令和 3年 8月28日(土):初稿 |
○「”もうだまされない新型コロナの大誤解”紹介-空気感染と知れ」の続きです。国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長西村秀一医師著作「もうだまされない新型コロナの大誤解」第3章は「PCR検査をただ増やせば良いという大誤解」との表題で「PCR検査をしなかったから医療崩壊を免れた」との小見出しで始まり、PCR検査を制限したからこそ、日本では医療崩壊は起きず、多くの重症患者の命を救えたと断言されています。 ○新型コロナにばかり目が向きがちですが、病院にはもっと多くの重症患者が入院しており、医療従事者は毎日そうした患者さんとともに闘っており、こうしたことも良く考えて、対策を講じるべきで、ただ単にPCR検査を増やせば良いというものではないと記述されています。確かに、令和3年8月現在、コロナ感染者大爆発と大騒ぎしていますが、世の中に病人は、コロナ患者以外も大勢いるはずです。 ○令和元年の日本の死者数は、約138万人で一日当たり約3800人死亡しています。令和2年は10月までの死亡者数が約112万人で、令和元年10月までの死者数約113万人より1万3479人減少したとの報道もあります。死亡原因は、事故・病気・老衰・自殺等色々あるでしょうが、一日3800人もの死亡者がいるところ、令和3年8月26日現在のコロナ死亡者は1万5790人とのことで、令和2年のコロナ死亡者は1万人も居なかったと思われます。 ○令和2年1年間のコロナ死者が、仮に1万人だとして一日当たり30人弱であり、一日3800人の死者中僅か0.8%弱です。一日当たり3770人以上の人がコロナ以外の原因で死亡しているわけで、病院ではコロナだけにかまっているわけには行かないのが当然です。PCR検査を増やしてコロナ患者(※おそらく軽症者)発掘につとめる必要はないとの西村説はもっともです。 ○毎日報道される「本日の感染者数」は、ウンザリすると言って、あれは単に「PCR陽性者数」を言っているだけで、厳密な意味の感染者数ではなく、だいたいの傾向を言っているだけとも記述されています。正に私が感じていたとおりでした。インフルエンザが幾ら流行しても、「本日の感染者数」なんて毎日報道された記憶はありません。なんでコロナだけこんな大騒ぎをするのかというのが私の疑問でした。 ○PCR検査は、ウイルス量情報まで判定しないと他に感染させる可能性は不明とのことで、陽性と判明しても、翌日もう一度きちんと定量できる方法で検査し、ウイルスが増えていなければ周囲は何も特別なことをする必要はないところ、陽性者が出たと言うだけで学校や職場を休業として完全消毒作業をするなどは、とんでもなくナンセンスで不条理とも指摘されています。 ○「もうだまされない新型コロナの大誤解」第3章のまとめは以下の通りです。 ・PCR検査は、やみくもに多くの人にすれば良いというものではない。死んだウイルスも検出するので擬陽性者も多い。 ・PCR検査だけ増やしても、陽性者を受け容れる体制が整っていなければパニックになる。無症状者・擬陽性者まで隔離していると医療体制はパンクする。その意味で流行初期、日本はうまくやっていた。 ・従来のPCR検査はウイルス量も調べられるので、感染者の重症化のリスクと周囲に感染を広げる可能性の程度も調べて有効に活用できる。 ・抗体検査は、過去の感染経歴は分かるが現在感染していない証明にはならず、抗原検査は、感染していてもウイルス量が少なければ検出されず、その時点のリスク評価には使える。 以上:1,460文字
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