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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
     

R 1- 5-20(月):令和元年KSS第7回定期総会開催報告-過去の総会等を振り返る
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○「令和元年KSS第7回定期総会開催報告」の続きで、7回を数えた定期総会に、過去を振り返ります。
正式名称「昭和42年中学卒気仙沼・仙台三陸会」略称「KSS42」発足のきっかけは、
平成25年1月25日開催「20年ぶりに仙台近辺在住気仙沼中学・高校同年会開催」で、24名が参加して開催し、今後も定期的に集まりを持とうと言うことになり、代表者・幹事等が選ばれました。

○以下、その後の会合です。
第1回平成25年10月25日(金)「平成25年10月25日開催KSS42第1回全体懇親会開催報告」50名参加予定で49名が参加。
第2回平成26年5月24日(土)「平成26年KSS第2回定期総会開催報告」33名参加。
      同年10月19日(日)「平成26年秋季KSS42全体懇親会開催報告」33名参加。一番町イタリアンレストラン「デル・カピターノ」
第3回平成27年5月16日(土)「平成27年KSS第3回定期総会開催報告」45名参加。
      同年10月24日(土)「平成27年秋季KSS42全体懇親会-茂庭荘いも煮&BBQ会開催報告」26名参加。
第4回平成28年5月21日(土)頃、第4回定期総会開催するもHP掲載し忘れ
      同年9月4日(日)「気仙沼中学校20回生あれから50年同年会開催報告」サンマリン気仙沼ホテル観洋で150名参加。
第5回平成29年5月21日(日)「平成29年KSS第5回定期総会開催報告」42名参加。
      同年10月?日頃、秋の懇親会開催するもHP掲載し忘れ、気仙沼出身ジャズピアニストの演奏を楽しんだ記憶。
第6回平成30年5月27日(日)「平成30年KSS第6回定期総会開催報告」31名参加。
      同年10月21日(日)「平成30年KSS秋の懇親会報告-初の秋保温泉グランドホテル一泊旅行」18名参加。
   平成31年4月13日(土)「KSS42平成31年特別企画”気仙沼大橋体感バス日帰り旅行会”報告」24名参加(仙台圏等参加者16名)。
第7回令和元年5月18日(土)「令和元年KSS第7回定期総会開催報告」27名参加。
行事掲載し忘れが2件あったのが惜しいところです。やはり、記録を残さないと、何をしたのか殆ど思い出させません。

○「昭和42年中学卒気仙沼・仙台三陸会」略称「KSS42」会員は、昭和26年4月2日から昭和27年4月1日生まれで、平成31年・令和元年は、68歳になる方々で、60歳定年後の嘱託勤務も終わり、悠々自適の方も居れば、私のように自営でまだ細々と事業を続けている人も居ます。

○吉野信雄代表の下、今後も例年5月の定期総会と秋の懇親会は継続して行くつもりです。参加者が増えるか、減り続けるか不明ですが、参加して楽しいと思える会合が継続することを期待しています。これからは行事を開催したら、忘れないように必ず記録を残します。
以下、第7回参加者全員集合写真です。
以上:1,204文字
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R 1- 5-19(日):令和元年KSS第7回定期総会開催報告
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○令和元年5月18日(土)、午後0時30分から銀座ライオン一番町店ビヤフロアーで、KSS42(昭和42年中学卒業気仙沼・仙台三陸会)第7回定期総会が開催されました。7回目ともなると参加者数は相当減るかと思われましたが、28名参加予定で1名急遽欠席で27名の参加でした。

○KSS定期総会参加者は、第1回平成25年10月全体懇親会49名、第2回平成26年定期総会参加者33名、第3回平成27年45名、第4回平成28年34名、第5回平成29年42名、第6回平成30年31名、第7回令和元年27名でした。関東から1名、気仙沼から2名と仙台圏以外から3名の参加を頂き、遠方からのご参加に感謝申し上げます。

○定期総会の案内状を差し上げる都度、今後の案内について、要望・不要のアンケートをとります。このアンケートで、今後の案内要望と答えた方々で、仙台圏に限らず、関東圏6名・気仙沼圏12名を含めた50数名の方に往復葉書で案内状を送付しています。7回目になっても案内状を差し上げた方の半分近くが参加して頂けるのですから、有り難いことです。

○以下、第7回定期総会プログラムです。いつものようにイラストレーター平野秀明氏のデザインです。



以上:504文字
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R 1- 5-18(土):後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率20%を認めた地裁判例紹介2
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○「後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率14%を認めた地裁判例紹介」の続きでです。

○腰椎圧迫骨折等から11級7号脊椎変形障害等併合11級後遺障害を残す37歳男子トラック運転手の後遺障害逸失利益算定につき、運転や荷物の積み下ろしの業務に従事し続けることは困難と考えられ、今後、加齢に伴い、脊柱変形に伴う症状が悪化又は新たに出現する蓋然性もあるとして、就労可能年数の28年間にわたり、実収入の20%で後遺障害逸失利益を認めた平成26年1月29日東京地裁判決(自保ジャーナル・第1917号)関連部分を紹介します。

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主 文
1 被告乙山春子及び同丙川夏子は、原告に対し、連帯して、金1395万5757円及びこれに対する平成22年1月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告乙山春子は、原告に対し、金64万7594円及びこれに対する平成22年1月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告Y保険会社は、原告に対し、金841万6911円及びこれに対する平成25年1月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用は、原告に生じた費用の10分の2、被告乙山春子及び同丙川夏子に生じた費用の20分の1並びに被告Y保険会社に生じた費用の20分の7を原告の負担とし、原告に生じた費用の10分の5並びに被告乙山春子及び同丙川夏子に生じた費用の20分の19を同被告らの負担とし、原告に生じた費用の10分の3及び被告Y保険会社に生じた費用の20分の13を同被告の負担とする。
6 この判決は、第1項ないし第3項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求

1 被告乙山春子(以下「被告乙山」という。)及び同丙川夏子(以下「被告丙川」という。)に対する請求
 被告らは、原告に対し、連帯して、1480万1332円及びこれに対する平成22年1月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告乙山に対する請求
 主文第2項同旨
3 被告Y保険会社(以下「被告Y保険会社」という。)に対する請求被告Y保険会社は、原告に対し、1345万5757円及びこれに対する平成25年1月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
1 事案の要旨

 本件は、被告乙山が運転し、被告丙川が保有する普通乗用自動車(以下「被告車」という。)が道路右側の路外駐車場(以下「本件路外駐車場」という。)に向けて右折進行するに際し、対向車線を直進進行してきた原告が運転する大型自動二輪車(以下「原告二輪」という。)と衝突した交通事故(以下「本件事故」という。)について、原告が、被告乙山に対して民法709条の規定に基づいて、被告丙川に対して自動車損害賠償保障法3条の規定に基づいて、本件事故により原告が被った損害(ただし、被告丙川に対しては物的損害を除く。)の賠償を求めるとともに、原告二輪について自動車保険契約(無保険車傷害保険契約)を締結していた保険会社である被告Y保険会社に対し、同契約に基づいて、本件事故により原告が被った人身損害相当額(物的損害及び弁護士費用相当額を除いたもの。)の保険金の支払を求める事案である。

         (中略)

4 争点に関する当事者の主張

         (中略)

(※原告)
キ 後遺障害逸失利益 725万8354円
(ア) 本件事故時の平成22年1月の原告の月収は20万3000円であるから、これに12を乗じると、243万6000円となる。
(イ) 原告の腰椎圧迫骨折に伴う背部疲労感等は後遺障害別等級表併合11級と認定されていること、原告の後遺障害は、繊維筋痛症による全身痛を含め、肉体労働、事務系の仕事などあらゆる仕事に影響を及ぼすことが明らかであるから、その労働能力喪失率は20%を下らない。
(ウ) 原告は、症状固定時に39歳であり、原告の後遺障害が器質的損傷によるものである以上、労働能力喪失期間は、67歳までの28年間(ライプニッツ係数14.8981)である。

(※被告)
キ 後遺障害逸失利益
 原告が主張する基礎収入額を認めるが、原告の後遺障害の内容からすると、労働能力喪失率は14%、労働能力喪失期間は最大で10年とするのが相当である。

         (中略)

第三 当裁判所の判断

         (中略)

オ 休業損害 260万4233円
 証拠(略)によれば、原告は、本件事故当時、株式会社Kに勤務し、平成22年1月分の給与額が20万3000円であったと認められるから、これを30日で除した1日当たりの額は6766円(ただし、1円未満を切り捨てた後のもの。)となる。
 証拠(略)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、上記会社において、運送トラックの運転手として、運転や荷物の積み下ろしの業務に従事していたと認められ、このような就業内容を前提に、原告の傷害の内容及び程度、その通院状況を併せ考えると、原告が本件事故により負った骨折が軽快し、外傷性頸部腰部症候群に対するリハビリテーション治療が継続されるようになるに至る平成22年9月24日までの237日については100%の、外傷性頸部腰部症候群に対するリハビリテーション治療が継続されたと理解することのできる同月25日から平成24年1月30日までの493日については、36日間の入院期間があること等をも考慮すると、平均して30%に相当する休業損害を認めることが相当である。
 そうすると、原告は、本件事故により、
 6766円×237日+6766円×0.3×493日
 の算定式により、260万4233円(ただし、1円未満を切り捨てた後のもの。)の休業損害を被ったと認めることができる。

カ 傷害慰謝料 220万円
 原告が本件事故により負った傷害の内容及び程度、その治療のための入通院の状況は、前記第二の2(2)のとおりであるから、原告が本件事故により傷害を負ったことに対する慰謝料は、これを220万円とすることが相当である。

キ 後遺障害逸失利益 725万8354円
(ア) 前記第二の2(3)の事実に証拠(略)及び弁論の全趣旨を総合すると、原告は、平成23年9月5日、Dクリニックにおいて、左手舟状骨骨折、左大腿骨骨挫傷、左脛骨骨挫傷、腰椎圧迫骨折の傷病に関し、背部の疲労感、両臀部のしびれ、左手掌の痛みの症状について、同年6月30日をもって症状固定と診断されたが、第1腰椎前方には後方38㍉に対して26㍉という状況の圧潰が生じていると認められ、その圧潰の程度は必ずしも軽度のものとすることはできず、原告に残存する背部の疲労感、両臀部のしびれについては、同症状によるものと認めることができる。

 前記オのとおり、原告は、本件事故当時、株式会社Kにおいて、運送トラックの運転手として、運転や荷物の積み下ろしの業務に従事していたが、上記後遺障害の内容及び程度に照らすと、同業務にそのまま従事し続けることは困難なものと考えられ、また、その余の業務を前提としても、一定の支障が生じることが避けられないものと考えられる。加えて、原告は、症状固定時に既に39歳に至っており、後遺障害を抱える中、新たな就業先を確保することが必ずしも容易とはいえないこと、今後、加齢に伴い、上記脊柱変形に伴う症状が悪化又は新たに出現する蓋然性があることをも考慮すると、原告については、本件事故により負った後遺障害により、今後、就労可能年数の28年間にわたり、後記基礎収入額の20%に相当する程度の収入の減少を生じる蓋然性を認めることができる。

 なお、前記第二の2(3)ア(イ)のとおり、原告は、H病院において、交通事故による繊維筋痛症に関し、全身痛、易疲労の症状について、同月30日をもって症状固定と診断されているが、現段階における医学的知見に照らすと、繊維筋痛症によって説明される、あるいは、同症を説明する原告の自覚症状をもって、未だ本件事故と相当因果関係のある後遺障害と認めることはできない。

(イ) 後遺障害逸失利益を算定するに当たっての基礎収入額が、本件事故当時原告が従事していた株式会社Kから支払われていた20万3000円に12を乗じた243万6000円であることについては、当事者間に争いがないから、原告の後遺障害逸失利益は、243万6000円×0.2×14.8981(28年に対応するライプニッツ係数)の算定式により、725万8354円(ただし、1円未満を四捨五入した後のもの。)となる。

ク 後遺障害慰謝料 420万円
 前記キ(ア)の原告の後遺障害の内容及び程度に照らすと、原告が本件事故により後遺障害を負ったことに対する慰謝料は、これを420万円とするのが相当である。

3 小結
(1) 被告乙山及び被告丙川に対する請求
 前記2(1)のとおり、原告が本件事故により負った人身損害は、①治療費等、通院交通費、入院雑費及び通信費その他が合計260万8097円、②休業損害及び後遺障害逸失利益が合計1219万7534円、③傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料が合計640万円となるところ、前記1の判断にかかわらず、被告乙山及び被告丙川との関係においては、本件事故の態様に加え、過失相殺に当たって考慮すべき事情についても、原告が主張するとおりの事実を認めるべきであるから、本件事故について過失相殺をすることは相当でない。

 一方、前記第二の2(5)のとおり、原告は、労災保険から、①診療費及び薬剤費合計220万9210円、②休業給付303万0664円の支払を受けているから、これを充当した後の金額は、順に①39万8887円、②916万6870円、③640万円となる。また、原告は、自賠責保険金331万円の支払を受けているから、充当後の合計額1596万5757円からこれを控除すると、1265万5757円となる。

 したがって、原告の被告乙山及び被告丙川に対する請求は、1265万5757円に弁護士費用相当額130万円を加えた1395万5757円及びこれに対する本件事故の日である平成22年1月31日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余は理由がない。

(2) 被告乙山に対する請求
 前記2(1)のとおり、原告が本件事故により負った物的損害は58万8722円であるから、これに弁護士費用相当額5万8872円を加えた64万7594円及びこれに対する本件事故の日である平成22年1月31日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める原告の請求は、理由がある。

(3) 被告Y保険会社に対する請求
 前記2(2)のとおり、原告が本件事故により負った人身損害は、①治療費等、通院交通費、入院雑費及び通信費その他が合計262万7897円、②休業損害及び後遺障害逸失利益が合計986万2587円、③傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料が合計640万円となるところ、前記1のとおり、本件事故については、1割の過失相殺をすべきであるから、同過失相殺後の金額は、順に①236万5107円(ただし、1円未満を切り捨てた後のもの。)、②887万6328円(同)、③576万円となる。

 一方、前記第二の2(5)のとおり、原告は、労災保険から、①診療費及び薬剤費合計220万9210円、②休業給付303万0664円の支払を受けているから、これを充当した後の金額は、順に①15万5897円、②584万5664円、③576万円となる。また、原告は、自賠責保険金331万円の、さらに、被告Y保険会社から3万4650円の各支払を受けているから、充当後の合計額1176万1561円からこれらを控除すると、残額は841万6911円となる。

 したがって、原告の被告Y保険会社に対する請求は、841万6911円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成25年1月17日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余は理由がない。

第四 結論
 以上のとおりであるから、主文のとおり判決する。(口頭弁論終結日 平成25年12月25日)
 東京地方裁判所民事第27部 裁判官 松本 真
以上:5,073文字
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R 1- 5-17(金):2019年05月16日発行第245号”レンタル弁護士”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和元年5月16日発行第245号「レンタル弁護士」をお届けします。

○結婚式の参加者用レンタル友達が居るというのは聞いたことがあります。随分昔ですが、ある会社の社長さんが、私の事務所に相談に来て、大したことのない相談をした後に、いきなり、今度、息子の結婚式があるので、是非ご招待したいと言われました。初対面での結婚式招待なので面食らいましたが、その社長さんの紹介者が大事な友人だったので、招待を受けて結婚式に参加すると、座席表に小松法律事務所所長小松亀一弁護士なんて肩書きが記載されていました。○○医院院長なんて記載もありました。

○結婚式では、司会者が、新郎のお父様は、お医者様とか弁護士さんなど交流が幅広い方ですなんて、紹介しており、招待された理由を納得しました。これを機会に顧問弁護士にしてくれるかと期待したら、それっきり連絡がなくなり、正に、結婚式用レンタル弁護士に終わりました(^^;)。

○レンタル彼女・レンタル彼氏なんてあると聞いたことはありましたが、半分ジョークだろうくらいに思っていたら、実際、レンタル彼女・彼氏を立派な事業にしているところがあるのですね。グーグル検索すると、立派なHPが何件か出てきます。性的サービスは厳禁で食事や映画鑑賞等を付き合ってくれるだけだそうです。東京出張で一人食事をするのが寂しいと感じたときに利用してみようかなんて思いましたが、結構、料金が高そうで、やめときます(^^)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

レンタル弁護士


若い人の「自動車離れ」が進んでいるそうです。免許を持っていない人も沢山います。うちの事務所には6名の弁護士がいますが、自動車を所有している人は一人もいません。必要なら、レンタルすればいいんだそうです。確かに合理的な考えかもしれません。

自動車だけではなく、最近はいろいろなものが「レンタル」されているそうですが、さらに進んで「人間」もレンタルされているんですね。レンタルの友達がいるという話を聞きました。お金を払えば、一定の時間だけ、「友達」になってくれるそうです。たとえば、結婚式などに呼ぶ友達がいない人などに、重宝されているみたいです。わ、私も友達いないから、そのうち頼んでみようかと思います。ううう。。。

友達どころか、「家族」のレンタルもあるそうです。母子家庭で、クリスマスなどのイベントのときには、「父親」をレンタルして、子供と3人で食事をしているという人の話をネットで読みました。ここまで進んでいますと、「レンタル彼女」なんて当たり前みたいです。モテない男性が、レンタルした彼女にお金を貢いでいるなんて話を聞くと、身につまされます。

もっとも、世の中にはモテる男性の方が、レンタルの彼女を持っているなんて事例もあるんですね。アメリカの大金持ちに、こんな話がありました。若い美女が、「どうしたらお金持ちと結婚できますか?」と質問します。彼女によると、お金持ちの妻達の多くが、特に可愛くもない平均的な容姿なのが不思議で、それなら美人の自分はよりお金持ちと結婚できるはずだというわけです。この質問に対して、大金持ちはこんな風に回答します。

あなたがやろうと思っていることは「美」と「お金」の交換です。しかし、金持ちの収入は年と共に増える一方、美貌の方は年と共に急速に衰えていきます。つまり、経済的な観点から言うと、私は価値上昇する資産ですが、あなたは価値低落する資産だということです。あなたとデートすることは、あなたを短期的に保有することです。一方結婚は、あなたを長期的に保有することです。賢い選択をするなら、急激に価値が値下がりするものは、レンタルするくらいで十分です。「な、なるほど!」と、自分には関係ないことにもかかわらず、思わず納得してしまいました。

しかし考えてみますと、これは美女だけに当てはまる話じゃないですね。経営学の神様、ピーター・ドラッカー大先生が、弁護士などの専門職の雇用について書いていたことを思い出しました。専門職は、特別の技能を持っている人ですから、雇うには高額の報酬が必要になります。そんな専門職に対して、長期の雇用契約を締結すると問題が生じるというのがドラッカー先生の見解でした。「専門職は、常に必要というわけではないので、必要なときだけ頼めばよい」ということと、「専門職の知識は古びてしまい易いので、常に最新の知識を持つ人に依頼した方が良い」ということから考えると、専門職にはレンタルが適しているんです。

弁護士という専門職について、自分のことを棚に上げて言いますと、これってかなり正しいです。実際問題として、法律の改正など全くフォローしていないで、昔ながらの知識でやっている年配の弁護士など沢山います。そういう弁護士を、会社が顧問契約を結んで「長期保有」しているケースは、本当に多いんです。あんまりこんなこと言うと、うちの事務所の顧問契約も切られそうだから、この辺で止めときます。でも、うちの事務所はレンタルでなく、長期保有してもらえる価値のある弁護士を目指したいと思うのです。

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◇ 弁護士より一言

私は全く興味がありませんが、うちの若手弁護士は、高級時計が大好きです。先日Y弁護士が時計を買い、「前の時計は、水深千メートルまでしか耐えられませんが、今度のは三千九百メートルまで大丈夫です!」なんて教えてくれました。あ、アホか!
普段事務所では高級時計を付けていないようなので、「高級時計のレンタルがあるよ。」と教えてあげました。すると「いえ。毎日寝るときに付けて、幸せな気持ちになっています!」わ、若手のエース弁護士がこんなこと良いのかと、心配になったのでした。。。
以上:2,468文字
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R 1- 5-16(木):良性発作性頭位めまい症3回目発症-またしてもストレッチ中発症2
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○「良性発作性頭位めまい症3回目発症-またしてもストレッチ中発症」の続きです。
私の「良性発作性頭位めまい症」の発症は、平成25年12月第1回目で、3年4ヶ月後の平成29年3月に2回目、その2年後2ヶ月後の令和元年5月に3回目となりましたが、1,2回目はいずれも将監耳鼻科でめまい止め薬の点滴を受け、めまい止め改善薬として処方された「ベタヒスチンメチル酸塩錠」6mgと聴力低下改善薬として「トフィソパム錠」50㎎を1日三食後3回服用すると1,2日くらいで症状は殆ど収まりました。

○今回、令和元年5月14日早朝発症の良性発作性頭位めまい症も、同日午前中に将監耳鼻科での診察・治療を受けたのでその日のうちに収束するすることを期待しました。しかし、5月14日午後1時30分頃から午後7時頃までビッシリ詰まっていた数件の打合せや裁判所での弁論準備等のときは殆ど症状はなかったのですが、夕食を終えて、午後9時30分頃就寝するまでの間、頭のちょっとした動きでふらつきが生じる状況でした。

○翌5月15日、早朝のストレッチと筋トレは予定通り行いましたが、ストレッチでヨガマットに横たわると、頭のちょっとした動きでふらつきが生じる状況は変わらず、無理はできないと判断し、ストレッチ運動はいつも半分で切り上げました。筋トレは、胸の鍛錬の日でベンチプレスから始まりましたが、ベンチに横たわると僅かのめまいとふらつきを感じました。前回までは、25㎏10回、45㎏10回、55㎏10回のウオーミングアップで、本番として80㎏8回3セット行っていたのですが、限界重量は危険と判断し、65㎏で10~20回3セットに留め、その後のダンベルプレス等もいつもの重さの6割程度に下げて行いました。

○5月15日は午前9時に業務を開始し、午前・午後と打合せや新件相談等が続きましたが、回数は少ないですが、頭のちょっとした動きでふらつきが生じる状況は変わらず、良性発作性頭位めまい症は完全には収束していないと感じました。午後6時には帰宅してアルコール無しの夕食を終え、午後7時には自宅マンションの定期総会参加を予定していたのですが、夕食を終えると何もする気がしなくなり、定期総会参加を取りやめました。

○15日午後9時30分には就寝し、16日午前4時に起床すると、頭が少々モヤモヤして僅かにふらつきを感じる状況で、まだ良性発作性頭位めまい症の完全収束には至っていないと自覚せざるを得ない状況です。16日は発症3日目で、前回、前々回は発症3日目経過の頃には、完全収束した様に記憶しています。3回目の今回はどうなるか、早朝のストレッチ・筋トレは少し軽めに行って様子を見ます。
以上:1,106文字
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R 1- 5-15(水):良性発作性頭位めまい症3回目発症-またしてもストレッチ中発症
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○平成29年3月22日付「嗚呼!良性発作性頭位めまい症再発か-ストレッチ中のめまい発生」に、早朝ストレッチ運動の一つで真向法第4体操の補助運動をして起き上がったところ、「強いめまいというかふらつきを感じ、驚いて立ち上がると、立ちくらみをよろめいてしまいました。めまいも立ちくらみも数秒で収まりましたが、頭がボーッとした感じが続きました。」と記載していました。

○私は、日曜日を除いて、早朝午前6時20分までにツルカメフィットネススタジオに入り、40~50分程度真向法中心のストレッチ運動をして、その後20~30分程度筋トレ運動をするのを日課にしています。60代後半に入り、ストレッチ運動は、身体の柔軟度が増して、より楽しいものになっていました。

○令和元年5月14日もいつものように午前6時20分頃からストレッチ運動をしていたのですが、前述平成29年3月22日と全く同じ状況に陥りました。「嗚呼!とうとうお迎えが来たかと観念-凄まじい恐怖の体験」記載の通り、平成25年12月17日の夜中に初めて「良性発作性頭位めまい症」を発症したときは、とうとうお迎えが来たかと勘違いするほど恐怖の体験でした。

○その「良性発作性頭位めまい症」が、平成25年12月第1回目で、3年4ヶ月後の平成29年3月に2回目、その2年後2ヶ月後の令和元年5月に3回目を発症したことになります。3回目ともなると、大分慣れて、第1回目のような狼狽はありませんが、めまい・ふらつき・立ちくらみ等の症状は不快極まりません。

○そこで早速、私の耳の主治医で恩人の将監耳鼻科湯浅涼先生に連絡を取り、朝一番で診察して頂くことになりました。分厚い眼鏡のような検査機器フレンツェル眼鏡をつけて頭位眼振検査・頭位変換眼振検査を受けると、軽い眼振が認められるとのことで、40分程かけてめまい止め薬の点滴を受け、症状が改善に向かいました。合わせて定期の聴力検査を受けると、やや落ちているとのことで、めまい止め改善薬として「ベタヒスチンメチル酸塩錠」6mgと聴力低下改善薬として「トフィソパム錠」50㎎を処方されました。

○検査・点滴等の診察・治療で午前中いっぱいかかりましたが、午後は、殆どめまい等の症状が収まり、午後7時までの打合せは、問題なくこなせました。しかし、夕食後、処方された薬を飲んで一休みすると、ふらつきを感じ、正常な状態には戻っていないことを自覚しました。夕食時ワインを1合ほど飲むのが習慣になっており、その日も飲みましたが、処方されたトフィソパム錠の説明書にはアルコールは控えて下さいと記載されていました。これからは、処方薬を飲んでいる間は、ワインも厳禁とします。

○良性発作性頭位めまい症は「1年で再発率は30%、5年では50%と再発率も比較的高い」、「良性発作性頭位めまい症の場合は、体を動かすことが再発の予防につながる」などの解説もあり、本日も早朝ストレッチ運動と筋トレは、いつも通り実施しますが、身体状況を見極めながら、慎重にやろうとおもっております。
以上:1,250文字
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R 1- 5-14(火):相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき3
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○「相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき2」の続きです。民法第255条の「共有者の一人が、(中略)死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」についての相続財産管理人実務の問題です。

○共有物件について、死亡して相続人がいないときに、その共有持分が、他の共有者に帰属するのは、平成元年11月24日最高裁判決によって、相続人なくして死亡した者の共有持分が他の共有者に帰属する時期は、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了した後、なお当該持分が承継すべき者のないまま残存することが確定し、さらに同法958条の3による特別縁故者への財産分与の制度が設けられた結果、相続人なくして死亡した者の相続財産の国庫帰属の時期が特別縁故者に対する財産分与手続の終了後とされました。

○「相続財産管理人の実務基礎の基礎」記載の通り、
①相続財産管理人が就任すると就任の公告がなされ(民法第958条2項)、
②相続財産管理人は、公告後2ヶ月以内に相続人のあることが明らかにならなかった時は、相続債権者及び受遺者に対し2ヶ月以上の期間を定めて請求の申出をすべき公告をし(民法第957条)、
③その期間に申出がないときは、家庭裁判所が6ヶ月以上の期間を定めて相続人があるならばその期間内に権利を主張すべき旨を公告し(民法第958条)、その期間経過で相続人不存在が確定し(民法第958条の2)、
④③の期間経過後3ヶ月以内に特別縁故者の請求があれば清算後残存する相続財産の全部又は一部を与える(民法第958条の3)
これらの手続が全て終了してようやく、共有財産に対する持分は、他の共有者に帰属します。

○上記の通り、就任公告2ヶ月、相続債権者・受遺者公告2ヶ月以上、相続人捜索公告6ヶ月以上、特別縁故者請求期間3ヶ月の合計13ヶ月以上経過して、全てなしで終わったときに、相続人がいない死亡者の共有持分が他の共有者に移転します。共有物件は不動産だけでなく、動産も同様です。民法第264条により所有権以外の財産権についても、法令に特別の定めがない限り、民法第255条は準用されます。実際は法律上特別の定めがある場合が多く、準用される例はそれほど多くないと解説されています。

○民法第255条の立法趣旨は、所有権と言う本来の強力な権利が、共有になると、共有者の存在で一部制約を受けているだけなので、共有者が放棄や死亡で存在しなくなれば、その共有者の存在しなくなった部分は他の共有者に帰属させるとの、「所有権(共有権)の弾力性」を宣言したものだと解説されています。だとすると、不動産・動産の他の預貯金等債権も、同様に、相続人なくして死亡し、相続債権者・受遺者・特別縁故者等がなく、残った場合は、他の相続人との遺産に属する預貯金の場合、他の相続人に帰属すると考えて宜しいでしょう。但し、この点を明言した解説書は見つかっていません。
以上:1,217文字
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R 1- 5-13(月):後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率14%を認めた地裁判例紹介
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○「後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率20%を認めた地裁判例紹介」の続きで、保険会社が労働能力喪失を否認する後遺障害第11級7号「脊柱に変形を残すもの」について、事故後、実際の減収がない場合でも、就労可能期間を通じて平均して14%の労働能力喪失を認めるべきとした平成22年7月2日名古屋地裁判決(判例時報2094号87頁)の関係部分を紹介します。

○国税調査官(男・症状固定時31歳)の原告は、事故により後遺障害(脊柱の奇形障害11級7号該当)を残しましたが、事故後減収はなく、昇給において不利益が生じていることもありませんでした。しかし、後遺障害による派生的な症状としての腰痛のために仕事の集中力が低下していることを考慮し、税務職の職員の平均年収を基礎に、67歳までの36年間にわたり14パーセントの逸失利益が認められました。

○「後遺障害認定後減収がない場合の逸失利益に関する判例1」でも紹介していましたが、保険会社側は、収入について現実の減収がないとのことで労働能力喪失率は多くて14%で、喪失期間は長くて5年程度であると主張していました。

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主   文
一 被告は、原告に対し、2380万1379円及びこれに対する平成18年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを4分し、その1を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
四 この判決は第一項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求

 被告は、原告に対し、3262万5268円及びこれに対する平成18年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第二 事案の概要
 本件は、原告が被告に対し、被告の過失により生じた交通事故(以下「本件事故」という。)により受傷するなどの損害を被ったとして、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条の運行供用者責任により3262万5268円及びこれに対する本件事故の日である平成18年11月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

一 前提事実(争いのない事実及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)

         (中略)

(※原告主張)
(キ)後遺障害逸失利益 2447万9628円

 原告は、本件事故での受傷については、平成19年12月26日に症状が固定したが、後遺障害等級11級七号の脊柱の奇形障害が後遺障害として残った。
 原告は、国税調査官であるから、逸失利益算定の基礎収入として、税務職の男女計・全年齢の推定平均年収である739万6999円とする(甲15~17)。原告の後遺障害は11級7号であり労働能力喪失率は20%である。原告の症状固定時(平成19年12月26日)の年齢は31歳であり、就労可能年数は36年(ライプニッツ係数は16・547)である。
 したがって、後遺障害逸失利益の額は、739万6999円×20%×16・547=2447万9628円である。

(※被告主張)
(キ)後遺障害逸失利益

 平成19年12月26日に第12胸椎圧迫骨折について症状固定となったことは認めるが、後遺障害逸失利益は争う。原告は、本件事故の約1か月後の平成18年12月9日には就労を再開しており、同時点において就労可能な状態にまで回復していた。また、現時点においても税務署員として勤務しているのであるから、原告の労働能力は将来にわたって制限されていないというべきである。したがって、原告には後遺障害逸失利益は発生しない。仮に、原告の労働能力が制限されるとしても、原告の後遺障害は軽度の脊柱変形であり、可動域制限もほとんど生じていない。すなわち、労働能力に直帰する後遺障害ではない。また、自覚症状も著しい神経症状とはいえず、今後も永続的に症状が残存するとは思われない。したがって、仮に、労働能力が制限されるとしても、喪失率は多くとも14%、喪失期間は5年が相当である。


         (中略)

第三 当裁判所の判断
一 争点(1)(過失相殺)について


         (中略)

(7)後遺障害逸失利益 1713万5739円
ア(証拠省略)によれば次の事実が認められる。
(ア)原告は、本件事故により第12胸椎圧迫骨折の傷害を負い、同傷害については平成19年12月26日に症状が固定したが、後遺障害等級11級7号の脊柱の奇形障害が後遺障害として残った。また、同後遺障害による派生的な症状として、腰の上部も下部も痛く、腰が抜ける感じがするといった症状やたまに両足底がぴりぴりするといった症状がある。

(イ)原告は、国税調査官である。昭和51年7月4日生まれで、平成11年3月にCC大学経済学部経済学科を卒業し、平成11年度国税専門官採用試験に合格し、平成12年4月1日付けで大蔵事務官税務職2級(○○国税局総務部総務課)に採用され、本件事故当時は税務職の2級22号俸(固定給である俸給支給額は月額24万9300円)の給与、平成20年には税務職3級13号俸(俸給支給額27万5000円)、平成21年には税務職3級16号俸(俸給支給額28万0700円)の給与、平成22年には税務職3級19号俸(俸給支給額28万6300円)の給与を得ており、年間給与収入は平成19年(誕生日が来て31歳)が500万3732円、平成20年(同じく32歳)が531万8016円、平成21年(同じく33歳)が593万6316円である。原告は、本件事故後も、毎年3号俸ずつの普通昇給は果たしている。

(ウ)税務職俸給表の適用を受ける職員は平成19年4月1日現在で5万3157人であり、その平均年齢は42・3歳、平均経験年数は21・8年、平均給与月額は44万8303円(俸給が38万5575円、扶養手当が1万3235円、俸給の特別調整額が1万2741円、地域手当等が3万1847円、住居手当が2854円、その他が2051円)である。これは、全俸給表(職員数28万6617人、平均年齢41・4歳、平均経験年数20・2年)の平均給与月額である40万1655円よりも約11・6%高い額である。また、国家公務員の特別給(ボーナス)の年間支給月数は、平成19年が4・50月である。

イ 以上の事実を前提に、後遺障害逸失利益について検討する。
(ア)基礎年収
 原告が大学を卒業し、国税専門官採用試験に合格した国家公務員の税務職の職員であるところ、平成19年の税務職の職員の平均給与月額の4・5月分を特別給と推定してその年間給与額を推計すると、その額は44万8303円×16・5=739万6999円(小数点以下切捨て)となる。この額は、平成18年の賃金センサスの企業規模計・産業計・男性・大卒・全年齢の平均賃金である676万7500円よりも9%余り高い額であるが、前記のとおり税務職の国家公務員が公務員の中で比較的高い給与を得ていることや、原告が33歳にして既に年間給与所得が593万6316円になっていることなどからすれば、原告が、生涯にわたり、平均して上記推計による年収である739万6999円を得る蓋然性は高いというべきである。
 したがって、後遺障害逸失利益を算定する上での基礎年収は原告が主張する739万6999円とするのが相当である。

(イ)就労可能期間
 原告は、症状固定時である平成19年12月26日において31歳であったから、就労可能期間は67歳までの36年と認めるのが相当である。

(ウ)逸失利益の有無及び喪失率
 前記のとおり、原告は、本件事故後においても毎年の普通昇給を果たしている。原告本人は、同僚の中には5号俸、7号俸の昇給をしている者もいる旨の供述をする(原告本人42頁)が、そのような者がどの程度の割合で存在するのかは明らかではなく、普通昇給しかしていないという原告が、特に昇給が遅れている状況にあると認めるには足りない。したがって、現時点においては、特段本件事故による減収がないだけでなく、昇給において特段の不利益が生じているとも認めることはできない。

 しかし、前記認定のとおり、原告は本件事故後、脊柱の奇形障害が残り、派生的な症状として腰痛などが残存していることが認められるところ、(証拠省略)によれば、原告は、腰痛のために仕事の集中力を欠き、能率が落ち、同僚らと比較してかなり長い時間の残業をして業務をこなしていることが認められる。

 そうすると、現時点において特段の減収が認められないといっても、それは原告の努力によるところも多いというべきであるし、現時点では減収はなくても、残業によらなければ業務をこなせないことなどが、将来の昇給や昇格に影響が出る可能性は否定できない。
 そうすると、原告の仕事の能率が落ちる原因が、身体の機能的な障害によるものではなく、腰痛の影響による集中力の低下にとどまることや現時点においては減収が発生していないことを考慮しても、前記の就労可能期間を通じて平均して14%の逸失利益を認めるのが相当である。

 したがって、後遺障害逸失利益の額は、739万6999円×14%×16・547=1713万5739円である。

(8)後遺障害慰謝料 420万円
 11級4号の後遺障害が認められるから、後遺障害慰謝料は420万円が相当である。

(9)損害額合計(弁護士費用を除く)
 以上の(1)ないし(8)の合計は2373万1934円である。

(10)既払金 143万0555円

(11)損害額残額(弁護士費用を除く)
 損害額合計から既払金を控除すると残額は2230万1379円である。

(12)弁護士費用

(11)の額や本件訴訟の経緯等からすれば,弁護士費用分の損害としては150万円を認めるのが相当である。

(13)したがって、損害額残額は2380万1379円となる。

三 以上によれば、原告の請求は2380万1379円及びこれに対する本件事故の日である平成18年11月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度では理由があるから認容することとし、その余の請求は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。(裁判官 寺西和史)

別紙(省略)
別紙 交通事故現場見取図1、2(省略)

以上:4,241文字
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R 1- 5-12(日):後遺障害等級第11級脊柱変形労働能力喪失率20%を認めた地裁判例紹介
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○後遺障害等級第11級7号「脊柱に変形を残すもの」に該当する交通事故被害者の労働能力喪失率についての判例を探しています。加害者側保険会社は後遺傷害「脊柱の変形」については、これに伴う身体の不自由さを主張・立証しない限り、原則として労働能力喪失を認めません。ですから後遺傷害11級の標準労働能力喪失率20%を前提とする示談交渉はまず成立せず、訴訟で解決することになります。

○訴訟になっても、私が探すことができる判例データベースでの「脊柱の変形」についての労働能力喪失率認定は14%が多く、11級標準労働能力喪失率20%を認める裁判例は殆ど見かけません。11級で労働能力喪失率20%を認める判例は、被害者側にとっては貴重な判例ですが、平成28年6月22日神戸地裁判決(交通事故民事裁判例集49巻3号755頁)で、77歳女性被害者の後遺障害(併合11級)逸失利益算定に際し、賃金センサス女性学歴計年齢別平均賃金の60パーセントを基礎に7年間にわたり労働能力を20パーセント喪失するとして、ライプニッツ方式により算定したものがありましたので、関係部分を紹介します。

*******************************************

主   文
1 被告は,原告に対し,737万3824円及びこれに対する平成22年9月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告の,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告に対し,3848万1874円及びこれに対する平成22年9月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,歩行中の亡X1(以下「X1」という。)が被告運転の自動車に衝突され,人身損害が発生したとして,X1の相続人である原告が,被告に対し,自賠法3条又は不法行為に基づく損害賠償として,3848万1874円及びこれに対する交通事故日である平成22年9月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めたという事案である。

         (中略)

第3 争点に対する判断
1 認定した事実


         (中略)

(9) 後遺障害慰謝料 420万0000円
 X1の脊柱の障害については,上記1認定のとおり,X1は,本件事故により第3腰椎圧迫骨折の傷害を負ったこと,腰椎レントゲン写真の所見があることが認められることに加えて,C医師の回答所見(甲8の2)及び書面尋問並びにE作成の意見書(乙17)によれば,X1の第3腰椎の椎体の前方圧迫率は43%ないし44%であり,第3腰椎前右側の中等度の椎体圧迫骨折であり,同所を中心に左凸側彎があったが,脊柱管には異常がなかったことが認められる。

 そうすると,上記1認定の腰椎レントゲン写真の所見上,X1の第3腰椎の前方椎体高は後方椎体高の50%以下に減少しているとはいえず,腰椎レントゲン写真上,その他に「せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し,後彎が生じているもの」といえる所見は認められないから,X1の脊柱の変形は,「せき柱に中程度の変形を残すもの」として,後遺障害等級8級に準ずる後遺障害であることを認めることはできず,「せき柱に変形を残すもの」として,後遺障害等級11級7号相当の後遺障害であると認めるのが相当である。

 そして,X1の両下肢にしびれを伴う痛み,右下肢安静時痛等の症状は,他覚所見が認められないものの,上記1認定の本件事故によるX1の受傷の内容・部位・程度に照らし,両下肢にしびれを伴う痛み,右下肢安静時痛等の自覚症状が残存したことに医学的な矛盾はないから,上記1認定の後遺障害等級認定結果のとおり,「局部に神経症状を残すもの」として,後遺障害等級14級9号相当の後遺障害を認めるのが相当である。したがって,X1の後遺障害は後遺障害等級併合11級相当を認めるのが相当であり,後遺障害慰謝料は420万円を認めるのが相当である。

(10) 後遺障害逸失利益 201万1375円
 上記(9)認定のとおり,X1の後遺障害は後遺障害等級併合11級相当を認めるのが相当であることに加えて,上記1認定のX1の年齢,後遺障害の内容・部位(腰部及び下肢)・程度に照らし,労働能力喪失率は20%を認めるのが相当である。そして,上記(7)認定のとおり,X1の基礎収入は平成22年度女性全学歴70歳以上平均賃金の60%を認めるのが相当であり,X1の労働能力喪失期間は平均余命13.59年の2分の1である約7年(ライプニッツ係数5.786)を認めるのが相当である。したがって,後遺障害逸失利益は201万1375円(289万6900円×0.6×0.2×5.786)を認めるのが相当である。


以上:2,029文字
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R 1- 5-11(土):相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき2
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○相続財産管理人選任申立の必要がある事件を取り扱っており、共有財産に関する民法第255条「共有者の一人が、(略)死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」の規定についての確認が必要となり、最重要判例である平成元年11月24日最高裁判例(判時1332号30頁)全文の復習となりました。

○平成元年11月24日最高裁判例(判時1332号30頁)全文は、「相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき」で紹介済みでした。

○その判決要旨は、共有者の1人が死亡し、共有持分が民法第255条適用で、他の共有者に帰属する時期は、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了し、さらに民法958条の3に基づく特別縁故者に対する財産分与がされないときというものです。

○民法255条は「共有者の一人が……死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」と規定していますが、民法第958条の3で特別縁故者に対する財産分与の制度も設けられています。そのため、共有者の1人が死亡し、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了したときは、その持分は、直ちに同法255条により他の共有者に帰属する(以下「255条優先説」という。)のか、それとも同法958条の3に基づく特別縁故者に対する財産分与の対象となり、右財産分与がされないときに、同法255条により他の共有者に帰属する(以下「958条の3優先説」という。)のかという問題が生していました。

○平成元年11月24日最高裁判例事案は以下の通りです。
・もと亡Aの所有であった土地について、Aの死亡により、同人の妻BとAの兄弟姉妹(代襲相続人を含む。)28名、合計29名の共有となった(Bの持分は登記簿上22680分の15120)
・Bは昭和57年7月28日死亡し、相続人がいなかったため、甲ら(原告・被控訴人・上告人)は、Bの特別縁故者として大阪家裁岸和田支部へ相続財産分与の申立
・同支部は、昭和61年4月28日、本件土地のBの持分の各2分の1を甲らに分与する旨の審判
・甲らは、同年7月22日、大阪法務局佐野出張所登記官乙(被告・控訴人・被上告人)に対し、この審判を原因とする本件土地のBの持分の全部移転登記手続(甲ら各2分の1あて)を申請
・乙は、同年8月5日、不動産登記法49条二号に基づき事件が登記すべきものでないとの理由でこれを却下する旨の決定
・甲らが、大阪法務局長に対する審査請求手続を経て、本件却下処分の取消を求めて提訴


○第一審判決は、958条の3優先説に立ち、甲らの請求を認容して本件却下処分を取り消したのに対し、原判決は、255条優先説に立ち、一審判決を取り消して、甲らの訴求を棄却したので、甲らが、958条の3優先説を採るべきであり、原判決は民法255条及び同法958条の3の解釈適用を誤ったとして上告しました。

○それまでの下級審裁判例も、学説も、255条優先説と958条の3優先説の真っ二つに分かれて対立していましたが、肝心の登記先例は、早くから255条優先説に立っており(昭37.8.22民事甲第2359号法務省民事局長通達)、本件却下処分もこれに従ったものでした。

○本判決の多数意見は、958条の3優先説を採るべきことを明言して、原判決を破棄し、乙の控訴を棄却しました。その理由は、他の共有者と特別縁故者との利益衡量のほか、民法255条の解釈として、同条により相続人なくして死亡した者の共有持分が他の共有者に帰属する時期は、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了した後、なお当該持分が承継すべき者のないまま残存することが確定した時であり、それは相続財産一般が国庫に帰属する時期と時点を同じくするものであるとした上、さらに同法958条の3による特別縁故者への財産分与の制度が設けられた結果、相続人なくして死亡した者の相続財産の国庫帰属の時期が特別縁故者に対する財産分与手続の終了後とされ、同法255条による共有持分の他の共有者への帰属時期も右財産分与手続の終了後とされることとなったとしています。
以上:1,718文字
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R 1- 5-10(金):民事執行法第84条債務者について外形上で判断するとした地裁判決紹介
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○以下の民事執行法84条2項の「債務者」として競売剰余金を交付されるべき者は、登記簿の記載その他記録に現れた権利関係の外形に依拠して行われるべきものであるとした平成29年9月27日東京地裁判決(判時2396号16頁)の理由文を紹介します。
第84条(売却代金の配当等の実施)
 執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて配当を実施しなければならない。
2 債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。


○事案は以下の通りです。
・亡Bの母で連帯保証人Cの成年後見人が連帯保証債務約9300万円を支払後、Bの相続人Dに約4650万円、相続人E及び原告に各約2325万円の求償金返還訴訟を提起したが、事前に亡B不動産について、代位登記でD2分の1,E・原告各4分の1の共有登記をして仮差押決定
・求償金支払請求は、平成26年10月2日請求通り判決、同年同月8日執行文付与
・Eは、同年10月26日東京家裁に亡Bの相続放棄の申述し受理
・同年12月10日、本件建物について債務者をD、E、原告とする競売開始決定・差押登記
・本件建物は約2億1737万円で競落され、剰余金がD約5783万円、E約2906万円、原告約2907万円との売却代金交付計算書を作成し、供託
・Dと原告は供託金還付手続で上記金員を受領
・原告は国に対し、不当利得を理由にE分供託金約2906万円の返還を求めて提訴

  C(Bの母、Bの連帯保証人で求償金債権者)
  |
 亡B(夫)==D(妻)
 ____|___
 |      |
 E     原告


○これに対し平成29年9月27日東京地裁判決は、本件強制競売事件においては、記録上、本件持分部分が執行債務者である訴外Eの責任財産であるとの権利関係の外形が現れていたことが明らかである一方、そのような外形が本件強制競売手続上是正されたなどの事実は認められないことからすると、本件強制競売手続において、民事執行法84条2項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者は、仮差押えの執行当時、本件持分部分の責任主体として執行当事者とされた訴外Eであると判断した上で、同人を被供託者とする供託を有効と認め、原告の請求を棄却しました。

○相続放棄により競売対象建物所有権者ではないEに対する売却代金交付手続について、民事執行法をシッカリ勉強して、執行抗告や執行異議等民事執行法上の不服申立手続で是正を求めるか、供託金還付請求権が原告にあることを確認する供託金還付請求権確認の訴えを提起するなどを方法を検討すべきでした。

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主  文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告に対し,2905万4988円及びこれに対する平成27年10月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
1 事案の要旨

(1)
①原告の父である亡B(以下「B」という。)の債務を連帯保証したC(以下「C」という。)は,Bの法定相続人であるD(以下「D」という。),E(以下「E」という。)及び原告(上記3名を併せて,以下「Eら3名」という。)に対し,保証債務の履行により取得した求償金の支払請求訴訟を提起して仮執行宣言付きの請求認容の判決を得た上で,同判決を債務名義とし,Eら3名の共有名義であった別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)に対する強制競売の申立てをした。

②同申立てにより開始された強制競売手続において,本件建物につき債権及び執行費用の額を上回る価額により売却許可決定がされ,買受人がその代金全額を払い込んだことから剰余金が生じ,執行裁判所は,弁済金及び剰余金の交付の手続(以下「弁済金交付手続」という。)を実施し,上記剰余金相当額については,本件建物の登記名義上の持分の割合に従ってEら3名をそれぞれ被供託者とする供託がされた。

(2) 本件は,原告が,被告(国)に対し,前記(1)②の売却許可決定よりも前にEがBの相続についてした相続放棄の申述が受理され,Bに係る相続によりEら3名の共有名義とされた本件建物は,原告及びDの共有(持分2分の1ずつ)であったことになるから,前記(1)②の剰余金に係る請求権も原告及びDに同様の割合で帰属していたというべきであるなどと主張して,本件建物の売却に係る売買代金支払請求権又は不当利得返還請求権に基づき,Eを被供託者とする供託金相当額2905万4988円及びこれに対する平成27年10月9日(本件競売手続における弁済金の交付の日〔以下「弁済金交付日」という。〕の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は利息金の支払を求める事案である。


         (中略)

第3 争点に対する判断
1 本件強制競売手続において,本件剰余金の交付を受けるべき民事執行法84条2項の債務者

(1) 民事執行法84条2項は,強制競売手続において,競売不動産の売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には,執行裁判所は,売却代金の交付計算書を作成して,債権者に弁済金を交付するとともに,剰余金を「債務者」に交付するものと規定しているところ,ここにいう「債務者」は,当該執行手続における執行債務者又はその一般承継人を指すものというべきである。

(2) また,執行手続は,能率的かつ迅速な権利の実現を図るという目的と性質を有することから,執行機関からは,慎重・公平な権利の判定という判断作用の負担をできる限り取り除き,執行に専念し得るようにすることが要請されているというべきであり,不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分は,債権者の主張,登記簿の記載その他記録に現れた権利関係の外形に依拠して行われるものである(最高裁判所昭和52年(オ)第1155号同57年2月23日第三小法廷判決・民集36巻2号154頁参照)。

 このような執行手続の特質に加えて,民事執行法が,権利がないのに執行が行われ,執行の引当てとなるべきでない財産に対して執行がなされる危険を除去する方法として,請求異議の訴え,第三者異議の訴えという救済手段を用意するほか,手続法規違反の問題につき,執行機関の誤った解釈を是正して執行の実施を軌道に乗せる途として,執行抗告や執行異議といった不服申立ての制度を用意していることに照らすと,執行裁判所においては,上記のような権利関係と実体的権利関係との不適合がこれらの救済手続や,不服申立てにより是正されない場合には,上記のような権利関係の外形のみに基づいて執行手続の適法性を判断すべきものと解され,これらの救済手続等に伴う執行停止の手続等が採られない限りは,そのような権利関係の外形に依拠して執行手続を進行させるべきことが要請されているものというべきである。

(3) 以上の点から,本件強制競売手続における民事執行法84条2項の「債務者」を検討するに,①本件求償金請求訴訟に先立って行われた本件仮差押申立事件においては,本件建物につき本件持分部分をE名義とする所有権移転登記がされた上で,Eを債務者とする仮差押えの執行として,本件持分部分に対する仮差押えの登記がされており(前提事実(2)),②本件強制競売手続も,これを前提として,Eら3名を債務者とする執行正本(本件執行文の付された本件判決正本)に従って,本件仮差押申立事件に係る各仮差押えの本執行への移行として,本件建物についての競売開始決定がされたものであって(前提事実(2),(6)),本件強制競売事件においては,記録上,上記①の所有権移転登記等により本件持分部分が執行債務者であるEの責任財産であるとの権利関係の外形が現れていたことが明らかである。一方,そのような外形が本件強制競売手続上是正され,あるいは,そのような救済手続等に伴う執行停止等の手続等が執られた事実は認められない。
 そうすると,本件強制競売手続において,民事執行法84条2項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者は,上記仮差押えの執行当時,本件持分部分の責任主体として執行当事者とされたEであるというべきである。

(4) これに対し,原告は,①Eが民事執行法84条2項の「債務者」に該当するとすることは,実体法上の所有権者でないEを強制競売手続における債務者とするものであって法的安定性を害すること,②本件執行裁判所がEの本件相続放棄の申述を認識した上で本件強制競売手続がされたこと,③買受人は,本件建物の完全な所有権を取得できるものと考えて買受申出を行い,買受代金を支払ったものと思われることからすると,売却対象は,D及び原告が所有する本件建物の完全な所有権であるというべきであり,その対価である本件剰余金についても,原告に受領権限が存するというべきであることからすれば,本件強制競売手続において,民事執行法84条2項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者は原告であるなどと主張する。

 しかしながら,既に述べたとおり,不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分は,債権者の主張,登記簿の記載その他記録に現れた権利関係の外形に依拠して行われるべきものである。そして,家庭裁判所による相続放棄の申述の受理審判は,形式的な申述があったことの公証行為にとどまり,相続放棄の効力の有無を終局的に確定させるものではないから,執行裁判所においては,執行債務者による相続放棄の申述が受理されたことを認識したとしても,その外形から同申述に係る相続放棄が有効なものであるとの判断をすることはできないものであって,前記(2)において述べた救済手続においてその有効性が確定されない限り,執行手続上,かかる事実を考慮すべきものということはできない。

 そして,本件においては,D及び原告から,Eによる本件相続放棄の申述が有効であることを前提とする第三者異議の訴えが提起されるなどしたとは認められない上,Eがした相続放棄の申述がBの死亡の約1年9か月後,本件仮差押申立事件の決定送達の約4か月後に受理されていることに照らせば,本件執行裁判所が本件相続放棄の申述の事実を認識していた(前提事実(7))としても,本件執行裁判所が,本件強制競売手続においてEによる相続放棄の効力が生じたことを前提として本件強制競売手続を進行させるべきであったということはできないものであって,民事執行法84条2項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者が原告であるとはいえない。原告の上記主張は,民事執行手続を正解しない主張というほかないものであって,採用することはできない。

2 本件供託の有効性
(1) 弁済金等の交付の手続においては,執行裁判所が弁済金の交付の日を定めた上で(民事執行規則59条1項),裁判所書記官が各債権者及び債務者に対し,その日時及び場所を通知し(同条3項),通知された日時・場所において弁済金及び剰余金の交付をすることが予定されていることからすれば,執行裁判所の債務者に対する剰余金の交付義務は取立債務であると解される。そして,弁済金交付手続においては,上記のとおり弁済金交付日につきその日時及び場所が債務者に通知され,債務者が出頭すれば剰余金の支払を受けることができる状態になっていることからすれば,執行裁判所において剰余金の支払の準備ができており,かつ,同剰余金を受領すべき債務者に弁済金交付の日時等が通知されていることをもって,執行裁判所による剰余金交付義務の口頭の提供(民法493条ただし書)がされているものとみることができる。

 そうすると,剰余金を交付されるべき債務者が上記通知を受けたにもかかわらず弁済金交付日に出頭しなかった場合には,同債務者は,剰余金の口頭の提供があったにもかかわらず受領を拒絶したものと解され,執行裁判所は,剰余金交付義務を免れるため,民法494条前段に基づく弁済供託を行うことができるというべきである。

(2) そして,前記1で説示したとおり,本件強制競売手続において,民事執行法84条2項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者は,Eであるというべきところ,前提事実(9)記載のとおり,本件執行裁判所は,平成27年10月8日の弁済金交付日に先立ち,C等の各債権者のほか,Eら3名に対してその日時及び場所を通知し,弁済金交付日に交付計算書を作成して本件剰余金の支払の準備をしていたにもかかわらず,Eら3名はこれに出頭しなかったのであり,Eら3名は,本件強制競売手続において,それぞれが受領権限を有する剰余金に関して,いずれも口頭の提供を受けたにもかかわらず受領を拒絶したとみることができることから,裁判所書記官が平成27年11月6日に,本件剰余金につきEを被供託者としてした本件供託は,民法494条前段の弁済供託として有効であると認められる。

(3) これに対して,原告は,相続放棄をしたEは本件剰余金を受領する実体法上の権限を有しないのであるから,民法494条前段の「債権者」には該当しない旨主張する。
 しかしながら,前記(2)で説示したとおり,強制競売手続において発生した剰余金は,民事執行法84条2項の「債務者」に交付されるべきものであるところ,本件強制競売手続において,同項の「債務者」として本件剰余金を交付されるべき者はEであるというべきである。原告の上記主張もまた,民事執行手続について誤った前提に立つものというほかないものであって,採用することができない。

3 原告の主張について
(1) 原告は,被告に対する本件剰余金に係る請求権の実体法上の根拠として,売買契約に基づく代金支払請求権又は不当利得返還請求権を主張するが,これまで述べたとおり,その前提とする主張自体採用し難いものである。

(2) そもそも,強制競売手続は,国家の強制執行権の担い手たる執行機関が,その強制執行権を発動して債権者,債務者,買受人等に一定の執行処分を行い,それによって債務名義に表示された請求権を実現していく過程であり,それを構成する執行機関又は各関係人の行為が,それ自体として,国家権力の帰属主体とそれに服する私人との間でされる公法上の行為である。

 そして,これらの総体としての強制競売は,効果の帰属する債務者と買受人との関係においては私法上の売買としての性質を有するものの,執行機関である執行裁判所と各関係人との関係においては公法上の処分であると解されるから,本件執行裁判所(ひいては被告)と債務者である原告との間における剰余金に係る請求権を私法上の売買契約に基づく売買代金請求権と解する余地はなく,同請求権を根拠とする原告の請求は失当である。

(3) また,前記2で説示したとおり,本件執行裁判所は,民事執行法上の剰余金交付義務を前提として,本件剰余金に相当する額について,適法に弁済供託たる本件供託を行っているから,本件執行裁判所は,本件供託金ないしその相当額につき,何ら実体法上の利益を得ていないものといえ,被告に利得は存在しない。
 よって,不当利得のその余の要件を検討するまでもなく,原告の不当利得を根拠とする主張は失当である。

(4) なお,仮にEの相続放棄が有効であるとした場合,実体法上は,Eは本件相続に関して初めから相続人とはならなかったものとみなされる(民法939条)から,Eが得た本件剰余金は原告との関係で不当利得となり得るところであり,本件供託に係る供託金還付請求権の帰属が両者間で問題となる余地はある。しかしながら,そのような問題は,原告とEとの間で確定されるべきものであって,本件の結論を何ら左右するものではない。

第4 結論
 以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。
 東京地方裁判所民事第28部 (裁判長裁判官 田中一彦 裁判官 小崎賢司 裁判官 大門真一朗)
以上:6,660文字
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R 1- 5- 9(木):子供の拒否で引渡命令制裁金認めない平成31年4月26日最高裁決定紹介
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○3人の子供を引き取って別居した夫に対し、妻が子供の引き渡し求め、奈良家裁の引渡命令を得て、家裁執行官が夫宅に赴いたが、当時9歳の長男は激しく泣き、妻に引き渡されることを拒否し、長男は、妻が申し立てた人身保護請求の審問でも拒否の意思を明確にし、請求を退けられた妻が、引き渡しまで夫に制裁金を課すよう求めていた事案で、妻の申立を却下した平成31年4月26日最高裁決定全文(裁判例情報)を紹介します。

○最高裁決定は、「本件審判を債務名義とする間接強制決定により,抗告人に対して金銭の支払を命じて心理的に圧迫することによって長男の引渡しを強制することは,過酷な執行として許されないと解される。そうすると,このような決定を求める本件申立ては,権利の濫用に当たるというほかない。」と結論付けています。

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子供が引き渡し拒否、父親へ制裁金認めず、最高裁
2019/05/08 日本経済新聞 朝刊
 

 最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は7日までに、裁判所が子供を母親に引き渡すよう父親に命じたケースで、父親に制裁金を科す「間接強制」を例外的に認めない決定をした。4月26日付。子供が引き渡しを強く拒んでおり、間接強制で父親に心理的圧迫を与えるのは許されないとした。
 争っていたのは、3人の子供がいる両親。父親が子供を連れて実家に転居したため、母親は子供の引き渡しを求める審判を申し立てた。家裁は母親を監護者に指定して父親に引き渡しを命じる決定をし、確定した。
 裁判所の執行官が父親らの元を訪れたが、長男だけ引き渡しを強く拒んだため、執行不能と判断。母親による人身保護請求も、長男が父親の元で暮らす意思を示しているとして退けられた。母親は、父親が引き渡しに応じない場合に制裁金を科す間接強制を申し立て、家裁が1日につき1万円の支払いを認めた。高裁も判断を維持し、父親が最高裁に許可抗告していた。
 第3小法廷は決定で、「子供が引き渡しを拒んでいることは、直ちに間接強制を妨げる理由にはならない」とした上で、長男に悪影響を及ぼさずに引き渡すのは現時点では困難と判断。「間接強制による心理的圧迫で引き渡しを強制することは許されない」とした


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平成30年(許)第13号 間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成31年4月26日 第三小法廷決定


主   文
原決定を破棄し,原々決定を取り消す。
相手方の本件申立てを却下する。
手続の総費用は相手方の負担とする。

理   由
抗告代理人西村英一郎,同山口宣恭の抗告理由について
1 本件は,相手方が,その夫である抗告人に対し,両名の長男の引渡しを命ずる審判を債務名義として,間接強制の申立てをした事案である。

2 記録によれば,本件の経緯は次のとおりである。
(1) 抗告人と相手方は,平成19年6月に婚姻し,平成20年4月に長男を,平成22年10月に二男を,平成25年4月に長女をもうけた(以下,上記の子ら3名を併せて「本件子ら」という。)。

(2) 相手方は,平成27年12月,抗告人に対し,「死にたいいやや。こどもらもすてたい。」という内容のメールを送信した。これを契機に,抗告人は,本件子らを連れて実家に転居し,現在まで相手方と別居している。

(3) 奈良家庭裁判所は,平成29年3月,相手方の申立てに基づき,本件子らの監護者を相手方と指定し,抗告人に対して本件子らの引渡しを命ずる審判(以下「本件審判」という。)をした。本件審判は,同年7月に確定した。

(4) 相手方は,平成29年7月,奈良地方裁判所執行官に対し,本件審判を債務名義として,本件子らの引渡執行の申立てをした。同執行官が,抗告人宅を訪問し,本件子らに対して相手方のもとへ行くよう促したところ,二男及び長女はこれに応じて相手方に引き渡されたが,長男は,相手方に引き渡されることを明確に拒絶して泣きじゃくり,呼吸困難に陥りそうになった。そのため,同執行官は,執行を続けると長男の心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあると判断し,長男の引渡執行を不能として終了させた。

(5) 相手方は,平成29年8月,大阪地方裁判所に対し,抗告人及びその両親(以下「抗告人等」という。)を拘束者とし,長男を被拘束者とする人身保護請求をした。長男は,同年12月,その人身保護請求事件の審問期日において,二男や長女と離れて暮らすのは嫌だが,それでも抗告人等のもとでの生活を続けたい旨の陳述をした。

同裁判所は,長男が十分な判断能力に基づいて抗告人等のもとで生活したいという強固な意思を明確に表示しており,その意思は抗告人等からの影響によるものではなく,長男が自由意思に基づいて抗告人等のもとにとどまっていると認め,抗告人等による長男の監護は人身保護法及び人身保護規則にいう拘束に当たらないとして,相手方の上記請求を棄却する判決をした。この判決は,平成30年2月に確定した。

3 原審は,抗告人に対し,長男を相手方に引き渡すよう命ずるとともに,これを履行しないときは1日につき1万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずる間接強制決定をすべきものとした。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
子の引渡しを命ずる審判は,家庭裁判所が,子の監護に関する処分として,一方の親の監護下にある子を他方の親の監護下に置くことが子の利益にかなうと判断し,当該子を当該他方の親の監護下に移すよう命ずるものであり,これにより子の引渡しを命ぜられた者は,子の年齢及び発達の程度その他の事情を踏まえ,子の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ,合理的に必要と考えられる行為を行って,子の引渡しを実現しなければならないものである。

このことは,子が引き渡されることを望まない場合であっても異ならない。したがって,子の引渡しを命ずる審判がされた場合,当該子が債権者に引き渡されることを拒絶する意思を表明していることは,直ちに当該審判を債務名義とする間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではない。

しかしながら,本件においては,本件審判を債務名義とする引渡執行の際,二男及び長女が相手方に引き渡されたにもかかわらず,長男(当時9歳3箇月)については,引き渡されることを拒絶して呼吸困難に陥りそうになったため,執行を続けるとその心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるとして執行不能とされた。また,人身保護請求事件の審問期日において,長男(当時9歳7箇月)は,相手方に引き渡されることを拒絶する意思を明確に表示し,その人身保護請求は,長男が抗告人等の影響を受けたものではなく自由意思に基づいて抗告人等のもとにとどまっているとして棄却された。

以上の経過からすれば,現時点において,長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる抗告人の行為は,具体的に想定することが困難というべきである。このような事情の下において,本件審判を債務名義とする間接強制決定により,抗告人に対して金銭の支払を命じて心理的に圧迫することによって長男の引渡しを強制することは,過酷な執行として許されないと解される。そうすると,このような決定を求める本件申立ては,権利の濫用に当たるというほかない。

5 以上と異なる原審の判断には,裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,その余の抗告理由につき判断するまでもなく,原決定は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,原々決定を取り消し,相手方の本件申立てを却下すべきである。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。なお,裁判官山崎敏充の補足意見がある。

裁判官山崎敏充の補足意見は,次のとおりである。
私は,法廷意見に賛成するものであり,本件間接強制の申立ては却下すべきものと考えるが,執行手続との関係について若干の意見を付加しておきたい。

間接強制の申立てを受けた執行裁判所は,提出された債務名義に表示された義務についてその履行の有無や履行の可否など実体的な事項を審査することはなく,当該義務の履行があったことや当該義務が履行不能であることなどを理由として申立てを却下することはできないのが原則である。

しかしながら,本件においては,次のような事情が認められる。すなわち,本件審判を債務名義として申し立てられた引渡執行の際,長男が相手方に引き渡されることを頑強に拒絶し身体の不調を示すまでに至ったことから,執行官は,執行を続けると長男の心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあると判断し,引渡執行を不能として終了させた。

次いで,抗告人等を拘束者,長男を被拘束者として申し立てられた人身保護請求につき,裁判所は,長男が十分な判断能力に基づいて抗告人等のもとで生活を続けたいという強固な意思を明確に表示しており,その意思は抗告人等の影響によるものではなく,長男の自由意思であるとし,抗告人等による長男の監護は人身保護法等にいう拘束に当たらないとして請求棄却の判決をした。以上の経過をたどった後,更に間接強制の申立てがされたのが本件である。

以上のような事情に照らすと,本件において,抗告人が,実力により長男をその意思に反して相手方の監護下に移すようなことは長男の心身に有害な影響を及ぼすおそれが大きく,さりとて,長男の意思を変えるための働き掛けをしたとしてもそれが奏功するとは容易に考え難い上,自由な意思により抗告人のもとにとどまりたいと希望する長男に対し,その希望を断念するように強いるとなれば,これまた長男の心身に有害な影響を及ぼすことが懸念される。

そうすると,現時点において,長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するために合理的に必要と考えられる行為を抗告人において具体的に探り当てることは非常に困難であり,このことは,上記の裁判機関等の判断により明白になっているということができる。

それにもかかわらず,抗告人に対し,長男を相手方に引き渡すことを命ずるとともに,これを履行しないときは1日につき1万円の割合による金員の支払を命ずる旨の間接強制決定をすることは,抗告人を窮地に追い込むものであって,過酷な執行として許されないものといわざるを得ない。本件は,間接強制決定が過酷執行として許されないことが,間接強制の申立てに先行する手続における裁判機関等の判断により明白になっているといえる事案であって,このような場合には,執行裁判所は,例外的にそうした事情を考慮して間接強制の申立てを却下すべきであり,このように解したとしても,執行手続の迅速性を害することはないと考える。
(裁判長裁判官 宮崎裕子 裁判官 山崎敏充 裁判官 戸倉三郎 裁判官 林 景一)
以上:4,548文字
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