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競売で買い受けた建物が代金納付前に津波で流された場合

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平成23年 4月23日:初稿
○「震災直前に売買した建物が津波で流された場合2」で、このような場合、目的物滅失を理由に契約解除を主張して、売買がなかったことを主張しても良いのではと、記載していましたが、裁判所が主催する競売手続で買い受けた不動産が津波で流されたような場合については、競売手続を規制する民事執行法に以下の規定があります。

民事執行法第75条(不動産が損傷した場合の売却の不許可の申出等)
 最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。


○最高価買受人とは,一番高い価格で入札した人で、通常、この方に売却決定がなされますが、決定前であれば売却不許可の申出が、買受人とは売却決定を受けた人で、決定後は代金納付命令が出されて残代金の納付期限が定められますが、残代金納付前であれば売却許可決定の取消の申立が出来ます。

○当事務所に実際電話相談があった次の事例では、まだ残代金納付以前ですので、売却許可決定取消の申立をして、その決定を得れば支払済み保証金1000万円を返して貰えます。

・競落許可決定後残代金納付前の競落物件滅失
6000万円でホテルを競落し、保証金1000万円支払済みのところ、売却許可決定が確定し、残代金予納命令が出る直前に震災による津波で建物が実質全壊した。競落を取消して保証金1000万円を返して貰えるか。
全壊ではなく一部損壊で、競落は維持して建物を修理して使いたいので、残代金を減額してもらえるか。


○この事例は、津波で建物が実質全壊しており、問題なく「不動産の損傷」が認められるはずですが、全壊までは行かず部分的な損傷で修理すれば使えるような場合など、どの程度の損傷が必要か問題になります。その基準としては、最低売却価額を当然変更すべき程度の損傷、或いは、その損傷があれば買い受けの申出をしなかったであろう程度の損傷と言われています。いずれにしても主観的要素が入らざるを得ずケースバイケースで決せられます。

○一部損壊の場合で、修理して使いたいので、競落は維持し、残代金を減額して貰えるかという問題があります。競売の場合について民法に次の規定があります。
第568条(強制競売における担保責任)
 強制競売における買受人は、第561条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。


ここでの「第561条から前条までの規定」とは、売買目的物が「全部又は一部が他人の権利に属していた場合」、「数量が不足しており又は契約時既に一部滅失していた場合」、「地上権等他人の権利がついていた場合」であり、契約後、震災等で一部損壊した場合は含まれていません。従って競売の場合、この民法第568条で残代金減額請求は出来ないと思われます。

○とすれば原則に戻り、売却許可決定を取り消して貰い、その後、再度、評価人による再評価がなされて、最低競売価格を決め直して、再度、入札期間を設定し、改めて入札すると言う方法しかないような気もします。まだ民事執行法の規定を完全に検討できてませんので、更に検討を続けます。
以上:1,471文字

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