○保守中道事なかれ現実主義を自認する私は、自民党総裁選について、第1回投票で小泉進次郎氏が1位でも過半数が取れず、林芳正氏が2位に入り、決選投票の結果、林芳正氏が逆転1位となって総理総裁に就任することを願っていました。小泉進次郎氏は44歳と若く総理にはまだ早いと確信していました。畏敬する田中角栄氏ですら、総理総裁就任は54歳で、それでも戦後最年少総理だったからです。
○小泉進次郎氏自身も総裁就任はまだ早いと自覚し、今回の総裁選には出馬しない方向だったところ、林芳正氏では高市早苗氏に勝てないとして、高市氏総裁就任拒否派が、高市氏総裁就任を避けるため人気の高い小泉進次郎氏を高市早苗氏に勝てる候補として小泉氏に出馬を強く要請し、やむなく、小泉進次郎氏が出馬したとの報道もなされていました。今回の総裁選結果を見ると信憑性のある報道を思えてきました。しかし、小泉氏が高市氏に負け、総裁に就任できなかったことは、本人にとっては不幸中の幸いと思います。まだ若いのですから今後の精進を期待します。
○高市早苗氏は、安倍元首相後継を自認して、伝統的な価値観や国家の安全保障を重視するものが多く、特に日本の国益を守るための強い姿勢が特徴的とのことで、教育勅語を絶賛してその復活を主張するなど戦前回帰の姿勢は、到底、支持できず、何としても高市早苗氏の総裁就任だけは阻止して貰いたいと念願していました。しかし、圧倒的自民党員支持で第1回投票で、2位の小泉進次郎氏に大きな差をつけて1位となったのには、仰天し、また、高市氏の様な極端な保守主義者を支持する自民党員が多いのにもガッカリでした。
○平和の党を自認する公明党は、総裁選に入ると高市早苗氏が総裁就任となった場合、連立を離脱する可能性を示唆して牽制していました。実際、高市氏が総裁に就任すると、早速、自民党は政治と金の問題に真摯に取り組んでいないとして連立離脱を宣言しました。しかし、政治と金の問題は岸田前首相時代に発覚して問題提起されていたところ、次の石破首相も解決に至らなかったものを、高市早苗総裁になった途端にこれを問題として連立離脱を宣言するのはスジが通りません。公明党は本音は、高市早苗総裁自身が嫌いで連立離脱をしたところ、政治と金の問題は単なる口実と思われます。高市早苗総裁熱烈支持派は、公明党連立離脱は大歓迎と思われますが、これで高市氏が総理に選ばれるかどうかは不透明になりました。
○この際、自民党は下野して、野党に政権を渡して、民主党政権時代のような大混乱で自民党が見直され、次の次あたりの選挙で、政権に復帰するのも一方法と思います。その間高市総裁には、自民党トップに就任し、トップとして自民党をまとめる難しさを経験・実感し、現実を良く見据えて、その極端な右より姿勢を修正し、少しでも穏健保守派に転向すれば、支持できるようになるかも知れません。
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