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H29- 7-27(木):寄与分主張についての東京家庭裁判所家事第5部パンフレット紹介1
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○東京家庭裁判所第5民事部では「寄与分の主張を検討する皆様へ」と題するパンフレットを作成し、寄与分主張をする当事者の配布しているとのことです。私が現在取り扱っている遺産分割事件では、相手方が寄与分の主張をしていますが、仙台家庭裁判所では、寄与分に関して、このような親切なパンフレットを配布しているとは聞いたことがありません。

○万が一、配布済みであるとすれば、お詫び申し上げますが、相手方は、以下の内容について、全く不備なまま寄与分の主張をしており、万一配布済みであったとしても、内容を良く読んでいないようです。「もう一度自分の主張内容を読み返してみて、ご主張の内容に無理がないかどうかをご確認下さい。」と伝えたいところです(^^;)。

取り敢えず、東京家庭裁判所第5民事部「寄与分の主張を検討する皆様へ」と題するパンフレット前文を以下に紹介します。

********************************************

寄与分の主張を検討する皆様へ
平成25年12月3日 東京家庭裁判所家事第5部


寄与分とは
 共同相続人中に、身分関係や親族関係から通常期待される以上に被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者があるとき、その寄与者の相続分に寄与分額を加算するものです。扶養義務の範囲内の貢献は寄与にあたりません。

 この特別の寄与を評価して算出した割合や金額のことを、寄与分と言います。
 寄与分が認められるということは、法定相続分や指定相続分を修正することになりますので、修正に足りる事情を、自らが立証することが必要です。

寄与分が認められるためには
①主張する寄与行為が相続開始前の行為であること

 被相続人が亡くなった後の行為、例えば、遺産不動産の維持管理・違算管理・法要の実施などは、寄与分の対象になりません。

②寄与分が認められるだけの要件を満たしていること
※要件とは、
「その寄与行為が被相続人にとって必要不可欠であったこと」、
特別な貢献であること」
「被相続人から対価を得ていないこと」
「寄与行為が一定の期間あること」
「片手間ではなくかなりの負担を要していること」
「寄与行為と被相続人の財産の維持又は増加に因果関係があること」
などで、その要件の一つでも欠けると認めることが難しくなります。

③客観的な裏付け資料が提出されていること

 寄与分の主張をするには、誰が見ても、もっともだと分かる資料を提出する必要があります。主張の裏付けとなる資料のないまま主張すると、解決を長引かせてしまうだけです。

 以上の点を踏まえて、寄与分のご主張を予定されている方は、次回調停までにご自分の主張内容をご検討下さい。すでに寄与分の主張をまとめて裁判所に書面を提出されている方は、もう一度自分の主張内容を読み返してみて、ご主張の内容に無理がないかどうかをご確認下さい。
以上:1,183文字
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H29- 7-26(水):驚愕!弁護士資格維持試験不合格で弁護士資格剥奪-但し、夢の中
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○平成29年7月26日、早朝、というよりはまだ夜中の午前3時に目覚めました。全身、汗びっしょりとまではいきませんが、ちと脂汗をかいての目覚めでした。時折、同様の夢を見るのですが、嫌な夢を見たからです。夢の中では、弁護士制度の改革があり、法曹資格を得てからも、10年に1回ずつ法曹資格維持検定試験制度が取り入れられ、この試験で一定の点数を取らないと法曹資格が剥奪されることになっていました。

○夢の中で、私は、まだ40代後半の2回目の法曹資格維持検定試験で、合格点数に届かず、法曹資格が剥奪されてしまったのです(^^;)。弁護士業務を継続できなくなり、かといって他の仕事につくことも出来ず失業者となっていました。但し、いったん法曹資格が剥奪されても、復活制度の試験があり、復活試験に合格すれば、法曹資格が回復するとのことで、その復活試験合格を目指して、受験勉強を継続していました。しかし、夢の中のこの試験は、旧司法試験よりも難しいと言われて、気の遠くなるような勉強を重ねなければなりません。

○弁護士生活38年目に入りましましたが、いまでも、時々、司法試験になかなか合格できず、受験浪人を長々と続けている夢を見ることがあります。しかし、いったん弁護士資格を得て、その後、維持試験に不合格となり、弁護士の仕事ができなくなって、受験生に戻ったなんて夢は初めてでした。しかも、弁護士資格がなくなったのに弁護士業務を続けていないかと、裁判官らしき人が監視にくるなんておまけも付いていました。裁判官らしき人が、自宅まで面接にきて、隠れて弁護士業務を継続していないか確かめ、その上、復活試験は難しいぞとなんて告げて脅していきました。

○この夢を分析すると、どうやら、交通事故事件等で思い通りの判決を書いて頂けない裁判官に恨みを抱いているのかもしれません(^^;)。弁護士だけでなく、裁判官・検察官も10年に1回は資格維持試験を実施して不合格者は罷免となる制度も必要かと思いますが、夢の中では、この点、明らかではありませんでした。しかし、現実の制度として、裁判官は10年に1回再任制度があり、人数はごくごく僅かですが、再任を拒否される例があります。裁判官にとっては、再任制度は、恐怖の制度になっているのでしょうか。再任が危ないと思った方は、再任願いを取り下げるとのことです。

○裁判官の再任制度の実態については、「日本裁判官ネットワーク」「● Judgeの目 その5 裁判官にも「リストラ」「解雇」があるってホント?」に詳しく解説されています。裁判官は、再任を拒否されても法曹資格がありますので、弁護士会に入会して弁護士になる道が残されています。しかし、弁護士を長くやって、維持試験不合格で弁護士が出来なくなった夢の中では、ホントに大変でした。弁護士業務で大失態をして、弁護士廃業なんて例は、現実にありますので、こんなことにならないよう精進を続けていきます(^^)。
以上:1,217文字
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H29- 7-25(火):こんな事案でも慰謝料160万円も認めるのかと驚いた判決紹介
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○「別れる」「必ず離婚する」と言明されたことで交際相手の夫婦関係は既に破綻しており、離婚してもおかしくない状態に至っていると信じて疑わなかったとの主張について、その認識を前提としても、離婚していないとの認識はあったのであり、破綻していることを希望しているに過ぎないとして間女?に対して160万円も慰謝料支払を命じた平成27年9月27日東京地裁判決(TKC)を紹介します。

○「不貞行為損害賠償請求-先進諸国法令ではむしろ例外的との解説発見」以降で紹介した諸外国の考え方からすると、日本の裁判官の不貞行為第三者責任についての感覚は、異次元だなと実感します。私の感覚からすると、責任はこんないい加減なことを言う夫にあり、間女?の責任は微々たるもので、慰謝料は夫に認めるのがスジと思うのですが。

********************************************

主   文
1 被告は,原告に対し,160万円及びこれに対する平成24年10月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを10分し,その7を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

<TKCb>事実及び理由
第1 請求
 被告は,原告に対し,550万円及びこれに対する平成24年10月13日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,原告が,被告と原告の夫との不貞行為により,精神的苦痛を受けたとして,被告に対して,不法行為に基づく慰謝料500万円及び弁護士費用として慰謝料の1割の合計550万円の損害賠償並びに前記損害に対する訴状送達の日の翌日である平成24年10月13日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を請求した事案である。
1 前提事実
(1)当事者等
ア 原告とB3(以下「B3」という。)とは,平成20年12月1日に婚姻した夫婦である。
イ 被告は,前記婚姻前からB3と交友関係のある独身女性である。

(2)原告とB3の婚姻当時,原告は25歳,B3は33歳であった。
 B3は,ダーツプレーヤーで,全国のダーツ大会に参加するほか,婚姻当時,東京都渋谷区αのダーツバー3 spears(スリースピアーズ)を経営していた。
 原告は,B3が3 spearsの前に店長を務めていた,東京都渋谷区βのダーツバー Pierrot(ピエロ)に客として来店し,B3と知り合い,交際するようになり,婚姻するに至った。

(3)原告は,婚姻後,B3に連れられ,原告夫婦宅近くの,蒲田駅東口にあるダーツバー D-COAST(ディーコースト)に来店し,以降,同店に出入りするようになった。原告は,平成21年2月頃,同店のオーナーを通じて,同店の常連客であったB4(以下「B4」という。当時26歳)と知り合った。

(4)被告は,原告とB3が婚姻関係にあることを知りながら,平成23年8月から,B3と,交際し,肉体関係を持つようになり,現在まで交際している。被告は,B3との子を妊娠し,平成25年○月○○日,B3との子を出産した。

(5)原告は,被告に対し,平成24年9月20日到達の内容証明郵便で,被告とB3の不貞行為が慰謝料請求の対象となること,慰謝料を請求したい気持ちは強いが,被告が,B3との間で方法の一切を問わず連絡を取り合わないこと,B3と会う可能性のある場所にも立ち寄らないこと,子どもを出産した場合,認知等の問題についてはB3ではなく原告宛に書面で連絡を行うこと等についての遵守を提案し,違反した場合に罰則を受けることも含めて誓約するなら,慰謝料請求の権利は放棄することも考えているとして,前記提案についての回答を求めた(甲5の1,5の2)が,その後も,被告はB3と交際している。

2 争点

(中略)


第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(原告とB3の婚姻関係の破綻についての被告の責任の存否)について

(1)証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア 原告は,B4と知り合った後,同人と親密になり,B4は,原告から頼まれて,D-COASTから原告夫婦宅まで原告を送るようになり,原告とB4は,平成21年4月頃にはキスをする関係にまでなり,同月上旬,B3がダーツの試合で地方遠征のため不在だった夜,B4は,原告から,B3は試合で留守だと誘われて原告夫婦宅に行き,原告とB4は肉体関係を持った(乙2,原告本人)。
 以降,原告とB4の関係がB4の妻に発覚する平成21年6月上旬まで,仕事やダーツの試合でB3が不在の原告夫婦宅やホテルで,原告とB4は肉体関係を持ち続けた(乙2,原告本人)。

イ 平成21年6月下旬,原告とB3,B4夫婦の4人が,原告夫婦宅に集まって話合いをし、話合いの中で,当初原告は,B4との肉体関係を否定したが,話合いを終えた後,原告は,B3に対して,B4との肉体関係を認めた(甲9,乙2,原告本人)。

ウ 原告は,平成21年12月,B3との子を妊娠したが,平成22年1月,流産した(甲9)。 

エ B3は,平成23年10月頃から平成24年8月頃まで,原告に対して,複数回に渡って,離婚を申し出たが,原告は離婚を拒んだ(甲9,乙3)。

オ 原告とB3は,平成24年9月頃から別居状態にある(甲9,原告本人)。

(2)前記前提事実に,前記(1)の認定事実を併せて検討すると,原告とB3の婚姻関係は,その当初,原告とB4の不貞行為により,いったんは悪化したものの,その後B3が原告に宛てた手紙(甲10)には,原告との関係をやり直すB3の決意が記載されていることなどに照らすと,被告とB3が肉体関係を持った平成23年8月の時点では,原告とB3との婚姻関係は維持されていたというべきであり,その婚姻関係は,被告とB3との不貞行為により破綻に至ったというべきである。

 この点,被告は,B3は,原告とB4の不貞行為がB3に発覚した直後から,原告に対して離婚を申し出ていたというが,その頃,B3が原告に対して離婚を申し出ていたか否かにかかわらず,前記認定のとおり,原告とB3の婚姻関係はそれによって破綻には至らなかったというべきである。また,平成23年10月又は11月頃から,B3は,原告に対して離婚を申し出ているが,この申し出は,被告とB3の不貞行為が開始された後の申し出であって,このことから,被告とB3が交際を始めた当初から,原告とB3の婚姻関係が破綻していたということはできない。

(3)被告は,B3から離婚を考えていることを聞き,B3との共通のダーツ仲間からも,B3と原告との夫婦関係が修復できるような状態でないことを聞いていたという状況下で,B3が,原告と「別れる。」,「必ず離婚する。」と言明したので,被告は,B3と原告との夫婦関係は完全に破綻しており,離婚してもおかしくない状態に至っていると信じて疑わなかったと主張するが,被告の主張する状況において,被告が被告の主張のとおり認識していたことを前提としても,被告としては,B3の言葉から,原告とB3とは,別れておらず,離婚もしていないと認識していたものであり,原告とB3との婚姻関係が破綻していたと認識していたとまではいえず,そのおそれがあるという程度の認識で,破綻していることを希望していたにすぎないというべきであるから,被告は,原告に対して,不貞行為による不法行為責任を負うというべきである。

2 争点(2)(損害)について
 前記認定判断によれば,原告は,被告とB3との不貞行為により,原告とB3の婚姻関係が破綻するに至り精神的苦痛を被ったと認められ,その苦痛に対する慰謝料としては,原告とB3の婚姻期間,被告とB3との不貞行為の態様等に照らして,150万円が相当であり,本件訴訟に係る弁護士費用等は10万円が相当である。

3 したがって,原告の請求は,不法行為に基づく損害賠償として160万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成24年10月13日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,この限度でこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第33部
裁判官 佐々木清一
以上:3,433文字
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H29- 7-24(月):株式等資産運用利益についての寄与分を否定した大阪家裁審判紹介
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○「介護専従相続人に対し750万円の寄与分を認めた大阪家裁審判紹介」の続きです。
同じ平成19年2月26日大阪家裁審判(家庭裁判月報59巻8号47頁)では、介護専従相続人に対し750万円の寄与分を認められたBの夫で養子のAも被相続人が所有していた資産を運用し、株式や投資信託により遺産を増加させたことを理由とする寄与分の申立をしていました。

○しかし、株式、投資信託による資産運用は利益の可能性とともに常に損失のリスクを伴うことから、単に株価が偶然上昇した時期を捉えて被相続人の保有株式を売却した行為のみで特別の寄与と評価するには値しないとして、Aの寄与分申立は却下されました。以下、該当部分全文を紹介します。


********************************************

4 申立人Aの寄与分主張について
(1)申立人Aの主張


a 被相続人は,Fの遺産から取得した□□□の株式配当金を年額80万円程度受領しており,市民税を支払う必要があった。申立人Aは,税金対策として被相続人に助言の上,被相続人の□□□の株式(Fから相続したもののほか,被相続人が以前から保有していたものも含む。)を売却した。また,その売却益を原資に新たな株式や投資信託による資金運用を行って合計2941万8128円の売却益を上げ,配当金や分配金(以下「分配金等」という。)合計1105万2822円と併せて4047万0950円の利益を実現し,被相続人の生活費や親族への配分金の原資とした。詳細は,別紙2から4までに記載のとおりである。
 他方,□□□の株式を保有し続けたとすれば配当金として年間80万円,6年間で480万円の入金が見込まれたことから,これを控除した差額である約3500万円が申立人Aの寄与分である。

b 株式などにより収益を上げるには相応の注意深い市場観察を要し,その行為の無償性を考えると,民法904条の2「その他の方法による労務の提供」として寄与分に該当する。

イ あるいは,被相続人がFから相続した資産がそのままの状態で被相続人の死亡時まで保たれた場合の評価総額との比較でも,申立人Aの寄与分が認められる。つまり,被相続人がFから相続した資産のうち預貯金,有価証券など金融資産の評価総額は相続当時2億1696万6241円であったが,これらが平成14年4月22日まで存在したと仮定すると,別紙5記載のとおり,評価額は2億1988万2245円と予測される。

 平成8年から14年にかけての被相続人の家計収支は,別紙6から8までに記載のとおり,平成8年から13年までの収入合計が2010万円、生活費支出合計が3056万円,臨時支出合計が4730万円,平成14年の収支は399万円である。
 とすれば,被相続人死亡時のFから相続した資産の残額は,別紙5に記載のとおり1億5813万2245円となるはずであるが,現実には1億8210万5834円存在し,2397万3589円増加した。これは,Fから被相続人が相続した資産を申立人Aが運用した結果であり,申立人Aの寄与分に当たる。 

(2)相手方Cの反論
ア 申立人Aの主張する株式等の売却益の大半は,被相続人がFから相続した□□□株式の株価が一時期上昇したことによって得られたものに過ぎず,申立人A自身が売買した株式,公社債投資信託に限定して運用損益を見ると,入金された配当金等を考慮しても,何ら寄与とはなっていない。

イ 申立人Aは,被相続人の生活費として年間共通経費分担額188万円との前提で主張するが,被相続人と申立人らの経費を折半するのは不当である。その他の支出額にも相当でないものがある。被相続人の年間生活費はせいぜい307万円程度と見積もるべきである。

ウ Fの死亡当時,被相続人は,□□□株式5930株,○○○株式1000株,△△△株式2000株,利付国債,定期預金合計2500万円を固有資産として保有しており,これらの当時の評価額は合計で4176万5325円であった。申立人Aが運用する以前の被相続人の資産には,Fから相続した遺産にこれらを加えるべきであり,そうして計算すると,申立人Aの資産運用によって,被相続人の資産はかえって減少している。

(3)認定事実
 一件記録によれば,以下の事実が認められる。
ア 被相続人がFから相続した不動産以外の資産は,〔1〕現金及び預金合計1391万余円,〔2〕□□□の株式16万5644株(当時の株単価529円),〔3〕当時の評価額10万余円の利付国債,〔4〕当時の評価額合計9107万余円の投資信託などである。その他に,保険の満期返戻金約2571万円の支払いを受けた。

イ 被相続人は,Fの死亡当時,その固有資産として少なくとも○○○1000株,△△△2000株,□□□8500株の各株式,定期預金合計2500万円を保有していた。

ウ □□□の株単価は,Fの死亡後1000円程度まで上昇したが,被相続人の相続開始時である平成14年4月当時は541円であった。その後さらに下落し,平成16年9月時点では375円となっている。
エ 申立人Aは,平成8年4月から平成12年10月ころにかけて,被相続人の□□□の株式17万4144株を,株単価おおむね600円以上975円以下の価格で売却した。

オ 申立人Aは,□□□以外にも,別紙2記載のような株式,投資信託の取引を行った。損益状況は別紙2記載のとおりである。

カ 被相続人の平成8年から13年までの平均年収は,恩給54万余円,厚生年金200万余円,配当金73万余円の合計327万円程度であった。

キ 被相続人は,平成8年から13年にかけて,生活費以外に,別紙8に記載のとおり,親族に対する小遣い,バリアフリーその他の工事費用,法事費用,交際費,高額商品の購入などで4700万円程度を支出した。

ク 被相続人の相続開始当時の株式,有価証券の評価額は合計1億1503万5000円程度,現金預金は合計6875万円程度であった。これらの内訳は別紙9記載のとおりである。

(4)判断
ア 株式,投資信託による資産運用には利益の可能性とともに,常に損失のリスクを伴う。しかるに,一部の相続人が被相続人の資産を運用した場合,その損失によるリスクは負担せずに,たまたま利益の生じた場合には寄与と主張することは,いわば自己に都合の良い面だけをつまみ食い的に主張するものであり,そのような利益に寄与分を認めることが相続人間の衡平に資するとは,一般的にはいいがたい。

イ 申立人Aの寄与分主張のアについて見ると,株式等の運用益の大半を占めるのは,被相続人がFから相続した□□□株式の売却益2824万余円である。これ以外の取引には大幅な損失を生じた取引もあり,被相続人の相続開始時までに売買を完了した取引に限っても,損益合計で若干の利益に止まっている。被相続人の死亡時に残存した株式等の評価については,かえって大幅な評価損を生じていた可能性すら否定できない。

 申立人Aの購入した株式,投資信託によって,6年間で合計1105万余円の配当金等を得ており,□□□株式を保有し続けた場合よりも多くの配当金等を得た事実は窺われる。しかしながら,もともと被相続人の保有資産は多額であり,それと比すると死亡時に残存した株式等が評価損を生じていた可能性も否定できないことなどを考え併せると,より多くの配当金等を得たからといって,申立人Aの資産運用が被相続人の遺産に寄与したとはいまだ認められない。

 □□□の取引については,株価が上昇した時点で売却したことで,大幅な利益を生じている。しかしながら,株価の上昇自体は偶然であり,単にその時期を捉えて保有株式を売却した行為のみで,特別の寄与と評価するには値せず,この点においても,申立人Aの資産運用に寄与分は認められない。

ウ 申立人Aの寄与分主張のイは,要するに,申立人Aが資産運用した結果,そのまま被相続人の資産を維持した場合と比較して,被相続人の支出による資産の目減りを少なくした旨の主張である。

 しかしながら,この主張の中で,被相続人が6年間で支出したとされる生活費(高額商品の購入等は除く。)3056万円は,一般的な生活費と比較すると相当高額である。しかるに,被相続人がそのような高額な生活費を現に支出したことを裏付ける的確な資料は一件記録中見当たらない。また,この主張における計算方法では,Fの相続時点の被相続人の固有資産が考慮されていないが,被相続人が少なくとも(3)認定事実のイ記載の資産を保有していたことによれば,これを考慮しない計算方法は妥当でない。このように,寄与分算定の前提とする数字や計算方法の妥当性に疑問があることからすると,寄与分主張イの観点からしても,申立人Aの資産運用が被相続人の遺産に寄与したとはいまだ認められない。

エ したがって,申立人Aの寄与分に関する主張は認められない。

以上:3,652文字
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H29- 7-23(日):映画”ブレイブハート”を観て-スコットランド独立の英雄
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○平成29年7月22日(土)の夕食後、ツルカメ第二スタジオに設置したサムスン有機ELTV65インチで、映画「ブレイブハート」BD版を一人で鑑賞しました。10年位前に1回は観ているはずなのですが、冒頭場面から最後の場面まで殆ど記憶に残っておらず、記憶力の減退にガッカリしました。僅かにメル・ギブソン演じるウィリアム・ウォレスが最後に処刑される場面が何となく観たことがあるかな、と感じた程度でした。

○ところが、ソフィー・マルソー演じるイングランド皇太子妃の顔だけは、どういう訳か、良く記憶に残っていました。メル・ギブソン演じるウィリアム・ウォレスとの遣り取りの場面も殆ど記憶になかったのですが、ソフィー・マルソーの顔だけが強く印象に残っていました。それほど好みの顔でファンという訳ではないのですが。

○久しぶりに映画「ブレイブハート」を鑑賞したのは、東北スコットランド協会の8月例会として、スコットランド独立の歴史の勉強会を兼ねて「ブレイブハート」鑑賞会をやろうということになり、その予習のためでした。私は、特にスコットランドに興味があった訳ではありませんが、「東北スコットランド協会の思い出-設立きっかけ等」記載のとおり、たまたま、昭和63年に来仙したスコットランド人弁護士と大の友人となった関係で、東北スコットランド協会を設立する羽目となり、平成2年頃から平成13年頃まで10年程協会活動を継続しました。

○東北スコットランド教会は初代会長が東北大名誉教授大平五郎氏、二代目は東北大名誉教授大森康男氏でしたが、平成13年頃から数年休業状態が続いたところ、「東北スコットランド協会再興会議と規約」記載のとおり、平成19年に活動を再開しようとなりました。しかし、諸般の事情で、定期的活動がなされず、中途半端な状態が継続していたところ、三代目会長引地功侃医師の強いお声掛けで、平成29年から、年に数回は例会をもって活動をしていこうということになり、平成29年8月の例会として映画”ブレイブハート”の鑑賞と中世スコットランドの歴史の勉強会となりました。

「ブレイブハート」のあらすじは、「13世紀末のスコットランド、残虐で冷酷なイングランド王エドワード1世の侵略によって家族を殺害されるも、難を逃れたウィリアム・ウォレス。成人して彼は故郷に戻り、そこで幼なじみのミューロンと恋に落ち、結婚する。しかし彼女はイングランド兵の手によって殺害される。ウォレスは復讐を決意、圧政に苦しむスコットランドの民衆の支持もあり、抵抗運動は熱を帯びていく。」というものです。

○スコットランドには平成2年に1回だけ行ったことがありますが、その山々の荒涼とした姿が印象に残っています。この映画でも自然の風景が随所に出てきますが、映画の大部分は、スコットランドではなくアイルランドで撮影されたとのことです。しかし、映画の中で観た山々等自然の姿は、ああ、スコットランドだなと感じました。

○この映画の見どころの第一は、戦闘シーンでしょう。膨大な人数の兵隊のにらみ合いがしばらく続いた後に、さて、それでは戦闘始めといった感じで、当初は静かに戦闘シーンが始まりますが、両軍直接の衝突に入ると、中世の剣や木製の槍等素朴な武器を使っての正に肉体のぶつかり合いが、結構な迫力で伝わってきます。

○メル・ギブソン氏の演技は、瞳が印象的でした。特に終盤、信頼していた貴族に裏切られていたことが判った後の、戸惑い、絶望に陥るまでの瞳の動きが大変印象的で、正に、役者!!と拍手したい心境になりました。これをきっかけに、中世スコットランドのイングランドとの攻防の歴史を少しは勉強しようと思っております。
以上:1,512文字
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H29- 7-22(土):介護専従相続人に対し750万円の寄与分を認めた大阪家裁審判紹介
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○現在、寄与分が熾烈な争いになっている遺産分割事件を扱っており、関連判例を探しています。「認知症の被相続人身上監護寄与分一日8000円を認めた審判例紹介」に引き続き、被相続人に対する介護を理由とする寄与分の申立てに対し、申立人の介護の専従性を認めた上で、申立人が被相続人から金銭を受領しているものの他の相続人らも同様に金銭を受領していた事実があるから、その介護の無償性は否定されず、寄与分を評価する上で評価すべき事情としてその他の事情と併せ考慮し、申立人の寄与分を遺産総額の3.2%強である750万円と認めた平成19年2月26日大阪家裁審判(家庭裁判月報59巻8号47頁)の該当部分全文を紹介します。


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(4)申立人Bの寄与分の有無及び評価
 寄与分を認めるためには,当該行為がいわゆる専従性,無償性を満たし,一般的な親族間の扶養ないし協力義務を超える特別な寄与行為に当たると評価できることが必要である。以下,(3)の認定事実に基づき,検討する。

ア 平成8年ころまでの家事労働などについて
 申立人Bの結婚当初から平成8年ころまでについて,被相続人宅の家事労働を申立人Bのみが全面的に行った事実は認められない。また仮に,申立人Bが被相続人の居住範囲の掃除,被相続人の食事の支度その他の家事を担当したのであっても,同居の親族の協力義務の範囲を超える特別の寄与には当たらない。

 申立人Bは,Fの母Gを引き取って介護したり,介護に訪れたFの弟らの食事の世話をしたことなどの負担を主張する。これらは被相続人宅の家事の延長ではあるが,むしろFとの関連の出来事であり,必ずしも被相続人に関する寄与というのは相応しくない。また,その期間や負担の程度に照らして,同居の親族の協力義務の範囲を超えるものではない上,申立人Bのこの点に関する主張が,財産的寄与というよりは精神的負担を述べる点でも,寄与分にはなじみにくい。

 また,被相続人は,若いころから血圧が高く,□□体型で,後には○○病をも患うなど,申立人らとの同居当初から健康状態が不安定であった。申立人Bは,通院に付き添ったり,○○治療の手伝いをしたり,被相続人の視力が悪化した後はその安全面にも配慮するなどした。義歯を入れてからは調理法にも配慮していたが,これらの事実も,いまだ同居の親族の協力義務の範囲を超える寄与に該当するとまではいえない。

イ 平成8年以降の入浴介助,排泄介助,家事労働について
 この間の家事労働については,同居の親族の協力義務の範囲を超えるものでなく,これによる寄与分は認められない。
 他方,平成8年ころから,申立人Bが被相続人の洗髪や排泄を介助したり,失禁の後始末をするなど,身体介助の側面が認められるようになる。特に,排泄介助は,この時点で被相続人が一応独りで歩行できたことに照らすと申立人Bがこれに専従したとまで評価するかは微妙だが,作業の性質や作業量にかんがみ,相当の負担になったことは推認できる。平成12年8月以降の介護と併せて,寄与分の評価の一要素にはなりうる。

ウ 平成12年8月から平成13年12月の入院までの在宅介護について
a 介護の専従性

 平成11年ころ以降,被相続人が転倒して自力で起きあがれないことが幾度も起きるなど,被相続人の下肢が弱っていた。特に平成12年8月に風呂場で転倒した後は,歩行や移動に常に介助を要する状態となった。加えて,排泄介助(深夜も含む。)や失禁の後始末,入浴介助,転倒時の助け起こしなどの介護の大半を申立人Bが担っており,申立人Bが家事労働をこなしながらこれらの介護を行ったことからすると,その作業量,肉体的負担,所要時間を考慮して,申立人Bの生活の中心を被相続人の介護作業が占めたといっても過言ではないと推認できる。したがって,この間の申立人Bの被相続人の在宅介護について,専従性が認められる。

 相手方らは,被相続人の介護は申立人Bのみが行ったのではなく,相手方らやその家族も協力して行った旨主張する。たしかに,相手方ら及びその家族も,被相続人の介護に協力した事実が認められる。特に,相手方Cの子であるI,Jはしばしば被相続人宅を訪れ,入浴,排泄などの介護に相当貢献したと認められる。しかしながら,申立人Bは深夜も含めて24時間被相続人を介護する状態であったことによれば,他の親族の協力を得たからといって,申立人Bの介護の専従性が全面的に減殺されるわけではない。

b 介護の無償性
 相手方Dは,申立人Bが昭和48年以来,毎月10万円を被相続人から受け取っていたと主張し,また相手方Cも同趣旨の主張をし,申立人Bの介護は有償であり寄与分の要件としての無償性を欠くと主張する。以下,この主張を踏まえて,申立人Bの介護の無償性を検討する。

(3)の認定事実によると,申立人Bが平成8年から12年9月にかけて総額1000万円以上の小遣いを貰っていること,平成8年以降,月額10万円の生活費を受け取ってきたことが認められる。相手方Dの主張する,平成8年以前も毎月10万円を受け取っていた事実は,一件記録中これを認めるに足りる資料がない。

 この事実を前提にすると,たしかに,申立人Bが受け取った小遣いが高額である上,平成8年以降,被相続人が自らの最低限の生活費を分担していたとの評価が可能であり,被相続人が何らの費用分担をしていない事案とは別途の考慮が必要である。

 しかし他方,被相続人から小遣いを貰ったのは申立人Bのみならず,相手方Cも500万円以上,相手方Dは800万円弱,被相続人の孫Jも320万円程度,その他の孫らも数十万円以上を貰っている。各自の小遣いの金額を比較すると,申立人Bが小遣いを貰った事実から,その介護の無償性を全面的に否定することは相当でない。相手方らや一部の孫らが被相続人の介護に協力した事実を考慮しても,小遣いの金額が必ずしも協力の程度に比例するとは認められないからである。また,被相続人が分担した毎月10万円の生活費は,その金額に照らし,食費その他の一般的な家計費に主として充てられたことに疑問はなく,介護に対する報酬としての側面は必ずしも大きくないといえる。

 したがって,申立人Bの介護の無償性は否定されない。もっとも,申立人Bが相続人中で最も多額の小遣いを貰っていた事実は,申立人Bの寄与分の評価をする上で,考慮を要する事実には当たる。

c その他の相手方らの反論について
 相手方らは,〔1〕ヘルパーへの依頼や入院に消極的であるなど,申立人Bの介護方針には不適切な点があった,特に入院いかん,時期の判断は妥当でなかった,〔2〕申立人Bの介護は,食事療法が徹底されず,清潔さも不十分で,日中被相続人を寝かせておくなどの不適切な点があったなど主張する。

〔1〕の点については,被相続人自身が親族以外の者の世話になることや,入院することを嫌っていたことを考慮すると,申立人Bの介護の瑕疵として申立人Bの寄与を大きく減殺する事情とはいえない。〔2〕の点については,少人数で在宅介護を担った場合一般に起こりうる事柄であり,仮に申立人Bの介護が完璧なものでなかったとしても,それによって全面的に寄与分を否定する事情とまではいえない。
 したがって,結論として,申立人Bの介助及び介護について,寄与分を認めることが可能である。

エ 申立人Bの寄与分の評価
(3)の認定事実を前提に,以下,申立人Bの寄与分の評価につき検討する。
a 申立人Bが被相続人の介護にほぼ専従したのは,平成12年8月24日の風呂場での転倒時から平成13年12月末ころまでの約16か月間(486日間)である。

b 看護師家政婦紹介所が看護師等を派遣する際の標準賃金表(ただし平成17年当時の基準)によれば,看護師の場合,〔1〕泊込勤務が1万8000円,〔2〕午前9時から午後5時までの通勤勤務が1万3000円である。ケアワーカーの場合は,泊込勤務が1万2100円,〔2〕午前9時から午後5時までの日勤が7800円である。いずれも泊込勤務の際,午後10時から午前6時まで特に介護を要した場合,泊り料金の1割から2割増しとなり,徹夜勤務の場合は5割増しとなっている。

c 上記の標準賃金を参考にしつつ,申立人Bの介護が〔1〕勤務としてではなく,あくまで親族介護であること,〔2〕少人数による在宅介護のため,完璧な介護状態を保つことは困難だったと窺われること,〔3〕申立人Bが他の親族より多額の小遣いを取得していたこと,〔4〕昼間は,他の親族も交代で被相続人の介護を手伝っていたこと,〔5〕被相続人の生活が次第に昼夜逆転し,深夜の排泄介助もしばしばあったことは負担感を増したといえること,〔6〕被相続人が□□体型であり,介護の肉体的負担が極めて大きかったといえることなどを考慮して,一日当たりの介護費用を1万2000~1万3000円程度として算定することとする。とすれば,申立人Bの当該期間の介護労働を金銭的に換算すると,600万円程度との評価が可能である。

d 上記の数字は,専ら当該期間中の介護面のみを抽出して金銭換算したものであるが,最終的な寄与分評価としては,上記の数字を踏まえ,相続財産の額その他一切の事情を考慮(民法904条の2)し,相続人間の実質的衡平に資するべく評価を決定することとなる。

 本件において,申立人Bは,〔1〕平成8年4月以来,被相続人の洗髪を介助するなど,軽度の身体介助は相当早期から始まっていたこと,〔2〕失禁の後始末など排泄にまつわる介助も平成8年ころから既に行っていたこと,〔3〕平成11年ころから,被相続人が幾度も転倒しており,その行動に注意を要する状態は既に始まっていたことなどを併せて考慮すれば,最終的な寄与分の評価としては,遺産総額中の3.2%強である750万円と認めることとする。


以上:4,078文字
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H29- 7-21(金):相続債務の一部弁済行為を処分にあたらないとした福岡高裁宮崎支部決定紹介
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○固有財産である死亡保険金をもって行った被相続人の相続債務の一部弁済行為は、相続財産の一部の処分にあたらないとした平成10年12月22日福岡高裁宮崎支部決定(家庭裁判月報51巻5号49頁)と、処分にあたるとしが原審平成10年11月10日宮崎家日南支審判全文を紹介します。


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主  文
原審判を取り消す。
本件を宮崎家庭裁判所に差し戻す。

理  由
1 本件抗告の趣旨は、主文と同旨の裁判を求めるというのであり、抗告の理由は、別紙「抗告の実情追加書」及び「抗告の実情に関する補充書」記載のとおりである。論旨は要するに、被相続人の子の抗告人らが被相続人の相続につき、民法915条1項所定の熟慮期間中に、被相続人を被保険者とする傷害保険から請求した保険金200万円を受領したうえ、これを被相続人の債務の一部の弁済に充てたが、(1) 抗告人らが受領した保険金は、抗告人ら固有の保険金請求権に基づくものであり、被相続人の相続財産ではないから、これは熟慮期間中に抗告人らが同法921条1号の相続財産の一部を処分したことにはならない。(2) 仮に右保険金が相続財産に含まれるとしても、抗告人らはこれを被相続人の債務の弁済に充てたもので、同条1号但書の相続財産に対する保存行為に当たる。したがって、抗告人らの本件相続放棄の申述は家庭裁判所において受理されるべきである、というのである。

2 記録によれば、次の事実関係が認められる。
(1) 被相続人は、平成9年12月24日、仲間の猟銃誤射により死亡したが、その当時の相続人は子の抗告人らであった。

(2) 抗告人らは同日、それぞれ自己のために被相続人の相続の開始があったことを知ったが、相続財産の状態や、その債権債務を調査するため、民法915条1項の熟慮期間を2回にわたり伸長する申立てをし、原審家庭裁判所によってこれが認められ、その熟慮期間が最終的に平成10年12月31日まで伸長された。

(3) 抗告人らはその熟慮期間中に、社団法人○○会が被保険者を被相続人として加入していた○△火災海上保険株式会社の傷害保険契約(以下「本件保険契約」という。)に基づいて、同保険会社に死亡保険金200万円を請求し、同年3月4日にこれを受領した。
 本件保険契約においては、被保険者死亡の場合の保険金受取人の指定がなされていないところ、当審で取り調べた保険約款によれば、死亡保険金は被保険者の法定相続人に支払う旨の条項がある。

(4) 抗告人ら代理人はその熟慮期間中に、本件保険契約によって受領した保険金を、抗告人らの意向を受けて、被相続人の債務の一部である○○農業協同組合に対する借受金債務330万円の弁済に充てた。さらに、被相続人が誤射されたため、猟銃事故共済による共済金300万円の支払が受けられる場合か否かを社団法人□□会に問い合わせたが、共済金の請求がないと回答できない旨を受け、その請求を試みたところ、本件の事故が共済金支払の免責を受ける場合である旨の通知を受け、共済金の支払われないことが確実となった。

(5) 抗告人らは、被相続人を誤射し自殺した加害者の相続人に対する損害賠償請求権も、その支払能力がなく実効性が乏しいため、その相続は次順位以降の相続人に委ねるのが妥当と判断し、伸長された熟慮期間中である同年10月8日、本件相続放棄の申述を原審家庭裁判所にした。

3 これに対して、原審は、本件保険契約に基づく死亡保険金が被相続人の相続財産に属するものとして、抗告人らがこの死亡保険金を熟慮期間中に受領した行為は、民法921条1号本文の「相続人が相続財産の一部を処分したとき」に当たり、かつ、これを相続債務の弁済に充てたことは、一部債権者に対し相続財産をもって相続債務の偏頗弁済のおそれすらある行為をしたものであるから、同号但書の保存行為には当たらないとして、抗告人らは法定単純承認をしたものとみなされるので、本件相続放棄の申述は不適法であるとして、これを却下する旨の審判をした。

4 しかしながら、本件相続放棄の申述を受理しなかった原審の判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
(1) 本件保険契約では、被保険者の被相続人死亡の場合につき、死亡保険金受取人の指定がされていないところ、保険約款には、死亡保険金を被保険者の法定相続人に支払う旨の条項があるところ、この約款の条項は、被保険者が死亡した場合において被保険者の相続人に保険金を取得させることを定めたものと解すべきであり、右約款に基づき締結された本件保険契約は、保険金受取人を被保険者の相続人と指定した場合と同様、特段の事情のない限り、被保険者死亡の時におけるその相続人たるべき者である抗告人らのための契約であると解するのが相当である(最高裁第2小法廷昭和48年6月29日判決・民集第27巻第6号737頁)。かつ、本件においては、これと解釈を異にすべき特段の事情があると認めるべきものは、記録上窺われないし、抗告人らが本件保険契約による死亡保険金が被相続人のための契約と思い違いをしていても、これが特段の事情となるべきものではない。

 そして、かかる場合の本件保険金請求権は、保険契約の効力が発生した被相続人死亡と同時に、相続人たるべき者である抗告人らの固有財産となり、被保険者である被相続人の相続財産より離脱しているものと解すべきである(最高裁第3小法廷昭和40年2月2日判決・民集第19巻第1号1頁)。

 したがって、抗告人らのした熟慮期間中の本件保険契約に基づく死亡保険金の請求及びその保険金の受領は、抗告人らの固有財産に属する権利行使をして、その保険金を受領したものに過ぎず、被相続人の相続財産の一部を処分した場合ではないから、これら抗告人らの行為が民法921条1号本文に該当しないことは明らかである。


(2) そのうえ、抗告人らのした熟慮期間中の被相続人の相続債務の一部弁済行為は、自らの固有財産である前記の死亡保険金をもってしたものであるから、これが相続財産の一部を処分したことにあたらないことは明らかである。また、共済金の請求をしたのは、民法915条2項に定める相続財産の調査をしたに過ぎないもので、この共済金請求をもって、被相続人の相続財産の一部を処分したことにはならない

(3) 以上とは異なる法律の解釈の下に抗告人らの本件相続放棄の申述の受理を却下した原審の判断には、法律解釈を誤った違法があり、この点をいう論旨は理由があるので、原審判は取り消しを免れない。
 したがって、抗告人らの本件相続放棄の申述は受理すべきものであるが、この申述の受理は相続放棄の申述のあったことを公証する行為で裁判ではなく、家庭裁判所においてなすべきものであるから、本件を宮崎家庭裁判所に差し戻すこととする。
 よって、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 篠森真之 裁判官 安藤宗之 小池晴彦)


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参考 原審平成10年11月10日宮崎家日南支審判(平10(家)272号ないし275号)

主  文
 申述人らの相続放棄の申述をいずれも却下する。
 
理  由
一 一件記録によれば、以下の各事実が認められる。
1 被相続人A(社団法人○○会の構成員)は平成9年12月24日加害者(同会構成員)の過失に基づく猟銃の発砲により死亡し、加害者も同日猟銃自殺をした(以下「本件死亡事故」という。)。

2 申述人らはいずれも被相続人の子であり、同日、それぞれが法定相続人に当たることを知り、加害者に対し過失不法行為に基づく損害賠償請求権があることを知った。

3 申述人らは、平成10年1月5日被相続人が相続財産である土地建物を所有することを、同年3月4日以前被相続人が○△火災海上株式会社との間で傷害保険契約(保険契約書上の保険金の受取人欄が空白のもの)を締結していたこと、社団法人□□会が本件死亡事故に対し共済金(△△火災海上保険株式会社扱い)の支払をする余地のあることを、同年4月20日被相続人の○○農業協同組合○×支所(以下「○○農協」という。)に対する消費貸借契約に基づく330万円の返還債務、宮崎県×△会に対する32万6437円の負債及び株式会社△○に対する簡易トイレレンタル料金債務8400円の存在を、それぞれ知った。

4 申述人らは申述人ら代理人弁護士に対し遅くとも同年3月4日以前に借金及び保険金請求の可否など積極財産が消極財産を上回るのか否かの判断に必要な調査をするとともに、右調査に必要な期間相続の承認又は放棄をする期間(以下「法定期間」という。)の伸長の申立てをすることを委任し、当裁判所は申述人ら代理人弁護士の申立てを受けて同年3月24日に同年6月30日まで同月24日に同年12月31日までそれぞれ法定期間の伸長をする審判をした。

5 申述人ら代理人弁護士は、同年3月4日以前に○△火災海上株式会社に対し申述人ら代理人弁護士名義で傷害保険金200万円を請求して同日これを受領し、同年5月7日主として上記3の○○農協に対する債務の保証人らに迷惑をかけたくないという申述人らの意向を受けて、○○農協に対し内金100万円を、同年8月25日内金100万円をそれぞれ弁済し、この間の同年7月1日ころ社団法人○○会の上部団体である社団法人□□会に対し被相続人法定相続人代理人名義で自損死亡共済金300万円の請求をし、同会から同月15日加害者の共済金請求が支払免責条項に該当し認められない旨の通知を、同年9月21日被相続人に対する自損死亡共済金の支払が制度上あり得ない旨の通知を、それぞれ受けた。

6 申述人らは、同年8月24日、相続放棄と限定承認のいずれを選択するか協議検討したところ、遺産が過少なので相続放棄した方が良いとの判断に達し、同年10月8日当裁判所に対し申述人ら代理人弁護士をしてそれぞれ相続放棄の申述をした(以下「本件各申述」という。)。


1 上記一の1ないし6の各事実によれば、本件各申述は平成10年1月5日を起算点とする当初の法定期間の経過後にされたものではあるが、二度にわたる法定期間の伸長の審判の結果、伸長された法定期間内にされたものと認められる。

2 しかしながら、上記一の1ないし6の各事実によれば、申述人らは本件各申述以前の充分な熟慮期間中に遺産が単純承認するか否かではなく相続放棄するか限定承認するかの選択を直ちにできない程度に過少である旨の認識を形成する過程で、申述人ら代理人弁護士に対する事前又は事後の委任ないし承諾をして上記一5の各行為をさせたものと認めることができる。

 そして、上記各行為には、申述人らが遺産に属する主要な金銭債権の共同行使により金銭の受領行為をしたと認められる行為のみならず、相続財産が万一債務超過の状態であるときには結果的に相続財産に対する一部債権者に対し相続財産をもって相続債務の偏頗弁済をしたこととなるおそれすらある行為も含まれているが、これらのような行為はまさに相続を承認して相続債務を履行する意思を有し債権者に対してその意思を表示する者にのみ許容される行為と言うほかはない。

 したがって、申述人らの上記各行為が、民法921条1号本文にいう「相続財産の一部を処分した」行為にあたることは明らかである(以上に対し申述人らは、まず、受領保険金による○○農協に対する債務弁済行為が遺産全体としてみれば最も高い利息及び遅延損害金の発生を回避するための行為であり保存行為に該当すると主張する。しかし、このような個々の財産権の消滅を来す行為が個々の財産権の保存行為ということはできず、また、仮にこれを保存行為であるとして許容すると法定相続人が積極財産をすべて処分し消極財産の弁済をした後、積極財産が残存したときは承認し、相続債務のみが残存したときは相続放棄するという、相続債権者に不測の不利益を及ぼし、しかも、限定承認制度の存在意義を没却する事態を招きかねないから、同主張を採用することはできない。

 次に、申述人らは、申述人ら代理人弁護士の上記弁済行為が事務管理にあたると主張するが、上記一の3ないし6の各事実によれば上記行為が申述人らの申述人ら代理人弁護士に対する委任行為の内容を成し事務管理に当たらないことも自明であって採用できない。)。

 よって、本件各申述はいずれも不適法であるからこれを却下することとし、主文のとおり審判する。

以上:5,131文字
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H29- 7-20(木):民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”決定後の手続概要
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○「民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”書式等」を続けます。
民事執行法では財産開示手続実施決定が出た後の手続は次のように規定されています。

第198条(期日指定及び期日の呼出し)
 執行裁判所は、前条第1項又は第2項の決定が確定したときは、財産開示期日を指定しなければならない。
2 財産開示期日には、次に掲げる者を呼び出さなければならない。
一 申立人
二 債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者)

第199条(財産開示期日)
 開示義務者(前条第2項第二号に掲げる者をいう。以下同じ。)は、財産開示期日に出頭し、債務者の財産(第131条第一号又は第二号に掲げる動産を除く。)について陳述しなければならない。
2 前項の陳述においては、陳述の対象となる財産について、第2章第2節の規定による強制執行又は前章の規定による担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項その他申立人に開示する必要があるものとして最高裁判所規則で定める事項を明示しなければならない。
3 執行裁判所は、財産開示期日において、開示義務者に対し質問を発することができる。
4 申立人は、財産開示期日に出頭し、債務者の財産の状況を明らかにするため、執行裁判所の許可を得て開示義務者に対し質問を発することができる。
5 執行裁判所は、申立人が出頭しないときであつても、財産開示期日における手続を実施することができる。
6 財産開示期日における手続は、公開しない。
7 民事訴訟法第195条及び第206条の規定は前各項の規定による手続について、同法第201条第1項及び第2項の規定は開示義務者について準用する。

第206条(過料に処すべき場合)
 次の各号に掲げる場合には、30万円以下の過料に処する。
一 開示義務者が、正当な理由なく、執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日に出頭せず、又は当該財産開示期日において宣誓を拒んだとき
二 財産開示期日において宣誓した開示義務者が、正当な理由なく第199条第1項から第4項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたとき。
2 第202条の規定に違反して、同条の情報を同条に規定する目的以外の目的のために利用し、又は提供した者は、30万円以下の過料に処する。


○民事執行法第197条の「債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定」が確定すると1箇月ほど後の日が財産開示期日として指定されます。財産開示期日の約10日前の日が債務者の財産目録提出期限と指定されます。提出された財産目録は,申立人外債務名義を有する者(民事執行法201条)に限り,財産開示期日前においても閲覧,謄写することができ、開示義務者が財産目録を提出した後は,債務者の同意がない限り,財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条,民事訴訟法261条2項)。

○申立人(申立人が法人の場合は代表者),同代理人弁護士,同許可代理人は,財産開示期日に出頭し,執行裁判所の許可を得て,開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が,根拠のない探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。財産開示期日の円滑な実施のため,質問がある場合は,事前に質問書を提出します。開示義務者が財産開示期日に出頭しなかった場合,財産開示手続は終了します。正当な理由のない不出頭には30万円以下の過料に処せられます(206条)。

○財産開示手続では、事前に申立人が質問事項書を提出しますが、この質問内容が重要です。
以下、小林茂秀弁護士著「財産開示の実務と理論」403頁に記載されている質問事項サンプルを掲載します。

□給与振込先・電話代・光熱費の引落銀行口座
□インターネットバンキング・証券取引・外貨取引・金取引等金融取引の有無
□子どもや家族名義も含め、債務者の計算で、預貯金・学資保険等積立型保険の有無
□給料以外の副収入
□債務者所有でない自動車・バイクを使用している場合、それは誰からどのような約束で借りているか
□事前提出財産目録作成後新たに取得した財産の有無
□ここ数年のうちに不動産又は自動車等高額動産売却の有無、有る場合、その代金使途・現在残額の有無
□その他、次のような財産があるか-絵画・美術工芸品・船舶・建設機械・地上権・借地権・リゾート会員権・特許権・著作権・実用新案権・商標権等
□その他債務者の財産に関連する事項一切
以上:1,845文字
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H29- 7-19(水):民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”書式等
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○「民事執行法第4章第196条以下”財産開示手続”勉強開始宣言」の続きです。
勉強開始宣言をしながら3年間サボったままでした(^^;)。現在、判決等債務名義を持ちながら回収できない事案を数件抱えています。財産開示制度の利用を検討しなければと思いながらも、時々、僅かの送金があって消滅時効が中断されると、そのままになってしまいます。

○ネットで調べると裁判所HP「財産開示手続を利用する方へ」で詳しく解説されています。おそらくこのサイトだけの情報で財産開示申立は可能と思われます。以下、必要事項についての備忘録です。

先ず必要条文です。

第196条(管轄)
 この章の規定による債務者の財産の開示に関する手続(以下「財産開示手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
第197条(実施決定)
 執行裁判所は、次のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本(債務名義が第22条第二号、第三号の二、第四号若しくは第五号に掲げるもの又は確定判決と同一の効力を有する支払督促であるものを除く。)を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より6月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。
二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。


実務で利用されるのは、ほとんどが第197条1項二号です

○申立要件は、①「執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者」で、②「知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明」をすることだけで、極めてシンプルです。この第197条1項二号要件は、実際に強制執行を実施することは必ずしも要件ではありません。しかし、強制執行を実施して不奏功に終わったことは、「強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないこと」の有力な疎明資料になります。

○以下、第197条1項二号申立書式です。

財産開示手続申立書サンプル

仙台地方裁判所第4民事部 御中

平成 年 月 日

申立人○○○○代理人弁護士   小  松  亀  一  印

電話;022-266-8255、FAX;022-266-8255

          当事者 別紙当事者目録記載のとおり
          請求債権 別紙請求債権目録記載のとおり

 申立人は、債務者に対し、別紙請求債権目録記載の執行力ある債務名義の正本に記載された請求債権を有しているが、債務者がその支払をせず、下記の要件に該当するので、債務者について財産開示手続の実施を求める。

民事執行法第197条1項2号要件
 知れている財産に対する強制執行を実施しても、金銭債権の完全な弁済を得られない(2号)

(添付書類)
1.執行力ある債務名義の正本  通
2.同送達証明書  通
3.同確定証明書  通
4.資格証明書/住民票  通

(証拠書類)
財産調査結果報告書(甲第  号証)
不動産登記事項証明書(甲第  号証)


財産調査結果報告書

仙台地方裁判所第4民事部御中

平成 年 月 日

   申立人代理人弁護士 小  松  亀  一  印


債務者○○○の財産を調査した結果(調査方法を含む)は、下記のとおりです。
           記
1.不動産
 (1)債務者の住所地or本店・支店の不動産


 (2)その他の不動産


2.債権
 (1)預貯金


 (2)給与or売掛金等営業上の債権


 (3)その他の債権


3.動産
以上:1,581文字
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H29- 7-18(火):大久保仙台座禅断食会と断食奏功のメカニズム等補足
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○「大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会参加第1・2・3日目終了」の続きです。
大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会参加第1日目」記載の通り、仙台座禅断食会は、「野口法蔵師」が20数年にわたり指導してきた2泊3日の短期間の坐禅断食で、宮城県では平成17年に第1回を開催し,第7回目までは野口法蔵師が直接指導し,第8回目以降が「大久保直政先生」の指導で開催されています。

○会場は、遠刈田温泉蔵王高原荘ですがノートパソコン使用の関係で大久保先生にお願いして一人部屋を提供頂いています。一人部屋にはトイレ、バスがなく、共同トイレ、温泉浴場の利用になります。参加費用は、2泊3日で3万円ですが、3日間、大変、充実した濃密な指導を受け、且つ、生体エネルギーを活用するため多数の装置を持ち込んでの良好環境を考慮すると大変安いものです。

「野口法蔵師」式座禅断食会は、仙台座禅断食会の他にも全国に20箇所程度あります。今回、仙台座禅断食会の参加者は、男性5名、女性9名の14名でしたが、半分が関東等宮城県以外の地区からの参加者でした。他の「野口法蔵師」式座禅断食会に参加された方の話しを聞きましたが、仙台座禅断食会の良さを強調されていました。

○以下、野口法蔵師著「座禅断食」からの絶食と断食についての備忘録です。
・宗教的背景での修行としての断食を近代医学の立場から見直し、東北大学医学部で絶食療法として定着させ、昭和55年、日本絶食療法学会が発足
・絶食療法は、比較的短期間に生体に急激なストレスを負荷し、病的ホメオスターシスを揺さぶり、自己調整機能=自然治癒力の強力な発動を得て、生体をより強力なホメオスターシスの再統合へ向かわせるもの
※ホメオスターシスとは、和訳「恒常性」で、生物のもつ重要な性質のひとつで生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指す。

・断食奏功のメカニズム
カロリー・電解質の外部補給が断たれ、生体エネルギー源が糖質から体内蓄積脂肪に転換→急激な代謝面の変化誘発
血糖が低下、肝グリコーゲンは、2,3日以内に消化し尽くされる
血中脂質やケトン体(体の脂肪組織が分解し、肝臓で変化したもの)が高値を維持
脳組織の代謝エネルギーも糖質からケトン体に転換→脳内の代謝過程に変調が生じ、脳波はα波が増加・除波化→自律神経機能・内分泌機能に広範な変調
依存性・被暗示性が高まる微妙な意識の変容状態が生じ、融通性を欠いていた意識は、柔軟性のある視点を持つことができるようになる
以上:1,060文字
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H29- 7-17(月):大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会参加第1・2・3日目終了
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○「大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会参加第1日目」記載の通り、平成29年3月10日から2泊3日、遠刈田温泉蔵王高原荘で開催された宮城真向法体操会会長大久保直政先生主催第42回仙台座禅断食会に参加しました。平成29年7月15日から私にとっては2回目となる第43回仙台座禅断食会に参加しています。

○本日平成29年7月17日は最終日3日目になりますが、3月の初めての参加の時の3日目は、「3日目の朝は、心臓が動悸し、結構な胃のむかつきも感じて、これは体調に異変を生じたと大いなる不安感を感じ」るものでした。しかし、今回は朝5時30分に目覚め心臓の動悸もなく、胃のもたれ感はありますが、初回に比べて3日目の体調は比較的良好です。

○前回の3月は、1日目から「朝・昼食を自主断食で、水補給だけでご集合下さい」と指示されていたところ、朝は蜂蜜入り豆乳250ccを飲み、夕方蔵王温泉行きバスの中でポカリスエット1本飲んで行きましたので、1日目は水補給だけではなく、少しばかり、糖分が身体の中に入っていました。今回は、1日目の朝から麦茶以外は一切飲食せず、正に水補給だけで夜から座禅断食会に臨みました。

○スケジュールは、3日間で座禅各20分を15回、合間の読経・合唱行・講話、3日目の明け食・宿便取り等前回と全く同じ内容でした。今回も最も辛い修行は2日目13時からの合唱行でした。これは摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)合唱を5回程繰り返し20分程度に渡って半跏趺坐ではない普通の正座で両手をシッカリ伸ばして頭の上に上げ両手のひらをくっつけた姿勢で継続するものです。両手のひらをくっつけたまま頭の上に置いておくのに疲れて、途中、胸の辺りまで両手を下げ、少し疲れが取れると頭の上に挙げることを繰り返しました。

○終わったときは、前回3月の時より、遙かに汗びっしょりとなっていました。そこでコップ一杯の赤色野菜ジュースが出されて、少しずつ飲みましたが、その美味いこと、美味いこと。野菜ジュースがこれほど美味いと感じたのは生まれて初めてでした。たとえるとテニスで汗びっしりになった直後に飲む生ビールより美味しいと感じました。それは1日半糖分を全く取らないで居たところに、僅かの糖分が入ったからと思われ、その甘さに大感激でした。

○その後午後3時に始まる座禅まで1時間半程休憩時間となり、早速、一番で入浴しました。そして汗びっしょりとなったランニングシャツと白ブリーフを風呂の洗い場でシッカリと洗いました。2泊3日なので着替えを2日分しか持ってこなかったからです。部屋干ししたのですが、夏の暑い時期のため夜の入浴時にまでには乾いており助かりました。夏の座禅会では2日でも着替えを4回分は準備する必要を感じました。

○前述の通り、今回は3日目も心臓の動悸もなく、以下の写真に示される明け食は、前回より更に美味いと感じて、全部平らげ、それでも足りないと感じました。明け食は、先ずどんぶり一杯のぬるま湯300ccを飲み干し、次にこのどんぶりに大根汁と梅干しを入れてただ煮ただけの大根を食べます。何の味付けもないただ煮ただけの大根が大変美味く感じます。このどんぶり大根を梅干しを追加しながら、3~4杯飲食します。この時点でトイレに立つ人がぼちぼち出てきますが、私は全く催さず、少々焦りました。その後、トマト・キュウリ・にんじんを食べ、更にキャベツを全部食べても、まだ催しません。本当は、一部通過した後に食べなければならない、バナナを全部食べたところでようやく催し始めました。

○いったん催し始め、第一便を通過させると、後は、怒濤の如く、快適に通便が始まり、5~6回トイレに行った後、最後には、これが最後と判る最終便が出て、スッキリしました(^^)。2回目は1回目に比較して、少しばかり余裕があり、20分間の座禅もそれほど苦ではなく、良好に過ごすことが出来ました。生体エネルギー充実のため様々な装置を施して良好環境を準備して頂いた大久保直政先生にはあらためて感謝申し上げます。

私の明け食写真、これらの外にオレンジジュース、食パン、ミルクティーも出て、全て気持ちよく平らげました。 
    
以上:1,717文字
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H29- 7-16(日):2017年07月16日発行第201号”三酔人人権問答”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年7月16日発行第201号「三酔人人権問答」をお届けします。

○平成29年7月15日夕方から遠刈田温泉蔵王高原荘で開催されている宮城真向法体操会会長大久保直政先生主催第43回仙台座禅断食会に参加しています。時間がなく、感想等は後日補充します。




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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

三酔人人権問答


中江兆民といえば、明治時代の大思想家ですね。ルソーの社会契約論を日本に紹介したことで有名な人です。一方、兆民大先生は、奇人変人としても有名です。

子供に名前を付けるのに、丑(うし)年生まれの息子に丑吉、申(さる)年生まれの娘に猿吉と命名するような人です。酒癖も悪くて、輿入れしてきたばかりの奥さんともすぐに破談になったなんて話もあります。

女性にとって、結婚と売春は同じものだという理論を展開したのも、兆民先生のはずです。結婚は独占的な長期契約、売春は非独占的な短期契約という違いがあるだけで、本質的には同じものなんだそうです。

そんな中江兆民の代表作といえば、なんといっても「三酔人経綸問答」ですね。酒好きの大思想家、南海先生のもとに、民主主義を信奉する「洋学紳士君」と、国粋主義者の「豪傑君」が訪ねてきて、3人でお酒を飲みながら、政治や軍事について問答をするという、とても面白い話しです。今から130年前に書かれた本ですが、日本の国防問題など、この本の内容から一歩も進展していないといわれているのです。

洋学紳士君は、軍備撤廃・完全非武装の理想論をぶち上げます。これに対して、豪傑君は厳しく批判するんですね。つまり、軍備をなくすというのは、そういう考えに感心したアメリカなどの国が、支援してくれると期待しているだけじゃないのかという批判です。

この辺のやりとりは、三酔人経綸問答から60年後にできた日本国憲法のもとでも、まったく同じ応酬がなされています。豪傑君は、洋学紳士君の軍備撤廃論をさらに攻撃します。狂暴な国(将軍様?)が、我が国の非武装に乗じて、攻め入ってきたらどうするのかという質問です。そんなときに、国民を守るための秘策が何かあるのかと、追求します。

これに対する洋学紳士の回答が凄いんです。「そのときは銃弾を受けて死ぬのみ。別に秘策無し。」これを読んだときに、「えー、死んじゃうの、それって無責任では。。。」と思ったことも事実です。その一方、この回答に清々しさを感じたのも間違いないところです。あまり言いたくないんですが、現代日本の非武装論者がインチキ臭いのは、豪傑君の問題提起に対して、言葉を飾ってごまかすだけで、洋学紳士の誠実さがないためだと思います。

話は変わって、現代の人権問題についてです。犯罪者を取り締まらないと、国民は安心して暮らせませんよね。その一方、刑事事件では、被疑者や被告人の人権を守ることも大切です。どの程度疑わしい人を逮捕したり、有罪とするかというのは、とても難しい問題なわけです。少しでも疑わしい人は逮捕して有罪にしろなんて考えは論外です。

その一方、ほんの少しでも疑問があれば、みんな無罪にして釈放してしまえというのも、かなり怖い考えですよね。実際問題、「無罪」とされた犯人が、また殺人事件を犯したなんてケースはいくつもあります。「悪人を野放しにして、国民を危険にさらすのが人権保護かよ!」なんて批判する人がいるのも当然のことでしょう。

「9人の真犯人を無罪としても、1人の冤罪者を出さないようにしないといけない。」というのが、多くの弁護士の見解です。でもこれって、10人釈放したら、そのうちの9人は犯罪者で、再び殺人などの罪を犯す可能性があるということですよね。豪傑君から、「釈放された犯罪者がまた人を殺そうとしたときに何か秘策があるのか?」と問い詰められたときに、洋学紳士と同じ回答ができるのか?「人権!人権!」と安易に口にする「人権弁護士」の、誠実さが問われていると思うのです。

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◇ 弁護士より一言

小学校6年生の息子が修学旅行に行きます。妻が新しいパジャマを買おうと提案しましたが結局、手持ちのジャージとTシャツを持って出かけました。少し前までは、仮面ライダーや戦隊ものがついたパジャマをあんなに欲しがってたのに!なんだか少し寂しい気持ちになったのでした。近いうちに、パパとおそろいで買った「おさるのジョージ」のTシャツも着なくなるのではと心配しています。子供は親離れしていくが、親の子離れはなかなか難しいようです。
以上:1,967文字
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