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2013年06月01日発行第102号”ウォルマートの安売弁護士(2)”

平成25年 6月 1日(土):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成25年6月1日発行第102号「ウォルマートの安売弁護士(2)」をお届けします。

○今回の大山先生の記事を見て、平成13年2月に仙台弁護士会会報に掲載された「これからの弁護士-三大特権喪失の時代に備えて」を思い出して、読み返してみました。平成13年2月当時は、平成11年7月から始まった司法制度改革審議会の大方針-法科大学院設置による合格者大幅増等-が伝わり、戦々恐々としたいた頃でした。平成25年の今は、「(弁護士の)三大特権の運命は、風前の灯火の状況である。10年先には三大特権で厚く保護された時代は、古き良き時代として懐古の時代となることは確実となった。」と記載していた通りの時代状況になっています(^^;)。

○平成13年以前から相当の危機感を持って、業務改革に励んできたつもりでしたが、平成13年当時は、報酬規則があり、他より安いとの表示は禁止され、弁護士の安売り競争の時代にはなっていませんでした。しかし、平成25年の今は、顧問料月額3980円なんて謳う事務所も現れ、安売り競争が始まりつつあります。法律相談無料化も当然の如く進んでいます。三大特権の一つ、「統一料金と広告禁止の競争排除体制」が如何に有り難いものであったかを実感しています。

○この記事で私は、「法的サービスの『安い』を実現する手段は、結局、時間単価を下げるしかないのではとの結論に達した。」と記載していましたが、結局、「『安い』を実現する」までには至りませんでした。弁護士の安売りの実現はなかなか難しいと実感しています。

○「弁護士が安売りするには、地道に業務の効率化をはかっていくことが一番になりますね。当たり前のことです。こういった業務効率化は、当然のことながらウォルマートも力を入れてきました。コンピューター・システムを大々的に取り入れて、徹底的な業務効率を追求」については、私自身考えてきたことと同じですが、まだまだ安売り実現とは言えません。大山先生の、このシリーズ、「もう1回だけ続けます。」ということで、次回、如何なるご提言をいただけるか、楽しみにしております。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

ウォルマートの安売弁護士(2)


 弁護士業でも安売りは可能かという話ですね。
 ウォルマートのような小売業では、購入価格を徹底的に安くすることで、低価格を実現しています。「ウォルマートに呑みこまれる世界」には、ウォルマートと取引したばかりに、過酷な値引き要請に苦しめられている製造企業が紹介されています。こういうことって、日本の下請け企業でもよく聞きますね。

 ただ、弁護士業のようなサービス業では、そもそも仕入値を下げることはあり得ません。下げるとしたら、勤務弁護士や、事務員さんの給料です。この点、ウォルマートも、従業員の給料は非常に低く抑えていました。サム・ウォルトン自身、ウォルマートからの給料だけでは家族を養っていけないことを認めていたそうです。しかし、人が財産の法律事務所で、人件費をそれほど劇的に下げるのは無理ですね。確かに、弁護士の数が増えてきたので、昔よりは勤務弁護士の給与は減少しています。それでも、ウォルマートなみに下げるというのは、まずありえないことです。

 そうなってきますと、弁護士が安売りするには、地道に業務の効率化をはかっていくことが一番になりますね。当たり前のことです。こういった業務効率化は、当然のことながらウォルマートも力を入れてきました。コンピューター・システムを大々的に取り入れて、徹底的な業務効率を追求してきたことは、ウォルマートに批判的な、「ウォルマートに呑みこまれる世界」でも紹介されていました。この点は、日本の弁護士も真剣に見習わないといけませんね!

 ところが、サービス業において、さらに安売りを追及しようとなると、サービスの質を落として安くするという工夫?が出てこざるを得ないんです。私がアメリカでよく行っていたウォルマートも、従業員のサービスは、日本に比べてかなり低いと感じましたね。

 この点について、少し前に安売り航空会社のスカイマーク社が、うちは安いんだから、客の側でも当然こういうことは理解しろよという文書を配ってましたよね。例えば、こんなことが書いてありました。
「お客様に対しては、従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを、当社客室乗務員に義務付けておりません。」「客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており、接客は補助的なものと位置付けております。」「機内での苦情は一切受け付けません。ご不満のあるお客様は、消費生活センター等に連絡されますようお願いいたします。」

 これ、安売弁護士も真似できますね!
「依頼者に対しては丁寧な言葉使いを、当事務所の弁護士に義務付けておりません。」「弁護士は法律専門家として業務に就いており、サービスは補助的なものと位置付けております。」「弁護士に対する苦情は一切受け付けません。ご不満のあるお客様は、弁護士会に懲戒申し立てされますようお願いいたします。」

 こんな感じのサービスにしたら、「安売り」もしやすくなりそうです。と書いていて、ハッと気が付きました。ここで書いた弁護士事務所のありようって、少し前の、競争がない状態で殿様商売をしていたころの弁護士そのものじゃないですか! そういう事務所は、それでいて、安売りどころか、今より値段は高かったんです。とういうことで、もう1回だけ続けます。

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◇ 弁護士より一言

小学校2年生になった息子は、少し前までは、「ママと結婚する!」と言ってたんです。ところが最近は、妻が「いつ結婚するの?」と息子に聞くと、「その話はまた今度にしよう。」とはぐらかすようになりました。妻ががっかりした顔をすると、一転して、「ママ、チュー券(なんだそりゃ!)あげるね。」などと気を引きます。と、とんでもない奴です!

「騙されているんだよ。」と教えてあげても、妻は眼を覚まさないんです。ううう。。。
そのうち妻は、息子を名乗る電話がかかってきたら、「母さん助けて詐欺」に引っかかるのではないかと心配になったのでした。
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