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平成29年 4月23日(日):初稿 |
○平成29年4月1日第1版第1刷発行株式会社メデュカルビュー社発行「神経外傷診療ガイドブック」を紹介します。序文の一部には、今回の企画では、現状で本邦のトップランナーとして一目置かれている先生方に、今日からの臨床に早速役立ち、これからの神経外傷に大いに興味がわくような “Cool ” な執筆をお願いしております。日本神経外傷学会が中心に進めてきたガイドライン改訂やレジストリー(JNTDB)制度による業績をご披露いただくとともに、脳神経外科医として外してはならない標準的な軽症〜緊急手術を要する重症の神経外傷の診断・治療・管理に最新の話題を盛り込んでいただきました。と記載されています。 ○「ある交通事故事件の顛末-予想外自賠責認定が始まり」に記載した10年前の平成17年に依頼を受け、平成22年に仙台高裁で和解解決するまで5年を要した交通事故損害賠償請求事件のメインテーマは、外傷性視神経損傷の存否でしたが、「神経外傷診療ガイドブック」157頁以下に、その原因・診断・治療法等が簡潔・明瞭に説明がなされています。「CQ視神経菅骨折が明らかでなければ視神経損傷は除外できるか?」との説明は、この裁判でも有効に使える記述がなされています。 ○同書170頁以下の「頭部外傷に伴う特殊な病態②:脳脊髄液漏出症の診断と管理 守山英二」では、脳脊髄液漏出症についての最新知見が簡潔・明瞭に整理されて説明されており、裁判で使えそうな記述が相当あります。 ○現在取扱中の事件で今後厳しい戦いが予想される外傷性てんかん事案に大いに参考になりそうな185頁以下の「外傷性てんかんの病理と管理」という論考もあります。これからシッカリ勉強させて頂こうと思っております。「神経外傷診療ガイドブック」は、医学論争を伴う交通事故損害賠償請求事件を扱う弁護士には必読の教科書としてお薦めです。 ******************************************** 目次 Ⅰ 総論 神経外傷のガイドライン 刈部 博,冨永悌二 はじめに 神経外傷のガイドラインの歴史と変遷 神経外傷のガイドラインの理念 外傷診療における神経外傷診療の位置づけ ガイドラインの普及率・遵守率 頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版に向けて 神経外傷診療の変化とガイドラインの今後の課題 重症頭部外傷のレジストリー 藤山雄一,鈴木倫保 はじめに 日本頭部外傷データバンク 日本の頭部外傷診療の現状 -日本頭部外傷データバンクP2009より- 高齢者(65歳以上)に対する頭部外傷治療と転帰 日本頭部外傷データバンクの問題点 最後に 頭部外傷初期診療 加藤正哉 はじめに 気道の開放(A)と呼吸管理(B) 循環管理(C) 切迫するD CTスキャン Secondary survey JATECについて 軽症頭部外傷の診断と管理 荻野雅宏 はじめに 軽傷頭部外傷のマネージメント スポーツによる軽傷頭部外傷(いわゆる脳振盪) 重症頭部外傷の最新の集中治療と予後予測 末廣栄一,鈴木倫保 はじめに 重症頭部外傷における頭蓋内圧の管理 重症頭部外傷における人工呼吸管理 重症頭部外傷における鎮静・鎮痛 重症頭部外傷における脳低温療法 脳低温療法から積極的平温療法へ 頭部外傷の病態の多様性に応じた温度管理 予後予測 おわりに 頭部外傷管理におけるモニタリング 小畑仁司 はじめに 頭蓋内圧(ICP)と脳灌流圧(CPP) 脳循環の自動調節能 脳酸素化(cerebral tissue oxygenation monitoring) 脳血流 電気生理 脳代謝 瞳孔反応 おわりに Ⅱ 各論 診療機会の多い頭部外傷:頭蓋骨骨折,脳振盪 川又達朗 Esential CQ 頭蓋骨骨折に対し早期に手術を計画すべき状態は? 手術法は? CQ 陥没骨折の手術適応はどのように考えるのか? CQ 脳振盪と広範性脳損傷(びまん性軸索損傷)との関係は? CQ 脳振盪を繰り返すとなにが問題になるのか? CQ 慢性外傷性脳症(CTE)と脳振盪後症候群(PCS)とはなにか? どう違うか? CQ 脳振盪を負ったスポーツ選手の診察の注意点は? CQ 競技への復帰はどうしたらよいか? Practice 局所性脳外傷:急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,脳挫傷 宮田昭宏,藤川 厚 Esential CQ 日本における重症頭部外傷の年齢分布は? CQ Talk and deteriorateについて CQ 頭蓋内血腫に対する外減圧術の効果は? CQ 両側外傷性頭蓋内血腫に対する治療戦略は? CQ 外傷性後頭蓋窩血腫の特徴は? CQ 静脈洞をまたぐ頭蓋骨骨折に伴う急性硬膜外血腫の対処法は? CQ 亜急性硬膜下血腫の治療法は? CQ 頭蓋内血腫の神経内視鏡による血腫除去の適応は? Practice びまん性脳損傷 前田 剛 Esential CQ びまん性脳損傷とびまん性軸索損傷の違いは? CQ びまん性脳損傷とびまん性脳腫張の違いは? CQ びまん性脳損傷に対して低体温療法や減圧開頭術は有効か? CQ 小児におけるびまん性脳損傷の特徴は? CQ びまん性脳損傷に伴う高次脳機能障害の診断方法とその特徴は? Practice 外傷性脳血管障害 斉藤敦志,佐々木達也 Esential CQ どのような頭部外傷で血管障害の合併を疑うべきか? CQ 外傷性脳血管障害を疑った場合の検査方法は? CQ 外傷性血管障害の分類はあるのか? CQ 外傷性血管断裂の特徴は? CQ 外傷性動脈閉塞の特徴は? CQ 外傷性静脈洞閉塞(血栓症)の特徴は? CQ 外傷性脳動脈瘤の特徴は? CQ 外傷性動静脈瘻の特徴は? CQ 外傷性くも膜下出血と脳血管攣縮の特徴は? CQ まとめ Practice 慢性硬膜下血腫 望月由武人 Esential CQ 慢性硬膜下血腫を疑う神経学的異常所見の特徴はなにか? CQ 慢性硬膜下血腫の診断のための画像所見の特徴は? CQ 慢性硬膜下血腫洗浄除去術の適応および方法は? 手術による合併症および予後は? Practice スポーツに伴う頭部外傷 -特に脳振盪について- 谷 諭 Esential CQ 脳振盪とMTBIの関係は? CQ スポーツ界へ介入する脳神経外科医師のスタンスは? CQ 脳振盪を起こした選手の取り扱いは? CQ セカンドインパクト症候群はあるの? CQ スポーツ界でのルール変更の流れは? CQ 頭蓋内疾患を有する選手の現場への復帰は? CQ 慢性外傷性脳症の実情は? Practice 小児頭部外傷 本多ゆみえ Esential CQ 小児頭部外傷でプレホスピタルで行わなくてはならないことは? CQ 具体的にいくつを目標に治療を行うのか? CQ 小児の頭蓋内圧(ICP)の管理の適応と目標閾値は? CQ 虐待を疑う事例の対応はどうするのか? CQ 手術が必要な小児の頭蓋骨骨折とは(growing skull fracture)? Practice 高齢者頭部外傷 刈部 博 Esential CQ 高齢者頭部外傷における病院前救護・初期診療の注意点は? CQ 高齢者頭部外傷における頭部CT検査の基準は? CQ 抗凝固薬・抗血小板薬の中和はどうすべきか? CQ 高齢者頭部外傷特有の病態について CQ 高齢者頭部外傷の頭蓋外合併損傷として注意すべきなのは? CQ 高齢者頭部外傷はなぜ予後は不良なのか? CQ 高齢者脳循環代謝の特徴と頭部外傷時の注意点について Practice 脊椎・脊髄損傷 石井桂輔 Esential CQ 神経障害を評価するときに用いられるAISってなに? CQ 脊椎損傷のAO分類法は治療方針決定に有用か? CQ 頚椎損傷で椎骨動脈損傷の合併を疑う場合どう対処するか? CQ 頚髄損傷に対してメチルプレドニゾロン投与を常に行うべきか? CQ 頚髄損傷における神経障害回復を目的とした除圧の適切なタイミングは? CQ 非骨傷性頚髄損傷に対する手術治療は効果あるの? CQ 頚椎椎間関節脱臼の整復は非観血的に行うべきか? CQ 中下位頚椎損傷に対する内固定方法は? Practice 頭部外傷に伴う特殊な病態①:外傷性視神経損傷の診断と治療 大谷直樹,森 健太郎 Esential CQ 視神経管骨折が明らかでなければ視神経損傷は除外できるのか? CQ 治療前の視力障害の程度と視機能予後の相関は? CQ 外傷性視神経障害に対するステロイド治療の功罪については? CQ 外科的手術の適応と最適時期は? CQ 適切な手術方法とその危険性については? CQ 硬膜外アプローチによる視神経管開放術のコツは? CQ 視神経管開放術に際し,視神経鞘を開放すべきか? CQ 診断・治療に際して有用なモニタリングは? Practice 頭部外傷に伴う特殊な病態②:脳脊髄液漏出症の診断と管理 守山英二 Esential CQ 脳脊髄液漏出症の症状とその機序は? CQ 脳脊髄液漏出症診断はなぜ難しいのか? CQ 脳脊髄液漏出症の画像所見は? CQ 実際の検査手順は? CQ 外傷性脳脊髄液漏出症とSIHの関係は? CQ 実際の硬膜外ブラッドパッチ(EBP)は? Practice 外傷性てんかんの病態と管理 貴島晴彦 Esential CQ 頭部外傷後の早期発作とは? CQ 外傷性てんかんの発症頻度は? CQ 外傷性てんかんの危険因子は? CQ 外傷性てんかんの診断は? CQ 外傷性てんかんの治療は? Practice 頭部外傷後のリハビリテーション 中村俊介 Esential CQ 頭部外傷後のリハにエビデンスはあるか? CQ 頭部外傷に対するリハをいつから開始するか?中止基準はあるか? CQ 頭部外傷急性期における呼吸リハとは? CQ 頭部外傷患者に対する摂食嚥下リハとは? CQ 深部静脈血栓症を合併したときの離床は? CQ 頭部外傷による高次脳機能障害とは? Practice Ⅲ 特論 多発外傷を伴う頭部外傷の治療 荒木 尚 Esential CQ 多発外傷は頭部外傷にどう影響するか? CQ 多発外傷により状態が不安定な患者に対する穿頭術の意義は? CQ Hybrid ERによる頭部外傷合併した多発外傷診療とは? Practice 頭部外傷に伴う脳死判定と臓器提供 Esential CQ 脳死下の臓器提供が可能な施設は? CQ 提供者の年齢による脳死臓器提供時の対応の相違は? CQ 虐待の疑いがある児童事例への対応は? CQ 警察への連絡はいつ行うか? CQ 頭部外傷患者に脳死実施を行う前に脳低温療法やバルビツレート療法は必要か? CQ 頭部外傷患者の脳幹反射検査時の注意点は? CQ 頭部外傷患者の脳死脳波記録の注意点は? CQ 平坦脳波(ECI)とアーチファクトの見分け方は? CQ 脳死判定に聴性脳幹誘発反応(ABR)記録は必要か? Practice 頭部外傷に起因した死因究明と法的問題 吉田謙一 Esential CQ 転倒・転落・交通事故が急性硬膜下血腫を惹起した場合の法的問題は? CQ 事故に関連した脳くも膜下出血の法的問題はなにか? Practice 以上:4,830文字
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