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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
         

R 8- 3- 5(木):共有不動産単独占有者に対し不当利得等支払義務を認めた最高裁判決紹介
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○原告(控訴人、上告人)が、被告ら(被控訴人、被上告人)に対して、所有権に基づき本件土地上の建物の収去及び土地の明渡し、収去等までの間の地代相当額の金員支払を求めたが原審で棄却され、上告しました。

○これに対し、原告は相続により取得した本件土地の共有者である被告らに対して本件各土地の地上建物の収去及び各土地の明渡しを当然には請求することができないが、原告は被告らの各占有により原告の持分に応じた使用が妨げられているとして被告らに対して持分割合に応じて占有部分に係る地代相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することはできると解すべきで、原審の金員支払に係る部分を破棄し、原告は相続取得の主張をしていないが原審としては適切に釈明権を行使するなどしてこれらを斟酌し請求の一部を認容すべきか審理判断すべきであるとして一部を差し戻した平成12年4月7日最高裁判決(判時1713号50頁、判タ1034号98頁)全文を紹介します。

○不動産の共有者は、当該不動産を単独で占有することができる権原がないのにこれを単独で占有している他の共有者に対し、自己の持分割合に応じて占有部分に係る賃料相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することができるとしたものです。

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主   文
原判決中上告人の被上告人Y1及び同Y2に対する金員支払請求に係る部分を破棄する。
前項の部分につき、本件を高松高等裁判所に差し戻す。
上告人の被上告人Y1及び同Y2に対するその余の上告並びに同Y3に対する上告を棄却する。
前項の上告費用は上告人の負担とする。

理   由
一 上告代理人○○○○の上告理由について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

二 職権により、原審の判断の適否につき判断する。
 本件訴訟において、上告人は、被上告人Y1に対し、原判決別紙家屋目録二記載の建物(以下「本件建物二」という。)の収去及び原判決別紙土地目録1、2記載の土地(以下「本件各土地」という。)のうち本件建物二の敷地部分の明渡し、右収去等までの間の地代相当額の金員の支払並びに本件各土地の登記済権利証の引渡しを、被上告人Y2に対し、右家屋目録一記載の建物(以下「本件建物一」という。)の収去及び本件各土地のうち本件建物一の敷地部分の明渡し並びに右収去等までの間の地代相当額の金員の支払を、被上告人Y3に対し、本件建物一からの退去を、それぞれ請求している。

その請求原因として、上告人は、
(1)上告人の亡夫であるAが昭和31年12月25日及び同33年3月18日に国有林の払下げを受けて本件各土地を取得し、同59年12月4日にAが死亡したことにより上告人がこれを相続により取得した、
(2)そうでないとしても、Bが前記各日に本件各土地の払下げを受け直ちにこれらをAに贈与し、Aの死亡により上告人がこれらを相続取得した、などと主張している。

被上告人らは、上告人の所有権取得を争い、被上告人Y1は、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのはCであり、被上告人Y2は、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのはBであると主張している。

原審は、上告人の右(1)の主張事実のうちAが本件各土地の払下げを受けたことは認められず、右(2)の主張事実のうち、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのがBであることは認められるが、BからAが贈与を受けたことは認められないとして、第一審判決のうち上告人の建物収去土地明渡し及び建物退去の請求を認めた部分を取消して、右請求及び原審で拡張した本件各土地の登記済権利証の引渡請求を棄却し、同判決のうち上告人の金員支払の請求を棄却した部分に対する上告人の控訴を棄却する趣旨の判決をした。

 しかしながら、原審は、Bが昭和42年5月22日に死亡したこと、Bには妻C並びにA、被上告人Y1及び同Y2の3人の子があったこと、Aが同59年12月4日に、Cが平成4年5月24日に、それぞれ死亡したこと、Bが昭和29年ないし30年に本件建物一及び本件建物二を建築してこれらを取得した上、同42年4月ころにCにこれらを贈与し、同53年4月10日にCから被控訴人Y2に本件建物一が同Y1に本件建物二が各贈与されたことを併せて認定している。

以上の事実によれば、特段の事情のない限り、Bの死亡に伴い、法定相続人の1人であるAが本件各土地の9分の2の持分を相続により取得したはずのものである。そうすると、上告人がAの右持分を相続により取得したというのであれば、上告人は、同様にB及びCの死亡に伴い本件各土地の持分を相続により取得した共有者である被上告人Y1及び同Y2に対して本件各土地の地上建物の収去及び本件各土地の明渡しを当然には請求することができず(最高裁昭和38年(オ)第1021号同41年5月19日第一小法廷判決・民集20巻五号947頁参照)、同Y1に本件各土地の登記済権利証の引渡しを請求することや同Y2の所有する本件建物一に居住している同佳生に対して退去を請求することもできないものというべきである。

しかし、同Y1及び同Y2が共有物である本件各土地の各一部を単独で占有することができる権原につき特段の主張、立証のない本件においては、上告人は、右占有により上告人の持分に応じた使用が妨げられているとして、右両名に対して、持分割合に応じて占有部分に係る地代相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することはできるものと解すべきである。

そして、上告人は右のBの死亡によるその持分の相続取得の主張をしていないが、原審としては、前記各事実を当事者の主張に基づいて確定した以上は、適切に釈明権を行使するなどした上でこれらをしんしゃくし、上告人の請求の一部を認容すべきであるかどうかについて審理判断すべきものである(最高裁平成7年(オ)第1562号同9年7月17日第一小法廷判決・裁判集民事183号1031頁参照)。そうすると,原審の前記判断には、法令の適用を誤る違法があるというべきであり、この違法が原判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって、原判決のうち上告人の被上告人Y1及び同Y2に対する金員の支払請求に係る部分は破棄を免れず、右部分につき、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 北川弘治 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷玄)
以上:2,811文字
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R 8- 3- 4(水):和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-帯津良一氏編
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○「和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-草野仁氏編」の続きで、第8章日々ときめいて、ご機嫌に生きるの帯津三敬病院名誉院長帯津良一医師の紹介記事備忘録です。帯津医師については、「”1日1分からはじめる65歳からのらくらく呼吸法&気功”紹介1」に、「帯津良一氏は、この著作を出版した2023(令和5)年11月当時87歳、まだまだ現役で週5日診察し、毎日晩酌を欠かさないそうです。月から金までは病院で診察、土日のいずれかは各地での講演が入り、残った日は雑誌連載記事や書籍の原稿書きで、1週間ほぼ休み無しの生活とのことです。」と紹介しています。

・今日が最後のつもりで生きる。だからお酒も毎日飲む
お酒は365日、60年以上毎日、最後の晩酌と思って飲んでいる
朝に生ビールを飲むこともある
働くのが大好き、何もない日が嫌い、正月休みが一番嫌い

・我慢なんかするな、機嫌よく、ときめいて生きる
ホテルに泊まると必ず朝から生ビールを飲むが、近頃、朝は出しませんと言われてガッカリ
貝原益軒好きなものは薬にあつべしを信じて好きな物しか食べない
好きなことをして美味しいと思うものを食べ、ときめいて生きるのが一番

・人生の幸せは後半にあり、ナイスエイジングのすすめ
いつでも死後の世界に呼ばれたら行こうと思い始めたら日々の生活が充実
老化には逆らえず、アンチエイジングでは無くナイスエイジング
人生の後半で、エンジンを吹かし、その勢いであの世に乗り込む

・病気を治すのは医師ではなく、ときめいて自然治癒力をアップ
患者さんとは心を通わせるのが一番で白衣も着ない、普段着にサンダル履き
医者と患者は同じ病気に向き合う仲間
病気を治すのはもともと人間が持っている自然治癒力、その最大の原動力はときめき

・好きなことをして生きる、希望や喜びがあると気力が湧く
82歳で肺がんが見つかってもタバコを吸い続けて92歳まで生きた人が居る
ガン患者で帯津氏の病院では酒が飲めそうだと来る人が居る
食道がん患者が飲みたそうなので、焼酎を与えて飲んで貰った

・好きなつまみで晩酌、その前に仕事も楽しくやる
お酒はビールとウイスキー、つまみは本マグロが一番好き、カツオのたたき、フグの三本柱
8時45分NHKニュース後就寝、午前3時30分に起き、朝5時前に病院へ行き仕事
朝6時に病院内道場で、7,8分太極拳を舞って40年

・患者と家族に笑顔を、生きる希望を与えられるのが医者
帯津医師の患者は帯津医師に会うのが楽しみになる
患者さんが診察室を出る時は立ち上がって「お大事に」というと、患者も「先生もお大事に」と返す
患者はここへ来ると何か元気になると言ってくれる

・たいていのことは放っておく、イライラしなくてすむ
私は昔から怒ることは無い、仏の帯っちゃんと呼ばれた
仏じゃ無くてほっとけ、
挨拶を無視され、親切にお礼が無くても全く気にしない、思い通りいかなくても気にしない

・自分らしく病気の中でも生きていく
アルコールによる肝障害数値は、正常値の5倍で、数値上は不健康
それでも毎日好きな物を食べ自由に晩酌を楽しんでいる
健康診断の結果は気にしない、あれは余計なお世話

・西洋医学は臓器を診る、私は生命全体を診る

・急いで死ぬことはないけれど、呼ばれたら喜んでいく

以上:1,333文字
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R 8- 3- 3(火):継続取引保証人の相続人の責任範囲に関する最高裁判決紹介
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○大変古い判例ですが、保証人の地位を相続した者の責任についての昭和37年11月9日最高裁判決(最高裁判所民事判例集16巻11号2270頁、判時322号24頁)全文を紹介します。

○被上告人が、上告人Y1及び亡Aは訴外Bの原告に対する売買代金債務につき連帯保証をしたとして、上告人Y1及び亡Aの相続人である上告人Y2に対し、保証債務の履行を請求した事例です。

○最高裁は、継続的売買取引について将来負担することあるべき債務についてした責任の限度額ならびに保証期間の定めのない連帯保証契約における保証人たる地位は、特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、保証人の死亡後生じた債務については、相続人が保証債務を承継負担するものではないとして、原判決中上告人Y1敗訴部分を破棄し、同部分につき本件を原裁判所に差し戻しました。

○継続取引としての売買契約についての連帯保証人責任範囲を特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、保証人の死亡後生じた債務については、その相続人においてこれが保証債務を負担するものではないとしました。これにより賃貸借契約の保証人の範囲についても、保証人の死亡後生じた債務については、相続人は負担しないとの解釈も可能になります。

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主   文
原判決中上告人Y1に関する部分を破棄し、右部分につき本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
上告人Y2の本件上告を棄却する。
前項の部分に関する上告費用は上告人Y2の負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○の上告理由第一点について。
 被上告会社は、昭和25年12月1日から訴外BおよびC両名と、代金は毎月末払の約にて肥料の取引を始め、右取引に当り、爾後これによつて生ずる右両名の被上告会社に対して負担すべき債務につき、上告人Y2、訴外A、同D、同Eの4名においてこれを連帯保証したこと、そのうちD、Eは、Cの、上告人Y2、AはBの各連帯保証人であつたこと、昭和26年12月1日頃からは右Bが単独で被上告会社と取引を続け,上告人Y2およびAが依然として前記連帯保証人の地位にあつたこと、被上告会社が本訴で請求する100万円は、Bが右取引に関し昭和32年9月11日から同33年3月10日までの間に被上告会社に対して負担した301万1053円の肥料売掛代金債務の一部についての保証債務の履行を求めるものであること、Aは、右期間より以前である昭和32年6月7日すでに死亡し、同人の長男たる上告人Y1がその遺産につき3分の1の割合をもつて相続したものであることは、いずれも、原判決が確定した事実である。

 右事実関係のもとにおいては、上告人Y2の被上告人に対して負担する本件連帯保証債務に身元保証ニ関スル法律一条が準用され、その契約期間が保証契約成立の日より3箇年に限定されるべきであるとの所論は、ひつきよう、独自の見解というほかはなく、その他同上告人の債務をとくに制限した範囲に限るべき法律上の根拠も見出し難いから、右論旨は採用することができない。

 しかしながら、論旨が身元保証ニ関スル法律1条の準用を主張する趣旨は、要するに、本件保証債務が一定の限度に制限されるべきであるとの主張を包含するものと解すべきところ、按ずるに、前記原判示のような継続的取引について将来負担することあるべき債務についてした責任の限度額ならびに期間について定めのない連帯保証契約においては、特定の債務についてした通常の連帯保証の場合と異り、その責任の及ぶ範囲が極めて広汎となり、一に契約締結の当事者の人的信用関係を基礎とするものであるから、かかる保証人たる地位は、特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、連帯保証人の死亡後生じた主債務については、その相続人においてこれが保証債務を承継負担するものではないと解するを相当とする。

されば、本件において、連帯保証人Aの死亡後、被上告会社とBとの取引によつて発生した主債務につき、特段の事由の存することを判示することなくして、漫然Aの相続人たる上告人Y1に連帯保証人としての支払義務あるものとした原判決は、本件連帯保証契約の性質を誤解したか、もしくは理由不備の違法があるものというべく、上告人Y1についての論旨は理由があり、論旨第二点についての判断をまつまでもなく、原判決中同上告人に関する部分は破棄を免れない。そして、前記の点について、なお本件は審理判断の要があるから、右部分につき本件を原裁判所に差し戻すことを相当とする。

 同第三点について。
 裁判所が証拠を排斥するについては、その理由を逐一判示する必要はなく(最高裁昭和32年6月11日第三小法廷判決、民集11巻1030頁参照)、原判決(第一審判決引用)の挙示する証拠によれば、原判示は首肯しうるから、論旨は理由がない。
 よつて、民訴407条、396条、384条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介)
以上:2,132文字
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R 8- 3- 2(月):2026年03月01日発行第408号”アウトロー弁護士”
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○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和8年3月1日発行第408号「アウトロー弁護士」をお届けします。

○アウトロー弁護士の例として懲戒処分を受ける弁護士を挙げられています。懲戒処分は最も軽い方から「戒告」、「業務停止」、「退会命令」、「除名」の4種ありますが、「退会命令」、「除名」を受けた弁護士は弁護士でなくなり、「業務停止」期間中の弁護士も弁護士と名乗れなくなります。最も軽い「戒告」ですが、これだけ酷いことをしても「戒告」で済むのかと世間からは非難される例も多く、弁護士会は自己に甘いと評価されがちです。

○どれだけの期間会費未納で退会命令を受けるか、chatGPTに聞いてみたら、「多くの弁護士会では、6か月以上の会費未納→ 会務停止処分、1年以上の会費未納→ 退会命令(強制退会)」とのことです。ところが、グーグルAIに聞くと、「弁護士会費の未納を理由に「退会命令」の懲戒処分が出されるまでの期間は、ケースによって異なりますが、近年の具体例では約7カ月〜数カ月程度の滞納で処分が下されるケースが見られます。」とのことで、2~3カ月分の滞納で退会命令処分が出されたケースも確認されているとのことです。他の非行とあいまっての処分と思います。

○数ヶ月前に仙台弁護士会会長名で、会費は弁護士会を支える重要な資金であるところ、会費未納が増えているとの注意を促す通達が出され驚きました。40数年の弁護士稼業で初めての経験だったからです。弁護士業界は弁護士数が激増しているところ、需要はさほど増えておらず、仙台弁護士会でも経営が厳しい事務所が増えているのかも知れません。私もあと何年弁護士稼業が継続できるか判りませんが、アウトロー弁護士にならないよう頑張ります。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

「アウトロー弁護士」

アウトローというと、法に縛られず、法を無視した生き方をする人です。必ずしも悪い意味ではなくて、信念を貫く孤独なキャラクターみたいに、ポジティブな意味に使われることもあります。そういえば、アウトローの象徴的な人は、ロビンフッドだと思います。当時の国王の圧政に抵抗して、シャーウッドの森に立てこもった英雄です。私も、国家権力と対立しても、弱者を助けるアルトロー弁護士にあこがれちゃいます。しかし「アウトロー」のもともとの意味は、ロビンフッドの活躍した中世イングランドでの法制度です。そこでのアウトローは、「法に縛られない人」ではなく、「法から除外された人(法の保護の外に置かれた人)」を意味していました。

ロビンフッドもそういう意味では、国家法秩序から排除された人の訳です。アウトローと認定された人の場合、例えば強盗にあっても、殺されても、国は助けてくれません。アウトローの人の死体は「狼の首」と同じように扱われたそうです。狼が保護されないように、アウトローにも一切の人権も認められないということです。さすがにこれほど凄いアウトローの制度は、現代社会には存在しません。どんな犯罪者であっても、法の保護はありますから、犯罪者を殺した人は殺人罪として処罰されます。

しかし、現代日本でも、中世のアウトロー制度に匹敵する制度があるのです。それが、反社会的勢力(反社)を、一般市民社会から排除する制度なのです。反社と認定されると、銀行口座も携帯も持てません。住居も借りられないし、保険にも入ることができないと、多くの経済的な取引から排除されることになります。うちの事務所でも、各企業間の契約書を作成するときには、必ず「反社条項」を入れて、反社やそれに関与するところとは契約をすることはできないことを明確にします。反社であることを隠して契約した場合には、それだけで犯罪とされてしまいます。例えば、反社であることを隠してゴルフをした人が罰せられたなんていう事件がありました。正規の料金を支払っていた場合でも、これは詐欺罪になるんです。反社であったと知っていたなら契約を締結しなかったのに、だまして契約したうえでサービスをだまし取ったという理屈です。

かなり凄い理屈ですが、反社相手では通用するのです。この理屈が通用するなら、お店を出禁とされた悪質クレーマーが、身元を隠して商品を購入しても同じ理由で詐欺になるはずなんですが、こんな場合、警察は絶対に動いてくれません。「警察は民事不介入です」みたいに言われて終わってしまいます。反社勢力は「アウトロー」だから、厳しい対応になるのです。実際、同じような事件を起こした人を告訴した場合、最初は全くやる気のなかった警察が、相手が反社だと分かった瞬間に、直ぐに動いてくれたこともありました。ちなみに、中世イングランドでアウトローと認定されるのは、単に重大な罪を犯したからではなかったそうです。国からの呼び出しを無視したり、税金を支払わなかったりと、国家権力と対抗するようなものが、「アウトロー」とされたんです。日本の反社も、市民への悪行という問題だけでなく、国家権力を無視するという点で、非常に厳しい待遇を受けることになります。

ということで、最後に弁護士のアウトローについて考えます。弁護士は弁護士会に登録してはじめて弁護士です。弁護士会から追放されると、法廷から締め出されます。ところが不思議なことに、依頼者に対して横領や業務放置など、かなり悪いことをしても、直ちに弁護士会から追放されるとは限りません。一方、弁護士会からの呼び出しに応じなかったり、弁護士会の会費を払わないと、かなりストレートに「追放」処分が課されます。かなり悪質な弁護士でも、規則をしっかり守っていればアウトロー弁護士にはならないのです。

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◇ 弁護士より一言

私は人付き合いが悪くて仕事以外ではほとんど誰とも会いません。先日久しぶりに知人と会ったら娘から「パパって、会ってくれる友達いたんだ」と言われちゃいました。し、失礼な。私は自分が孤高なアウトローだという認識でしたけど、娘からは仲間から排除されたアウトローに見えてたんでしょうか。

以上:2,590文字
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R 8- 3- 1(日):和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-草野仁氏編
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○先日、仙台丸善で和田秀樹氏著「80歳の壁を越えた人たち」を購入しました。和田秀樹氏著作は、丸善仙台店の健康本コーナーに山のように置いてます。和田秀樹氏本は、「70歳が老化の分かれ道」から始まり、10冊ほど購入していま。表題は違っても書いてある中身はみな同じように感じ、10冊購入後は、購入していませんでしたが、。「80歳の壁を越えた人たち」は、80歳を越えた8名の方々のインタビュー記録で、興味ある方々が登場していましたので、購入しました。

○先ず筋トレで有名なアナウンサー草野仁氏編第4章「老いをはねつけ意欲的に生きる」備忘録です。

・トレーニングを続ける。少量でも毎日やるといい
毎日腹筋200回、15㎏のダンベル組み合わせ体操6種類、エアロバイク30分
石原慎太郎氏に60歳過ぎたら血管がブチッといくので重たいものやめろと言われ軽量化
※ベンチプレスは限界重量で無理してやっていますが要検討
歳をとったら少量でも毎日やることが大事

・歳をとると意欲が衰える、習慣にしておくと続けられる
一般に歳をとると意欲が低下して活動量が減る
それを防ぐために毎日やって習慣化することが大事

・新しいことに挑戦、合っていると思ったら続ける

・栄養不足は厳禁、無理して痩せる必要は無い
ちょい太高齢者の方が元気で長生き

・タンパク質を重視、肉を我慢する必要はない
さかな60、肉40くらいの比率で摂っている

・惰性で生きると記憶力は衰える、積極的に生きていく
円周率100桁、競馬場日本一観客数は1990年東京競馬場19万6517人
記憶が苦手になるのは復習不足、感動力、好奇心の低下
今日は、これしよう、あれしようと、思いながら生きる

・クヨクヨ悩んでも仕方ない、何とかなると割り切れ
引退は考えていない、人材育成事業にも興味
自分で変えられない過去ことなどでは悩まない

・活気のある時代、努力を積み重ねて豊かになる
日本は資源のない国で人間こそが資源、1人1人が才能を伸ばし、社会に役立つようになれと言われてきた

・日本の繁栄は高齢者のおかげ、努力を怠れば負けて当然
日本の高齢者は世界で1番賢いところ、現在の40代は韓国・台湾に学力で負けているのはゆとり教育のせい

・元気な高齢者の共通項、意欲があってよく動く
元気な高齢者は声の圧力が100歳になっても50代と変わらない
歩行速度が速い

・競馬健康法、勝負の決め手は執念
ギャンブルで負けるのは執念が足りないから
以上:999文字
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R 8- 2-28(土):裁判所鑑定結果による賃料増額請求を認めた地裁判決紹介6
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○「裁判所鑑定結果による賃料増額請求を認めた地裁判決紹介5」の続きで、建物賃貸借契約での賃料増額請求について、裁判所の鑑定結果による増額と、年1割の利息支払を命じた令和6年10月30日東京地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

○被告との間の建物賃貸借契約において、被告に賃料増額の意思表示をしたと主張する原告が、被告に対し、月額の賃料が増額されたことの確認を求めるとともに、増額後の差額賃料及びこれに対する借地借家法32条2項所定の年1割の割合による利息の支払を求めました。

○増額が認められた賃料と実際支払賃料の差額について各弁済期から年1割の利息支払が認められます。判決主文2項で各弁済期から支払済みまで増額分との差額5万2600円に対する1割の支払を命じています。通常、利息分支払命令内容は、別紙として、うち別紙認定差額一覧表「認定差額」欄記載の各金員に対する同表「起算日」欄記載の各年月日から各支払済みまで年1割の割合による各金員を支払えとの主文になります。

借地借家法第32条(借賃増減請求権)
 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。



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主   文
1 原告と被告との間の別紙物件目録記載の建物に係る賃貸借契約について、令和5年7月6日以降の月額賃料(共益費を含む)は50万8600円(税抜)であることを確認する。
2 被告は、原告に対し、88万5716円及び
うち4万4116円に対する令和5年7月6日から、
うち5万2600円に対する令和5年8月1日から、
うち5万2600円に対する令和5年9月1日から、
うち5万2600円に対する令和5年10月1日から、
うち5万2600円に対する令和5年11月1日から、
うち5万2600円に対する令和5年12月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年1月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年2月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年3月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年4月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年5月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年6月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年7月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年8月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年9月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年10月1日から、
うち5万2600円に対する令和6年11月1日から
支払済みまで各年1割の割合による金員を支払え。
3 原告のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は、これを5分し、その4を原告の負担とし、その1を被告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求の趣旨

1 原告と被告との間の別紙物件目録記載の建物に係る賃貸借契約について、令和5年7月6日時点の賃料が月額73万8548円(税込)であることを確認する。
2 被告は、原告に対し、令和5年7月6日から本件訴訟の口頭弁論終結の日の属する月まで毎月末日限り月額24万0248円及びこれに対する各該当月の1日から支払済みまで年1割の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)の所有者であり、同建物を被告に賃貸している原告が、被告に対して同建物の賃料増額の意思表示をしたとして、同建物の令和5年7月6日以降の月額賃料が増額されたことの確認を求めるとともに、増額後の差額賃料及びこれに対する借地借家法32条2項所定の年1割の割合による利息の支払を求める事案である。 

1 前提事実(当事者間に争いがないか、掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

     (中略)

(3)増額の意思表示
 原告は、令和5年7月4日、被告に対し、本件建物の書面到達の日の翌日からの賃料を月額67万9082円、共益費を月額5万9466円(いずれも税込み)に増額する旨の意思表示が記載された書面を送付し、被告は、同月5日、同書面を受領した(甲28、29)。

(4)調停不成立
 原告は、東京簡易裁判所に対し、被告を相手方として賃料増額等請求調停の申立てをしたが、同調停は、令和5年12月21日、不成立により終了した(甲31)。

(5)被告は、原告に対し、直近合意時点以降、本件口頭弁論終結時点まで、賃料月額45万3000円(税抜)、共益費3000円(税抜)を支払っている。

2 争点
 本件の争点は、〔1〕直近合意が事情の変更により不相当となったといえるか、〔2〕令和5年7月6日時点(以下「鑑定時点」という。)における本件建物の適正継続賃料額、である。
(1)原告の主張
〔1〕本件建物の賃料は近傍同種の賃料と比較して著しく低廉で不相当なものとなっており、事情の変更があったといえる。
〔2〕鑑定時点における本件建物の適正継続賃料額(共益費含む・税含む)は月額73万8548円である。

(2)被告の主張
〔1〕直近合意における賃料を不相当とする事情の変更はない。
〔2〕本件建物の適正継続賃料額は現行賃料である。

第3 争点に対する判
1 当裁判所は、本件賃貸借契約において賃料増額を相当とする事情の変更があるものと認め、また、当裁判所が実施した不動産鑑定士Cによる鑑定(以下「本件鑑定」という。)の結果を相当と認め、本件建物の鑑定時点における適正継続賃料額を月額50万8600円(税抜、共益費含む)と判断する。その理由は以下のとおりである。
(1)本件鑑定の概要
ア 結論
 鑑定時点における月額実質賃料は51万4000円(税抜)であるところ、ここから適正な共益費額である月額6400円(税抜)を控除し、さらに保証金の運用益を控除した残額は50万2200円(税抜)であり、これが鑑定時点における月額支払賃料である。

イ 本件鑑定の手法

     (中略)

(2)本件鑑定の合理性
ア 本件鑑定は、上記のとおり、差額配分法、利回り法、スライド法により得られた試算賃料を総合して鑑定時点における適正賃料を算定しているもので、その算定手法には合理性がある。

イ 原告の主張について
〔ア〕賃貸事例比較法を採用すべきである。
 本件鑑定は賃貸事例比較法を採用していないところ、この点につき、継続の賃貸事例は極めて個別性が強く、賃料改定等の経緯の詳細な把握も困難であることから適切な比準を行うことができないとの鑑定人の意見には合理性がある。

〔イ〕本件建物の減価率89.6%は大きすぎる。
 本件建物は築45年を経過しており、躯体の耐用年数は10年、仕上げ及び設備の耐用年数は3年にとどまることから、耐用年数における減価率を88.4パーセントとし、旧耐震基準による建物であること及び検査済証が交付されていないことを考慮し、観察減価率を10%と判断し、耐用年数における減価率と観察減価率を総合して減価率を89.6%としたもので、上記算定経過には合理性がある。

〔ウ〕差額配分法における賃貸人への配分は3分の1とするのではなく2分の1とすべきである。
 差額配分法における配分率は、一般的要因、地域的要因に加え、対象不動産の個別性に着目して行われるところ、本件賃貸借契約において過去の賃料の増額幅が近隣地域と比較して小さいことを考慮すれば、貸主への配分を3分の1とすることには合理性がある。

〔エ〕利回り法における建物の減価率が差額配分法と異なる。
 利回り法における本件建物の基礎価格は直近合意時点における建物価格を算定するためのものであり、鑑定時点の建物価格とは時点が異なり、減価率が異なることは当然である。

〔オ〕スライド法における変動率を8.2%ではなく13.3%にすべきである。
 本件鑑定は、【1】消費者物価指数、【2】企業向けサービス価格指数、【3】店舗賃料トレンド、【4】全国賃料統計、【5】地価公示価格、【6】建築費指数のうち、都内の賃料変動と関連性の強い【2】、【4】を重視し、【3】を考慮した上で、変動率を8.2%としたもので、合理性がある。

〔カ〕比準賃料を重視すべきである。
 原告の指摘する比準賃料(1万0600円
平方メートル)は、新規賃貸事例に基づいて算定されたものであり(本件鑑定26頁)、継続賃料を算定するに当たり重視すべきとはいえない。

ウ 被告の主張について
〔ア〕築年数が近い事例を使って期待利回りを算出すべきである。
 本件鑑定は、投資用区分所有建物事例として5例を使用しているところ(本件鑑定24頁)、被告は、上記5例のうち、本件建物と築年数の近い3例のみを使用して算定すべきと主張するが、5例について、それぞれに立地や店舗面積も異なることからすれば、築年数のみに着目して3事例に限定することに合理性があるとはいえない。

〔イ〕差額配分法における貸主への配分を3分の1とするのではなく4分の1とすべきである。
 差額配分法における貸主への配分を3分の1とすることに合理性があることはイ〔ウ〕記載のとおりである。差額配分法における配分対象は、本件鑑定書27頁のとおり正常実質賃料と実際実質賃料の差額であり、これを否定する被告の主張は理由がない。

〔ウ〕利回り法における遡及時点修正率は、122.1ではなく、平成30年の数値と令和5年の公示価格を使用して116.5とすべきである。
 本件鑑定における遡及時点修正率は、地価公示地「台東5-19」の地価変動率(本件鑑定11頁)を基準としつつ算定されたものであるところ(本件鑑定28頁)、当該年の1月1日時点の数値である公示価格を、直近合意時(平成30年1月10日)と鑑定時(令和5年7月6日)に修正した上で変動率を算定したものと解され、令和5年の公示価格と平成30年の公示価格自体の変動率ではないのであって、これを122.1とすることには合理性がある。

〔エ〕スライド法における変動率8.2%は相当ではない。
 スライド法における変動率8.2%に合理性があることはイ〔オ〕のとおりである。被告は、【1】消費者物価指数、【2】企業向けサービス価格指数、【3】店舗賃料トレンド、【4】全国賃料統計、【5】地価公示価格、【6】建築費指数のうち、特に【4】を重視すべきである旨指摘するが、本件鑑定(35頁)が重視した【2】と【4】は、いずれも本件建物の属する東京圏、東京都区部の事務所・オフィス賃料に係る統計であるにもかかわらず、数値に明確な差が生じていることからすると(【2】は+11%、【4】は+0.7%)、いずれかに比重を置くことは不相当であり、これを同等に扱うことには合理性がある。

〔オ〕差額配分法による試算賃料:利回り法による試算賃料:スライド法による試算賃料のウエイトを1:1:8にすべきである。
 本件鑑定において差額配分法が重視されているのは、差額配分法においては正常実質賃料(新規賃料)と実際実質賃料との間の賃料差額が配分されているところ、正常実質賃料の査定に当たっては市場実態が反映されていることから、配分割合が適正であれば、他の2手法と比較してより適切な試算が可能であることによるものと解され、それ自体合理性がある。

他方、スライド法は、各種指数を考慮した変動率を用いるものであるが、各種指数は継続賃料の変遷を直接反映し得る性質のものではなく、これらの指数から継続賃料の変動率を適切に設定することには困難を伴うものといえ、他の2手法と比較してより重視されるべきとはいえない。

(3)直近合意を不相当とする事情の有無
 本件における直近合意は平成30年1月10日に合意されたもので、鑑定時点(令和5年7月6日)まで約5年6か月が経過していること、この間、地価の変動に伴う賃料相場の変動や経済状況の変動があったといえること(本件鑑定7~12頁)、本件建物の適正継続賃料が本件鑑定のとおり50万8600円(税抜・共益費を含む)と算定され、現行賃料と5万2600円の乖離が生じており、これは現行賃料の1割を超える数値であることからすると、直近合意を不相当とする事情があるといえる。

(4)鑑定時点における適正継続賃料
 上記(2)で検討したとおり合理性が認められる本件鑑定の結果によれば、本件建物の鑑定時点における適正継続賃料額は50万8600円(税抜・共益費を含む)である。

(5)差額賃料の支払
 弁論の全趣旨によれば、被告は、令和5年7月6日以降も、月額45万3000円(税抜)の現行賃料と3000円の共益費(税抜)の支払を継続してきたものと認められる。そうすると、被告は、本判決確定後、原告に対し、借地借家法32条2項に基づき、差額賃料月額5万2600円(令和5年7月分は日割計算)に支払期日の翌日から1割の割合による利息を付して支払う義務を負う。

2 よって、主文のとおり判決する。なお、仮執行宣言は相当でないから付さない。
東京地方裁判所民事第7部 裁判官 新谷祐子

以上:5,603文字
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R 8- 2-27(金):警視庁新宿署の「違法対応」に33万円の損害賠償を認めた地裁判決紹介
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○いまどきこんな酷いことがあるのかと、驚いたニュースの元となった令和7年6月11日東京地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。いまどきのこんな酷いこととは、以下の「「拷問だ」パンツ一丁で身体拘束、尿垂れ流し、トイペも渡されず…警視庁新宿署の「違法対応」に賠償命令 東京地裁」との報道の内容です。慰謝料30万円が認められていますが、100万円位認めても良いのではと思いました。

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「拷問だ」パンツ一丁で身体拘束、尿垂れ流し、トイペも渡されず…警視庁新宿署の「違法対応」に賠償命令 東京地裁
弁護士ドットコム6/11(水) 16:50配信

警視庁新宿署の留置場で身柄を拘束されていた20代男性が、警察官から虐待を受けたとして東京都に165万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁(篠田賢治裁判長)は6月11日、都に33万円の支払い命じる判決を下した。

判決は、暴れていない男性に手錠などによる身体拘束を続けたことや、トイレの際にトイレットペーパーを渡さずに手で拭くことを余儀なくさせたことについての違法性を認めた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

●トイレで手に水をつけて拭かざるを得ず
訴状や判決によると、男性は2022年4月6日、強盗致傷の疑いで逮捕されて、同年8月29日まで警視庁新宿署の留置施設に収容されていた。
同年7月、同じ部屋に収容されていた1人が風邪の症状をうったえ、38.9度の熱があることが判明した際、別の収容者が毛布の差し入れを求めたものの、担当の警察官に拒否された。
そこで男性が「熱がある人を1時間放置するのか」「毛布1枚くらい入れてもいいのではないか」といった趣旨の発言をしたところ、保護室に連行された。

男性はそこで約2時間にわたり、服を脱がされパンツ一丁にさせられ、両方の手首と足首を縛られた状態にされたという。
その間、尿意を催した男性がトイレに行きたいと求めたが、「垂れ流せよ」などと言われ対応してもらえず、男性は我慢できずに身体拘束を受け寝転がされたまま排尿した。
また、身体拘束を解かれたあと、便意を催した際にはトイレットペーパーを要望したが無視され、男性はやむなく手に水をつけて拭かざるを得なかったという。

こうした警察官たちの対応によって多大な肉体的苦痛と精神的苦痛を受けたとして、男性は同年9月、警視庁を所管する都を相手取って提訴した。
裁判では、保護室に収容したことや、身体を拘束する道具(戒具)を使用したことの違法性が主な争点となった。

●下着のまま排尿、東京地裁「品位や尊厳を著しく傷つけた」
担当の警察官が男性を保護室に収容したことについて、東京地裁は、男性が当時大声を発した経緯に触れて「留置施設の規律や秩序を維持するために特に必要であると判断したことが不合理であったということはできない」とした。

しかし、保護室に収容されたあとは、男性に大声を発したり興奮したりする様子がなかったとして、「留置担当官らが職務上の注意義務を尽くすことなく漫然とこれを継続したものであって、国賠法上、違法の評価を免れない」と判断した。
戒具については、男性が暴れたり抵抗したりしていなかったにもかかわらず、使用することにした判断は「著しく合理性を欠く」として違法性を認定した。
また、下着のまま排尿させたり、排便時にトイレットペーパーを与えなかったりした対応についても、「合理的な理由なく、被留置者(男性)の品位や尊厳を著しく傷つけた」などとして違法とした。

●原告代理人「言うことを聞かせるための拷問だ」
この日の判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた原告代理人である小竹広子弁護士は「被留置者をことさらに貶めて反抗させないためのツールとしてベルトなどが使われている」とうったえた。
同じく代理人の海渡雄一弁護士は現在用いられている戒具が使われなくなるよう求めていく姿勢を示した。
「警察官が戒具で彼の身体を拘束した行為は、言うことを聞かせるという目的を持って鋭い痛みを与えるという意味で、拷問に当たる。

この戒具を付けられたら痛いということが長い間、隠されてきた。それを明らかにした原告の功績は大きい」(海渡弁護士)


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主   文
1 被告は、原告に対し、33万円及びこれに対する令和4年7月8日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し、その4を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、165万円及びこれに対する令和4年7月8日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等
 本件は、警視庁新宿警察署(以下「新宿署」という。)の留置施設(以下「本件留置施設」という。)に留置されていた原告が、留置担当官らの故意又は過失により、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という。)所定の要件がないにもかかわらず、違法に本件留置施設の保護室に収容され、戒具を用いて身体を拘束された上、戒具により不必要に強く身体を締め付けられたり、下着を着けたまま排尿することを余儀なくさせられたりするなどの非人道的な扱いを受け、これらにより精神的苦痛を被ったと主張して、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、被告に対し、損害賠償金165万円及びこれに対する令和4年7月8日(違法行為の終了の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

1 関係法令の定め

     (中略)

(3)その他の措置について
ア 認定事実(5)アによれば、原告は、本件戒具使用中、用便の要望を申し立てたが、留置担当官からその場で垂れ流すよう指示され、下着のまま排尿することを余儀なくされたことが認められる。
 これに対し、被告は、当時22歳であった原告が、起床時に排尿した後、本件戒具使用が中止された午前9時50分までの約3時間20分の間に、漏らしてしまうほどの尿意を感じたとは信じ難い旨、背中が濡れるくらいの排尿をしたのであれば本件戒具が濡れていてしかるべきところ、そのような状況はなかったことから、原告の供述は信用に値しない旨主張する。

 しかし、原告は朝食時に水分を摂取したと考えられるところ、原告が尿意を感じたとは信じ難い旨の被告の上記主張を裏付ける経験則が存在するとは認められず、その主張は合理的な根拠を欠くものといわざるを得ない。また、原告は、尿は少量を漏らしてしまい背中が濡れた旨供述しており(原告本人〔11、58、59頁〕)、本件戒具が尿で濡れていなかったとしても、不自然と即断することはできない。一方、原告は、下着のまま排尿せざるを得なくなった経緯について、本件保護室収容の終了直後の木村弁護士との接見時から一貫して述べている上(甲1参照)、このような事実があったとされる直後に虚偽の申立てをすれば、本件留置施設内の録画映像等からすぐに虚偽であると発覚してしまい、不利益な措置を受けるおそれがあることは容易に予想されるのであって、原告が本件保護室収容の終了直後からあえて事実と反することを述べたとはにわかに考えにくい(なお、原告は、本件保護室の様子を撮影するカメラがあることは認識していたが(原告本人〔59頁〕)、当時、本件保護室を含め本件留置施設内を録画するための定点ビデオカメラが録画されていないなどとして(認定事実(1)ア)、その映像が後に証拠として提出されることはない旨を知っていたとは認められない。)。

 加えて、P8警部補は、戒具使用中の被留置者が排尿を希望する際、戒具を外すか否かはケース・バイ・ケースであり、上司の判断でそのままさせることもある旨、自傷他害のおそれがあると判断した場合には戒具をしたまま排尿させる旨証言し(証人P8〔26、27、46頁〕)、また、P5巡査長も同旨の証言をしているのであって(証人P5〔22頁〕)、両名とも、戒具をしたまま排尿させることがあるという趣旨の供述をしている。さらに、本件戒具の装着の際には、五、六名程度の留置担当官が原告の四肢等を押さえた上で、軍手を着用して本件戒具のベルトを締めており(甲14、25、乙19、20)、本件戒具の着脱には相当の手間がかかることがうかがわれることをも踏まえると、留置担当官が、排尿を申し出た原告に対し、その場で垂れ流すよう指示したとしても不自然ではないといえる。

 以上に加え、本件に関する原告本人の供述は基本的に信用性が認められることからすると、認定事実(5)アのとおりの事実を認めることができる。

 そして、原告は、本件保護室に入室後、興奮して暴れたり抵抗したりしていなかったにもかかわらず、本件戒具を使用されたものであり、そもそも戒具使用の要件を欠く上(前記(2))、本件記録を精査しても、本件戒具を外して排尿させることに具体的な支障があったとは認められないから、留置担当官が、原告にその場で垂れ流すよう指示し、下着のまま排尿することを余儀なくさせたことは、合理的な理由なく、被留置者の品位及び尊厳を著しく傷つけたものであり、職務上の注意義務を尽くさなかったものとして、国賠法上違法であるといわざるを得ない。

イ 認定事実(4)ウによれば、原告は、本件戒具を外された後、用便に際してちり紙を要望したが与えられず、手に水を付けて拭くことを余儀なくされたことが認められる。
 被告は、かかる事実を否認するが、原告は、上記事実についても、本件保護室収容の終了直後の木村弁護士との接見時から一貫して述べており(甲1参照)、かつ、前記アで述べたのと同様に、このような事実について、本件保護室収容の終了直後からあえて事実と反することを述べたとはにわかに考えにくいから、この点に関する原告の供述は信用することができる。

 また、本件記録を精査しても、本件留置施設内の留置担当官らが原告の上記要望に対応できなかったことにつき、やむを得ない事情は見当たらない。
 そうすると、留置担当官が、原告の上記要望に対応せず、ちり紙を与えなかったことにより、排便後に手に水を付けて拭くことを余儀なくさせたことは、前記アと同様、職務上の注意義務を尽くさなかったものとして、国賠法上違法というべきである。

4 争点2(損害の有無及び額)について
(1)慰謝料 30万円
ア 前記3のとおり、原告は、どんなに遅くとも7月7日午後7時40分以降、同月8日午後8時50分まで、25時間以上にわたり違法に本件保護室に収容されたものであり、これにより原告が受けた精神的苦痛は、決して小さいとはいえない。

イ また、原告は、刑事収容施設法所定の要件を欠くにもかかわらず、約2時間にわたり違法に本件戒具により身体を拘束されたものである。
 しかも、その態様は、ベルト手錠の外側から4つ目のベルト穴に留め具を通され、両腕が不自然にねじれた状態で手首を腰部に固定されるというものであった(認定事実(4)イ)。原告に使用されたベルト手錠が、原告と同程度の体格の裁判所書記官や原告より小柄な原告訴訟代理人のいずれも立位ではベルト穴に留め具が届かないような小さなものであり、原告訴訟代理人を床に寝かせた状態にして力を入れて締め付けることでようやく一番外側のベルト穴に留め具を固定することができたこと(認定事実(2))を踏まえると、その締付けが相当強いものであったことは想像に難くない。この点に関し、証人P8は、本件戒具を緩くつけると手首手足が自由に動いて逆に傷つけてしまうので、4つ目のベルト穴に留め具を通したという趣旨の供述をするが(証人P8〔8、23、24頁〕)、原告に使用したものと同じサイズのベルト手錠を使って実験した結果(令和6年10月23日付け検証の結果)により認定される上記事実に照らすと、本件戒具の4つ目のベルト穴に留め具を通すというのは、手首手足が自由に動かないようにするとの趣旨に照らしても,必要以上にきつく締めたものといわざるを得ない。

 そして、その結果、原告は、両手首に擦過傷を負い、その傷は、本件戒具使用から2年5か月余りが経過した時点でも瘢痕が薄く残るようなものであった(認定事実(6)ア)。なお、被告は、かかる受傷につき、〔1〕原告が無理に手首を動かそうとしたことにより生じた可能性が高い旨や、〔2〕原告が受傷部位を引っ掻くなどした可能性も排除できない旨を主張するが、〔1〕そもそも上記のとおり本件戒具使用は違法な身体拘束である上、原告は必要以上にきつく締められていたから、原告が痛みを和らげるなどのため手首を動かしたとしても、やむを得ないものであり、仮にこれにより原告の傷が拡大したとしても、本件戒具使用との相当因果関係は否定されないし、〔2〕原告が受傷部位を引っ掻くなどしたというのは、本件戒具使用の翌日の瘢痕の状況及びその後の瘢痕の状況(認定事実(6))に照らすと、的確な根拠なしに単なる憶測を述べるものにすぎないといわざるを得ず、いずれも採用することはできない。 
 これらを踏まえると、本件戒具使用により原告が受けた精神的・身体的苦痛は大きいものであったと認められる。

ウ 加えて、原告は、本件戒具使用に当たり、衣服を脱がされ、上半身裸の下着姿のまま身体を拘束され、さらに、下着を着けたまま排尿を余儀なくされた上、本件戒具の解除後も、用便に際してちり紙を与えられず、手に水を付けて拭くことを余儀なくされたものであり(認定事実(5)ア~ウ)、これらの非人道的な措置によって原告の品位や尊厳を大きく傷つけられたものと認められ、これによる精神的苦痛も軽視することはできない。

エ これらの事情を総合的に考慮すると、一連の違法行為により原告が受けた精神的・身体的苦痛に対する慰謝料は、30万円と認めるのが相当である。

     (中略)

(4)合計 33万円

第4 結論
 以上の次第で、原告の請求は、33万円及びこれに対する本件保護室収容の終了日である令和4年7月8日から支払済みまで民法所定の年3%の遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第3部
裁判長裁判官 篠田賢治 裁判官 高部祐未
裁判官金澤康は、退官のため、署名押印することができない。
裁判長裁判官 篠田賢治
以上:5,977文字
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R 8- 2-26(木):夫婦に“性交渉”の義務なし フランスで法改正ニュース紹介
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○日本では、民法第752条で「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と規定され、第770条で「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。一 配偶者に不貞な行為があったとき。」と規定されていることを根拠に夫婦間には貞操義務があると解釈され、貞操義務違反は不貞行為として、配偶者のみならず、不貞行為の相手方第三者にまで損害賠償義務があると解釈されています。学説の殆どは不貞行為の相手方第三者には責任がないとされ、私も賛成なのですが、裁判実務は責任ありとして、その判決は後を絶ちません。

○判例では、婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもって共同生活を営むことにあるから、夫婦の一方又は双方が既に右の意思を確定的に喪失するとともに、夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり、その回復の見込みが全くない状態に至った場合には、当該婚姻は、もはや社会生活上の実質的基礎を失っているものというべきであり、かかる状態においてなお戸籍上だけの婚姻を存続させることは、かえって不自然であるとの最高裁判決があり(昭和62年9月2日最高裁判決、最高裁判所民事判例集41巻6号1423頁)、地裁判決では、性交渉等を含む夫婦間の性的な営みについては,元よりそれを想定せずに婚姻をしたなどの特段の事情のない限り,婚姻関係の重要な基礎となるものであるから,これを軽視することは相当ではないとするものもあります(平成29年8月18日東京地裁判決、判例タイムズ1471号237頁)。

○フランス民法でも「忠実義務(devoir de fidélité)」を明確に規定して、不貞は離婚原因とされていましたが、以下の報道では、夫婦間に性交渉の義務はないとされたようです。夫婦間でも意思に反する性交渉はしなくてよいとするもので、夫婦間には貞操義務もないと解釈もできそうです。日本では、到底受け入れられないと思われるます。

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夫婦に“性交渉”の義務なし フランスで法改正 かつては「行為拒否で190万円賠償」判決も
Yahoo!ニュース2/24(火) 10:40配信

「愛の国」とも呼ばれるフランスで行われた法改正が、国内外で注目を集めている。

“性交渉は義務”の判決
 1月28日、日本の衆議院に当たる国民議会はフランス民法典の〈夫婦は互いに共同生活の義務を負う〉との規定に〈この共同生活は夫婦に性交渉のいかなる義務も生じさせるものではない〉との文言を追加し、〈性交渉の不在や拒否は離婚の理由にならない〉とする改正法を満場一致で可決した。

 不倫、浮気などの“火遊び”は、フランス映画や小説でも格好の材料の一つだ。が、司法の世界では民法典が規定する夫婦関係の〈尊重、貞節、扶助および支援しなければならない〉との条文を根拠に、長らく“夫婦間の性交渉は義務”との判決が下されてきた。

 例えば、夫に性交渉を拒否された妻が起こした離婚訴訟では、夫に1万ユーロ(約190万円)の損害賠償が命じられた。判決は「数年にわたる性交渉の途絶は夫婦関係の悪化の一因となった。性交渉はお互いへの愛情表現。結婚生活における継続的な義務の一部で妻の期待は正当」と示したのだ。

 民法典はナポレオン時代の1804年に制定された。カトリック系キリスト教の影響を色濃く受けた保守的なものだが、時代の変遷とともに改正が施されてきた。

〈家族の住居の選択権は夫にあり、妻は夫と共に住む義務がある〉との規定は1970年に〈共同生活の義務を負う〉との曖昧な表現に変更されたほか、同居の〈義務〉は11年前に破毀院(日本の最高裁に相当)が否定している。

夫婦間のレイプは犯罪
 フランスでは“夫婦の義務”の不履行が離婚事由になる一方、配偶者への性行為の強要も深刻な問題だ。背景について「女性を守る法律家の会」会長のミッシェル・ドワイヤン弁護士は、1月に放送された国営ラジオの番組で「フランス法が夫婦間のレイプを犯罪と見なしたのは1990年ごろからで、同意推定の原則が撤廃されたのは2010年。15年前までは“結婚イコール性的関係への同意”と見なされる同意推定があった」と指摘した。

 今回の法改正は、昨年1月に欧州人権裁判所が「夫婦の義務は性の自由、身体の自律性、私生活の尊重を侵害している」と認定したことを受けたものだ。

 発端は2012年。健康上の理由と家庭内暴力を理由に夫との性交渉を断った50代の妻が、離婚を申し立てた。離婚の成立は裁判所に認められたものの、性交渉の拒否を理由にされたことに反対。欧州人権裁判所に判決の違法性を訴えると、ここでは妻の主張が認められた。

 早ければ改正法は今夏に施行されるが、日本人ならどう受け止めるだろうか。

在仏ジャーナリスト・広岡裕児
「週刊新潮」2026年2月19日号 掲載
以上:2,029文字
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R 8- 2-25(水):マンション管理組合は共用部分の占有者に当たらないとした高裁判決紹介
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○「マンション管理組合は共用部分の占有者に当たるとした最高裁判決紹介」の続きで、その原審控訴審令和5年9月27日東京高裁判決(判時2612号38頁)関連部分を紹介します。

○区分所有建物である共同住宅の区分所有者の1人で203号室について共有持分を有し、同室に居住する一審原告が、上階からの漏水事故が4回にわたり発生したと主張して、上階の302号室の区分所有者で同室に居住する一審被告Y1に対し、
(1)〔1〕一審被告Y1が302号室のリフォーム工事を行った際に一審被告組合に対してした誓約又は〔2〕本件建物の管理規約に基づいて、本件事故が発生した箇所につき、本件各調査及び本件各補修を行うよう求め、
(2)〔1〕本件誓約の債務不履行、〔2〕不法行為又は〔3〕工作物責任に基づく損害賠償請求として、203号室の補修費用、同室の資産価値下落分の補償金等合計1400万1328円及び遅延損害金の支払(一審被告組合との連帯支払)を求めました。

○さらに本件建物の区分所有者全員で構成され本件建物を管理する一審被告組合に対し、
(1)本件規約に基づいて、本件事故が発生した箇所につき本件各調査及び本件各補修を行うよう求め、
(2)〔1〕工作物責任、〔2〕本件規約に基づく管理義務の債務不履行に基づく損害賠償請求として、上記と同額の賠償金及び遅遅延損害金の支払(一審被告Y1との連帯支払)を求めました。

○原判決が、一審原告の一審被告Y1に対する請求を38万9593円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容し、一審原告の一審被告組合に対する請求を1009万7247円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、一審原告及び一審被告らがそれぞれ控訴しました。

○これに対し、控訴審東京高裁判決は、一審原告の請求は、一審被告Y1に対しては40万4176円及び遅延損害金の支払を求める限度で理由があるが、一審原告による一審被告組合の管理義務違反を理由とする債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償請求は理由がないとして、原判決を変更しました。

○控訴審判決は、その理由として、本件建物の共用部分の占有者は、管理組合である一審被告組合ではなく、本件建物の区分所有者の全員であるとし、管理組合が、同規約に基づき、区分所有者全員との関係において、上記債務の履行を引受ける義務を負うものであると解したとしても、このことから当然に、管理組合が、民法717条1項に基づく損害賠償請求権を有する「他人」に対して、直接に損害賠償支払義務を負い、同債務を履行すべき責任を負うものと解することはできないとしました。一審原告としては、到底、納得出来ない理由でした。

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主   文
1 一審原告の控訴に基づき、
(1)原判決主文1項及び3項のうち一審被告Y1に係る部分を次のとおり変更する。
(2)一審被告Y1は、一審原告に対し、40万4176円及びこれに対する平成27年3月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)一審原告の一審被告Y1に対するその余の請求を棄却する。
2 一審被告組合の控訴に基づき、
(1)原判決中、一審被告組合の敗訴部分を取り消す。
(2)上記取消部分に係る一審原告の一審被告組合に対する請求を棄却する。
3 一審原告のその余の控訴及び一審被告Y1の控訴をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、一審原告と一審被告組合との関係では、第1、2審とも一審原告の負担とし、一審原告及び一審被告Y1との関係では、第1、2審ともこれを100分し、その97を一審原告の、その余を一審被告Y1の各負担とする。
5 この判決は、1項(2)に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨

1 一審原告の控訴の趣旨
(1)原判決を次のとおり変更する。
(2)一審被告らは、原判決別紙物件目録記載の建物について原判決別紙要調査補修事項目録記載の工事をせよ。
(3)一審被告らは、一審原告に対し、連帯して、1400万1328円及びこれに対する平成27年3月10日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 一審被告Y1の控訴の趣旨
(1)原判決中、一審被告Y1敗訴部分を取り消す。
(2)上記取消部分に係る一審原告の請求を棄却する。

3 一審被告組合の控訴の趣旨
(1)原判決中、一審被告組合敗訴部分を取り消す。
(2)上記取消部分に係る一審原告の請求を棄却する。

第2 事案の概要(略称は、本判決で定義するもののほか、原判決のものを用いる。)
1 本件は、区分所有建物である共同住宅(名称:●●《略》●●)(本件建物)の区分所有者の1人で203号室について共有持分を有し、同室に居住する一審原告が、平成25年10月26日から平成27年3月10日にかけて上階からの漏水事故が4回にわたり発生したと主張して(これらの漏水事故を併せて「本件事故」)、上階の302号室の区分所有者で同室に居住する一審被告Y1に対し、
(1)〔1〕一審被告Y1が平成20年10月頃から同年12月頃までの間に302号室のリフォーム工事を行った際に一審被告組合に対してした誓約(本件誓約)又は〔2〕本件建物の管理規約(本件規約)に基づいて、本件事故が発生した箇所につき、原判決別紙要調査補修事項目録記載1の各調査(本件各調査)及び同記載2の各補修(本件各補修)を行うよう求め、
(2)〔1〕本件誓約の債務不履行(平成29年法律第44号による改正前の民法(改正前民法)415条)、〔2〕不法行為(民法709条)又は〔3〕工作物責任(民法717条1項本文若しくは同項ただし書)に基づく損害賠償請求として、203号室の補修費用、同室の資産価値下落分の補償金等合計1400万1328円及びこれに対する最終の漏水事故発生日である平成27年3月10日から支払済みまでの改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払(一審被告組合との連帯支払)を求めるとともに、
本件建物の区分所有者全員で構成され本件建物を管理する一審被告組合に対し、
(1)本件規約に基づいて、本件事故が発生した箇所につき本件各調査及び本件各補修を行うよう求め、
(2)〔1〕工作物責任(民法717条1項本文若しくは同項ただし書)、〔2〕本件規約に基づく管理義務の債務不履行(改正前民法415条)又は〔3〕不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求として、上記と同額の賠償金及び遅遅延損害金の支払(一審被告Y1との連帯支払)を求める事案である。

     (中略)

第3 当裁判所の判断
1 当裁判所は、原審と異なり、一審原告の請求は、一審被告Y1に対しては40万4176円及びこれに対する最終の漏水事故発生日である平成27年3月10日から支払済みまでの改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、一審被告組合に対しては理由がないと判断する。その理由は、以下のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」1から8までに記載のとおりであるからこれを引用する。


     (中略)

イ 一審被告組合に対する請求の可否
(ア)一審原告は、上記の本件建物の瑕疵はいずれも共用部分として区分所有者全員が占有及び所有(共有)する部分に存するものであり、区分所有者全員が負う民法717条1項本文に基づく損害賠償債務は区分所有者全員に総有的に帰属するものであるから、このような債務に関する訴訟においては、区分所有者全員で構成される管理組合に当事者適格が認められる旨を主張する。

 そこで検討するに、本件建物の共用部分の占有者は、管理組合である一審被告組合ではなく、本件建物の区分所有者の全員であると認められる。そして、一審被告組合が区分所有者全員との関係において共用部分を管理する責任を負うとしても、このことから直ちに民法717条1項本文の「占有者」として、これに基づく損害賠償責任を負うものと解することはできない。

 この点について、原判決は、区分所有建物の区分所有者が、区分所有者全員からなる組合を構成する目的には、共用部分の使用によって生じる権利義務関係の処理を組合に一本化することも含まれ、区分所有建物の区分所有者全員からなる管理組合の管理規約に、同組合が共用部分を管理し、その修繕を同組合の負担において行う旨の定めがあるときは、この定めは、区分所有者全員が、同組合に対し、共用部分の保存の瑕疵により第三者が損害を被った場合に発生することになる民法717条1項に基づく損害賠償債務について、それを履行する権限を付与するという趣旨を含むものと解するのが相当であると判示する。

しかしながら、上記管理規約の定めから当然に、管理組合において、区分所有者全員が負うべき民法717条1項に基づく損害賠償債務の履行をする権限を付与され、区分所有者全員との関係で同債務の履行を引き受ける義務を負うことになるものと認めることは困難である。特に、当該債務について、その負担の時期及び負担額が特定していない段階において、管理組合が、同規約に基づいて無条件に上記損害賠償債務について区分所有者全員との関係で債務の履行引受義務を負うものと解することは相当ではないというべきである。

また、仮に、管理組合が、同規約に基づき、区分所有者全員との関係において、上記債務の履行を引受ける義務を負うものであると解したとしても、このことから当然に、管理組合が、民法717条1項に基づく損害賠償請求権を有する「他人」に対して、直接に損害賠償支払義務を負い、同債務を履行すべき責任を負うものと解することはできない。
 以上のとおりであるから、一審原告は、一審被告組合に対し、民法717条1項に基づく損害賠償請求権を有するものとは解されない。

(イ)また、一審原告は、一審被告組合が、本件規約20条本文並びに31条(1)及び(2)によって本件建物の共用部分を管理する義務を負うものである以上、この管理義務違反に基づき、一審原告に対し、改正前民法415条又は民法709条に基づく損害賠償義務を負う旨を主張する。

 しかしながら、本件で提出された証拠によっても、本件建物の北側外壁のコンクリート躯体部分及び3階床下のスラブ部分(2階天井のスラブ部分)に隙間ないし亀裂を生じた原因は明らかであるとはいえないのであって、そのような瑕疵が生じた原因が一審被告組合の管理義務違反に基づくものであるとは認められないし、一審被告組合は、本件事故に対し、必要な範囲で原因を調査し、適宜の措置を実施してきたものであって、この点においても一審被告組合の管理義務違反を認めることはできない。

 そもそも、一審被告組合は、区分所有法3条を根拠として、区分所有者が共同して建物等の管理を行う目的で構成された団体(管理組合)であって、区分所有者が拠出した管理費等を原資とする予算の範囲内で、区分所有者の多数の意思に従い、補修工事等をすることをその目的の一つとするものである。一審被告組合は、本件建物の建築業者でも修繕業者でもないのであるから、本件建物が瑕疵のない状態にあることを個々の区分所有者との関係において保証すべき立場にあるともいえない。このような一審被告組合の立場を踏まえれば、一審原告に対し、本件建物における上記瑕疵の発生や、これに伴う本件事故の発生が、一審被告組合の管理義務違反によるものであるとは認め難いものである。

(ウ)以上のとおりであるから、一審原告による一審被告組合の管理義務違反を理由とする債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償請求は理由がない。


     (中略)

(7)弁護士費用
 一審原告は、本件訴訟の追行を弁護士に委任せざるを得なかったもので、訴訟の難易及び認容額等を考慮すれば、本件事故と相当因果関係を有する弁護士費用としては5万円を認めるのが相当である。」

(25)原判決34頁24行目の「損害賠償請求をしたものであるから、同請求により、」を「損害賠償請求(催告)をし、その後6か月以内に民事調停の申立てをした上、同調停の不成立後1か月以内に本件訴えを提起したものであるから、以上により、」と改める。

(26)原判決35頁17行目の「効力があるものではなく」を「一審被告Y1に法的義務を生じさせるものではなく」と、同頁23行目の「で効力があるものではなく」を「の権利義務を定めたものではなく」とそれぞれ改める。

(27)原判決36頁9行目の「前記事実関係」の次に「(前提事実(2))」を加える。

2 結論
 以上より、一審原告の請求は、一審被告Y1に対しては40万4176円及びこれに対する最終の漏水事故発生日である平成27年3月10日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、一審被告組合に対する請求は理由がないからこれを棄却すべきところ、これと異なる原判決は一部失当であるから、一審被告Y1に関する部分は、一審原告の控訴に基づき上記の範囲で変更し、一審被告組合に関する部分は、その控訴に基づき取消した上で取消部分に係る一審原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 
(裁判長裁判官 木納敏和 裁判官 真辺朋子 森剛)
以上:5,464文字
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R 8- 2-24(火):マンション管理組合は共用部分の占有者に当たるとした最高裁判決紹介
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○本件建物の区分所有者である上告人が、上階からの漏水事故が発生したと主張して、上階に居住する第一審被告Pと本件建物の区分所有者全員で構成され本件建物を管理する組合である被上告人に対し、本件各調査及び本件各補修を行うよう求め、また債務不履行、不法行為又は工作物責任に基づく損害賠償請求として、補修費用約1400万円の支払を求めました。

○第一審東京地裁は、本件事故の原因は、本件バルコニーに面した北側外壁のコンクリート躯体部分に隙間ないし亀裂が生じていたことによるもので、この部分は、本件建物の区分所有者全員が占有しているものであり、その部分に存する隙間ないし亀裂を放置している以上、占有者である本件建物の区分所有者全員に保存の瑕疵があり、原告は、本件事故に関し、被告組合に対して損害賠償請求をすることができるとして、被告らに1047万円の支払を命じました。

○双方がそれぞれ控訴し、控訴審東京高裁は、上告人の請求は、一審被告Pに対しては一部理由があるが、上告人による被上告人組合の管理義務違反を理由とする債務不履行及び不法行為に基づく損害賠償請求は理由がないとして、原判決を変更しました。

○そこで、上告人が上告したところ、民法717条1項本文の趣旨は、工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって損害が生じた場合、このように通常有すべき安全性を欠く状態にある工作物を支配管理して上記損害の発生を防止すべき地位にある者に損害賠償責任を負わせることにあると解されるところ、被上告人組合は、本件外壁部分等について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たるとし、これと異なる見解の下に、被上告人組合は、本件外壁部分等について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たるということはできないとした控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、控訴審判決中、上告人の被上告人組合に対する損害賠償請求に関する部分を破棄し、当該部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻した令和8年1月22日最高裁判決(裁判所ウェブサイト)全文を紹介します。

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主   文
1 原判決中、上告人の被上告人に対する損害賠償請求に関する部分を破棄する。
2 前項の部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻す。
3 上告人のその余の上告を却下する。
4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○○の上告受理申立て理由について
1 本件は、上告人が、区分所有建物の共用部分の設置又は保存に瑕疵があることによって損害を被ったと主張して,同区分所有建物の管理組合であり、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)3条前段所定の団体(以下「区分所有者の団体」という。)である被上告人に対し、民法717条1項本文に基づく損害賠償を求めるなどする事案である。

2 原審の確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。 
(1)被上告人は、東京都練馬区に所在する1棟の区分所有建物(平成2年5月に新築され、総戸数27戸のもの。以下「本件区分所有建物」という。)の区分所有者の団体である。
 上告人は、本件区分所有建物の専有部分である203号室の共有者である。

(2)被上告人の規約には、共用部分の管理については、被上告人がその責任と負担においてこれを行うものとする旨の定め(20条)、被上告人は、被上告人が管理する共用部分の保全及び保守並びに修繕を行う旨の定め(31条)がある。

(3)本件区分所有建物においては、平成25年10月から平成27年3月にかけて、4回にわたって、外壁コンクリート躯体部分及び床下スラブ部分(以下「本件外壁部分等」という。)の亀裂等により、203号室への漏水事故が発生した。上記亀裂等は、工作物の設置又は保存の瑕疵に当たり、上記亀裂等が生じた本件外壁部分等は、本件区分所有建物の共用部分に当たる。

3 原審は、被上告人は、本件外壁部分等について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たるということはできないと判断して、上告人の被上告人に対する同項本文に基づく損害賠償請求を棄却した。

4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
(1)民法717条1項本文の趣旨は、工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって損害が生じた場合、このように通常有すべき安全性を欠く状態にある工作物を支配管理して上記損害の発生を防止すべき地位にある者に損害賠償責任を負わせることにあると解される。

 区分所有法によると、区分所有者は、全員で、区分所有建物等の管理を行うための団体を構成し(3条前段)、区分所有建物の共用部分の管理に関する事項は集会の決議で決するとされている(18条1項)。これら区分所有法の規定に照らすと、区分所有建物の共用部分については、基本的に、区分所有者の団体がこれを支配管理して通常有すべき安全性を確保していくことが予定されているものというべきである(このことは、区分所有法25条及び26条に管理者の選任及び権限等についての定めがあるからといって、左右されるものではない。)。そうすると、区分所有者の団体は、特段の事情がない限り、区分所有建物の共用部分を支配管理してその設置又は保存の瑕疵による損害の発生を防止すべき地位にあるということができる。

 また、区分所有者の団体は、区分所有者からその持分に応じて共用部分の管理のための費用を徴収しているのが通例であるところ(区分所有法19条参照)、共用部分の設置又は保存に瑕疵があることによって損害が生じた場合には、区分所有者の団体の財産からその賠償をすることが、区分所有者の通常の意思に沿い、損害を被った者の保護にも資するものといえる。

 以上によれば、区分所有者の団体は、特段の事情がない限り、区分所有建物の共用部分について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たるというべきである。

(2)そして、本件において特段の事情はうかがわれないから、被上告人は、本件外壁部分等について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たる。

5 以上と異なる見解の下に、被上告人は、本件外壁部分等について、民法717条1項本文にいう「占有者」に当たるということはできないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原判決中、上告人の被上告人に対する損害賠償請求に関する部分は破棄を免れない。そして、損害額等について更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
 なお、その余の請求に関する上告については、上告人が上告受理申立ての理由を記載した書面を提出しないから、これを却下することとする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岡正晶 裁判官 安浪亮介 裁判官 堺徹 裁判官 宮川美津子 裁判官 中村愼)

以上:2,891文字
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R 8- 2-23(月):今井翔太氏著”生成AIで世界はこう変わる”紹介1
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○ここ数ヶ月、法律問題に限らず、生活上の問題まで含めて何か疑問を感じるとGoogleAIかchatGPTに聞いています。これによってさらに調査する方向性が判るからです。令和8年2月22日(日)久しぶりに丸善仙台店に行ってNHK大河ドラマ・ガイド「豊臣兄弟!」前編を購入してきましたが、その際、たまたま目にした1番売れてる「生成AI」の本とのカバーがついていた今井翔太氏著「生成AIで世界はこう変わる」を一緒に購入しました。以下、その備忘録で、先ずchatGPTによる生成AI解説です。

生成AIは、にんげんがおこなうような新たなアイデアやコンテンツを作り出す能力を持つ人工知能の一種です。これは一般的に機械学習、特に深層学習の手法を用いて実現されます。その応用範囲は広く、文章の作成から、音楽、絵画、デザイン、ゲームのレベル設計、さらには科学的な仮説の生成まで、人間の創造性が求められるほとんど全ての分野に及びます。

生成AIの1つの重要な特徴は、大量のデータからパターンを学習し、それをもとに新たな出力を作り出すことができる点です。たとえば、文章生成AIは、何百万もの文章から文法や語彙、文章の構造などを学習し、それに基づいて新たな文章を生成します。同様に画像生成AIは、大量の画像から色彩や形状、テクスチャなどのパターンを学習し、それをもとに新たな画像を生成します。

しかし、生成AIが「創造的」であるということは、それが全く新しいアイデアやコンテンツを無から生み出すという意味ではありません。むしろ、既存のデータからパターンを学習し、それらを組み合わせて新たな出力を生み出すというプロセスを指します。この点は、人類の創造性と多くの類似点を持っているとも言えます。なぜなら、人間も、これまでに経験し学習した情報をもとにして新たなアイデアを生み出すのですから。

また、生成AIの潜在的な力を引き出すためには、それが働くフレームワークやルールを設定することが重要であり、これを適切に行うことで、AIの創造性を制御したり、指導したりすることが可能になります。
(chatGPTによる回答を引用)
AIに聞けば、全ての疑問が解決する?
将来的にはグーグル検索や現在のchatGPTがパワーアップするかたちで、「AIに聞けば何でも解決する」世界がやってくると思われます。日常の悩みも、リアルタイムで起きていることも、ゲームの裏技も、仕事で行き詰まったことも、人類の積み上げた科学知識も含めた「なんでも」です。
以上:1,043文字
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R 8- 2-22(日):映画”2010年”を観て-令和8年から16年も前の時代に非ず
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○令和8年2月21日(土)は、ツルカメフラメンコアンサンブル練習日でしたが、1時間半程の練習後、店屋物で夕食を取りながら、恒例を映画鑑賞でした。今回は、アンサンブルの仲間から贈呈されたBDソフトで昭和59年製作映画「2010年」を鑑賞しました。映画コムでは「2001年、黒石板モノリスの謎を解明すべく調査の旅に出た宇宙船ディスカバリー号が消息を絶った。その9年後、ディスカバリー計画に関わったフロイド博士、そしてコンピューターHAL9000の開発者チャンドラー博士らが原因究明のために、ソ連の宇宙船レオノフ号に乗り込み木星へ向かう。一方、地球上は米ソ間の緊張が高まり、一触即発の状態に。はたしてフロイド博士は謎を解明できるのか? 映画史に燦然と輝く傑作SF映画「2001年宇宙の旅」の続編。」と解説されています。

○昭和43年製作映画「2001年宇宙の旅」は、昭和63年にLDソフトで、令和2年11月に4KUHDソフトで鑑賞していましたが、その感想は、「観ているうちに眠くなってきて、どうやら、面白くなくて印象に全く残らなかったと感じてきました。しかし、ストーリー展開は、何か不自然さを感じ、殆ど感情移入もできず、退屈な感がしました」と記述していました。今回鑑賞した映画「2010年」も殆ど同様の感想でした。

○昭和59年に26年後の2010(平成22)年の時代を描いたSFファンタジー映画ですが、令和8年から16年も前の時代です。この映画で描かれた2010年は2016(令和8)年でも到底到達していない広大な宇宙船の内外を描く夢物語の世界です。映画「2001年宇宙の旅」は、理屈で考えようとしても、サッパリ訳が判らず、観る映画ではなく、体感する映画だとの、映画評もありましたが、映画「2010年」は、ストーリー展開は、それほど訳が判らなくはありませんが、やはり一部理解不能な展開があり、眠気を催す面がありました。

○夢物語の宇宙船内のパソコンディスプレイが、1970年代の分厚いブラウン管(CRT)のままなのには、驚きました。現代は薄型の液晶(LCD)から有機EL(OLED)、さらには紙のように超薄型の壁に貼り付けるディスプレイまで開発中とのことで、ディスプレイの進化・発展まで考慮はされなかったようです。映画「2001年宇宙の旅」の主人公が再度重要な役割を果たしており、こちらももう一度再鑑賞してみたくなりました。

映画「2010年」 (1985) US版予告編 2010: The Year We Make Contact Theatrical Trailer


以上:1,076文字
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