平成25年 1月24日(木):初稿 |
○「日本の領土・領海・領空とその範囲等についての覚書2」を続けます。今回は、今をときめく池上彰氏の週刊文春平成25年1月3/10日号66頁以下「今こそ知りたい日本の領土」との表題で解説記事の備忘録最終回です。 先ず海上保安庁作成昭和57年度漁業白書(世界の200海里水域)からの地図です。 日本の陸地面積は、約38万km2で、世界約200カ国中62位のところ、排他的経済水域の面積は、陸地の12倍の約447万km2もあって世界第6位とのことです。上記日本近辺地図を見ると、ホントに、排他的経済水域の面積が陸地の12倍もあるのだろうかと疑問ですが、点在する島の周囲にある排他的経済水域の面積が大きいと思われます。 ○排他的経済水域は宝の海 近年、日本の排他的経済水域には、メタンハイドレードやレアアースなどの豊富な海底資源が続々と発見され、日本の排他的経済水域宝の海と判明してきた。 メタンハイドレードは、メタンガスが深海艇で低温・高圧によって水と共に氷の結晶になったもので「燃える氷」と呼ばれ、燃えると水だけが残り、燃えたときに出る二酸化炭素の量は石炭・石油の半分程度であるため地球温暖化対策にもなる。 本州・四国の南側に大量に、また、北海道周辺・新潟県沖・関東地方南側に存在が確認され、埋蔵量は日本で消費される天然ガスの100年分と推定され、この意味で日本は資源大国だが、深海底から採掘する技術開発が課題。 レアアースは、パソコン・携帯電池・磁石・自動車などの生産には欠かせない材料で、従前、中国からの輸入に頼っていたが最近、日本近海に大量に埋蔵されていることが判明し、特に日本最東端の南鳥島沖海底で発見されたものは日本の年間消費量の220倍と推定されている。 ○「毅然とした態度」と言っても 以下、池上彰氏の文章を私なりにまとめますが、私自身も、「領土問題で勇ましい発言は誰でもできるが、それでは問題は解決しないとの認識」が重要と思っています。 最近の竹島や尖閣諸島の問題噴出は、野党時代の自民党は「民主党の外交の失敗」と批判してきたが、自民党時代の問題先送りが、民主党時代になって矛盾が噴出したもの。しかし、自民党時代の先送り戦術は、周辺国との緊張緩和のための「大人の知恵」だったとも言える。 現在、自民党は「毅然とした態度で臨むべき」と主張するが、韓国・中国も「日本には毅然とした態度で当たれ」との強い世論があり、双方「毅然とした態度で」言い合っているだけでは、物事は前に進まない。領土問題で勇ましい発言は誰でもできるが、それでは問題は解決しないとの認識から出発すべき。 以上:1,075文字
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