置づけ
一般には医師作成記録、狭義には医師法24条診療録、広義には医療法21条1項9号等の病院日誌から入院診療計画書等まで

関連法令
医師法第24条

 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
2 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。

医師法施行規則第23条
 診療録の記載事項は、左の通りである。
一 診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢
二 病名及び主要症状
三 治療方法(処方及び処置)
四 診療の年月日

医療法第21条
 病院は、厚生労働省令(第一号に掲げる従業者(医師及び歯科医師を除く。)及び第十二号に掲げる施設にあつては、都道府県の条例)の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。
(中略)
九 診療に関する諸記録

医療法施行規則第20条
 法第21条第1項第二号から第六号まで、第八号、第九号及び第十一号の規定による施設及び記録は、次の各号による。
(中略)
十 診療に関する諸記録は、過去2年間の病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、入院患者及び外来患者の数を明らかにする帳簿並びに入院診療計画書とする。

保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条(帳簿等の保存)
 保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から5年間とする。


○カルテ記載上の注意点
・診療の都度記録
・記載日時・作成者名を忘れず、修正できないボールペン記入
・略語は医学事典準拠・造語不使用・読みやすい字で記入
・訂正は二本線を引き元の記載が見えるように行い、修正箇所・理由・修正者署名押印日時明示
・追記は末尾に日時を明示する

○カルテの記載方式
・基本データ(データベース)-主訴・現病歴・現症・既往歴・生活歴・家族歴等
・問題リスト-基本データを元に患者が抱えている問題をリストアップ
・初期計画-問題解決方法立案・治療計画・診断計画・教育計画
・経過記録(プログレスノート)
SOAP方式
S:主観的データ(患者が直接提供する主観的情報-患者訴え・自覚症状)
O:客観的データ(各種検査結果)
A:S・Oを元に分析・統合・評価し病態・予後等の意見・印象記述
P:上記情報を元に観察計画・ケア計画・教育計画等問題解決計画記述

DAR方式
F:患者が抱える問題記述
D:Fを指示する検査・バイタルサイン等主観的・客観的データを記録
A:医療従事者が患者に行った処置・治療・指導等を記述
R:Aに対する患者の反応・結果を記述
以上:1,406文字

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