平成25年 2月 4日(月):初稿 |
○「日本の領土・領海・領空とその範囲等についての覚書3」を続けます。 「日本の領土・領海・領空とその範囲等についての覚書3」までは、池上彰氏の週刊文春平成25年1月3/10日号66頁以下「今こそ知りたい日本の領土」との表題での解説記事の備忘録であり、「現在、自民党は『毅然とした態度で臨むべき』と主張するが、韓国・中国も『日本には毅然とした態度で当たれ』との強い世論があり、双方『毅然とした態度で』言い合っているだけでは、物事は前に進まない。領土問題で勇ましい発言は誰でもできるが、それでは問題は解決しないとの認識から出発すべき。」との結論は全く同感でした。 ○領土問題について、最近、元外交官・元防衛大学教授の孫崎享(まごさき・うける)氏の著作を読んで勉強しておりますが、株式会社普遊舎発行「日本の領土問題の『今』と『未来』がわかる本」に掲載された「水面下で蠢く『軍事グループ』と『金融・産業グループ』孫崎享が斬る!尖閣問題を国益のために利用するアメリカの陰謀と日本支配!」との表題の孫崎氏インタービュー記事に、世の中には色々な考え方があり、これまでの日米関係の歴史を振り返ると、なるほどとも思いました。以下、その記事の備忘録です。 ・アメリカが日本との同盟を強化するには、日中間に緊張があった方が良く,尖閣問題では、日中間に緊張は高めるが、軍事衝突までは発展しない状態がアメリカにベスト。都合の良い例は、中国漁船衝突事件後の仲井真知事当選、在日米軍駐留の思いやり予算の復活、武器輸出三原則の緩和 ・日中軍事衝突になっても米軍の援助出撃はない、その理由は、安保条約第5条「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。 」の「自国の憲法上の規定及び手続に従つて」との文言で、アメリカ議会の議決がないと「共通の危険に対処するように行動」が出来ないから。 ※北大西洋条約機構(NATO)での「武力攻撃が行われたときは、その必要と認められる行動(兵力の使用を含む)を直ちに執る」とは異なる。 ・2005年当時ライス国務長官・ラムズフェルド国防長官対町村外務大臣・大野防衛庁長官での取決文書「日米同盟 未来のための変革と再編」には、中国が尖閣諸島に侵攻したときの阻止の役割は自衛隊と明記されており、米軍は手を貸さず、その結果、中国軍が尖閣諸島を占拠すると尖閣諸島は「日本国の施政の下にある領域」でなくなり、安保条約第5条の適用がなくなる。 ・尖閣諸島は日本が実効支配し、中国は「棚上げ」に合意し、中国漁船の違法操業には「日中漁業法」を適用し、退去を求めてその取締を中国に委ねていたものが、「日本漁業法」での取締に変え、日本が取り締まる即ち逮捕するとの方針に変え、日本政府は「棚上げの合意はない」と言い出し、そのあげくに「国有化」したため中国は完全に怒った。 ・じつは1971年沖縄返還協定の時米国が仕掛けた尖閣問題という時限爆弾 中国メディアは、日中関係の悪化で利益を得るのはアメリカと指摘するが、日本の政治家でそんなことを言う人はおらず、国際感覚の乏しさ、陰謀に対する鈍さ、アメリカにしてみればこんなに操りやすい国はない。 以上:1,383文字
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