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R 8- 1-10(土):定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた高裁判決紹介
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○「定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた地裁判決紹介」の続きでその控訴審令和7年7月23日東京高裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

○一審原告が原動機付自転車を運転していたところ、一審被告P2が一審被告会社の業務のために運転する大型貨物自動車と衝突する交通事故によって受傷し、高次脳機能障害等の後遺障害が残存したと主張して、一審被告P2に対しては民法709条に基づき、一審被告会社に対しては自動車損害賠償保障法3条又は民法715条に基づき、連帯して、〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金等の支払を求めるとともに、〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金等の支払を求め、原審が、後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当であると判断し、原告の請求のうち、5824万9825円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し、一審原告及び一審被告らがそれぞれ控訴しました。

○控訴審判決も、一審原告が求める後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることが、不法行為に基づく損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認めることはできず、一審原告の後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当としながら、一審原告の請求は、6487万4776円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があると認められるとして、一審被告らの控訴に基づき原判決を変更し、その余の一審原告の控訴は棄却しました。

○定期金賠償に関する民訴法規定は以下の通りです。
第117条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)
 口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じた場合には、その判決の変更を求める訴えを提起することができる。ただし、その訴えの提起の日以後に支払期限が到来する定期金に係る部分に限る。



*********************************************

主   文
1 被告らの控訴に基づき、原判決を以下のとおり変更する。
(1)被告らは、原告に対し、連帯して6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日から、うち485万円に対する平成29年2月18日から各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
(2)原告のその余の請求をいずれも棄却する。
2 原告の本件控訴を棄却する。
3 訴訟費用は、第1、2審を通じ、これを10分し、その3を被告らの負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、1項(1)に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
(以下、自動車損害賠償保障法を「自賠法」、自動車損害賠償責任保険を「自賠責保険」、自賠責保険の保険金を「自賠責保険金」、自動車損害賠償保障法施行令別表第二を「後遺障害等級表」、労働者災害補償保険法を「労災保険法」という。人証は、いずれも原審におけるものである。)

第1 控訴の趣旨
1 被告らの控訴の趣旨

(1)原判決を以下のとおり変更する。
(2)原告の請求をいずれも棄却する。

2 原告の控訴の趣旨
(1)原判決を以下のとおり変更する。
(2)被告らは、原告に対し、連帯して1466万1752円及びうち357万7313円に対する令和2年9月4日から、うち1108万4439円に対する平成29年2月18日から、各支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
(3)被告らは、原告に対し、連帯して平成30年8月から令和49年1月まで毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

     (中略)

第3 当裁判所の判断
 当裁判所は、以下の理由により、原告の後遺障害による逸失利益については一時金による賠償を命ずるのが相当であり、原告の請求は、6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日から、うち485万円に対する平成29年2月18日から、各支払済みまでの遅延損害金の支払を求める限度で理由があると判断する。
1 認定事実

     (中略)

4 後遺障害による逸失利益に係る定期金による賠償の可否
(1)不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者が被った不利益を補填して、不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり、また、損害の公平な分担を図ることをその理念とするところである。

このような目的及び理念に照らすと、交通事故に起因する後遺障害による逸失利益という損害につき、将来において取得すべき利益の喪失が現実化する都度これに対応する時期にその利益に対応する定期金の支払をさせるとともに、将来、その損害の額の算定の基礎となった後遺障害の程度、賃金水準その他の事情に著しい変更が生じ、算定した損害の額と現実化した損害の額との間に大きなかい離が生ずる場合には民訴法117条によりその是正を図ることができるようにすることが相当と認められる場合があるというべきである。

 以上によれば、交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合において、上記目的及び理念に照らして相当と認められるときは、同逸失利益は、定期金による賠償の対象となるものと解される。(最高裁平成30年(受)第1856号令和2年8月9日第一小法廷判決・民集74巻4号1204頁)

(2)これを本件についてみると、原告の労働能力喪失期間は41年間と長期間にわたるが、原告の症状固定時における年齢(26歳)、上記2及び3(1)で認定した原告の後遺障害の内容及び程度(後遺障害等級表7級4号に該当する高次脳機能障害、同表14級に相当する嗅覚障害、同表14級に相当する尿道狭窄症)に照らせば、原審及び当審における原告の主張及び立証(甲55~61、80)を踏まえて検討しても、将来、原告の後遺障害の程度、賃金水準その他の事情に著しい変更が生じ、算定した逸失利益の額と現実化した逸失利益の額との間に大きなかい離が生ずる可能性が高いとは認められず、民訴法117条によりその是正を図ることができるようにする必要性があるとはいえない。

 原告は、高次脳機能障害の影響によって金銭管理能力が低下しているため、一時金による賠償を受けた場合、浪費等によって実質的な生活保障を図れなくなるおそれがあると主張する。確かに、先に述べたとおり、原告には、本件事故後、浪費傾向がみられるものの(認定事実(5)イ(カ)、(シ))、その程度は必ずしも明らかでなく、原告が一時金による賠償を受けた場合、浪費等によって実質的な生活保障を図れなくなるおそれがあると認めることは困難である。

 以上によれば、原告が求める後遺障害による逸失利益を定期金による賠償の対象とすることが、上記損害賠償制度の目的及び理念に照らして相当と認めることはできない。


(3)原告は、原告が求める後遺障害による逸失利益について、一時金による賠償とした場合、その算定に当たって控除される中間利息は旧民法が定める法定利率である年5%によることになるところ、現行民法が定める法定利率である年3%による中間利息の控除を受ける者との間で著しい不平等が生じ、憲法14条1項に違反する事態になるとも主張する。

 平成29年法律第44号附則17条2項は、中間利息の控除について定める現行民法417条の2(現行民法722条1項において準用する場合を含む。)の規定は、平成29年法律第44号の施行の日(以下「施行日」という。)前に生じた将来において取得すべき利益又は負担すべき費用についての損害賠償請求権については、適用しないと定める。

 民法の定める法定利率を改正する場合,逸失利益の算定に当たって控除される中間利息の利率について、改正前の法定利率が適用される者と改正後の法定利率が適用される者との間に差異が生じることは避けられないところ、社会経済に混乱をもたらすことなく、できる限り明確かつ公平な適用を確保するという観点から、平成29年法律第44号附則17条2項が、逸失利益に係る損害賠償請求権が生じた時期が施行日前か否かによって、現行民法の規律の適用の可否を決めることとしたことについては、合理性があるというべきである。

 よって、原告が求める後遺障害による逸失利益について、一時金による賠償とし、その算定に当たって、旧民法が定める法定利率である年5%により中間利息を控除することが、憲法14条1項に違反するということはできない。 

(4)以上によれば、原告が求める後遺障害による逸失利益は、定期金による賠償の対象とはならず、一時金による賠償とすることが相当である。

5 損害
 以上の認定・説示を踏まえた原告の損害についての当裁判所の判断は、別紙損害一覧表の「判断」及び「判断理由」の各欄に記載のとおりであり、原告の損害(弁護士費用を除く。)から既払金を控除した残額(自賠責保険金については、受領日である令和2年9月3日までの確定遅延損害金に充当した上、その残額を損害元本から控除する。)は4854万5891円、自賠責保険金の受領日の翌日から労災保険法に基づく障害補償給付の給付金の各受領日(最後に受領した日は令和7年4月15日)までに生じた確定遅延損害金の合計額は1147万8885円、弁護士費用は485万円、その合計額は6487万4776円となる。

6 小括
 そうすると、被告P2は民法709条に基づき、被告会社は自賠法3条に基づき、原告に対し、損害賠償として、連帯して6487万4776円及びうち4854万5891円に対する令和7年4月16日(原告が障害補償給付の給付金を最後に受領した日の翌日)から、うち485万円に対する平成29年2月18日(本件事故の日)から、各支払済みまで旧民法所定の年5%の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

第4 結論
 以上によれば、原告の請求は、上記第3の6の金員の支払を求める限度で理由があるから、その限度で認容し、その余の請求は棄却すべきである。そうすると、原判決のうち、原告の請求を棄却した部分は相当であるが、認容した部分は一部相当でない。よって、被告らの控訴は一部理由があるから、これに基づき、原判決を上記第3の6のとおり変更し、原告の控訴は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部 裁判長裁判官 三木素子 裁判官 下馬場直志 裁判官 南宏幸

以上:4,410文字
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R 8- 1- 9(金):定期金賠償請求を否認し一時払金を認めた地裁判決紹介
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○交通事故で後遺障害を残した場合の将来の逸失利益について通常は一時払い請求をしますが、一定期間毎月定期金を支払う定期金賠償を求めることがあります。支払総額は、定期金賠償の方が、一時払い金額より遙かに大きくなるからです。その理由は、「重度後遺障害被害者逸失利益に定期金賠償を認めた一・二審判決まとめ」に記載しています。

○症状固定時26歳の原告が、交差点において、原告の運転する原動機付自転車(原告車両)が対面の青色信号に従って交差点を直進通過しようとしていたときに、被告会社が所有し、被告P2の運転する大型貨物自動車(被告車両)が対面の信号が赤色信号だったにもかかわらず、直進して原告車両の左側側部に衝突した交通事故について、被告P2に対しては民法709条に基づき、被告P2の使用者である被告会社に対しては自動車損害賠償保障法3条又は民法715条に基づき、連帯して、
〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金等の支払
〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金等の支払
を求めました。

○原告が定期金賠償を求める理由は、原告は高次脳機能障害に基づく情動障害・社会的行動障害などのため、保険金を浪費するなど自ら適切な金銭管理をするのが困難で、一時金払いでは賠償金を浪費してしまうおそれがあり、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反するとしていました。

○これに対し、被告P2は民法709条、被告会社は民法715条及び自動車損害賠償保障法3条に基づき、原告に対し損害賠償責任を負うことが認められるところ、後遺障害逸失利益について、原告は、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反するから、定期金賠償方式が相当であると主張するが、平均余命を前提とした一時金払をすることが損害の公平な分担という理念に照らし、明らかに妥当ではないとはいえないから、憲法14条に反するとはいえず、後遺障害による逸失利益については、一時金による賠償を命ずるのが相当であると判断した令和6年3月26日さいたま地裁判決(LEX/DB)関連部分を紹介します。

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主   文
1 被告らは、原告に対し、連帯して、5824万9825円及びこれに対する令和2年9月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し、その3を原告の負担とし、その余を被告らの負担とする。
4 この判決は、1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 被告らは、原告に対し、連帯して、1466万1752円及びうち357万7313円に対する令和2年9月4日から、うち1108万4439円に対する平成29年2月18日から、いずれも支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告らは、原告に対し、連帯して、平成30年8月から令和49年1月まで、毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は、原告が、被告P2の運転する車両が原告の運転する車両に衝突した交通事故(以下「本件交通事故」という)について、被告P2に対しては民法709条に基づき、被告会社に対しては自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条又は民法715条に基づき、〔1〕後遺障害逸失利益を除く一時金払の損害賠償金として、1466万1752円及びうち357万7313円に対する自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の保険金受領日の翌日である令和2年9月4日から、うち弁護士費用1108万4439円に対する不法行為の日である平成29年2月18日から、いずれも支払済みまで平成29年法律第44号による改正前民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金、〔2〕後遺障害逸失利益の定期金払の損害賠償金として、原告の症状固定月である平成30年8月から原告が75歳に達する月である令和49年1月まで、毎月末日限り月額26万3297円及びこれらに対する各翌月1日から支払い済みまで平成29年法律第44号による改正前民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。

1 前提事実等

     (中略)

2 争点
 損害


3 争点についての当事者の主張
(原告の主張)

     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
 労働能力喪失期間について、現在は高齢化社会なので、就労可能年数を75歳にすべきである。
 労働能力喪失期間が長期間であり、原告は、高次脳機能障害に基づく情動障害・社会的行動障害などのため、保険金を浪費するなど自ら適切な金銭管理をするのが困難で、一時金払いでは賠償金を浪費してしまうおそれがあるし、一時金払では現行民法下の者と比べて不公平になるため、憲法14条に違反することから、定期金賠償方式が相当である。
 基礎収入は、賃金センサス(男性・全年齢・学歴計558万4500円)を採用すべきである。
(計算式)
558万4500円×56%×49年÷582か月=26万3297円

     (中略)

(被告の主張)

     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
 基礎収入について、賃金センサスにおける25歳男性の平均給与額は月額29万8900円(年収にして358万6800円)であるが、原告の収入はその3割にも満たないから、原告が将来にわたって賃金センサス男子学歴計・全年齢平均を得る蓋然性があるとは認められない。
 労働能力喪失期間については、就労可能期間が67歳を超える個別具体的な立証がないので、就労可能期間を67歳以上とすべき理由はない。
 また、原告について、将来的に労働能力喪失率が大きく変動することが想定されないから、定期金賠償を相当とすべき理由はない。

     (中略)

第3 争点に対する判断
1 争点(損害)について


     (中略)

(8)後遺障害逸失利益
ア 高次脳機能障害が残存しているかについて。
(ア)証拠(甲63、乙1、6、証人P12)によれば、原告の平成29年3月14日の頭部MRI(磁化率強調画像)において、脳幹(中脳)に微小出血、右大脳白質にも多発性の微小出血が認められ、びまん性軸索損傷が認められ、原告の平成29年2月18日午前6時13分の意識障害はJCS〈3〉-100、GCS E1V1M5=7点であり、同日午前7時30分から同月19日午後1時40分の間静脈麻酔薬が投与されたことが認められる。また、事故直後は、原告は理解力が低下して医師の話も理解することが出来なかったが、平成29年4月頃には理解力が戻り、同年5月頃にはコミュニケーションも良好にとれるようになってきたことが認められる。更に、下記のとおり同年10月には些細なことがきっかけで同僚に暴行を振るったこと、その後は暴行事件を起こしていないことが認められる。

(イ)本件事故後1時間以内の意識障害が重度であることから、脳外傷に起因する意識障害が重度だといえる。他方、その後麻酔薬が投与されていることから、意識障害の持続が長いとまではいえない。
 更に、事故後直後は高次脳機能障害の症状といえる理解力の低下がみられ、その後高次脳機能障害の扱いに長けている医療従業者との間ではコミュニケーションが改善したが、一般人である同僚との間のコミュニケーションにおいては高次脳機能障害の症状である易怒性か発現し、その後改善したことが認められるから、事故後発現した症状が時間が経つにつれ徐々に軽減したことが認められる。

 以上によれば、原告に、高次脳機能障害の後遺障害が残存していると認めるのが相当である。
 なお、被告提出の意見書(乙6、10)も、原告に高次脳機能障害が残存していること自体を否定しているとは解されない。

イ 後遺障害の等級(労働能力喪失率)について

     (中略)

 以上によれば、原告は、ミスが多い等のことから一般人と同等の作業を行うことができないといえ、原告が、令和4年夏頃から一人暮らしをし、外出、買い物や役所での手続、自動車の運転も大過なく一人で出来ていることを考慮したとしても、原告の高次脳機能障害は後遺障害等級の7級4号に該当すると認められる。
 原告には、他に嗅覚障害(14級)、尿道狭窄症(14級)の後遺症があることから、7級と14級で重い方の後遺障害等級7級に該当すると認められる。

ウ 基礎収入の額
(ア)証拠(甲20、原告、証人P16)によれば、以下の事実が認められる。
a 原告は平成24年3月に調律学校であるP17を卒業した。調律師の資格は有していない。
b 原告は、P17を卒業後、横浜の調律の会社に就職した。同社では最初の3か月は手取りで月額15万円位の給与が支給されていたが、その後無給になった。原告は、同年秋頃に同社を退職し、携帯の販売等で月21万円程度の収入を得ていた。
c 原告は、平成27年に交際相手が死亡して気分が大きく落ち込んだため、同年から事故時まで新聞配達の仕事をし、収入額は月額平均8万8000円だった。

(イ)原告は当時30歳以下の若年であり、専門学校を卒業し、その経験を生かせる仕事についたが、長続きせず、その後はアルバイト程度の勤務をしていたこと、事故後専門知識を生かして勤務をしており、平成27年からの気分の落ち込みは永続的なものではなかったといえることから、事故前の現実収入を超えて賃金センサス(症状固定時の男性・全年齢・学歴計)の8割程度の賃金を得る蓋然性があったと認められる。
 よって、基礎収入の額は、以下の計算式により、446万7600円となる。
558万4500円×0.8=446万7600円

エ 労働能力喪失期間について
 一般的な就労可能期間は67歳であると認められ、原告がそれ以上勤務可能なことについての個別具体的な立証がないので、就労可能期間を67歳以上とすべきとはいえない。
(計算式)
446万7600円×0.56×17.2944/=4326万8098円

オ 定期金について
 証拠(原告)によれば、現在原告の申し出により自賠責保険金を原告代理人が預かり、原告代理人が原告の口座に毎月17万円を振り込んでおり、途中でその方法を止めたいと申し出たこともないこと、原告の最近の浪費は、5万円のチューニングハンマーや黒毛和牛の購入であることが認められる。

 原告の年齢、後遺障害等級に鑑みれば、障害の程度が非常に重く将来変化する可能性が高いとはいえず、発達により症状が変化する可能性が高いともいえず、既に就労しているから、賃金水準等が社会情勢等の変化により、予測した事情と現実の事情のかい離が生じやすいとまではいえない。また上記認定のとおり症状固定後に大きく症状が悪化したことは認められないから、将来的にみて損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じ、予測した損害額と将来現実化する損害額との間に大きなかい離が生じ得る蓋然性が高いとはいえない。金銭管理は定期金払以外の方法で適切にすることができると認められる。どのような事案に改正法が適用されるかは経過措置により定められており、経過措置をあてはめた結果改正法が適用される事案と適用されない事案で損害賠償の額に差が出ることは予め想定されているものといえ、憲法14条に反するとはいえない。
 以上によれば、平均余命を前提とした一時金払をすることが損害の公平な分担という理念に照らし、明らかに妥当ではないとはいえないので、定期金の方法が相当とはいえない。


     (中略)

第4 結論
 よって、原告の請求は、主文1項の限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからいずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。
 主文3項についての仮執行宣言は、相当でないから付さないこととする。
さいたま地方裁判所第5民事部 裁判官 小松美穂子
以上:4,909文字
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R 8- 1- 8(木):内縁関係不当破棄慰謝料請求欠席判決で慰謝料100万円を認めた地裁判決紹介
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○被告女性との内縁関係を主張する原告男性が、被告がCと不貞行為に及んだこと等により精神的苦痛を被ったとして、被告に対して不法行為に基づき慰謝料500万円と弁護士費用を請求しました。

○被告女性と原告男性は、平成28年から内縁関係となり、娘ももうけたのですが、令和2年からCと名乗る男性と交際し、令和3年7月にCと結婚すると述べて5年間の内縁関係を解消して別居しました。原告は、長年事実上の夫婦として生活してきた者からの裏切り行為にショックを受け、うつ病となり、自殺を考えるようになり、勤務先を休職せざるを得ないまでになりました。

○そこで被告女性に対し500万円の慰謝料請求訴訟を提起すると、被告女性は裁判所に出頭せず、擬制自白となったのですが、慰謝料500万円の請求に対し、100万円の支払を認めた令和6年12月25日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○擬制自白としても慰謝料金額の決定は裁判官の裁量によります。その根拠は、民訴法248条「損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。」との規定によります。精神的苦痛の評価である慰謝料金額は、性質上その額を立証することは極めて困難です。

○判決は、同居期間の長さ、原告と被告との間に現在6歳になる子がいること、被告の不貞行為の態様等を考慮すると、同精神的苦痛に対する慰謝料としては100万円が相当としました。原告としては納得できない判決と思われますが、このような事案の精神底苦痛は人によって相当異なり、判断は極めて難しいためで慰謝料は認めないとの制度もあり、やむを得ない判断と思います。

*********************************************

主   文
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和6年9月9日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和6年9月9日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 当事者の主張等
1 請求原因

(1)原告と被告は、平成28年頃、法律婚をしようと被告の両親に挨拶に行ったが、結婚を反対されたことから、駆け落ちの形で同居を開始した。
 原告と被告の生活は、双方が就労しながら家計を支え、家事を分担して行っていた。また、原告と被告との間には、今年6歳になる娘がいる。
 このように、原告と被告は、双方婚姻の意思がある中で同居生活を開始し、その後、収入面でも家事の面でも約5年間の間同居生活を送っていたもので、内縁関係にあったといえる。

(2)被告は、令和2年からCと名乗る男性と交際するようになり、複数回にわたって不貞行為に及び、その後、被告は、令和3年7月29日、原告に対し、Cと結婚すると述べて、原被告間の娘を連れて自宅を出て行った。

(3)このように、被告がCという男性と不貞行為に及んで自宅を出、別居状態となって一方的に原告との内縁関係を破棄したことで、原告は、甚大な精神的苦痛を被った。原告は、長年事実上の夫婦として生活してきた者からの裏切り行為にショックを受け、うつ病となり、自殺を考えるようになり、勤務先を休職せざるを得ないまでになった。
 また、被告とCという男性は、令和3年8月13日に原告宅を訪問して、玄関の扉をガンガンと叩いたことから、原告が警察に通報したことがあった。
 さらに、被告は、原告に自宅の鍵を返還せず、原告は自宅鍵を交換せざるを得ない事態となり、その費用の負担を余儀なくされた。
 以上のとおり、原告が受けた精神的苦痛は甚大であり、これを金銭に換算すれば、500万円を下らない。

(4)また、原告は、被告のかかる不法行為により、原告は、訴訟代理人に本件訴訟提起及び追行を委任することを余儀なくされた。同不法行為と相当因果関係のある弁護士費用としては、50万円が相当である。

(5)よって、原告は、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、550万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和6年9月9日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2 被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しない。

第3 当裁判所の判断
1 上記のとおり、被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因(1)及び(2)の各事実を争うことを明らかにしないものと認め、これを自白したものとみなす。

2 以上の被告の行為は、原告と被告との間で形成された内縁関係を不当に破棄するもので、原告に対する不法行為に当たる。そこで、上記請求原因(1)及び(2)の事実を前提として、原告の受けた精神的苦痛について判断するに、その同居期間の長さ、原告と被告との間に現在6歳になる子がいること、被告の不貞行為の態様等を考慮すると、同精神的苦痛に対する慰謝料としては100万円が相当である。

 また,原告は、被告に対する権利行使を行うために、原告訴訟代理人弁護士に訴訟提起及び追行を委任することを余儀なくされたところ、被告の同不法行為との間に相当因果関係のある弁護士費用は、10万円が相当である。 

第4 結論
 以上のとおり、原告の請求は、主文第1項掲記の限度で理由があるからこれを認容することとし、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第4部 裁判官 西村康一郎

以上:2,401文字
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R 8- 1- 7(水):”なぜ「運動は万能」と言われる? 物理的刺激が健康にいい理由”紹介
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以上:21文字
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R 8- 1- 6(火):非弁提携業者から提携弁護士への委託料請求を棄却した高裁判決紹介
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○「非弁提携業者から提携弁護士への委託料請求を棄却した地裁判決紹介」の続きで、その控訴審令和6年4月24日東京高裁判(判タ1537号100頁)全文を紹介します。

○控訴人(原審原告)らが、弁護士である被控訴人(原審被告)に対し、業務委託契約に基づく委託報酬として約3192万円と遅延損害金の支払を求め、原審が控訴人らの各請求をいずれも棄却しました。そこで、控訴人らがそれぞれ控訴をし、当審において各請求を約2645万円に減縮しました。

○控訴審判決も、控訴人らは、相談希望者の顧客情報等を被控訴人に有償で提供し、これによって初めて被控訴人は債務整理案件の受任が可能となっていたという関係が認められ、これらの行為は、弁護士法72条後段が禁止する周旋に当たり、弁護士法72条後段が、弁護士と顧客との間に介在して不当な利益をあげ、国民の法律生活の円滑な営みを妨げるとともに弁護士の品位を害することとなる周旋行為を公益の見地から排除する趣旨に出たものなので、このような違法な周旋を前提とする本件業務委託契約は、公序良俗に違反し、民法90条により無効ととして、本件各控訴をいずれも棄却しました。

○被控訴人(弁護士)は,控訴人X1から,多数の相談希望者の個人情報等の継続的な提供を受けて多数の債務整理案件を継続的に受任し、平成29年12月頃にはこれらの収益から控訴人X1社に対する借受金を全額返済し,また,令和2年1月には事務所を拡大するなど,控訴人らと協力して本件事業を行ったと認定されていますが、非弁提携を理由に懲戒されたかどうかは不明です。

*********************************************

主   文
1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人らに対し,それぞれ2645万8111円及びこれに対する令和3年1月14日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要(以下,略称は,別途定めるほかは,原判決の例による。)
1 本件は,控訴人(原審原告)らが,弁護士である被控訴人(原審被告)に対し,業務委託契約に基づく委託報酬としてそれぞれ3192万3093円及びこれに対する訴状送達日の翌日である令和3年1月14日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
 原審は,控訴人らの各請求をいずれも棄却したところ,これを不服とする控訴人らがそれぞれ控訴をした。
 控訴人らは、当審において,控訴の趣旨第2項記載のとおりに各請求を減縮した。

2 前提事実及び争点は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」の第2の1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。 
(1)原判決4頁14行目から15行目までを「被控訴人と控訴人らは,令和2年8月21日,本件業務委託契約を合意解除した(甲18,乙18,19の1及び2)。」と改める。
(2)原判決4頁16行目から24行目までを次のとおり改める。
 「2 争点
(1)本件業務委託契約の効力(弁護士法72条前段又は後段該当性及び公序良俗違反の成否)(争点1)
(2)未払委託報酬の存否及び額(争点2)」

第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も,控訴人らの各請求をいずれも棄却すべきものと判断する。その理由は,以下のとおりである。

2 認定事実
 前記前提事実,争いのない事実,後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(1)被控訴人は,平成21年12月に登録した弁護士であり,独立して被控訴人事務所を開設し,稼働していた。
(顕著な事実,弁論の全趣旨)

(2)被控訴人は,平成28年10月頃,旧知のA(以下「A」という。)から,インターネット広告で債務整理の顧客を集客する事業に協力してほしいと依頼されてこれを承諾し,平成29年5月22日,Aから紹介を受けた控訴人株式会社X1(控訴人X1社)との間で本件業務委託契約を締結した。(甲1,12,弁論の全趣旨)

(3)本件業務委託契約に基づいて行われた事業(以下「本件事業」という。)の枠組みは,次のとおりである(履歴事項全部証明書,争いのない事実,甲1,12,13,18,20,乙18,弁論の全趣旨)。
ア 株式会社B(以下「本件サイト運営者」という。)は,債務整理の依頼者の集客のため,インターネット上に「街角法律相談所」と称するサイト(以下「本件サイト」という。)を開設し,複数の法律事務所の広告を掲載している。本件サイトにアクセスしてきた者は,各広告を比較検討して相談を希望する法律事務所を選択し,氏名や住所,メールアドレス等の連絡先のほか,負債総額や債権者数等を登録することができる。本件サイト運営者は,このようにして各法律事務所の相談希望者の個人情報等(以下「顧客情報等」という。)を取得する。

イ 他方,本件サイト運営者は,控訴人X1社との間で,被控訴人事務所の広告の掲載に係る契約を締結している。控訴人X1社は,同契約及び本件業務委託契約に基づいて,被控訴人事務所の広告を本件サイトに出稿して掲載することができ,また,本件サイト運営者が取得した被控訴人事務所に係る相談希望者の顧客情報等を1件1万5000円で買い取ることができる。
 なお,本件サイト運営者は,控訴人X1社を介さずに被控訴人事務所に上記の顧客情報等を提供することはない。

ウ 控訴人X1社は,本件サイト運営者から買い取った顧客情報等を被控訴人に有償で提供するほか,被控訴人に運転資金800万円を無利息で貸し付け,被控訴人に対し事務所を賃貸し,被控訴人と労働者派遣契約を締結して事務員を派遣する。

 被控訴人は,提供を受けた顧客情報等に基づいて,相談希望者と面談し,事情を聴取するなどし,希望者との間で債務整理に係る委任契約を締結し,派遣された事務員に指示するなどして,破産,個人再生,任意整理等の各種の債務整理手続を進める。

エ 被控訴人は,依頼者から受領した着手金及び成功報酬から,事務所賃料及び人件費(派遣社員派遣料)を控訴人X1社に支払い,一定の経費を控除した残額から30万円(後に40万円に増額)を受領し,その余の額(以下「余剰金」という。)の90%(後に80%に減額)を広告報酬名目で控訴人X1社に支払う。控訴人X1社は,このうちの一部をAに支払う。

オ その後,被控訴人と控訴人X1社は,本件事業を控訴人株式会社X2(控訴人X2社)を含めた3者で協力して行うことを合意し,広告に関する業務は,本件サイト運営者の承諾を得て,控訴人X2社が担当するようになった。

(4)被控訴人は,控訴人X1から,多数の相談希望者の個人情報等の継続的な提供を受けて多数の債務整理案件を継続的に受任するようになり,平成29年12月頃にはこれらの収益から控訴人X1社に対する借受金を全額返済し,また,令和2年1月には事務所を拡大するなど,控訴人らと協力して本件事業を行った。
 しかし,控訴人らと被控訴人は,令和2年8月21日,関係の悪化により本件業務委託契約を合意解除して協力関係を解消した。(争いのない事実,甲12,13,乙18,19の1及び2,弁論の全趣旨)

(5)控訴人らは,令和2年12月,6384万円余りの未払委託手数料があると主張して,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実)

3 争点1(本件業務委託契約の効力)について
(1)弁護士法72条後段は,弁護士又は弁護士法人でない者が,報酬を得る目的で,業として,訴訟事件その他一般の法律事件に関して,鑑定,代理,仲裁,和解その他の法律事務の取扱いを周旋することを禁止し,同法27条は,弁護士がこれらの者から事件の周旋を受けることを禁止するところ,ここにいう「周旋」とは,依頼を受けて,法律事件の当事者と,鑑定,代理,仲裁,和解その他の法律事務を行う弁護士との間に介在し,両者間における委任関係その他の関係成立のための便宜を図り,その成立を容易ならしめる行為をいうものと解される。

(2)これを本件についてみるに,控訴人らは,相談希望者の顧客情報等を被控訴人に有償で提供し,これによって初めて被控訴人は債務整理案件の受任が可能となっていたという関係が認められるのであり,これらの行為は,弁護士法72条後段が禁止する周旋に当たるものと認められる。

 そして,弁護士法72条後段が,弁護士と顧客との間に介在して不当な利益をあげ,国民の法律生活の円滑な営みを妨げるとともに弁護士の品位を害することとなる周旋行為を公益の見地から排除する趣旨に出たものと解されることからすると,かかる違法な周旋を前提とする本件業務委託契約は,公序良俗に違反し,民法90条により無効というべきである。

(3)この点について,控訴人らは,単に広告内容を企画立案し,本件サイト運営者に出稿しただけであるから,控訴人らの行為は禁止される周旋に当たらないと主張する。しかし,控訴人らは,本件サイト運営者と被控訴人事務所との間で広告の出稿と顧客情報等の取得及びその提供を独占的に行うことにより,事件当事者と弁護士との委任関係を成立させているのであって,単に広告を出稿したに止まるものではないから,その主張は採用できない。

 また,被控訴人は,周旋といえるためには,当該行為を行う者において,顧客となり得る者をして弁護士に事件を受任させ得る程度の状態におくことが不可欠であると解すべきであり,控訴人らが広告を出稿したり顧客情報等を提供するだけではこれに当たらないと主張する。しかし,控訴人らの顧客情報等の提供がなければ,被控訴人が相談希望者との委任関係を成立させることはそもそも不可能であるとともに,これにより被控訴人は受任が可能となったと認められるのであるから,同行為が周旋に当たるのは明らかである。被控訴人の上記主張は採用できない。

4 小括
 以上によれば,控訴人らの各請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。

第4 結論
 よって,本件各請求を棄却した原判決は相当であり,控訴人らの各控訴は理由がないから,いずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官梅本圭一郎,裁判官工藤正 裁判官井出弘隆は,転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官梅本圭一郎)
以上:4,261文字
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R 8- 1- 5(月):非弁提携業者から提携弁護士への委託料請求を棄却した地裁判決紹介
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○原告らが、弁護士である被告から事務作業等の委託を受け、受託した事務作業を履行し、その結果、原告らそれぞれに業務委託料が発生したと主張し、上記委託契約に係る業務委託料支払請求権に基づき、被告に対し、それぞれ同委託料として約3192万円の支払を求めました。

○これに対し、原告らが請求原因として主張する本件業務委託契約の内容には、弁護士法27条,72条本文前段によって禁止される非弁提携を目的としたもので、公序良俗違反の事実が現れているということになるから、請求原因は主張自体失当と言わざるを得ないとして、原告の請求を全て棄却した令和4年1月13日東京地裁判決(判タ1537号103頁)関連部分を紹介します。

○原告の請求原因は、本件業務委託契約においては,原告S社が,原告Y社が参加後は原告らが,被告の弁護士名義を借用し,被告事務所に従業員を派遣して,債務整理,自己破産等の依頼者の集客のための広告宣伝,依頼者との連絡,顧客管理,提出書面の作成など法律事務全般の処理等ほとんど全ての業務を行い,被告が,名義貸しの対価として売上から2割を得,原告らが残りの8割を業務委託手数料として受領することとされていたとしており、明白な弁護士法27条の禁止する非弁護士との提携です。

○東京にはこのような事案が多数あると思われますが、名義だけ貸して売上の2割を取得する弁護士の責任も問題になる事案と思われます。

*********************************************

主   文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告らに対し,それぞれ,3192万3093円及びこれに対する令和3年1月14日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,原告らが,弁護士である被告から事務作業等の委託を受け,受託した事務作業を履行し,その結果,原告らそれぞれに3192万3093円の業務委託料が発生したと主張し,上記委託契約に係る業務委託料支払請求権に基づき,被告に対し,それぞれ3192万3093円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和3年1月14日から支払済みまで民法所定年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

1 前提事実
 当裁判所に顕著な事実,当事者間に争いがない事実に加え,後掲証拠によれば,以下の事実が認められる。

     (中略)

2 争点
(1)原告らが請求原因において主張する本件業務委託契約の内容が,弁護士法27条の禁止する非弁護士との提携に該当し,公序良俗に反するものであり,その結果,上記請求原因が,主張自体失当となるか。

(2)原告らが請求原因において主張する本件業務提携契約の内容が,暴利行為に該当し,公序良俗に反するものであり,その結果,上記請求原因が主張自体失当となるか。

(3)原告らが被告に対して本件業務委託契約に基づいて請求し得る業務委託料の金額。

第3 当事者の主張
1 請求原因とこれに関連する原告の主張

(1)請求原因
ア 本件業務委託契約においては,原告S社が,原告Y社が参加後は原告らが,被告の弁護士名義を借用し,被告事務所に従業員を派遣して,債務整理,自己破産等の依頼者の集客のための広告宣伝,依頼者との連絡,顧客管理,提出書面の作成など法律事務全般の処理等ほとんど全ての業務を行い,被告が,名義貸しの対価として売上から2割を得,原告らが残りの8割を業務委託手数料として受領することとされていた。

イ 原告らと被告は,本件業務委託契約の実態が,上記アのようなものであったことから,依頼者との間で契約が成立すれば,着手金等の報酬の支払が分割払であっても,その時点で着手金等の報酬が発生したものとして,これを原告らと被告との間で分配していた。

ウ 原告らは,本件業務委託契約に基づき,上記アの業務を提供し,本件業務委託契約が終了した令和2年6月までの間,多くの依頼者らから契約を取り付けた。ところが,同年7月以降令和5年12月までの間に上記依頼者らから入金されるはずの着手金等の報酬については,原告らと被告との間で精算がされていない。その入金予定額は,別紙「業務委託手数料一覧表」「入金予定額」欄記載のとおりであり,このうち原告らが本件業務委託契約に基づいて得ることのできる業務委託手数料は,別紙「業務委託手数料一覧表」「業務委託手数料」欄記載のとおりである。

エ 原告らが被告から支払を得ることのできる業務委託手数料の分配割合は等分であるから,原告らは被告に対し,別紙「業務委託手数料一覧表」「業務委託手数料」欄記載の業務委託手数料合計5852万9555円の各2分の1の支払を受ける権利を有する。

(2)請求原因に関連する原告らの主張
 本件業務委託契約の内容は,弁護士法27条との関係で非常にグレーと言うほかないものであるが,法律すれすれ,もしくは乗り越えてしまうことを承知で,原告らを利用して,収入を増大させて利益を得ておきながら,金銭の支払の段になると、四の五の言ってこれを拒む被告の行為は甚だ信義に悖るものというほかない。

2 請求原因に対する被告の主張
(1)争点(1)及び争点(2)に関する主張
ア 本件業務委託契約における原告らの業務が原告ら主張のとおりのものであるとすれば,弁護士法27条が禁止する非弁提携そのものであり,本件業務委託契約は,公序良俗に反したものであったということになる。 

イ また,原告らが主張するところによれば,本件業務委託契約における業務委託手数料の算定の基礎には,発生するかどうか未定の依頼者からの成功報酬が含まれることになるが,そのような性質のものを含めて算定した業務委託手数料の支払を強いる内容の契約は,暴利行為として公序良俗に違反するものである。

ウ 結局,原告らが請求原因として主張する本件業務委託契約の内容は,公序良俗に反するものであるから,原告らの主張する請求原因は主張自体失当である。

(2)争点(3)についての主張
 原告らと被告との間で精算の対象となるのは,本件業務委託契約が終了した令和2年6月末までに発生した着手金及び成功報酬であり,これを基に算定した業務委託手数料については,東京法務局に供託済みである。
 原告らが業務委託手数料の算定の基礎とする別紙「業務委託手数料」「入金予定額」欄記載の金額は,発生するかどうか未定の成功報酬にすぎず,業務委託手数料の算定の基礎となるものではない。

第4 当裁判所の判断
1 原告らが請求原因として主張するところからすると,本件業務委託契約の内容は,要するに,原告らが,弁護士又は弁護士法人でないにもかかわらず,報酬を得る目的で,弁護士である被告の名義を借りて,業として法律事務を扱い,個々の依頼者からの着手金や報酬等から名義を貸した被告に対する対価を控除した部分を自身の利益として取得するというものであり,端的に,弁護士法27条,72条本文前段によって禁止される非弁提携を目的としたものであったと言わざるを得ない(原告らの主張する表現を借りれば,弁護士法27条との関係は,グレーとか,すれすれとかいう程度のものではなく,それを乗り越えたものである。)。

 また,弁護士法72条が弁護士又は弁護士法人でない者が法律事務を取扱い又はこれを斡旋することを刑罰をもって禁止している趣旨が,弁護士資格を有せず,何らの規律にも服さない者が他人の法律事件に介入することで当事者や関係人の利益を損ね,法律生活の公正円滑な営みを妨げ,ひいては法律秩序を害する結果となることを防止する点にあり,弁護士法27条の趣旨が,弁護士法72条ないし74条の規定に違反する者の行為を,直接又は間接に助長する弁護士の行為を禁止し,上記各条の違反行為を防止しようとする点にあることからすると,弁護士法27条,72条は,いずれも公益的規定と解され,これに違反する事項を目的とする契約は,公の秩序に反する事項を内容とするもので,民法90条によって無効となると解するのが相当である。

 そうすると,原告らが請求原因として主張する本件業務委託契約の内容には,それ自体に公序良俗違反の事実が現れているということになるから,請求原因は主張自体失当と言わざるを得ない。

2 原告らは,被告が原告らが請求原因として主張する本件業務委託契約の内容が公序良俗に反すると主張することが信義に悖るとの主張をするが,仮に請求原因事実が認められた場合には,原告らも非弁行為によって多額の利益を得ていたことになるのであるから,被告の主張が信義に悖るなどと評価することは相当ではないし,弁護士法27条,72条が維持しようとする法的秩序の公益性の高さに鑑みれば,被告の主張の有無や内容にかかわらず,原告らが請求原因として主張する本件業務委託契約の効力は否定されるべき筋合いのものである。したがって,原告らの主張は失当である。

3 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求にはいずれも理由がない。
 よって,原告らの請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第49部 裁判官 渡邉充昭

別紙 業務委託手数料一覧表
以上:3,797文字
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R 8- 1- 4(日):欧州は「次の戦争」へ向かう1年-”選択”令和7年1月号記事
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○1年前の令和7年1月4日の記事は、三万人のための情報誌「選択」令和7年1月号記事から「西欧民主主義「正念場」の1年-”選択”令和7年1月号記事から」との表題で、「「西欧各国の民主主義諸政党が大きな危機を迎えた」から始まる、極右と極左の「氾濫」が止まらず「西欧民主主義「正念場」の1年」との記事の備忘録」を紹介していました。

○「選択」令和8年1月号の西欧に関する記事は、ロシアの「戦線拡大」が本格化との副題で「欧州は「次の戦争」へ向かう1年」との表題でさらに物騒な記事が掲載されました。4年目となるロシアのウクライナ侵攻が止まらず、周辺の欧州諸国では、ロシアが戦線を別の国に拡大するのではないかとの懸念が高まっており、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が急速に軍事費を増大させているのはロシアとの近未来の交戦を視野に入れているからとのことです。もしNATOとロシアの戦争になれば第三次世界大戦の始まりとなりかねません。

○ロシアは、ウクライナ一国相手でも手を焼いているのにNATOまで相手に出来るのかという疑問もありますが、ネット検索ではロシアは、NATOとの戦闘状態に入る準備中で、米国がロシア側につくことはなく、NATO一員として行動するか、少なくともNATOを支持する立場をとる可能性が高い、中国は経済的利益や国際的立場を考慮し、ロシア側にはつかず、直接的な軍事介入を避ける「戦略的曖昧さ」を維持する可能性が高いと解説されています。いずれにしても、第三次世界大戦なんて御免被ります。

○以下、その記事の概要備忘録です。

・第二次世界大戦後で最大のリスク
令和7年12月19日アメリカルビオ国務長官はロシアとウクライナの戦争終結の早期実現は困難との見方を示す
欧州戦線の行方について詳しい外交官は、もはや避けられないとの前提で欧州は動いている
令和7年9月ポーランドにロシア側から約20機ドローンが侵入、ポーランド・オランダ・イタリア戦闘機スクランブル発進で撃墜
これはポーランド、NATOの出方を見極めるためのロシアの挑発行為に間違いない
ポーランドトゥスク大統領は、状況は過去のどの時点より遙かに危険と述べた
NATOルッテ事務総長は令和7年12月、ロシアが今後5年以内に加盟国を攻撃する可能性があると警告
トゥスク大統領は、集団防衛出発点のNATO憲章4条協議の要請
ロシアの領空侵犯加速すればロシア対NATOの軍事衝突へ一触即発危険性が格段に高まる

・「ハイブリッド戦争」の拡大も
英国防衛安全保障研究所(RUSI)は、通常の軍事行動に情報戦、心理戦、経済制裁、サイバー攻撃等組み合わせたハイブリッド型戦争が激化するとみる
ロシア側も財政状況が厳しさを増し、より費用のかからないハイブリッド戦でのエスカレーションを目指す現実的手段になる
NATOはハイブリッド攻撃に十分な対処ができておらず、ロシア派NATOの対応が整う前にハイブリッド攻撃を加速させる
ハイブリッド攻撃対象は①欧州の防衛産業等へのインフラ攻撃、②選挙における情報戦、③領空海上侵犯などの軍事的威圧
この中で特に懸念されるのはSNS等利用選挙干渉、親ロシア派・極右勢力への情報戦による後押しでNATO・EUの結束力弱める

・広がる米国と欧州の亀裂
トランプ政権はロシアの侵略行為に対し明確に批判せず、ロシアとの戦略的安定との表現でディールを目指し、ウクライナ問題の対応は米側とNATOの違いが浮き彫り
トランプ停戦交渉でのウクライナ東部地方ロシアへの割譲に欧州諸国はウクライナとともに強く反発
ウクライナの安全保障についてもロシア側が応じる気配はない
西側のロシア経済制裁はどこまで機能しているかは疑問、ロシアと中国・イラン・インドなどと連携する動きがあり、NATO加盟国トルコもロシアとの経済関係を維持しているから

「対岸の火事」ではない日本
欧州側はウクライナ戦争は10年間続くと覚悟する必要がある
ロシアによる欧州へのハイブリッド戦争の拡大は日本にとって「対岸の火事」に止まらない
日本は、トランプ大統領の言うなりで米国製高価戦闘機武器の購入だけではない、対応強化が必要
ウクライナ情勢の行方は中国の台湾侵攻シナリオに影響することは必定
英国のEU離脱国民投票にもロシアによるハイブリッド攻撃の影響が指摘されている
以上:1,767文字
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R 8- 1- 3(土):令和8年の目標整理概観等-恥ずかしいので非公開備忘録
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以上:21文字
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R 8- 1- 2(金):2026年01月01日発行第404号”弁護士の禅語”
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○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和8年1月1日発行第404号「弁護士の禅語」をお届けします。

○いつものことですが、大山ニュースレターを読むと私の無教養をシッカリと自覚させられます。今回も「喫茶去(きっさこ)」、「無事是貴人(ぶじこれきにん)」なんて言葉は初めて知りました。「日々是好日」、「一期一会」は言葉としては知っていましたが、その意味は完全には理解していませんでした。そもそも禅語(ぜんご)なんて、禅宗の教えや修行の中で生まれた、簡潔で深い意味を持つ言葉なんだそうですが、全く興味もなく知りませんでした。

○今年も大山ニューすれーで少しは大山先生から教養を分けて頂きますので、大山先生にはご指導の程何卒宜しくお願い申し上げます。ちなみに一期一会は、ウィキペディアでは「一期一会(いちごいちえ)とは、茶道に由来する日本のことわざ・四字熟語。茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する。茶会に限らず、広く「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という含意で用いられ、さらに「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」と言う言葉。」と解説されています。この精神をシッカリ自覚します。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の禅語

茶道に関連する禅語について学んだので、新年早々披露しちゃいます。「喫茶去」なんて禅語、茶室に用いられることが多いようです。「きっさこ」と読みます。「去」は強調を表すので「お茶を飲め」との意味だそうです。禅語の解説書によると「喫茶という日常生活のありようが、実は、佛法そのものであることを表現」「 まことに茶道の茶道たる妙諦を示した有難い一語」なんだそうです。うーん、よく分かりません。私みたいな凡人はこの禅語、「 長居しないで、茶を飲んだら早く去ってくれ」みたいに読めてしまいます。長居する人に向かって京都で言われる「ぶぶ漬でもどうどす?」と同じ意味ではないかと疑ってしまうのです。そういえば喫茶店でも、お茶一杯で長居する客に困っているなんて話を聞きます。

法律事務所でも、話が長くてなかなか終わらないお客様がいます。これからは打合わせ室に、「相談去」と書かれた額を飾ろうかと思ったのです。(おいおい) 「日日是好日」なんて禅語も有名です。生きていれば、辛い日、悲しい日は必ずあります。でもそんな辛い日も人生の中の良い一日なんだということです。とても良い教えだと思うんですが、この禅語の読み方には違和感を覚えます。「ひびこれこうじつ」ではなくて、「にちにちこれこうにち」と読むんだそうです。この読み方でパソコン変換したら、「日日これ抗日」と出てきました。「抗日」を主張する中国や韓国の標語かと思ってしまいます。

そういえば法律の世界でも「遺言」は「ゆいごん」ではなく「いごん」と、違う読み方をします。どちらも専門家仲間内の用語に思えます。「無事是貴人」というのもあります。「ぶじこれきにん」と読みます。「貴族のような偉い人は警備もしっかりしているから、事件に巻き込まれたりせずに無事でいられる」という意味かと思ったら違うんです。「無事」からして一般的な意味とは違います。「外界で何が起こっても、そんなことに自分の心はとらわれる事が無い」ということだそうです。また「貴人」も、貴族みたいな偉い人の意味ではなくて、悟りを開いた人みたいな意味になります。これらの意味は、一般の言葉の使い方と違っています。

法律の世界でもこういうことはあって、「善意・悪意」なんて有名です。普通は「善き意図・悪しき意図」を意味するはずですが、法律では「知っていたかどうか」を意味します。まあ、禅語特有の意味があっても良いのですが、私には司馬遷の史記の中の名言の方がしっくりきます。「千金の子は、坐するに堂に垂せず」という言葉ですが、「大金持ちの子供は自分を大切にすることを知っているから、落ちる危険のある堂の端っこに、だらしなく腰かけたりしない」という意味です。リスク管理の重要性をいうのでしょうが、この方が「無事是貴人」の意味として適切に思えてしまいます。

最後は「一期一会」という禅語です。初めて会う人達で行われる茶席で、出会いを大切にするという意味があります。ヘンリー・フォンダの「12人の怒れる男」で、陪審員として初めて会った人達が協力して裁判をしていく話を思い出しました。これが最初で最後だという気持ちで、出会いを大切にするのは素晴らしいことだと思います。もっとも、客商売をしていると、新しいお客さんを大切にする一方、既存顧客をないがしろにすることがあるそうです。新しい出会いは新鮮なので、そちらに目が行ってしまうのでしょう。しかし、それでは「一期一会」の考えを本当に理解したとはいえません。自分を支え続けてくれている昔からのお客様や、家族や事務所のみんなに日々「一期一会」の気持ちを持ち続けたいと思うのです。

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◇ 弁護士より一言

一昨年から始めた妻の茶道教室は、何も宣伝してないのに生徒さんが増えて、新規入門をお断りしている状態です。この話を妻から聞いて、94歳になる子供の頃からのお茶の恩師はとても喜ぶと共に、「どんな時でも家庭を一番大切に」と仰ったそうです。これぞまさに「一期一会」だと感心する一方、妻から顧問先の増やし方を教えて貰いたいと思ったのでした。

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R 8- 1- 1(木):令和8年元旦-喪中ですがご報告はいつも通りいたします
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○会員限定記事で恐縮ですが「婿養子の義兄と共に気仙沼実家を継いでくれた実姉に感謝の一言」記載の通り、令和7年8月25日、私の10歳上の長姉節子が死去し、令和8年1月1日現在喪に服しており、新年のご挨拶は控えさせて頂きます。服喪中元旦を迎えるのは「令和3年元旦-喪中ですがご報告はいつも通りいたします」記載の通り5年ぶりです。気仙沼の実家で共に過ごした直接の家族のうち4人が鬼籍に入りました。

○喪中の挨拶は以下の通りですが、84歳で亡くなったのに80歳と誤記して喪中葉書を送り、長姉の長男から叱られました(^^;)。これも老化現象でしょうか。長姉は、私とは丁度10歳違いですが、大変情の深い人で、幼児時代から時に母親代わりにもなり私を支えてくれ、両親にも最後まで尽くしてくれました。喪中葉書を受け取った複数の方から、わざわざお悔やみの返事を頂き、中には香典や供物を送ってくれた方も居て、恐縮いたしました。

○令和6年は幸いカゼをひくこともなく、つつがなく過ごせたと思っていましたが、「恒例令和7年忘年会雑感-緑水亭で3回目宴会形式で開催2」記載の通りあわや大惨事になりかねない神の警告を受ける出来事がありました。また12月8日、片手に荷物を持ってはしご階段を下りる時、途中で手が外れて、落下して臀部を強打して、3週間ほど臀部に痛みが続き、ストレッチ・筋トレ運動の支障となる小さな惨事もありました。兎に角、老化が進んでいることを痛切に自覚し慎重行動に徹しなければなりません。

○令和8年は誕生日を迎えるといよいよ後期高齢者です。いつも記載していますが、「頭と身体は動かし続けないと錆びて使い物にならなくなる」との言葉を、シッカリと自覚して、日々、「頭と身体を動かし続ける」努力を継続して行きます。

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喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます。

本年中は、大変お世話になりました。
令和7年8月、長姉小松節子が80才(※84歳の誤記)にて永眠しました。

私事で恐縮ですが、長姉節子は、昭和40年に義兄小松正夫と結婚し、正夫と家督夫婦として、父亀治郎・母なつ子を令和2年に亡くなった夫正夫と共に最後まで面倒をみてくれました。

私が、司法試験受験を目指し、長い受験勉強に専念できたのは、長姉夫婦のお陰でもあり、また、私が1回目の結婚に破れて失意の時に、よく仙台に訪れ私の面倒をみてくれ、さらに、最後まで両親の面倒見てくれたことに心より感謝しています。

我が弁護士業界は大変厳しい状況で、私の事務所も仕事は激減していますが、もう少し、弁護士稼業は継続して行きたいと思っております。

来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

      令和7年11月

 小松・畠山法律事務所

          弁護士  小 松 亀 一
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R 7-12-31(水):令和7年の目標達成状況反省等-恥ずかしいので非公開備忘録
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恐れ入りますが、本ページは、会員限定です。

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R 7-12-30(火):80歳には全く見えない吉永小百合氏の美貌の秘訣は筋トレ?
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○「人生後半から始める「老けない筋トレ」入門のエッセンス紹介」の続きで、筋トレの話しです。令和7年12月7日午後1時から放送の「徹子の部屋」に登場した令和7年3月13日生まれ80歳の吉永小百合氏を見て驚愕しました。80歳の女性と言えば、普通はおばあさんです。しかし、80歳の吉永小百合氏には、全然おばあさん臭がありません。どうみても50代です。その美しさに30分間テレビに釘付でした。

○80歳にもなってどうしてこんな若さを維持しているのか不思議に思い、グーグルAIに「吉永小百合氏は80歳になって何故これほど若さをたもっているのか」と尋ねてみました。その回答は以下の通りです。毎日スクワット60回・腹筋100回、就寝前のストレッチ、週1のジム通い、撮影現場では椅子に座らず立ち続ける等筋トレ継続が若さの秘訣のようです。「老けない筋トレ入門」記載のとおりで、アンチエイジングのため筋トレの重要性を再認識し、私もストレッチと筋トレに励もうとの意欲を強めました。

○吉永小百合氏が週1通っているジムは、吉永氏が来たとき見物人で大騒ぎにならないのか不思議です。おそらく超高級ジムでしょうから超有名人が来ても騒がないようなルールがシッカリあるのでしょう。と思っていたら、これもグーグルAIで確認すると、「吉永小百合さんが週1回通っているのは、意外にも会員制の高級ジムではなく、一般的なスポーツジムであることが知られています。実際にジムで遭遇した人の話によると、彼女が黙々とトレーニング(スクワット60回など)に励む姿に圧倒され、利用者側が「そっとしておこう」という雰囲気になると言われています。」とのことでこれも驚きでした。ホントかよと言う感もしますが。

グーグルAI回答「吉永小百合氏は80歳になって何故これほど若さをたもっているのか」

吉永小百合氏(2025年に80歳)が若々しさを保っている背景には、長年継続しているストイックな運動習慣と、常に新しいことに挑戦する精神の若さがあります。

1. 徹底した運動習慣
「健康の秘訣は体をよく動かすこと」として、2025年現在も以下の習慣を継続しています。
筋力トレーニング: 毎日自宅でスクワット60回、腹筋100回を行っています。
水泳: 約40年のキャリアがあり、現在も週1回のジム通いやバタフライをこなすほどの体力を維持しています。
現場での意識: 撮影現場では椅子に座らず、常に背筋を伸ばして直立している姿が目撃されています。

2. スキンケアと健康管理
保湿の重視: 「乾かないことが何より大切」とし、日々の保湿習慣を心に潤いをもたらすものとして大切にしています。
体調維持: これまで風邪をほとんどひかないほどの自己管理を徹底しており、撮影で忙しい日でも就寝前のストレッチを欠かしません。

3. 精神的な向上心と挑戦
生涯現役の姿勢: 2025年10月公開の『てっぺんの向こうにあなたがいる』で124本目の映画出演を果たしており、「この年齢でも成長できる」という向上心を持ち続けています。
新たな挑戦: 80歳にして役作りのために人生で初めてピアスの穴を開けるなど、現状に安住しない姿勢が若さの源泉となっています。
2025年12月には30年ぶりの写真集を発売するなど、その美しさとバイタリティは今なお多くのファンを驚かせ続けています。。


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吉永小百合 特番で見せた80歳とは思えぬ美しさ!「逆に怖い」視聴者仰天、美貌の秘訣は“超タフな秘密特訓”
SmartFLASH9/29(月) 19:32配信


9月28日、特別番組『池上彰×吉永小百合 昭和100年』(テレビ東京系)が放送。番組にゲスト出演した吉永小百合の近影が公開され、話題となっている。

「同番組は、昭和100年となる今年を記念して、“昭和を知って未来へ繋げる”をコンセプトにオンエア。この100年間で日本が歩んできた成功と失敗の軌跡を振り返る特別番組となっており、3月には女優の土屋太鳳さんを迎えて放送しており、今回は第2弾として放送されました。芸歴60年を超える吉永さんですが、今回テレビ東京に出演するのは初となったのです」(テレビ局関係者)

 吉永は、昭和元年から今年まで100年の歩みを振り返りながら、昭和の大スターとしての自身の経験をふまえ、独自の目線を交えて振り返っていた。

 放送が進む中、番組の内容以上に注目されたのは吉永の美貌だった。視聴者は、スタジオに美しい姿で登場した彼女に唖然としたいた。

《吉永小百合さん、80...???》

《見た目が...60代ぐらいにしか見えない...逆に怖い》

《吉永小百合さんの若さ綺麗さにただびっくりしてる、、》

 3月で80歳を迎えた吉永。年齢とは裏腹に、ツヤのある肌や、ハツラツとした印象に恐怖すら覚えるほど驚きの声が寄せられていた。

「番組に出演した吉永さんは、黒の半袖ワンピース姿で、胸元にはパールのネックレスを着用。上品さが醸し出されていましたね。池上さんと話す際の言葉遣いや所作も気品があり、思わずうっとりとしてしまうほどです。女優さんの中でも、その佇まいは誰もが憧れる存在でしょう」(前出・テレビ局関係者)

 これまで出演した映画が124本にも登る吉永。そんなハードな女優業の傍ら、美貌を保つ方法について、“超タフな秘密特訓”を明かしていた。

「2023年2月に『めざましテレビ』(フジテレビ系)のインタビューに答えた際には、週1でジムに行きトレーニングを欠かさないことを明かしていました。腹筋は100回も行っているようで、そのタフさに驚きましたね。その前向きな姿勢が、まだまだ現役な女優業にも生きているのでしょう」(芸能ジャーナリスト)

 これからも圧倒的な美貌で、生涯現役を貫いていってくれるに違いない。
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