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H31- 1-17(木):将来の普通預金債権の差押はできないとした最高裁判決紹介
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○一定の金額を支払えとの判決を取っても相手が支払をしない場合、相手が事業者の場合、取引銀行の預金口座を差し押さえるのが普通ですが、現在残高が判決の金額に不足する場合、将来入金される預金まで差押をしたいところです。そこで、普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起算して1年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立をした事案があります。

○これについて、平成24年7月24日最高裁判所第三小法廷(判時2170号30頁、判タ1384号126頁)は、普通預金債権が差し押さえられた場合、預金残高のうち差押債権の額を超える部分については、第三債務者は預金者からの払戻請求に応ずるべき契約上の義務を負うところ、申立てが将来預金の差押えをも求めるものである場合、この部分については普通預金の性質上預金残高を構成する将来の入出金の時期及び金額をあらかじめ把握することができず、第三債務者たる銀行において差押命令送達の日から起算して1年の期間内に入出金が行われるたびに預金残高のうち差押債権の額を超える部分と超えない部分を区別して把握する作業が必要となるところこれに対応するシステムが未だ構築されていないので、差押債権の特定を欠き、不適法であるとしました。

○将来発生する債権は、例えば給料債権のように、その発生が確実である場合は、特定されているとして差押が可能ですが、銀行預金、売掛金等のように将来の発生が不確実で特定ができない場合は差押ができません。銀行預金については、差押申立をしてもその口座が凍結されることはなく、差押後に入金になった金員にについては、預金者は払戻が可能です。

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主   文
1 原決定中,普通預金債権のうち差押命令送達時に現に存する部分に関する部分を破棄し,同部分につき原々決定を取り消す。
2 前項の破棄部分につき,本件を名古屋地方裁判所に差し戻す。
3 その余の本件抗告を棄却する。
4 前項に関する抗告費用は抗告人の負担とする。

理   由
 抗告代理人○○○○の抗告理由について
1 本件は,抗告人が,抗告人の相手方に対する金銭債権を表示した債務名義による強制執行として,相手方の第三債務者Z銀行に対する特定の普通預金口座に係る普通預金債権の差押えを求める申立て(以下「本件申立て」という。)をした事案である。抗告人は,その申立書(訂正に係るもの)において,差し押さえるべき債権(以下「差押債権」という。)として,上記普通預金債権のうち差押命令送達時に現に存する部分(以下「現存預金」という。)だけでなく,同送達時後同送達の日から起算して1年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分(以下「将来預金」という。)も表示し,差押えの順序を当該入金時期の早いものから差押債権目録記載の金額に満つるまでとしている。

2 原審は,次のとおり判断して,本件申立てを却下すべきものとした。
(1)将来預金を差押債権とする差押命令の申立ては,第三債務者が差し押さえられた債権を識別することができるとはいえず,差押債権の特定を欠く。
(2)本件申立ては,現存預金だけでなく将来預金についても差押債権として表示することによって,差押債権そのものの特定が不十分となっているから,本件申立ての全部が不適法である。

3 しかしながら,原審の上記2(1)の判断は是認することができるが,同(2)の判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1)債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定は,債権差押命令の送達を受けた第三債務者において,直ちにとはいえないまでも,差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない程度に速やかに,かつ,確実に,差し押さえられた債権を識別することができるものでなければならないと解するのが相当である(最高裁平成23年(許)第34号同年9月20日第三小法廷決定・民集65巻6号2710頁参照)。

(2)これを本件についてみると,普通預金債権が差し押さえられた場合,預金残高のうち差押債権の額を超える部分については,第三債務者は預金者からの払戻請求に応ずるべき普通預金契約上の義務を負うものと解されるところ,本件申立ては,将来預金の差押えをも求めるものであり,この部分については,普通預金の性質上,預金残高を構成する将来の入出金の時期及び金額をあらかじめ把握することができないのであるから,本件申立てが認められたとするならば,第三債務者であるZ銀行において,差押命令送達の日から起算して1年の期間内に入出金が行われるたびに,預金残高のうち差押債権の額を超える部分と超えない部分とを区別して把握する作業を行わなければ,後者についての払戻請求に応ずる義務を履行することができない。

 ところが,記録によれば,Z銀行においては,普通預金口座の入出金は,窓口の営業時間外であっても,現金自動入出機(ATM)又はインターネットを通じていつでも行うことができるのに対し,特定の普通預金口座への入出金を自動的に監視し,常に預金残高を一定の金額と比較して,これを上回る部分についてのみ払戻請求に応ずることを可能とするシステムは構築されていないというのであり,他の方法により速やかにこれを実現することも期待することはできないとみられる。

 そうすると,本件申立てにおける差押債権の表示のうち,将来預金に関する部分については,Z銀行において,上記の程度に速やかに,かつ,確実に,差し押さえられた債権を識別することができるものということはできないから,本件申立てのうち当該部分は,差押債権の特定を欠き,不適法であるというべきである。

(3)他方,本件申立てにおいては現存預金と将来預金とが区別して表示されていると解されるところ,このうち現存預金に関する部分は,上記の識別が可能なものであって,差押債権の特定に欠けるところはないというべきである。

4 以上によれば,本件申立てのうち,将来預金に関する部分について差押債権の特定を欠き不適法であるとした原審の判断は,以上と同旨をいうものとして是認することができる。この点に関する論旨は採用することができない。
 他方,本件申立てのうち,現存預金に関する部分について差押債権の特定を欠き不適法であるとした原審の判断には,裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。この点に関する論旨は理由があり,原決定のうち現存預金に関する部分は破棄を免れない。そして,同部分について,原々決定を取消した上,本件を原々審に差し戻すこととする。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。なお,裁判官田原睦夫の補足意見がある。
 裁判官田原睦夫の補足意見は,次のとおりである。
 私は法廷意見に与するものであるが,差押債権の特定に関して下記のとおり補足意見を述べる。
 普通預金口座に係る普通預金債権について,将来預金に対する差押えの申立ては,差押債権の特定を欠くものであると解すべきことは,その理由をも含めて法廷意見にて指摘するとおりである。

 それに加えて,普通預金口座の場合(当座預金口座においても同様である。),一般に公共料金等の自動引落し口座として利用されることが多く,また事業者たる債務者の場合には,従業員の給与の振替口座(従業員に給与を支給する3~5日前には口座からの振替手続がなされる。)やリース料債務等の振替口座として利用されるが,かかる場合に,第三債務者にて将来預金の入金状況を常に監視しながら差押えの効力の及ぶ部分を識別し,約定に係る自動引落しや振替の可否を速やかに判断することは困難である。

 また,普通預金取引と定期預金取引とを一体化して,普通預金口座の残高が不足しても定期預金残高の一定額の範囲で預金者に対して定期預金を担保として貸付けを行って普通預金の払戻しに応ずることを内容とする総合口座(当座預金の残高が不足しても一定額まで貸付けを行って,当座預金口座の支払に応ずる当座貸越契約の場合も同様)が普及し,この場合には,第三債務者は,将来預金の入金について,それに差押えの効力が及ぶのか総合口座に係る定期預金担保の貸付金の返済に充てられるかを、入金の都度確認して処理することが必要とされることとなるのであるが,かかる第三債務者の負担を考慮すると,将来預金についても差押えの効力が及ぶと解することは相当ではないというべく,したがって,将来預金の差押えは差押債権の特定を欠くものというべきである。

 なお,将来預金の差押えを肯定するとの立場に立った場合において,それに伴い生ずる諸問題について民法478条や481条により適切に対応することが困難であることについては,法廷意見引用の最高裁平成23年9月20日決定の私の補足意見を参照されたい。また,将来預金の差押えを肯定すると,差押え後にその普通預金口座に差押禁止債権に係る金員が振り込まれた場合にも差押えの効力が及ぶこととなって,法が差押禁止債権として定めた趣旨に反する結果が生ずるとともに,債務者がその解除を求めるには,差押禁止債権の範囲の変更の申立て(民事執行法153条)をなさねばならないなど,債務者に過大な負担を強いることになる。

 おって,本件の原決定では論点として取り上げられていないが,差押債権が将来生ずるべき債権である場合には,その発生の確実性が求められ,それが認められないときには差押債権の特定を欠くものと一般に解されているところ,差押えの対象たる普通預金口座は,将来生ずるべき債権発生の基礎となる法律関係として現に存在するものの,一般に,債権差押えの申立て時点において,将来,同預金口座に何時,幾らの金額が入金されるかは予測がつかないのであって,発生の確実性を欠くものともいえ,その点からしても差押債権の特定を欠いているのではないかとも解し得る。


以上:4,101文字
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H31- 1-16(水):2019年01月16日発行第237号”あなたに似た弁護士”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成31年1月16日発行第237号「あなたに似た弁護士」をお届けします。

○人間、「自己に甘く他に厳しい」のは絶対の真理と確信していますが、「他に厳しい」は他人の行動は、他人には客観的に見えるところ、行動者本人は、自分の「気持」は判っても、「行動」は見えないからなんですね。勉強になりました。

○「この判例、半年前に勉強会でやりましたよね。」には、グサッときました。判例調査は、私の趣味の一つですが、半年前に調べて、このHPで紹介しているのに、スッカリ忘れて、再度、このHPで紹介することがあるからです。若い時ならそんなことはなかったはずですが(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

あなたに似た弁護士


「あなたに似た人」は、英国の作家、ロアルド・ダールの短編集です。「奇妙な味」の小説で、例えばこんな感じです。海辺のホテルで、ある人が賭けをもちかけるんです。ライターで10回連続火をつけることが出来たら、自分の高級車を渡す。しかし、1回でも火が付かなかったら、指を1本貰うというんですね。相手の青年は悩みますが、高級車が欲しくて、その賭けを受けてしまいます。

男は、青年の指を即座に切断できるようにして、賭けが始まろうというときに、男の奥さんが止めに入ります。「この人には財産などありません。私が全部賭けで取り上げたから。高級車も私のものです!」そういう奥さんの手を見ると、指が2本しか残っていなかったなんて、怖い話です。

賭けを持ち掛ける男も、欲に駆られてそれを受けようとした青年もおかしな人です。指をなくしてまで、夫の財産を取り上げた奥さんには、狂気を感じます。そんな人達が、「あなたに似た人」だと言われても、納得できない気がします。しかし、人は誰しも「自分のことは自分が一番よく知っている。」と思いますが、心理学の本によると、実は他人の方がよほど正確に理解しているそうです。

一般生活の中でも例えば、周りの人達が「あの二人はすぐに別れるな。」なんて思っているカップルいますよね。もちろん当人たちは、そんなこと絶対にないと思っています。でも、こういう場合、90%以上の確率で、周りの人の意見が正しいものです。だいたい、他人から「将来後悔するよ。」と忠告されているのに、「絶対に後悔しない。」と主張する場合も、他人の意見がまず正しいですね。

私だって、減量中についつい美味しそうなものを「後悔はしない。」と食べてしまいますが、あとから必ず後悔するのです。刑事事件でも、こういうことはよくあります。被告人は、「もう二度とやりません。」と言いますが、かなり怪しい人もいます。判決のときに、執行猶予を付けた裁判官から、「あなた、またやりそうで本当に心配です。十分注意してください。」なんて言われた人がいました。本人は憤慨していましたが、実は私も裁判官と同じ意見だったんです。

残念ながらその人は、また同じ罪を犯して、今度は刑務所に行ってしまいました。心理学の本によると、他人の方が、本人について正しく理解できるのには理由があるんだそうです。本人は、「自分の今の気持ち」はよく分かるけど、自分の「行動」は見えません。一方、他人からは、本人の気持ちはどうあれ、その行動はよく見えます。つまり、その人の今までの行動から判断した方が、その人がどういう人で、次にどういう行動をするのか、正しく判断できるというんです。

アメリカで生活を始めたとき、クレジットカードを作るのに苦労しました。クレジットヒストリーといって、それまで長期間真面目に支払っていたという実績を示さないと、カードの審査に通らないのです。「カードがないのに、どうやって実績を示すんだよ!」と憤慨しましたが、コツコツ真面目に払い続けるという行動から、その人がどういう人か知ろうとすること自体は、間違っていないと思うのです。

刑事事件の話に戻りますと、痴漢や万引きなどの行為をやめられない人は一定数います。そういう人には、弁護の一環として、心療内科などの専門医院に通うようにアドバイスするんです。そうしたときに、キチンキチンと愚直に通い続ける人で、再び犯罪をした人はいませんね。「しばらく通ったけど、内容がバカバカしいので止めました。あんなの行っても、何の意味もないですよ。」なんて言う人は、高い確率でまた同じ犯罪をします。他人のことはよく見えます。罪を犯した人も、「私に似た人」なんだと、少しは自分を省みたいと思ったのでした。

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◇ 弁護士より一言

面白い判例があったので、若手弁護士に紹介したところ、呆れたように言われました。「この判例、半年前に勉強会でやりましたよね。」す、すっかり忘れていたのです。ここまで物忘れが酷くなったのかと、心配になり、妻に相談したんです。「そんなの気にしないで大丈夫。パパは若いときからそうなんだから。」な、なんだよ、それは。「やっぱり私を知るのは妻だ。」とは、素直に思えなかったのでした。。。
以上:2,172文字
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H31- 1-15(火):養育費1000万円一括支払後の追加養育料支払を否認した高裁判例紹介
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○「養育費1000万円一括支払後の追加養育料支払を認めた家裁判例紹介」の続きでその抗告審である平成10年4月6日東京高裁決定(家庭裁判月報50巻10号130頁)全文を紹介します。

○抗告人(原審相手方)と相手方(原審申立人)は調停離婚に当たって未成年者である事件本人の成年に達するまでの養育料を金1000万円と定め、一括支払う旨及び将来相互に金銭上の請求をしない旨を約した上で1000万円が支払われていました。事件本人が6歳の時に離婚していますので、20歳まで14年間分とすれば、月額6万円程度になります。

○平成10年4月6日東京高裁決定は、離婚調停における合意によれば、相手方は受領した養育費を計画的に使用して事件本人を養育する義務があり、そうすれば事件本人に高等教育を受けさせることは可能であったこと、事件本人を私立学校と学習塾に通わせた場合には、高等教育を受ける以前に抗告人から支払われた養育費を使い尽くすことは当初から容易に予測可能であったと認定しました。

○そして、1000万円を使い尽くすことは容易に予測可能であったにもかかわらず事件本人を私立学校と学習塾に通わせ、このため相手方は抗告人から支払われた金員を使い切っていることが認められ、離婚調停成立後にその内容を変更すべき事情の変更が生じたと認めることはできないとして、申立てを一部認容した原審判を取り消して、申立てを却下しました。極めて妥当な判断と思います。

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主   文
1 原審判を取り消す。
2 相手方の本件申立てを却下する。

理   由
第1 抗告の趣旨及び理由

 本件抗告の趣旨は,「原審判を取り消し,本件を東京家庭裁判所に差し戻す。」との裁判を求めるものであり,その理由は,第1に,相手方は,昭和60年11月22日に抗告人との間で成立した調停において,養育費についての合意をした上,そのほかには何らの金銭上の請求をしない旨合意したのであるから,抗告人に対する金銭請求権を失った,第2に,仮に金銭請求権があるとしても,その額の算定に当たっては,同調停に基づいて抗告人が支払った養育費を相手方が短期間のうちに消費してしまった点を考慮すべきである,第3に,原審判は,事件本人が成人に達したのちまで養育費の支払を命じた点で誤っている,第4に,原審判後に抗告人の勤務先の○○証券株式会社は廃業を決定し,抗告人が多額のローンをかかえていることからすると,抗告人が原審判の定めた金員を支払うことは不可能である,というものである。

第2 相手方の本件申立ての趣旨及び申立ての実情
 相手方の本件申立ての趣旨及び申立ての実情については,原審判2丁表2行目から同丁裏2行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 

第3 当裁判所の判断
1 事実関係

一件記録によると,次の事実が認められる。
(1)抗告人と相手方は,昭和51年5月26日に婚姻し,昭和54年8月28日に事件本人をもうけたが,昭和60年11月22日に調停離婚(東京家庭裁判所昭和60年(家イ)第××××号婚姻費用の分担調停申立事件)した。

(2)抗告人と相手方は,調停離婚に際し,事件本人の親権者を相手方と定め,抗告人は相手方に対し,事件本人が成年に達するまでの養育費として1000万円,離婚に伴う財産分与・慰謝料として3000万円を支払うこと,事件本人については相手方において責任をもって養育すること,当事者双方は同調停をもって離婚に関する一切を解決したものとして,将来相互に名義のいかんを問わず何ら金銭上の請求をしない旨合意し,抗告人は各金員の支払いを完了した。

(3)抗告人は,○○大学を卒業して○○証券に勤務しているものであるが,離婚後,相手方の希望に従い事件本人とは一切交渉をもたず,その養育について意見を述べたこともなく,昭和62年10月に再婚した。
 一方,相手方は,○△大学英文科を卒業しており,離婚後は昭和61年4月から翌62年3月までと昭和63年2月から8月まで秘書として稼働したものの心身の状況が思わしくないことから就労状態が安定せず,平成元年9月頃からは家業の古美術商を手伝い,両親の協力を得ながら事件本人の監護に当たった。
 事件本人は,両親の離婚当時幼稚園児であったが,その翌年4月に私立甲小学校に,平成4年4月に私立乙中学校に,平成7年4月に同丙高等学校にそれぞれ入学し,平成10年3月に同校を卒業した。

(4)相手方は,離婚後抗告人と交渉をもつことはなかったが,家業は不振続きであった上に平成6年6月に父親が死亡して家業からの収入がなくなり,調停によって抗告人から支払われた金員もほとんどなくなったことから,平成7年2月14日に子の監護に関する処分(養育費)調停申立事件(東京家庭裁判所平成7年(家イ)第×××号)を申立て,平成7年4月以降の養育費を求めた。しかし,相手方は、調停委員が公正を欠くとして,平成7年8月4日,調停を取下げ,即日本件調停申立事件を申し立てた。

 相手方は,原審に提出した資料を基に事件本人が中学校を卒業するまでに養育費の1000万円を使い切った旨説明し,財産分与・慰藉料の3000万円も父親の事業につぎ込んで消費した旨主張した。相手方は本件申立後も稼働しない状態であったが,事件本人を私立高校に通学させ,大学に進学させることを予定して,事件本人の高校及び大学の費用を抗告人に請求した。

 一方,抗告人は,事件本人が成人に達するまでの養育費は抗告人が支払った1000万円と相手方の支出によって賄われるべきであり,抗告人に対して新たに養育費を求めるべきではない旨主張した。
 本件は,平成7年11月20日に調停不成立となり,平成9年10月3日に原審判が出された。

2 本件養育費請求の可否
 本件当事者間においては,既に調停によって抗告人が負担すべき養育費の額が合意されて抗告人はその金額を支払済みであり,調停によって定められたもの以外には何らの金銭請求もしない旨の合意が成立している。しかし,民法880条は,協議又は審判で扶養の程度や方法を定めた後に事情の変更が生じた場合には,先にされた協議又は審判を変更することができる旨規定しているのであるから,前記調停の成立後に,調停時には予見できなかった事情の変更が生じたことにより,調停で定めた養育費の額が事件本人の生活の実情に適さなくなり,新たに養育費を定めるべき相当な事情が生じた場合には,相手方から抗告人に対する養育費の請求が許されることとなる。

 そこで,このような事情の変更が生じているか否かを検討するに,相手方は事件本人が中学校を卒業するまでに抗告人から養育費として支払を受けた1000万円を使い切ったと主張するが,その大半は私立学校の授業料と学習塾の費用であるところ,離婚調停における前記合意よりすれば,相手方は受領した養育費を計画的に使用して,養育に当たるべき義務があるものと解すべきであり,相手方において,事件本人を公立の小中学校に通学させ,学習塾の費用を節約すれば,抗告人から支払を受けた1000万円の大半は使用せずにすみ,事件本人に高等教育を受けさせる費用として使用することが可能であったと考えられるのに,小学校から私立学校に通わせると共に学習塾にも行かせたものである。

 相手方は抗告人が小学校から一貫して私立学校での教育を受けていることから,事件本人にも私立学校での教育を受けさせるのが相当であると主張するが,前記認定のとおり,当事者間において相手方がその責任において事件本人の養育に当たる旨の合意が成立しているのであり,抗告人は事件本人の養育の方法について具体的な希望を述べた形跡はないのであるから,事件本人の養育方法については,相手方の資力の範囲内で行うべきで,これと無関係に私立学校に通学させるべきものとは認められない。

 また,私立学校の授業料や学習塾の費用がある時期から急激に高騰したといった事情は認められないから,相手方としては,事件本人を私立学校と学習塾に通わせた場合には,高等教育を受ける以前に抗告人から支払われた養育費を使い尽くすことは当初から容易に予測可能であったと認められるのであり,これを補うためには,相手方自ら稼働して養育費を捻出するか父親からの援助を得ることが必要であったと考えられるが,相手方は離婚後就労状況が安定していないし,家業は父親の存命中から不振続きであったから,これらによって養育費を補填することは当初からあまり期待できない状況にあったと認められる。

 以上の事実によれば,前記の調停成立後にその内容を変更すべき事情の変更が生じたとは認めることはできず,事件本人が,既に就労可能な年齢に達していることを併せて考慮すれば,相手方の本件養育費請求は理由がない。

3 よって,相手方の本件申立てを認容した原審判は不相当であるから,これを取消した上,相手方の本件申立てを却下すべきものとし,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 町田顯 裁判官 末永進 藤山雅行)
以上:3,724文字
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H31- 1-14(月):養育費1000万円一括支払後の追加養育料支払を認めた家裁判例紹介
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○養育料の支払は成年に達するまで毎月一定額を支払うのが原則ですが、子の親権者となった妻側から一括支払を要求されることが時々あります。妻としては夫が確実に支払うかどうか不安があるからです。しかしいったん取り決めた養育料は、将来の事情変更で変わる場合もあり、双方の合意がない限り、一括支払は認められません。

○支払義務者の夫側としても、毎月支払は面倒なので、養育料支払義務は、一切免れたいとして一定額を支払う場合もあります。しかし、一切免れることを条件に一定額を支払っても、将来の事情変更によって追加支払が認められる場合もあります。離婚に伴う財産分与・慰謝料として3000万円、養育費一括支払として1000万円の合計4000万円も支払ながら、受領した妻は1000万円を子の中学卒業までに使い切ってしまい、子が医学部に進学した際はさらなる養育費が必要であるとして、医学部卒業時まで、1月20万円の支払を求めた事案があります。

○これに対し、近時家庭学習費を含め教育費が高額化する傾向にあり、また、夫(父)も私立だけの教育コースを歩んでおり、子にも同程度の教育を受けさせることが不相当といえないことを考慮すると、本件申立については事情の変更があり、前調停の条項の存在にも拘わらず、高校入学以降の養育費を請求し得るとして養育費追加支払を認めた平成9年10月3日東京家庭裁判所(家庭裁判月報50巻10号135頁)全文を紹介します。

○合計4000万円も支払っているのに更に追加支払を認められた夫は、当然納得できないと抗告し、抗告審では覆っていますので、別コンテンツで紹介します。

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主   文
1 相手方は申立人に対し,406万1160円を支払え。
2 相手方は申立人に対し,平成9年10月1日から平成10年3月31日まで毎月13万0000円を,平成10年4月1日から平成14年3月31日まで毎月12万0000円を毎月末日限り支払え。

理   由
第1 申立ての趣旨及び実情
1 申立ての趣旨

 相手方は申立人に対し,事件本人の養育費として1か月20万円を支払え。

2 申立の実情
 申立人と相手方は,昭和60年11月22日当庁昭和60年(家イ)第××××号婚姻費用の分担調停事件において調停離婚した。その際,事件本人の親権者を申立人と定め,事件本人の成年に達するまでの養育費として1000万円を支払う旨の合意が成立し,申立人はこれを受領した。
 しかし,事件本人は私立の小中学校に通学したため,学費が嵩み,中学卒業までに上記1000万円を使い切ってしまった。事件本人は現在私立高校3年に在学しており,来春3月には同校を卒業して公立大学医学部に進学することを希望しているので,平成7年4月高校入学以降の養育費として大学医学部卒業の年である平成16年3月まで1か月につき20万円の支払いを求める。

第2 当裁判所の判断
1 本件申立てに至る経緯

 本件記録及び当庁平成7年(家イ)第×××号子の監護に関する処分調停事件記録並びに家庭裁判所調査官○○作成の調査報告書によると,次の事実が認められる。
(1)申立人と相手方は,昭和51年5月26日に婚姻した夫婦で,昭和54年8月事件本人をもうけたが,不和となり,昭和60年11月22日調停離婚した。
(2)調停離婚に際し,申立人と相手方は,事件本人の親権者を申立人と定め,相手方は申立人に対し,事件本人の成年に達するまでの養育費として1000万円,離婚に伴う財産分与・慰謝料として3000万円を支払う旨の合意をし,相手方は各金員の支払を完了した。
(3)申立人は,事件本人が私立の小中学校に通学したため,学費がかかり,中学卒業までに養育費の1000万円を使い切り,財産分与・慰謝料の3000万円も父親の事業につぎ込んで費消した。
(4)そこで,申立人は,平成7年2月14日,事件本人が高校に進学する同年4月1日以降の養育費の支払を求めて当庁平成7年(家イ)第×××号子の監護に関する処分(養育費)調停事件の申立てをしたが,平成7年8月4日調停委員が公平を欠くとして申立てを取り下げ,即日本件調停事件の申立てをした。
 本件調停事件は,同年11月20日不成立となり,審判に移行した。

2 本件養育費請求の可否
 相手方は,申立人は事件本人が成年に達するまでの養育費として1000万円の交付を受けたのであるから,成年までの養育費をその範囲内で計画的に支出すべきであり,不足が生じたときは自己の財産収入から充当すべきであって、相手方に請求すべき理由はないと主張する。
 しかし,民法880条は「扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは,家庭裁判所は,その協議又は審判の変更又は取消をすることができる。」と規定する。この規定は扶養の必要状態と可能状態はたえず変動するものであるから,事情変更があった場合には一旦成立した協議又は審判の変更を可能としたものである。

 たしかに,申立人が調停の結果「成年に達する迄の養育費として」1000万円を受領したのに,事件本人の中学卒業までに使い切ってしまったことについては,その支出につき計画性や工夫が足りないと批判されてもやむを得ない面がある。

 しかし,前記調査報告書によれば,事件本人が平成7年3月(15歳時)までに消費した教育関係費は,次のとおりと認められる。
(1)学校教育費(含む制服代)
甲小学校(昭和61年4月ないし平成4年3月) 4,208,366円
中学校受験料 42,506円
乙中学校(平成4年4月ないし平成7年3月)  2,636,610円
(合計) 6,887,482円……(a)

(2)家庭学習費
小学校時代 学習塾 2,067,737円
 家庭教師 137,894円
中学校時代 学習塾 1,103,600円
 家庭教師 39,600円
(合計) 3,348,831円……(b)
(a)+(b)=10,236,313円

 以上のとおり,事件本人の中学3年までの私立学校の学校教育費及び家庭学習費の合計額だけで1000万円を超え,前調停で定めた成年に達するまでの養育費の額を超えることが認められる。このような結果となったことについては,前記のとおり申立人に計画性や工夫が足りなかったことについて批判がされてしかるべきであるが,近時家庭学習費を含め教育費が高額化する傾向にあり,特に私立校の場合にこれが著しいことが認められること,相手方自身も私立だけの教育コースを歩んでおり,事件本人にも同程度の教育を受けさせることが不相当といえないことを考慮すると,本件申立てについては,事情の変更があり,前調停の条項の存在にもかかわらず高校入学以降の養育費を請求できるとするのが相当である。

3 養育費の算定
本件記録及び前記調査報告書によると,次の事実が認められる。
(1)申立人と相手方の収入について見るに,申立人は目下病弱であって昭和63年9月以降稼働収入を得られない状況であり,相手方からの離婚給付3000万円は父親の事業につぎ込んですべて費消し,資産として平成6年に母,妹との共有名義の町田市つくし野の自宅を売却して得た803万7785円をもとでに妹と共有で購入した岡山県倉敷市の土地の共有持分を有するのみである。

 他方,相手方は○○証券に勤務し,本店外国債券部長の地位にある。昭和62年10月2日に花末香子と婚姻し,同人とともに港区のマンションに居住している。相手方の確定申告書,給与所得の源泉徴収票によると,相手方の平成8年分の給与所得は1188万1675円(月平均99万0139円),不動産所得は778万2340円(月平均64万8528円)で,これらに対する住民税,固定資産税,必要経費,借入金返済に関する資料は一切提出されていない。相手方の平成8年分の所得税額,社会保険料の合計は470万2889円(月平均39万1906円)であるが,これから職業費(給与収入の15パーセント)214万4475円(月平均17万8706円)を控除しても十分な養育費支払能力があるものと認められる。

 そうすると,本件養育費の算定方法は実費方式を採用するのが相当であるが,前調停で成年までの養育費として1000万円が支払われていること,事件本人のこれまでの学校教育費が平均から見て高額の水準となっていることを考慮すると,申立人主張の金額をそのまま基準とすることも相当でない。そこで,事件本人の学校教育費,通学交通費,家庭教育費(学習塾費用)の一部,最低生活費をもって養育費を算定することとする。

(2)平成7年4月事件本人が私立丙高校に入学した後の学校教育費は次のとおりである。
(一)第一学年 (金額) (支払日)
入学金      296,000(円) (平7.4.11)
学費(第1期)  288,800 (平7.4.11)
学費(夏期講習費)  3,000 (平7.6.21)
学費(キャンプ費) 15,000 (平7.7.13)
学費(部費)     6,660 (平7.7.25)
学費(第2期)  238,400 (平7.9.21)
学費(第3期)  170,900 (平8.1.10)
小計     1,018,700

(二)第二学年
学費(第1期)  311,300 (平8.4.11)
学費(旅行積立金) 40,000 (平8.5.13)
学費(第2期)  248,400 (平8.9.13)
学費(第3期)  168,400 (平8.1. 9)
小計       768,100

(三)第三学年
学費(第1期)  276,300 (平9.4.30)
百周年記念事業募金 60,000 (平9.4.30)
学費(第2期)  213,400 (平9.9.  )
卒業記念行事    24,000 (平9.9.  )
学費(第3期)  158,400 (平10. 1.)
小計       732,100
合計     2,518,900(円)
1か月平均     69,969(円)(2,518,900÷36)

(3)丙高等学校在学中の通学定期代(営団地下鉄○△駅・△△駅間)は次のとおりである。
6か月定期 24,760(円)
1か月平均  4,126(円)

(4)以上,事件本人の教育費の平均月額は
 学校教育費+通学交通費=69,969+4,126=74,095(円)となる。

(5)事件本人の家庭教育費(学習塾費用)は,月額4万7013円であるが,「保護者が支出した教育費調査」(文部省調査統計企画課,平成4年度調査)によると,私立高校生1人当たりの平均教育費は,学校教育費の月額が5万3786円,家庭教育費の月額が9085円であることから考えると,かなり高額である。そこで,事件本人の家庭教育費(学習塾費用)月額4万7013円についてはその一部について認めることとし,月額9085円の範囲でこれを算入する。
 そうすると,学校教育費,通学定期代,家庭教育費(学習塾費用)の月額合計は
74,095+9,085=83,180(円)となる。

(6)事件本人が,高校を卒業し,大学に進学する平成10年4月以降の学校教育費について検討する。
 事件本人は,現在高校3年在学中で公立大学医学部を目指して勉学中であるが,平成10年4月以降の学校教育費については,進学先がどこになるか不確定であることなど不確定要素があるので,一応4年制の公立大学に進学したと仮定して算出せざるをえない。公立大学に進学した場合の学校教育費等は,現在の丙高校の学校教育費を下回ることはないと推測されるので,前記学校教育費の額から家庭教育費(学習塾費用)を控除した額をもって平成10年4月1日以降の学校教育費とする。その額は
83,180-9,085=74,095(円)となる。

(7)事件本人の最低生活費は,平成9年8月までは5万2369円であり,平成9年9月以降は4万7059円である(平成9年度生活保護基準による事件本人1人分第1類第2類の合計額)。 

(8)そうすると,事件本人の養育費は次のとおりとなる。
(平成9年8月までの養育費)
学校教育費+通学交通費+家庭教育費+最低生活費=83,180+52,369=135,549(円)
(平成9年9月から平成10年3月までの教育費)
学校教育費+通学交通費+家庭教育費+最低生活費=83,180+47,059=130,239(円)
(平成10年4月以降の養育費)
学校教育費+通学交通費+最低生活費=74,059+47,059=121,118(円)

4 本件養育費支払の始期及び終期
 以上の養育費支払の始期は,当庁平成7年(家イ)第×××号子の監護に関する処分調停申立事件における請求の始期であり,かつ事情変更の生じた時期である平成7年4月1日が相当であり,終期は4年制大学卒業時である平成14年3月末日とするのが相当である。

5 結論
 以上の次第であるから,相手方は申立人に対し,事件本人の養育費として,(1)平成7年4月1日から平成9年9月30日までの合計406万1160円を直ちに支払い,(2)平成9年10月1日から平成10年3月31日までは1か月につき13万0000円を,(3)平成10年4月1日から平成14年3月31日までは1か月につき12万0000円を支払う義務を負う。
 よって,主文のとおり審判する。
以上:5,477文字
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H31- 1-13(日):筋肉体操武田真治氏”ベンチプレス対決”109回達成-信じられない記録2
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○「筋肉体操武田真治氏”ベンチプレス対決”109回達成-信じられない記録」を続けます。
平成31年1月11日放映TEPPEN2019ベンチプレスの結果について、「TEPPEN2019|ベンチプレスの結果速報!優勝者は?出演者や過去の記録まとめ!」で報告されており、以下の通りでした。

   氏名      年齢 体重  B重量 回数
1位 武田真治    46 55㎏ 44㎏ 107
2位 清原博     48 60㎏ 48㎏  41
3位 なかやまきんに君40 78㎏ 62㎏  39
4位 榎並大二郎   33 71㎏ 57㎏  31
4位 魔裟斗     39 74㎏ 59㎏  31
5位 コージ     31 76㎏ 61㎏  22


○平成31年1月12日(土)午前に体重58.5㎏の私も8割相当強の47.5㎏41回を目指して挑戦しました。前回の平成28年10月15日に挑戦したときは40回でしたので、41回は行くと思っていました。ところが、2年3ヶ月を経た今回は、30回まで挙げたら急激に力が出なくなり、33回止まりでした。上記順位では3位にも入りません。

○「平成30年7月18日再度BP80㎏10回挙上に歓喜-残念ながら体重59.15㎏」記載の通り、平成30年には一時80㎏を10回挙げるまで回復していたのですが、このところ、80㎏8回止まりで低迷していました。しかし、平成28年10月は75㎏で8回止まりで、平成31年1月現在よりベンチプレス挙上能力は落ちていました。そこで、今回は40回は確実に行くだろうと思っていました。しかし、回数を上げる持久力は落ちていたようです。

○武田真治氏は、おそらく、「TEPPEN2019|ベンチプレス対決に参戦が決まってから、持久力をつけるための訓練を相当積んでいたと思われます。試技前の紹介で武田氏はベンチプレス90㎏を10回挙げると紹介されていましたので、おそらく1回だけなら110㎏は挙げることが出来ます。46歳・体重55㎏でその2倍の110㎏を挙げるとすれば、凄い筋力です。日頃相当筋トレに励んでいるはずです。

○それにしても体重8割の重さを109回も挙げるのは驚異としか言えません。おそらくこの記録が破られることは、武田真治氏本人以外では、ありえないでしょう。私も体重の3分の1の20㎏で100回挙げることに挑戦してみます。

「TEPPENでのベンチプレス対決にて。 見た方はわかると」に武田真治氏のトレーニングデータが記載されています。武田氏はベンチプレスを
1.30kg×10
2.50kg×10
3.70kg×10
4.90kg×10
5.30kg×100
というメニューで週に3回行ない、1回だけなら110㎏を挙げるとのことです。90㎏を10回挙げた後に30㎏100回は凄まじいトレーニングです。持久力がつくはずです。到底、真似できませんし、真似しようとも思いません。

○体重が軽い方が有利との意見がありますが、ベンチプレス挙上能力は、体重に密接に関係します。私の場合、80㎏10回挙げられるのは59㎏を越えたときで、500g減った58.5㎏になると8回しか上がらなくなります。体重僅か500gの差がペンチプレス挙上能力に大きく影響します。ですから体重の8割というルールだから体重が軽い方が有利とは言えないと思っています。
以上:1,372文字
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H31- 1-12(土):筋肉体操武田真治氏”ベンチプレス対決”109回達成-信じられない記録
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○「【TEPPEN】芸能界最強は誰だ!?ベンチプレスNo.1決定戦! 紹介」で、自分の体重の8割の重さのバーベルをベンチプレスで上げる回数を競う、平成28年9月16日、仙台放送「【TEPPEN】芸能界最強は誰だ!?ベンチプレスNo.1決定戦!」大会の模様を紹介しました。

○その結果は、以下の通りでした。
   氏名    年齢 体重  B重量 回数
1位 魔裟斗   37 79㎏ 63㎏ 35
2位 佐脇彗一  25 69㎏ 55㎏ 34
3位 小島よしお 37 70㎏ 56㎏ 31
4位 金子 賢  39 69㎏ 55㎏ 30
5位 じゅんいち
   ダビッドソン41 69㎏ 55㎏ 12
6位 羽田圭介  30 77㎏ 61㎏ 10


○平成31年1月11日、仙台放送で放映された「TEPPEN2019」で俳優の武田真治氏が、身長165㎝、体重56㎏のところ8割の44.8㎏のバーベルをなんと連続109回も持ち上げました。およそ信じられない大記録で、TVを見ていてゾッとしました。武田真治氏、NHK番組「みんなで筋肉体操」の出演者として知っていましたが、年齢30歳くらいかと思っていたらなんと46歳。益々信じられません。

○身長161センチ・体重58㎏・平成31年1月67歳5ヶ月の私は、体重のおよそ8割は47㎏になります。「【TEPPEN】芸能界最強は誰だ!?ベンチプレスNo.1決定戦! 紹介」では、当時65歳2ヶ月で「体重58㎏でその8割強47.5㎏での挙げる回数に挑戦したら40回挙がりました。」と記載しています。

○早速、本日の筋トレで、67歳5ヶ月時点、体重8割の47.5㎏を連続何回挙げることが出来るか挑戦してみます。48歳の清原博弁護士41回を上回ることが目標です。

ベンチプレス!武田真治さんが大記録で優勝!【TEPPEN2019年ダイジェスト】

以上:770文字
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H31- 1-11(金):管理会社名義預金は区分所有者団体に帰属するとした高裁判決紹介1
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○「マンション管理組合委託管理会社名義管理費等預金の帰属について1」の続きで、ここで紹介した平成12年12月14日東京高裁判決(判時1755号65頁)の必要部分を紹介します。

○同判決は、
①マンションの管理会社が区分所有者から徴収した管理費を原資とする定期預金は、区分所有者団体ないし管理組合法人に帰属する、
②マンションの区分所有者団体に帰属すべき定期預金につき、銀行が管理会社の預金としてその関連会社に対する債権の担保として質権を設定しても、真実の預金者たる区分所有者団体に対抗できない
ことを明らかにしました。


*******************************************

主   文
一 原判決中控訴人ら敗訴の部分を取り消す。
二 原判決別紙預金目録2記載の定期預金債権(元本額1668万8055円)が控訴人ルイマーブル乃木坂管理組合法人に帰属することを確認する。
三 被控訴人株式会社東京三菱銀行は、控訴人ルイマーブル乃木坂管理組合法人に対し、1668万8055円及びこれに対する平成4年9月19日から支払済みまで年2.695パーセントの割合による金員を支払え。
四 原判決別紙預金目録1記載の定期預金債権(元本額899万5516円)が控訴人アルベルゴ御茶ノ水管理組合法人に帰属することを確認する。
五 被控訴人株式会社東京三菱銀行は、控訴人アルベルゴ御茶ノ水管理組合法人に対し、899万5,516円及びこれに対する平成4年2月26日から支払済みまで年2.4パーセントの割合による金員を支払え。
六 訴訟費用は、第一、二審を通じ、被控訴人らの負担とする。
七 この判決の第三項及び第五項は、仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 控訴の趣旨

一 控訴人ルイマーブル乃木坂管理組合法人(以下「参加人ルイマーブル」という。)の控訴の趣旨
1 原判決中参加人ルイマーブル敗訴部分を取り消す。
2 主文第二、三、六項同旨
3 仮執行宣言

二 控訴人アルベルゴ御茶ノ水管理組合法人(以下「参加人アルベルゴ」という。)の控訴の趣旨
1 原判決中参加人アルベルゴ敗訴部分を取り消す。
2 主文第四ないし六項同旨
3 仮執行宣言

第二 事案の概要
 本件は、マンションの管理者であった株式会社B社(以下「B社」という。)が区分所有者から徴収した管理費等を原資とする原判決別紙預金目録1ないし3記載の定期預金(以下「本件定期預金1、2、3」という。)の帰属を巡る訴訟である。
一 前提事実
(一)B社は、不動産業者である株式会社A社(以下「A社」という。)の建築、分譲したマンションの管理業務を行うことを主な目的として昭和50年9月9日に設立された同社の子会社であり、平成4年11月に破産するまで、これらのマンションの管理業務を行っていた。
 A社は、平成4年11月20日、東京地方裁判所において破産宣告を受けた。

 B社も、同月30日、同裁判所において破産宣告を受け、同日、弁護士奥野善彦が破産管財人に選任された(東京地方裁判所平成4年(フ)第3644号)。(〈証拠略〉)

(二)ルイマーブル乃木坂マンションは、A社が昭和53年に建築し分譲を開始したマンションであり、参加人ルイマーブル(ルイマーブル乃木坂管理組合法人)は、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)3条の定めるルイマーブル乃木坂マンション区分所有者の団体であり、平成4年12月5日に開催された区分所有者の集会において管理組合法人を設立することが決議され、平成5年1月19日に設立登記がされたことにより、法人格を取得したものである(同法47条1項)。

 アルベルゴ御茶ノ水マンションは、A社が昭和52年に建築し分譲を開始したマンションであり、参加人アルベルゴ(アルベルゴ御茶ノ水管理組合法人)は、区分所有法3条の定めるアルベルゴ御茶ノ水マンション区分所有者の団体であり、平成4年12月18日に開催された区分所有者の集会において管理組合法人を設立することが決議され、平成5年1月18日に設立登記がされたことにより、法人格を取得したものである(同法47条1項)。(争いのない事実、弁論の全趣旨)

(三)B社は、平成4年11月まで、ルイマーブル乃木坂マンション、アルベルゴ御茶ノ水マンションその他A社が分譲したマンションについて、区分所有法の定める「管理者」の地位にあり、かつ各区分所有者との間の管理委託契約により管理業務の委託を受けた管理会社であった。
 この時期まで、右各マンションの区分所有者は、管理規約の定めるところに基づき、B社と管理委託契約を締結し、これらの規約及び契約に従って、マンション毎に開設されたB社名義の普通預金口座に保証預り金のほか毎月の管理費、修繕積立金等を送金して支払い、B社は、右各口座の預金通帳及び銀行印を保管し、そこから管理業務に必要な費用を支払い、B社としての管理報酬を受領し、管理費の剰余金、修繕積立金及び保証預り金が一定の額に達すると、これらを順次定期預金に組み替えて貯蓄していた。(〈証拠略〉)

(四)前記(三)により形成された預金として、平成4年11月25日当時、被控訴人東京三菱銀行(以下「一審被告」という。)に本件定期預金1、2、3が存在していた。(争いのない事実)

(五)一審被告は、A社に対する債権を担保するため、原判決添付の「預金担保設定一覧表」のとおり、B社の連帯保証のもとに、B社より、本件定期預金2につき平成2年9月18日に、本件定期預金1につき平成4年2月25日に、本件定期預金3につき平成4年3月9日に質権の設定を受けていた。(以下「本件質権設定」という。)

 一審被告は、A社が破産宣告を受けた後の平成4年11月26日をもって、右質権の実行により、本件定期預金1、2の全部及び本件定期預金3の一部の返還請求債権を取り立て、A社の一審被告に対する4709万0763円の債務の弁済に充て、平成4年12月ころ、B社の破産管財人(以下「一審原告」という。)に対してその旨通知した。(以下「本件質権実行」という。)(〈証拠略〉)

(六)原審〔1〕事件は、一審原告が一審被告に対し、本件定期預金1ないし3が破産財団に帰属することを主張してその返還を求めた事案、原審〔2〕事件は、参加人ルイマーブルが本件定期預金2が参加人ルイマーブルに帰属することを主張して一審原告及び一審被告に対しその確認を求め、一審被告に対しその返還等を求めた事案、原審〔3〕事件は、参加人アルベルゴが本件定期預金1が参加人アルベルゴに帰属することを主張して一審原告及び一審被告に対しその確認を求め、一審被告に対しその返還等を求めた事案である。

 原判決は、一審原告の〔1〕事件請求、参加人ルイマーブルの〔2〕事件請求、参加人アルベルゴの〔3〕事件請求をいずれも棄却した。
 これに対し、参加人ルイマーブル及び同アルベルゴは控訴したが、一審原告は控訴しなかった。
 したがって、当審においては本件定期預金3は審理の対象になっていない。

二 争点
1 本件定期預金の預金者は、各マンションの区分所有者団体(参加人ら)かB社か
2 右預金者が区分所有者団体(参加人ら)である場合、本件質権実行に民法478条(債権の準占有者への弁済)の類推適用があるか
3 右預金者が区分所有者団体(参加人ら)である場合、本件質権設定に民法94条2項(通謀虚偽表示)の類推適用があるか


         (中略)


第三 当裁判所の判断
一 本件定期預金の預金者について

1〈証拠略〉及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。
(一)A社は、建築したマンションを分譲するに際し、区分所有権の買主に対して自ら作成したマンション管理規約及び使用細則を提示してその承認を求めるとともに、右買主(区分所有者)とB社との間で管理委託契約を締結させていた。
 右管理規約及び管理委託契約においては、次のとおり定められていた。(〈証拠略〉)

(管理規約)
(1)B社が「管理者」となる。
(2)各区分所有者は、建物供用部分の通常の管理費をその持分に応じて負担し、定められた管理費を毎月「管理者」に支払う。
(3)各区分所有者は、建物供用部分の修繕費をその持分に応じて負担し、定められた修繕積立金を毎月「管理者」に支払う。修繕積立金は理由の如何を問わず払い戻さない。「管理者」は、修繕積立金を取り崩して修繕費を支払い、なお、不足する場合、修繕費を追加徴収することができる。
(4)各区分所有者は、保証預り金を「管理者」に預け入れる。保証預り金は各区分所有者がその資格を失った場合に返還する。

(管理委託契約)
(1)B社が行う業務は、経理事務、折衝業務、修繕業務、設備保守点検業務、清掃業務、受付業務等とする。
(2)区分所有者は、管理費、修繕積立金をB社に支払う。
(3)管理費は、B社が前記(1)の業務を行うために必要な費用及びB社の管理報酬(管理費の15パーセント)に当てる。管理費の剰余金は管理預り金として積み立て、管理費が不足した場合、それを取り崩して充当できる。
(4)B社は、毎年年末において当該年度の会計報告をする。
(5)B社は、各区分所有者から保証預り金を預かる。各区分所有者がその資格を失った場合、B社は、これを返還する。

(二)各区分所有者は、右管理規約及び管理委託契約に従い、マンション毎に開設されたB社名義の普通預金口座に保証預り金のほか毎月の管理費、修繕積立金等を送金して支払っていた。
 右支払手続は、各区分所有者と銀行との間の自動引落(振替)契約によって行われ、当該引落口座を開設する銀行は、主としてA社が分譲したマンションの建設に融資者として関与した銀行が選定されていた。

(三)B社は、右管理規約及び管理委託契約に従い、各区分所有者から管理費等の支払いを受けるため、各マンションの近くに所在する銀行にB社名義の普通預金口座を開設した。右普通預金口座は、各マンション専用とされ、他のマンションの管理費等やB社固有の資金が入金されることは一切なかった。
 B社は、この普通預金口座から管理に要する諸費用とB社が受領すべき管理報酬を支出し、管理費の剰余金や修繕積立金等がある程度多額になると、これを定期預金にしていた。

 B社は、第10期(昭和59年9月1日から昭和60年8月31日)までの決算報告書では、各マンションの管理費等を原資とする預金を貸借対照表の資産の部に各マンション名を付記して計上し、各マンションの保証預り金、積立金、管理金預り金等を「マンション管理預り金」として貸借対照表の負債の部に計上していた(〈証拠略〉)が、顧問の公認会計士からそのような経理処理は適切でないとの指摘を受けて、第11期(昭和60年9月1日から昭和61年8月31日)からの決算書報告書においては、右預金を資産として計上せず、「マンション管理預り金」も負債として計上しないこととした(甲22ないし27)。

 B社は、毎年、各マンション毎に「管理費収支決算書」等を作成して、全区分所有者に配付していた。右書面には、管理費収支決算書、修繕積立金収支決算書及び貸借対照表が含まれており、貸借対照表の資産の部には管理費等の剰余金等を原資とする普通預金及び定期預金が記載され、管理費収支決算書の部には右普通預金の利息が計上され、修繕積立金収支決算書の収入の部には、右定期預金の利息が計上されていた。(〈証拠略〉)

 B社は、管理組合が結成され、あるいは管理組合法人が設立されて、管理組合の理事あるいは管理組合法人の理事から各マンションの管理費等を原資とするB社名義の預金の名義変更を求められたときは、これらの預金は管理組合あるいは管理組合法人に帰属する財産であるとの考えのもとに、これに応じ、管理組合の理事名義あるいは管理組合法人の理事名義等に名義を変更し、印鑑を変更していた。

(四)本件定期預金1、2の原資及び資金の流れは次のとおりである。
(本件定期預金2)
(1)昭和52年から昭和53年にかけて分譲されたルイマーブル乃木坂マンションにおいては、そのころ一審被告六本木支店に開設されたA名義の普通預金口座(口座番号〈略〉、口座名義「株式会社A」、本件普通預金口座2)が管理費等の振込口座とされた。
(2)Aは、本件普通預金口座2の残高が多額となったことから、昭和58年3月17日、同口座よりの1,450万円をもって定期預金口座(一審被告荻窪支店、口座番号〈略〉)を開設した。その後、右定期預金口座は、一審被告荻窪支店から一審被告東京駅前支店に移管された。
(3)Aは、平成2年9月18日、前記(2)の定期預金口座を解約し、同日、同口座の金利を元本に組み入れた1,495万8,201円をもって定期預金口座(一審被告東京駅前支店、口座番号〈略〉)を新規に開設した。(同日、質権設定)
(4)前記(3)の定期預金口座は、利息元加方式で書替継続され、平成4年11月25日時点では、1,668万8,055円の本件定期預金2(口座番号〈略〉)となっていた。

(本件定期預金1)
(1)昭和52年から昭和53年にかけて分譲されたアルベルゴ御茶ノ水マンションにおいては、そのころ住友銀行神田支店に開設されたA名義の普通預金口座(口座番号〈略〉、本件普通預金口座1)が管理費等の振込口座とされた。
(2)Aは、本件普通預金口座1の残高が多額となった段階で1部を同銀行同支店の定期預金にしていたが、昭和58年2月14日、一審被告の豊栄土地開発に対する債権の担保に当てるため、住友銀行神田支店の右普通預金及び定期預金からの合計800万円をもって一審被告荻窪支店にA名義の定期預金口座(口座番号〈略〉、口座名義「株式会社A 御茶ノ水口」)を開設した。その後、右定期預金口座は一審被告荻窪支店から一審被告東京駅前支店に移管された。
(3)Aは、平成3年2月25日、前記(2)の定期預金口座及び他の4マンションの定期預金口座を解約し、これらの口座の金利を元本に組み入れた3,210万7,289円をもって大口定期預金口座(一審被告東京駅前支店)を開設したが、平成4年2月25日、元の原資どおりの金額に従い5口に分割し、アルベルゴ御茶ノ水マンションの管理費等を原資とする定期預金として899万5,516円の定期預金口座(一審被告東京駅前支店、口座番号〈略〉、口座名義「株式会社A 御茶ノ水口」)(本件定期預金1)を新規に開設した。(同日質権設定)

以上:5,932文字
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H31- 1-11(金):管理会社名義預金は区分所有者団体に帰属するとした高裁判決紹介2
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○「管理会社名義預金は区分所有者団体に帰属するとした高裁判決紹介1」を続けます。


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3 本件定期預金1、2の預金者
(一)参加人らの地位

 現行区分所有法3条は、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成」すると規定している。この規定は、昭和58年法律第51号改正法によって新設されたものであるが、この規定によって新たに権利義務を創設するものではなく、区分所有者が、1棟の建物を区分所有し、その共用部分を共有して共同使用するものであるが故に、必然的にこれらを共同して管理しなければならない立場に置かれ、これらの管理を行うことを目的とする団体の団体的拘束に服するものであることを、確認的に宣言したものである。したがって、右改正の前後を通じ、マンションの区分所有者は当然に区分所有者団体を構成しているものと解すべきであり、昭和52年ないし昭和53年に分譲された本件各マンションの区分所有者も、当初から区分所有者団体を構成していたものであり、その団体の人格は、法人格を取得した後の参加人らに引き継がれているものと認められる。

(二)「管理者」の立場
 前記のとおり、区分所有法の改正の前後を通じ、区分所有者は、供用部分を共同して管理するために一種の組合的結合関係にあり、その管理のための団体を構成しているものであり、同法の定める「管理者」は、その団体の行う管理業務の執行者であるものと解される。
 そして、区分所有法は、「管理者」はその職務に関し区分所有者を代理すると規定している(法26条2項、旧法18条2項)が、区分所有者が共用部分の共同管理のための団体を構成し、「管理者」がその団体の行う管理業務の執行者であることを前提とすれば、右にいう代理とは、個別的代理ではなく、団体の代理を意味し、その効果は、団体を構成する区分所有者全員に合有的又は総有的に帰属すると解すべきである。

 また、区分所有者は、マンションの購入時に管理規約及び使用細則を承認し、同時にB社との間で管理委託契約を締結しているが、区分所有者が共用部分の共同管理のための団体を構成し、「管理者」がその団体の行う管理業務の執行者であることを前提とし、旧法24条が管理規約の設定、変更等は区分所有者全員の書面による合意によってすると定めていたことに照らすと、この管理委託契約は、区分所有者団体を構成する区分所有者全員と団体の行う管理業務の執行者である「管理者」(B社)の間において、「管理者」(B社)の行う管理業務の権限と義務につき管理規約の細則を定めたものと解するのが相当である。

 なお、区分所有法は、供用部分の共有者はその持分に応じて供用部分の負担に任ずると規定し(法19条、旧法14条)、管理規約は、各区分所有者は供用部分の管理費、修繕費等を「管理者」に支払う旨規定しているが、区分所有者が共用部分の共同管理のための団体を構成し、「管理者」がその団体の行う管理業務の執行者であることを前提とすれば、各区分所有者が管理費等の支払義務を負うのは右団体に対してであると解される。すなわち、「管理者」たるB社は、区分所有者に対し、管理費等の支払を請求し、これを受領、保管する権限はあるが、管理費等についての債権自体は右団体ひいては管理組合に帰属すると解するのが相当である。

(三)「管理者」たるB社のした預金行為における預金者
 前記1、(二)ないし(四)の事実及び前記3、(一)、(二)の検討結果によれば、B社は、本件各マンション分譲後一貫して、各マンションの区分所有者団体の「管理者」の職務として、各マンションの管理費等の金銭を管理してきたものであり、前記1、(四)の各預金行為を、各区分所有者団体の預金として行ったものというべきである。

 すなわち、区分所有者の管理費等の支払債務に対応する債権の帰属者はB社ではなく区分所有者団体であり、B社は、区分所有者団体の行う管理業務の執行者たる「管理者」として、区分所有者から送金されてきた管理費等についてこれを管理する権限を与えられており、その管理の一環として、管理費等入金のための区分所有者団体の預金口座を開設する権限を与えられていたところ、当時、区分所有者団体は観念的には成立していても、実際には管理組合は結成されておらず、管理組合等の名義で口座を開設することは困難であったことなどから、区分所有者団体の預金口座とするために、団体の表示としてB社名義を用いて、銀行との間で普通預金契約を締結し、本件普通預金口座1、2を開設し、各区分所有者から区分所有者団体に対する債務の履行としての管理費等の送金を受けたものというべきであり、したがって、これらの普通預金口座の預金者は各マンションの区分所有者団体であるというべきである。

 この場合における区分所有者、区分所有者団体、B社及び銀行の四者間の法律関係についてみると、「管理者」たるB社は、区分所有者に対し、管理費等の支払を請求し、これを受領、保管する権限はあるが、管理費等についての債権自体は区分所有者団体に帰属し、区分所有者の銀行に対する送金(自己の取引銀行からの振込みを含む。)によって区分所有者の区分所有者団体に対する債務(すなわち、区分所有者団体の債権)が消滅し、いわばその代償として、銀行に対する区分所有者団体の預金債権が発生ないし増加すると解することができる。

 そして、普通預金の金額が一定の金額に達した場合に、これを定期預金に組み替えることは、預金の管理の方法としては当然許され、区分所有者団体もこれにつき黙示の承諾を与えていたものと解すべきであり、したがって、B社が本件普通預金口座1、2において保管中の各預金を(同口座1については住友銀行神田支店から一審被告荻窪支店に変更したうえで)定期預金に組み替えたとしても、その預金者が各マンションの区分所有者団体であることには何ら変更はないと解すべきである。そして、この理は、B社がその後右定期預金について一審被告のA社に対する債権の担保として質権を設定した場合でも同様である。

 以上によれば、本件各マンションの区分所有者団体は、本件定期預金について、自らの出捐によって、自己の預金とする意思で、「管理者」たるB社を代理人として銀行との間で預金契約をしたものであり、本件定期預金の預金者であると解される。

 したがって、本件定期預金1、2の預金者は、各マンションの区分所有者団体であり、本件定期預金2は、ルイマーブル乃木坂マンションの区分所有者団体が法人格を取得する前においては、団体を構成する区分所有者全員に合有的又は総有的に帰属し、団体が法人格を取得して管理組合法人となった後においては、管理組合法人たる参加人ルイマーブルに帰属しているものであり、本件定期預金1は、アルベルゴ御茶ノ水マンションの区分所有者団体が法人格を取得する前においては、団体を構成する区分所有者全員に合有的又は総有的に帰属し、団体が法人格を取得して管理組合法人となった後においては、管理組合法人たる参加人アルベルゴに帰属しているものと認められる。

二 本件質権実行についての民法478条の類推適用の可否について
1 本件定期預金の預金行為者はB社であり、預金名義は「株式会社B社」であり、預金証書及び印鑑はB社が保管していたものであるが、〈証拠略〉及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
(一)一審被告は、昭和51年ころA社との取引を、昭和53年ころB社との取引を開始したが、その段階において、B社に関する情報を入手しており、B社がA社の建築、分譲したマンションの管理業務を行うことを主な目的として設立された同社の子会社であることを知っていた。

(二)一審被告は、A社との間で同社の分譲マンションに関する提携ローン契約を締結し、ルイマーブル乃木坂マンションほかの購入者に対する融資を行ったが、その際、当該マンションの管理規約、管理委託契約書を入手した。右管理規約及び管理委託契約書には、前記1、1、(一)のとおり、B社が「管理者」の地位にあること、各区分所有者は「管理者」であるB社に毎月管理費、修繕積立金等を支払うこと等が明記されていた。

(三)一審被告は、本件普通預金口座2の預入銀行として、また、各区分所有者との間で自動引落(振替)契約を締結した銀行として、本件普通預金口座2がルイマーブル乃木坂マンションの区分所有者が管理費等を送金支払するために開設された口座であることを知っていた。

(四)B社は、昭和58年2月14日、アルベルゴ御茶ノ水マンションの区分所有者からの管理費等を原資とする住友銀行神田支店の預金口座から合計800万円を送金して一審被告荻窪支店にB社名義の定期預金口座(口座番号〈略〉)を開設する際、同マンションの預金であることを特定するために、口座名義を「株式会社B社 御茶ノ水口」とした。

 右預金については、同日、一審被告のA社に対する債権を担保するため質権が設定され、平成3年2月25日、質権の解除を受けたうえ、他の4口のマンションの預金と一体化して大口定期預金とされ、これに質権が設定され、平成4年2月25日、質権の解除を受けたうえ、元の原資どおりの金額に従って5口に分割され、そのうちのアルベルゴ御茶ノ水マンションの管理費等を原資とする本件定期預金1に質権が設定された。
 このような質権の解除及び新たな設定を伴う定期預金の合体又は分割をするため、B社は、一審被告に対し、その必要性を説明しているが、その説明の中にはこれらの預金が各マンションの管理費等を原資とする預金であることの説明が当然に含まれていた。

(五)一審被告は、預入銀行として、前記一、1、(四)の預金の変遷を知り得る立場にあった。

(六)一審被告は,B社の決算書を毎年入手していた。前記一、1、(三)のとおり、第10期(昭和59年9月1日から昭和60年8月31日まで)までのB社の決算報告書の貸借対照表においては、各マンションの管理費等を原資とする預金がB社自身の預金とは区別されて各マンション名を付記して資産の部に計上される一方、各マンションの管理金預り金等が「マンション管理預り金」として負債の部に計上されていたが、第11期からは、これらの預金は資産の部に計上されなくなり、これらの「マンション管理預り金」も負債の部に計上されなくなっていた。

2 本件においては、金融機関である一審被告が、本件定期預金につき真実の預金者である区分所有者団体(参加人ら)と異なるB社を預金者と認定して、B社から質権の設定を受け、その後右質権実行として、被担保債権を自働債権とし本件定期預金債権を受働債権とする相殺をしたのであるが、この質権実行が民法478条の類推適用により区分所有者団体(参加人ら)に対して効力を生ずるためには、右質権設定時において、B社を預金者本人と認定するにつき金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしたと認められることを要するものと解される(最高裁昭和59年2月23日第一小法廷判決・民集38巻3号445頁)。 

 そして、前記一のとおり、一審被告は、本件質権設定当時、B社が区分所有者団体の「管理者」として各マンションの管理費等を原告とする預金を管理していること及び本件定期預金がそうした預金であることを知っていたのであるから、本件定期預金につき、B社より、右「管理者」の職務ではあり得ないA社のための質権設定を受けるに当たっては、本件定期預金の預金者をB社と認定すべきか否かについて、単なる預金の払戻しの場合とは異なり、より慎重に判断すべき注意義務があったというべきである。

 しかし、一審被告は、前記一のとおり、当裁判所が本件定期預金の預金者は区分所有者団体(参加人ら)であると認定した根拠となっている事実のうち、B社が毎年本件各マンションの区分所有者に配付していた管理費収支決算書の記載内容を除くその余の事実を知っていたにもかかわらず、B社を預金者と認定したものであり、右認定に当たり金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしたと認めることはできない。
 したがって、一審被告の本件質権実行に民法478条が類推適用されるとの抗弁は理由がない。


三 本件質権設定についての民法94条2項の類推適用の可否について
 本件においては、金融機関である一審被告が、本件定期預金につき真実の預金者である区分所有者団体(参加人ら)と異なるB社を預金者と認定して、B社から質権の設定を受けたものであるが、この質権設定が民法94条2項の類推適用により区分所有者団体(参加人ら)に対して効力を生ずるためには、右質権設定時において、B社を預金者本人と認定するにつき金融機関として負担すべき相当の注意義務を尽くしたと認められることを要するものと解される。

 しかし、前記二のとおり、一審被告が右認定に当たり金融機関として負担する相当の注意義務を尽くしたと認めることはできないのであるから、その余の点を判断するまでもなく、一審被告の本件質権設定に民法94条2項が類推適用されるとの抗弁も理由がない。

四 以上によれば、参加人らの原審〔2〕〔3〕事件における預金帰属確認請求及び預金返還請求はいずれも理由があるから、原判決中参加人ら敗訴部分を取消し、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 奥山興悦 裁判官 杉山正己 山崎まさよ
以上:5,546文字
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H31- 1-10(木):マンション管理組合委託管理会社名義管理費等預金の帰属について1
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○「マンション管理組合は共用部分占有者ではないとした高裁判決紹介」で紹介した平成29年3月15日東京高裁判決(判タ1453号115頁、判時2384号3頁)は、マンション共用部分占有者は管理組合ではなく区分所有者全員であるとしましたので、この判決の論理では、共用部分に瑕疵があって損害が発生した場合、民法717条占有者責任は区分所有者全員になります。

○この場合、損害を被った人が、区分所有者全員を相手に損害賠償請求の訴えを提起するは、区分所有者が数百人もいるような大規模マンションでは、現実的には大変であり、管理組合が共用部分の占有者として、訴えの相手方になった方が良いような気もします。マンション共用部分の瑕疵を理由に区分所有者全員を相手にした裁判例は、現時点では見つかっていません。

○マンション管理組合が支払責任を負った場合、支払責任を履行するにはマンション管理組合に帰属する財産が必要ですが、マンション管理組合は管理費や修繕費積立金等をマンション管理組合名義で預金しているのが普通です。マンションの管理組合は、管理費徴収・管理業務は、専門の管理会社に委託するのが一般的です。

○分譲マンション建築主A社が、Aマンション分譲の際、区分所有者の買主に対し、自ら作成した管理規約・使用規則の承認を求め、B社を管理者として、区分所有者とB社との間に管理委託契約を締結させて、B社にAマンション管理業務を委託して、B社が自己名義でC銀行にAマンション管理費・修繕積立金等を預金し、B社はC銀行に自己の借入金の担保としてマンション管理費・修繕積立金の預金について質権を設定し、B社が、破産宣告を受け、破産管財人Dが就任し、C銀行に対し、質権設定は無効として、Aマンション管理費・修繕積立金の預金の返還を求める訴訟を提起し、Aマンション分譲後成立した管理組合法人Eが、その預金は自己に帰属するとして参加して争った事案があります。

○一審平成10年1月23日東京地裁判決(金商1053号37頁)は、 マンションの管理会社が自己の名をもってした管理費を原資とする預金は、区分所有者団体ではなく管理会社に帰属するもので、質権設定も無効ではないとして、破産管財人・参加人いずれの請求も棄却しました。この事案の控訴審平成12年12月14日東京高裁判決(判時1755号65頁)は、マンションの管理会社が区分所有者から徴収した管理費を原資とする定期預金は、区分所有者団体ないし管理組合法人に帰属する、また、マンションの区分所有者団体に帰属すべき定期預金につき、銀行が管理会社の預金としてその関連会社に対する債権の担保として質権を設定しても、真実の預金者たる区分所有者団体に対抗できないとして、参加人であるAマンション管理組合法人Eの主張を認めました。

○Aマンション区分所有者は、管理費・修繕積立金をB社名義預金口座に送金して支払い、これをB社が自己名義の定期預金に振り替えていた事実が明らかであり、B社名義定期預金の原資はAマンション区分所有者管理費・修繕積立金であることが明白であることからの結論です。現在は、管理を委託されたB会社(管理会社)は自己名義ではなく、管理組合法人Eの名義で預金するのが普通ですので、このような問題は生じませんが、管理組合法人E名義でのAマンション区分所有者管理費・修繕積立金の預金の帰属は、Aマンション区分所有者なのか、管理組合法人Eなのかについて問題が残ります。現在、この問題についての判例を探しているところです。
以上:1,454文字
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H31- 1- 9(水):歩行者との非接触事故で自動車運転者過失責任を肯定した高裁判決紹介2
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○「歩行者との非接触事故で自動車運転者過失責任を肯定した高裁判決紹介1」の続きで平成30年1月26日大阪高裁判決(自保ジャーナル2020号58頁)の裁判所の判断部分全文を紹介します。

○判決は、控訴人の,本件事故の際,本件車両の右ドアミラーがDに衝突したとの主張については、本件車両の右ドアミラーがDに衝突したことを認めるに足りる証拠はないから,控訴人の衝突に係る主張は採用することができないとしました。

○しかし、Dは本件車両を避けようとして転倒し,その際,石垣で頭を打ち付けたことを認めることができると認定し、その結果,急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡したと認めるのが相当であるとして、控訴人Bには,Dの相続人である控訴人に対し,民法709条に基づき損害を賠償する責任が、本件車両の所有者である被控訴人Cにも,自賠法3条1項に基づき,被控訴人Bと連帯して,損害を賠償する責任があるとして、3537万2860円の支払を命じました。

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第三 当裁判所の判断
1 認定事実

 前提事実,証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。被控訴人Bの供述証拠(略)中,この認定に反する部分は,採用することができない。
(1)被控訴人Bは,平成24年10月23日午後4時10分頃,兵庫県γ市所在の自宅に帰るため,本件車両を運転して,本件交差点の東側道路を西方に走行し,本件交差点の北側道路に向かって交差点を右折したが,本件車両の右前角部を見取図[×]地点の民家の外壁に衝突させた。

(2)Dは,そのころ,本件交差点の北側道路にいたが,本件車両が本件交差点を右折した直後には,横断歩道上である見取図[ア]地点で,頭部に出血がある状態で倒れていた。

(3)本件交差点の北東角に隅切りがあり,被控訴人Bは,本件交差点を右折するに際し,本件交差点北側の横断歩道上及び北側道路の方向を良好に見通すことができた。

(4)γ市消防署救急隊員は,本件事故の通報を受けて,同日午後4時24分頃に現場に到着したが,その際,Dが横断歩道上である見取図[ア]地点に仰臥位で倒れており,後頭部の打撲痕及び少量の出血,鼻部上部の擦過傷があるのを観察した。

 現場にいた被控訴人Bは,救急隊員に対し,「自動車で西進右折しようとしたところ,男の方が避けようとして転倒,その際,家の石垣で頭を打ちつけました。」と説明した。

(5)δ県γ警察署警察官は,同日午後5時から5時30分までの間,被控訴人Bを立会人として,本件事故現場で実況見分を行い,本件事故現場の状況について,前提事実(3)記載の事実を認め,また,本件車両の損傷箇所について,右前角バンパー,右前角ボディー,右前輪軸に擦過痕を認めたが,右前ボディーから右側ドアミラーまでの部分及び右側面に擦過痕及び払拭痕を認めなかった。

 被控訴人Bは,実況見分の際,見取図〔1〕地点で一時停止をし,右折進行中,見取図〔2〕地点で右方に見取図[ア]地点にいるDを見て(右ドアミラーで見たとの趣旨である(被控訴人B本人),見取図〔3〕地点でブレーキを踏もうとし,見取図[×]地点で民家の壁に衝突して停止した旨の指示説明をした。

(6)Dは,本件事故の翌日である同年10月24日,後頭部打撲を原因とする急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡した。
 q1大学法医学講座医師は,同月25日,Dの死体解剖において,Dの後頭上部に表皮剥脱を伴う5センチメートル大の皮下出血,胸部正中やや右側に0.5センチメートル大から4×2センチメートル大の皮下出血,後頭上部から右側頭前部に向かう長さ約19センチメートルの線状骨折などを確認した。

(7)δ県γ警察署警察官は,平成25年3月17日,同警察署駐車場において本件車両から微物を採取し,同月19日,δ県警察本部刑事部科学捜査研究所に対し,採取した微物が本件事故当時のDの着衣等に付着しているか否かについて検査を求めたところ,同種の繊維片の付着は認められなかった。

2 争点1(本件事故の態様)について
(1)衝突(接触)の有無

ア 控訴人は,本件事故の際,本件車両の右ドアミラーがDに衝突した旨主張する。

イ 確かに,本件事故当日の実況見分で撮影された写真によれば,本件車両の右ドアミラーがやや内側に屈曲していたことが認められるところ,このような状態で走行すると運転席右後方の視界が相当遮られることになるから,本件事故直前の走行時において,このような状態であったことについては疑問があることに加え,右ドアミラーの開扉位置を自分では調整しない旨の被控訴人Bの供述を併せ考えると,右ドアミラーがDに衝突(接触)したため上記屈曲が生じた可能性は否定できない。

 しかしながら,他方,上記実況見分では,本件車両の右ドアミラーに擦過痕や払拭痕が認められず(認定事実(5)),その後に実施された微物検査は,本件事故から約5ヶ月後であるから正確性に問題はなくはないが,本件車両からDの着衣等と同種の繊維片が検出されなかったこと(認定事実(7))に照らすと,右ドアミラーの上記屈曲状態をもって,直ちに本件車両がDに衝突したと認めることはできない。

ウ また,Dの死体解剖において,胸部正中やや右側に0.5センチメートル大から4×2センチメートル大の皮下出血が認められたところ(認定事実(6)),証拠(略)には,上記皮下出血は相当強い力で打撲を受けた結果であり,本件車両の右ドアミラーの衝突以外には考えられない旨の部分がある。

 しかしながら,他方,証拠(略)には,本件車両の右ドアミラーとの接触によって上記皮下出血が発症する可能性は否定できないものの,右ドアミラーの地上高が93センチメートルないし107センチメートルであるのに対し,上記皮下出血部位の足下からの高さが約119センチメートルであって,両者の間で約10センチメートル以上の高さの違いがあるので,衝突したとすればかなり不自然な姿勢となる旨の指摘があることからすれば,Dが通常の姿勢で歩行していた場合には右ドアミラーが上記皮下出血個所に衝突するのは困難といわざるを得ないが,本件事故の際のDの歩行状況や姿勢は,証拠上明らかでない。

 また,本件車両の損傷はそう大きくないことからすれば,本件車両は,本件交差点を右折して走行した際,相当なスピードを出していたと認めるのは困難であり,かつ,上記イのとおり,本件事故後に本件車両の右ドアミラーには擦過痕,払拭痕や微物も認められなかったのであるから,上記証拠(略)のうち相当な力をもって衝突した旨の上記指摘には,疑問が残る。
 以上によれば,上記証拠(略)は採用できない。

エ そして,ほかに本件車両の右ドアミラーがDに衝突したことを認めるに足りる証拠はないから,控訴人の衝突に係る主張は採用することができない。

(2)本件車両を避けようとして転倒した事実の有無
ア 被控訴人Bは,本件事故の通報を受けて現場に到着した救急隊員に対し,認定事実(4)のとおり説明しているところ,本件事故直後になされた説明であり,かつ,救急隊員が職務上聞き取った内容であって,緊急搬送先の病院にも同内容が説明されていることからすれば,その信用性は高いものというべきである。したがって,当該説明どおりの事実,すなわち,Dは本件車両を避けようとして転倒し,その際,石垣で頭を打ち付けたことを認めることができる。

イ 被控訴人らは,被控訴人Bが本件交差点を右折する際,見取図〔1〕地点より少し前に出た地点で一時停止して,交差点右方に歩行者等がいなかったことから,見取図〔2〕,〔3〕の各地点を走行し,見取図〔4〕地点に至るまでの間に右ドアミラーを通してDを視認した旨主張し,これに沿う被控訴人Bの供述証拠(略)がある。確かに,被控訴人Bは,本件事故当日の実況見分において,立会人として,見取図〔1〕地点で一時停止した後,見取図〔2〕,〔3〕の地点を走行して右折した旨の指示説明をしている(認定事実(5))。

 しかしながら,被控訴人Bの供述中,本件交差点を右折するに当たり交差点右方に歩行者等がいなかったとの部分は,被控訴人Bは,本件交差点を右折するに際し,本件交差点北側の横断歩道上及び北側道路の方向を良好に見通すことができたことやDが現に本件事故現場にいたこと(認定事実(2)(3))と整合しない。そうすると,被控訴人Bは,Dが現場におりDを見たにもかかわらず見なかった旨虚偽の供述をしているか,あるいは,Dの動向を十分注視していなかったため気付かなかったものというべきである。

 また,被控訴人Bの供述中,見取図〔4〕地点に至るまでの間に右ドアミラーを通してDを視算したとの部分は,被控訴人Bが,本件事故直後に救急隊員に対してDが本件車両を避けようとして転倒した旨の説明をしたこと(認定事実(4))や,本件事故当日の実況見分において,見取図〔2〕地点で右方の見取図[ア]地点にいるDを見た旨の指示説明をしたこと(認定事実(5))と整合しないから,信用できない。本件事故当日の実況見分において,被控訴人Bが見取図〔2〕地点で右方の見取図[ア]地点にいるDを見た旨の指示説明についても,証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,いまだ右折中で本件車両が直進状態ではない見取図〔2〕地点で本件車両の右ドアミラーにより見取図[ア]地点を視認することはできないことが認められるから,信用できない。

 そして,前提事実(3),証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,本件車両は,ハンドル操作の仕方によっては,本件交差点を右折するに当たって,見取図〔2〕地点(同[ア]地点から3.3メートル)よりもかなり右側の同[ア]地点に近接した地点を走行することが可能であることが認められるところ,当該走行方法は,被控訴人Bの救急隊員に対する上記説明と整合する。そうすると,見取図〔2〕地点を走行していた旨の実況見分における被控訴人Bの指示説明には大いに疑問がある

 また,Dは,仮に見取図[ア]地点で転倒していたとしても,本件車両との衝突を避けようとして転倒したことからすれば,本件事故前には転倒地点である見取図[ア]地点よりも本件車両寄りにいたものと推認される。

ウ そして,前提事実(3)イ,認定事実(6)をも併せ考えると,被控訴人Bは,本件車両を運転して,本件交差点を右折して走行したが,交差点北側の横断歩道上又はその付近にいたDに近接した地点を走行したため,Dがこれを避けようとして転倒して,民家の外壁の石垣に後頭部を打ち付けて負傷し,その結果,急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡したと認めるのが相当である

3 争点2(被控訴人Bの不法行為の有無)について
 前記2(2)で判断したことによれば,被控訴人Bは,本件交差点を右折するに当たり,進行方向の安全を十分に確認し,交差点北側の横断歩道上又はその付近にいる歩行者等の動静に注意し,これに危害を及ぼさないよう適切な方法で運転すべき注意義務を負っていたにもかかわらず,これを怠り,少なくとも本件交差点北側の横断歩道上又はその付近にいたDに気付かないまま右折して,Dに近接した地点を走行したため,これを避けようとしたDを転倒させ,本件事故を発生させてDを死亡させたものということができる。

 したがって,被控訴人Bには,Dの相続人である控訴人に対し,民法709条に基づき損害を賠償する責任がある。そして,本件車両の所有者である被控訴人Cにも,自賠法3条1項に基づき,被控訴人Bと連帯して,上記損害を賠償する責任がある。


4 争点3(損害の額)について
(1)治療関係費 2万4740円
 前提事実(2),証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故による治療関係費は2万4740円であったことが認められる。

(2)入院雑費 3000円
 前提事実(2)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故による入院雑費(入院2日)は3000円であると認める。

(3)文書料 3万7420円
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故による文書料は合計3万7420円であったことが認められる。

(4)葬儀関係費 150万円
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,Dの死亡により葬儀等が行われ,控訴人は葬儀関係費を支出したことが認められるところ,相当因果関係のある葬儀関係費としては150万円とするのが相当である。

(5)逸失利益 259万7700円
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,D(当時79歳)と控訴人(当時78歳)は,約60年間夫婦として同居しており,本件事故当時,子のEとは別所帯であったこと,Dは,宗教法人q4の代表役員として宗教活動に従事し,給与として年収60万円を得ていたほか,平成23年分の厚生年金の老齢基礎年金として104万1796円を受給していたことが認められる。

 そうすると,逸失利益の算定に当たっては,Dと控訴人が厚生年金支給額の全額を生活費に費消して生計を立てていたものと認めた上で,全額につき生活費控除を行い,上記宗教法人からの収入につき生活費控除をしないのが相当である。
 これに従い,基礎収入60万円,就労可能年数5年(男性79歳の平均余命の約2分の1)に対応するライプニッツ係数4.3295として算定すると,逸失利益の額は259万7700円になる。

(6)死亡慰謝料 2800万円
 Dが本件事故当日に入院し,その翌日に死亡したこと,Dが一家の支柱であり,控訴人が長年にわたりDと夫婦として同居してきたことなど,本件で認められる事情を総合すると,死亡慰謝料は,Dの入院に伴う慰謝料を含め,本人分及び近親者分を併せて2800万円とするのが相当である。

(7)小計 3216万2860円

(8)弁護士費用 321万円
 本件で認められる事情に照らし,弁護士費用は321万円とするのが相当である。

(9)合計 3537万2860円

5 結論
 以上の次第で,控訴人の被控訴人らに対する請求は,連帯して3537万2860円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからいずれも棄却すべきである。これと異なり,控訴人の請求を全部棄却した原判決は失当であり,本件控訴の一部は理由がある。
 よって,原判決を上記に従い変更することとし,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官 中本敏嗣 裁判官 橋詰均 裁判官 細川二朗
以上:5,966文字
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H31- 1- 8(火):歩行者との非接触事故で自動車運転者過失責任を肯定した高裁判決紹介1
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○「歩行者との非接触事故で自動車運転者過失責任を否定した地裁判決紹介」の続きで、その控訴審判決である平成30年1月26日大阪高裁判決(自保ジャーナル2020号58頁)の前半を紹介します。

○亡Dの妻であり、相続人である控訴人(原告)が、被控訴人(被告)Bの運転する普通乗用自動車が歩行者であるDに衝突するなどの交通事故によってDが死亡したと主張して、被控訴人Bに対しては、民法709条に基づき、同自動車の所有者である被控訴人Cに対しては、自動車損害賠償保障法3条に基づき、連帯して約4412万円の損害賠償の支払いを求めました。

○これに対し、一審平成29年3月23日神戸地方裁判所尼崎支部判決(自保ジャーナル2020号67頁)は、被控訴人Bの運転する自動車がDの身体に接触するなどの事実は認められないとして、控訴人の請求をいずれも棄却したのに対し、控訴人(原告)が原判決を不服として、控訴を提起しました。

○平成30年1月26日大阪高裁判決(自保ジャーナル2020号58頁)は、被控訴人Bは、本件車両を運転して、本件交差点を右折して走行したが、交差点北側の横断歩道上又はその付近にいたDに近接した地点を走行したため、Dがこれを避けようとして転倒して、民家の外壁の石垣に後頭部を打ち付けて負傷し、その結果、急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡したと認めるのが相当であるなどとして、原判決を変更し、被控訴人に対し、約3537万円の支払を命じました。この判決理由は別コンテンツで紹介します。

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主   文
1 原判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して3537万2860円及びこれに対する平成24年10月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,1,2審を通じてこれを5分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人らの負担とする。
5 この判決は,2項に限り,仮に執行することができる。

第一 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して4412万1323円及びこれに対する平成24年10月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。

第二 事案の概要等
1 事案の概要及び訴訟の経過

 本件は,亡D(以下「D」という。)の妻であり,相続人である控訴人が,被控訴人Bの運転する普通乗用自動車が歩行者であるDに衝突するなどの交通事故によってDが死亡したと主張して,被控訴人Bに対しては,民法709条に基づき,同自動車の所有者である被控訴人Cに対しては,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条に基づき,連帯して4,412万1,323円の賠償及びこれに対する平成24年10月23日(上記事故の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めている事案である。
 原審が,被控訴人Bの運転する自動車がDの身体に接触するなどの事実は認められないとして,控訴人の請求をいずれも棄却したため,控訴人が原判決を不服として,本件控訴を提起した。

2 前提事実
 以下の事実は,当事者間に争いがないか,証拠(略)及び弁論の全趣旨により容易に認められる。
(1)事故の態様
ア 被控訴人B(昭和11年○月○○日生)は,平成24年10月23日午後4時10分頃,被控訴人Cの所有する普通乗用自動車(長さ424センチメートル,幅175センチメートル,高さ143センチメートル,以下「本件車両」という。)を運転して,兵庫県芦屋市<以下略>所在の交差点(以下「本件交差点」という。)手前の東側道路から西方に走行し,本件交差点に進入して,北側道路の方向に右折した。
イ 本件交差点及びその周囲の概況は,原判決別紙交通事故現場見取図(以下「見取図」という。)のとおりである(以下,見取図記載の各地点を「見取図[ア]地点」などという。)。
ウ D(昭和8年○月○○日生)は,上記日時頃,本件交差点の北側道路上にいたが,本件車両が本件交差点を右折したころ,見取図[ア]地点で倒れており,頭部に出血がある状態であった(以下「本件事故」という。)。

(2)Dの死亡及び控訴人の相続
 Dは,本件事故の後,q1大学病院に救急搬送されたが,その翌日である平成24年10月24日,後頭部打撲を原因とする急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡した。
 控訴人は,Dの唯一の相続人である。

(3)本件事故現場の状況
ア 本件交差点は信号機が設置されていない。
 本件交差点の東側道路は,幅員4.8メートル(うち車道部分の幅員3.0メートル,その両側の石畳部分の幅員0.9メートル)であり,西方向に向かう一方通行の規制がされ,本件交差点入口に一時停止の規制がされていた。
 本件交差点の北側道路は,幅員5メートル程度で,本件交差点入口に横断歩道があり,見取図[ア]地点は横断歩道上であった。
イ 本件交差点の北東角には,隅切りが設けられた民家の外壁(高さ約1.23メートル)があり,上部のコンクリート壁(高さ0.63メートル),下部の石垣(高さ0.6メートル)で構成されていた。この石垣には,本件事故後,見取図[ア]地点付近の高さ0.25メートルの位置に毛髪が付着していた。

3 争点
(1)本件事故の態様(争点1)
(2)被控訴人Bの不法行為の有無(争点2)
(3)損害の額(争点3)

4 争点に関する当事者の主張
(1)争点1(本件事故の態様)について
(控訴人の主張)

ア 被控訴人Bは,本件車両を運転して,本件交差点を右折するに当たり,歩行者であるDの身体に本件車両の右ドアミラーを衝突させ,Dを路上に転倒させた。このことは,本件車両の右ドアミラーが屈折しており,Dの胸部に皮下出血があることから明らかである。
イ 仮に衝突させていないとしても,被控訴人BがDに近接した地点で本件車両を走行したため、これに動転して避けようとしたDを路上に転倒させた。
ウ 以上のとおり,Dの転倒は被控訴人Bの本件車両の走行によって引き起こされたものであり,その結果,Dは,民家の石垣に頭部を打ち付けて負傷し,死亡するに至った。 

(被控訴人らの主張)
ア 控訴人の主張は否認又は争う。
イ 本件車両の右側面に擦過痕・払拭痕がないことや微物の付着がないこと,本件車両の右ドアミラーとDに生じた皮下出血の位置には高低差があることから,本件車両がDに接触(衝突)していないことは明らかである。
ウ 被控訴人Bは,本件車両を運転して,本件交差点を右折する際,見取図〔1〕地点より少し前に出た地点で一時停止して,左方,前方及び右方の順に安全を確認して,右方に歩行者等がいなかったことから,見取図〔2〕,〔3〕の各地点を徐行して通行し,見取図〔4〕地点に至るまでに右ドアミラーを通してDを発見したものである。したがって,本件車両がDの身体に接触した事実やDに近接した地点を走行した事実はない。
エ Dは,何らかの体調不良により顔面を電柱等にぶつけた後,後ろに転倒したため本件事故が発生したものであり,Dの転倒は被控訴人Bの本件車両の走行によって引き起こされたものではない。

(2)争点2(被控訴人Bの不法行為の有無)について
(控訴人の主張)

 被控訴人Bは,本件車両を運転して,本件交差点を右折する際,一時停止の上,進行方向右方の安全を十分に確認して,適切な速度,態様の下で右折進行をすることにより,歩行者であるDに危害を及ぼさないように運転する義務を負っていたにもかかわらず,これを怠り,Dに本件車両を衝突させ,仮に衝突させていないとしても,Dに近接した地点で本件車両を走行して動転させることにより,本件事故を発生させた。

(被控訴人らの主張)
 控訴人の主張は否認又は争う。
 被控訴人Bは,本件交差点を右折する際,交差点手前で一時停止をして進行方向の安全を十分に確認し,歩行者であるDに危害を及ぼさないような速度及び方法で運転していたから,控訴人主張の注意義務違反はない。

(3)争点3(損害の額)について
(控訴人の主張)

ア Dの損害 3712万1323円
(ア)治療関係費 2万4740円
(イ)入院雑費 3000円
 日額1500円,入院期間2日として算定する。
(ウ)文書料 3万7420円
(エ)葬儀関係費 150万円

(オ)逸失利益 552万0829円
a 自営業分 181万8390円
 Dは,本件事故当時79歳であり,宗教法人q4の代表として,職務に従事して,年収60万円を得ていた。
 基礎収入60万円,就労可能年数5年に対応するライプニッツ係数4.3295,生活費控除率30%として算定すると,181万8390円になる。
b 公的年金分 370万2439円
 Dの平成23年分の老齢基礎年金受給額を104万1796円,平均余命9年に対応するライプニッツ係数7.1078,生活費控除率50%として算定すると,370万2439円になる。
(カ)慰謝料 3003万5334円
a 入院慰謝料 3万5334円
 Dは,救急搬送後に2日間入院しており,入院慰謝料として3万5334円が認められるべきである。
b 死亡慰謝料 3000万円
 被控訴人Bは,本件事故の態様について事実と異なる説明をし,焼香や謝罪もせず,不誠実な態度に終始していることから,死亡慰謝料は3000万円が認められるべきである。
イ 控訴人固有の慰謝料 300万円
 控訴人は,50年以上もの間,夫婦としてDとともに生活していたのであり,控訴人固有の慰謝料として300万円が認められるべきである。
ウ 小計 4012万1323円
エ 弁護士費用 400万円
オ 合計 4412万1323円

(被控訴人らの主張)
ア 治療関係費,入院雑費,文書料及び葬儀関係費は,不知。
イ 逸失利益は否認する。
(ア)自営業分
 Dは,本件事故当時,高齢であり,平成23年に癌の治療を受けるなど,様々な身体の不調を抱えていたから,宗教法人q4からの年収60万円は,労務対価性がなく,基礎収入であるとは認められない。また,就労可能年数5年はより短期に,生活費控除率30%はより高率にすべきである。
(イ)公的年金分
 年金受給額及び平均余命の期間は不知であり,生活費控除率50%はより高率にすべきである。
ウ 入院慰謝料,死亡慰謝料及び控訴人固有の慰謝料は否認する。
エ 弁護士費用は否認する。
以上:4,318文字
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H31- 1- 7(月):歩行者との非接触事故で自動車運転者過失責任を否定した地裁判決紹介
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○原告の夫であるDが死亡した事故について、Dの相続人である原告が、Dは被告Bが運転する自動車の右ドアミラーに接触して転倒し又は自動車の動静に動転して転倒し、死亡したと主張し、被告Bに対し、民法709条、自動車損害賠償保障法3条に基づき、自動車の所有者である被告Cに対し、自賠法3条に基づき、連帯して、約4412万円の損害賠償を求めたました。

○この請求に対し、本件事故後から実況見分の終了までに右ドアミラーに触れた者が皆無であることを認めるに足る証拠はないこと、右ドアミラーには擦過痕や払拭痕は認められず、微物検査でも本件車両からDの着衣等の繊維片が検出されなかったことに照らすと、本件接触があったと認めることはできないなどといて、原告の請求を棄却した平成29年3月23日神戸地方裁判所尼崎支部判決(自保ジャーナル2020号67頁)を紹介します。

○この一審判決に対し、控訴審平成30年1月26日大阪高裁判決は、一審判決を覆し、非接触でも自動車運転者の過失責任を認めており、別コンテンツで紹介します。

****************************************

主   文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第一 請求

 被告らは,原告に対し,連帯して4412万1323円及びこれに対する平成24年10月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
1 本件は,原告の夫であるD(以下「D」という。)が死亡した事故について,Dの相続人である原告が,Dは被告Bが運転する自動車の右ドアミラーに接触して転倒し又は自動車の動静に動転して転倒し,死亡したと主張し,被告Bに対し,民法709条,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条に基づき,自動車の所有者である被告Cに対し,自賠法3条に基づき,連帯して,損害賠償及び本件事故日である平成24年10月23日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

2 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定される事実)
(1)本件事故
ア 発生日時 平成24年10月23日午後4時10分頃(以下,月日のみの記載は,平成24年の当該月日を指す。)
イ 発生場所 兵庫県芦屋市<以下略>
ウ 関係車両 被告Cが所有し,被告B(昭和11年生)運転の普通乗用自動車(以下「本件車両」という。)
エ 被害者  D(昭和8年○月○○日生)
オ 事故態様
(ア)Dは,別紙交通事故現場見取図(以下「見取図」という。)の道路を北から南に向けて歩行し,被告Bは,Dの進行方向前方の交差点(以下「本件交差点」という。)を東側から北側に右折進行した。
(イ)Dは,見取図記載の[ア]地点(以下,丸囲いで標記される各地点はいずれも見取図記載のものである。)で,頭部に出血がある状態で発見された(被告Bの供述)。
(なお,本件車両とDとの接触の有無などについては争いがある。)

(2)Dは,上記同日,q1大学病院に救急搬送されたが,翌日,急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡した。

(3)原告は,Dの唯一の相続人である。

(4)q2地方検察庁q3支部は,平成26年12月28日付けで,本件事故に関し,被告Bを嫌疑不十分により不起訴処分とした。

3 争点及びこれに対する当事者の主張
(1)被告Bの不法行為の成否(争点1)
(原告の主張)
ア 被告Bは,前方の安全を十分確認した上で右折進行すべき自動車運転上の注意義務があるにもかかわらず,これを怠り,漫然と本件車両を右折進行させて,右ドアミラーをDに接触させて(以下「本件接触」という。),死亡に至らしめた。本件接触が発生したことは,右ドアミラーが内側に屈曲していたこと,Dは身長が約159センチメートル,本件車両の右ドアミラーの地上高は93センチメートル~107センチメートルであり,解剖の際,Dの胸部正中やや右側に0.5センチメートル大から4×2センチメートル大の皮下出血が認められることから明らかである。

イ 被告Bは,車両運転者として,本件車両をDに接触させない義務のみならず,Dを動転させることにより転倒させない義務も負っているにもかかわらず,これを怠って,本件交差点を通過するに際し,一時停止の上,右方確認をし,適切な速度,態様のもと右折進行するなどしなかったため,Dを動転させて転倒させ,死亡に至らしめた。

(被告らの主張)
ア 本件接触について
 否認する。本件事故は,死亡事故であるから,通常の交通事故より初動から慎重な捜査が行われたと考えられるが,捜査の結果,被告Bは嫌疑不十分により不起訴となった。また,右ドアミラーには,擦過痕や払拭痕はないし,Dに関する微物の付着は確認されていない。

イ 被告Bの運転によるDの動転及び転倒について
 被告Bは,本件交差点において一時停止し,安全確認をした上で,時速約10キロメートルで,Dから3.3メートルの距離をおいて右折進行しており,Dが動転して転倒する理由はない。

(2)損害の発生及びその額(争点2)
(原告の主張)
ア Dの損害 3712万1323円
(ア)治療関係費 2万4740円
(イ)入院雑費 3000円
 日額1500円,入院期間2日
(ウ)文書料 3万7420円
(エ)葬儀関係費 150万円
(オ)逸失利益 552万0829円
a 自営業 181万8390円
 基礎収入は60万円,就労可能年数5年(本件事故当時79歳),ライプニッツ係数4.3295,生活費控除率30%とする。
b 公的年金 370万2439円
 年金受給額104万1796円,平均余命約9年間,ライプニッツ係数7.1078,生活費控除率50%とする。
(カ)慰謝料 3003万5334円
a 入院慰謝料 3万5334円
 救急搬送後,2日間入院した。
b 死亡慰謝料 3000万円
 被告Bは,本件接触はなかったなどと虚偽の説明を繰り返し,焼香するなどの誠意を持った謝罪をしていない。
イ 原告固有の慰謝料 300万円
 原告は,50年以上もの間,夫婦としてDと生活していた。
ウ 弁護士費用 400万円
 ア及びイの合計は4012万1323円であり,弁護士費用損害としては400万円が相当である。

第三 当裁判所の判断
1 認定事実

 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件事故の現場の状況は,概ね見取図に記載のとおりであり,被告Bから前後左右の見通しは良い。

(2)被告Bは,10月23日午後4時10分頃,帰宅するためα方面からβ方面に向かって進行中であり,本件交差点の一時停止線をまたいだ〔1〕地点で停止し,本件交差点の南側,西側,北側の順に前方を確認した。被告Bが,一時停止線を越えて停止するのは,本件交差点南側にはq3線の踏切があり,そこから本件交差点方面に進行する車両を確認するためであり,本件事故直前にも踏切の南側に停車している茶色の車両を1台確認している。

(3)被告Bは,上記前方確認をした後,時速約10キロメートル程度で本件交差点北側に右折進入し,〔2〕地点を通過し,本件交差点北側の横断歩道を越えるくらいにハンドルを左に戻したが,〔2〕地点と〔3〕地点の間くらいで右ドアミラーに,倒れているDを[ア]地点に確認した。

(4)被告Bは,Dのもとに駆け寄るため本件車両を停車させようとしたが,Dを確認した驚きもあってハンドル及びブレーキ操作を誤り,[×]地点で本件車両の右前角部を民家の壁に接触させた。

(5)被告Bは,本件車両を壁に接触させたままにしてDのもとに駆けつけたところ,Dは,頭部から出血し,後頭部を前後に動かして石垣にボーンボンと打ち付けていた。石垣は,高さ約60センチメートルで,その上には高さ約63センチメートルのコンクリート壁があり,[ア]地点の後方の石垣には,地上から約25センチメートルの位置に毛髪が付着していた。

(6)被告Bは,側にいた女性に110番への通報を頼み,Dの横に座ってDの首の後ろを抱えた。その頃,上記女性とは別人が,布の切れ端のようなものを持ってきて,Dの頭と首に当てた。

(7)γ市消防署の救急隊員が同日午後4時24分頃に本件事故現場に臨場した際には,Dは,道路に仰臥位で倒れており,後頭部には打撲痕,少量の出血及び鼻部上部に擦過傷が認められた。救急通報者は,救急隊員に対し「おじいさんが倒れています。」「壁に頭が当たっています。」等と通報した。

(8)被告Bは,救急隊員に対し「自動車で西進右折しようとしたところ,男の方が避けようとして転倒,その際,家の石垣で頭を打ち付けました。」と説明した。
(なお,被告Bは,上記説明をした記憶がない旨供述する。しかし,上記説明は,自動車の運転手による説明であることは明らかであり、救急隊員にこのような説明ができる人物は被告Bだけであるから,上記説明は被告Bがしたものと認定した。また,被告Bは,転倒と言った覚えはないとも供述するが,日頃重篤な状況において説明を録取することの多い救急隊員が,説明者の言い分にないことを録取し,活動記録を作成したとは認め難いことを考慮し,被告Bの上記供述を採用しなかった。)

(9)臨場した警察官は,被告Bを立ち会わせて,同日午後5時から5時30分まで実況見分をし,その後,被告Bは,警察署で別の警察官から取調べを受けた。

(10)Dは,10月24日,急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡し,翌25日,死体解剖が行われ,後頭上部に表皮剥脱を伴う5センチメートル大の皮下出血,胸部正中やや右側に0.5センチメートル大から4×2センチメートル大の出血,後頭上部から右側頭前部に向かう長さ約19センチメートルの線状骨折などが確認された。 

(11)本件事故直後である10月23日午後5時から行われた実況見分において,本件車両の右前角バンパー,右前角ボディー,右前輪軸に擦過損が認められたが,右前ボディーから右側ドアミラー,右側面に擦過痕及び払拭痕は認められなかった。また,平成25年3月22日から同月28日まで,本件車両のフロントバンパー,右フロントフェンダー,右ドアミラー等について,Dの着衣の繊維片が付着しているかどうかについて検査されたが,同種の繊維片の付着は認められなかった。

2 被告Bの不法行為の成否(争点1)について
(1)本件接触の有無

 Dには後頭上部に表皮剥脱を伴う5センチメートル大の皮下出血,後頭上部から右側頭前部に向かう長さ約19センチメートルの線状骨折などが確認されていることなどから,Dは,後頭部打撲による頭蓋冠骨折に基づく急性硬膜下出血及び外傷性くも膜下出血により死亡したと考えられ,[ア]地点の後ろの石垣の路面から約25センチメートルの位置には毛髪が付着していたことに照らすと,そこで後頭部を打撲したものと推認される。

 そして,本件事故直後の右ドアミラーはやや内側に屈曲しており,この状態で走行することは運転席右後方の視界が相当遮られ,通常そのようなドアミラーの開扉状態で走行することはないというべきであり,被告Bは,右ドアミラーの開扉位置を自分では調整しない旨供述していることに照らすと,右ドアミラーにDが接触した可能性がある。

 しかし,本件事故後から実況見分の終了までに右ドアミラーに触れた者が皆無であることを認めるに足る証拠はないこと,右ドアミラーには擦過痕や払拭痕は認められず,微物検査でも本件車両からDの着衣等の繊維片が検出されなかったことに照らすと,本件接触があったと認めることはできない。上記微物検査は,本件事故から約5ヶ月後に実施されているが,その間,本件車両は雨ざらしにならないよう車庫に保管されており,本件事故当時付着した繊維片などが取り除かれたような事情はうかがわれない。

 Dの胸部正中やや右側に0.5センチメートル大から4×2センチメートル大の皮下出血が認められ,右ドアミラーとの接触により皮下出血が形成された可能性がある。
 しかし,証拠(略)によれば,Dの身長は約159センチメートルで,皮下出血部位の地上高(足下からの高さ)は約119センチメートルであるのに比して,右ドアミラーの地上高は93センチメートル~107センチメートルであり,その先端部分の地上高は右ドアミラーのほぼ2分の1の高さである約100センチメートル程度であると認められること,被告Bの運転速度はせいぜい時速10キロメートル程度であり,進行経路に照らしても本件事故直前に急制動をかけて車体位置が静止時よりも低位になったような事情もうかがわれないことなどを考慮すると,右ドアミラーによる接触が皮下出血の原因であるとするには,右ドアミラーの上端からさらに10センチメートル以上高い位置で接触が生じていることになって不自然であるし(右ドアミラーの先端で接触したとすれば,さらに20センチメートル程度の高い位置で接触したことになる。),Dが10センチメートルないし20センチメートル程度前屈みになっていた状態で右ドアミラーと接触したのであれば,右ドアミラーとの接触は整合的であるが,Dが前屈みで歩行していたなどの事情をうかがわせる証拠はない。

 以上によれば,本件接触があったとは認められない。

(2)転倒させない義務違反について
 被告Bが救急隊員に対し「自動車で西進右折しようとしたところ,男の方が避けようとして転倒,その際,家の石垣で頭を打ち付けました。」と説明していることに照らすと,本件事故の原因は,Dが本件車両を避けようとするなどして転倒し,後頭部を石垣に打ち付けたことにあると推認される。
 しかし,被告Bは,〔1〕地点で前方確認をした後,時速約10キロメートル程度で本件交差点の北側に右折進入し,〔1〕地点ないし〔4〕地点に順次至っているが,Dがいた[ア]地点から,本件車両がDに最接近したと認められる〔2〕地点までは3.3メートル離れており,被告Bが本件交差点を北側に右折進行するに際し,上記経路よりさらに[ア]地点に近接するような進行をしたことをうかがわせる証拠はないのであるから,本件車両の動静がDを動転させるようなものであったとは認められず,被告Bが本件交差点を通過するに際し,本件交差点付近の歩行者であるDを動転させて転倒させない注意義務に違反した運転をしたとはいえない。

 なお,被告Bは,〔1〕地点で前方確認した際,人影は全くなかった旨供述するが,証拠(略)によれば,〔1〕地点から[ア]地点はほぼ見通せることが認められる。
 しかし,被告Bが〔1〕地点で前方確認した際,被告Bの進行方向から見てDが何かしらの原因で既に電信柱の背後で,低い位置に倒れているなどしていたのであれば,被告Bが〔1〕地点で前方確認した際,[ア]地点にDの存在を確認できない場合もあるというべきであり,証拠(略)に反するような被告Bの上記供述をもって内容が虚偽の供述であるとはいえない。

第四 結論
 よって,原告の請求は,その余の点について検討するまでもなく理由がないからいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
神戸地方裁判所尼崎支部第1民事部裁判官 安達玄

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