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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
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H29- 2-21(火):高田知己弁護士著”車いす弁護士奮闘記”紹介-脊髄損傷受傷治療経緯
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○「高田知己弁護士著”車いす弁護士奮闘記”紹介-はじめに」の続きです。
高田知己弁護士著”車いす弁護士奮闘記”紹介-はじめに」では、高田知己弁護士著「車いす弁護士奮闘記」紹介と言いながら、仙台弁護士会所属小高雄悦弁護士の紹介に終始してしまいました(^^;)。

○この小高弁護士の紹介で、「そのときの小高氏の話で一番印象に残ったのは、胸随損傷で下半身不随の患者はいっぱい居るが、大変なのは、大人になって交通事故で下半身不随になった場合で、大きく成長し重くなって動かなくなった下半身を抱えての移動等は相当大変だ」との言葉が印象に残っていますが、この大変な「大人になって交通事故で下半身不随になった場合」が高田弁護士の場合です。

○成人してからの交通事故で、胸随損傷・頚髄損傷で後遺障害等級第1級になった方の損害賠償請求事件を数件取り扱っていますが、小高弁護士のお言葉通り、ホントに大変な状況になります。10代後半で胸髄損傷のため下半身が動かなくなった方は、精神もうつ状態となり、見守る家族の方々が大変ご苦労されており、私との裁判の打ち合わせも大変でした。

○高田弁護士も「あの時の交通事故で死んでも良かったのではないかと考えるほど、すっかり元気と明るさを失ってしまいました。」と記載されています。以下、交通事故での脊髄損傷の厳しさを実感する高田弁護士の記述の備忘録です。
・事故現場の数百メートル手前から事故現場といわれている所までの記憶は今でもない
・ざるから水が流れるように肺から大出血している。
・まず、激痛です。どこが痛いのか分からないが痛いという感じです。とにかく苦しい。
・ベッドに仰向けに寝ていたのですが、起きることはもちろん寝返りさえ打てません。下半身は動かないようにベッドに固定。人間は同じ姿勢で居ると身体が痛くなってきます。
・手術後急性腎不全を発症、腎臓が動かなくなったため、体に水がたまり、顔やあご、手などがむくみ、腫れ上がってきた
・手術のお陰で絶対安静状態を脱して、少しずつ体を動かせるようになりました。
・ベッドを60度か70度の角度に立てて、初めて座位に近い姿勢をとったとき、急に気分が悪くなり、目をつぶっていないにもかかわらず視界が暗くなっていきます。座っただけで気を失いそうになった。
・手術の2ヶ月後初めて車いすに乗ったが、最初はベッドから車いすに乗り移るだけでとても大変
・初めて車いすに乗って動いたときは、とにかく全てが重く感じた。自分の体がとても重い。手を動かせば手の重さを、腕を動かせば腕の重さを、そして身体そのものの重さを感じ、自分で車いすを動かそうとしても重くて進めない。
・数メートル先の洗面所で手を洗うだけの動きで強い疲労感を感じ、ベッドに戻り休むことしか考えられなくなる
・車いすのキャスター上げ練習は、最初に聞いたときはできるはずがなく、最初に聞いたときは冗談と思ったほど難しい練習だった
・キャスター上げができるようになると外出して散歩等ができるようになった
・車いすに乗っていることが恥ずかしいという感覚を克服するために、一人で買うには恥ずかしくて勇気が必要な物を買うことで、自意識過剰を克服した
・リハビリテーション病院での3ヶ月の訓練で毎日、長距離走・バスケットボール等のリハビリで車いすを自由に操ることができるようになり、同じ障害の友人も数多くでき、相当元気を取り戻し、事故から1年と少し経った頃に自宅に戻ることができた
以上:1,421文字
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H29- 2-20(月):高低差のある土地の境界擁壁修繕費用負担に関する判例紹介3
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○「高低差のある土地の境界擁壁修繕費用負担に関する判例紹介2」の続きです。
傾斜地等においては、そのまま何もしないで放置しておくと、土砂の崩落が起こる場合が少なくないところ、一般的な物権的請求権の観念からすれば、このような場合、下方の土地の所有者、占有者は上方の土地の所有者に対しその費用負担において妨害予防請求等をなしうるとも言えます。しかし、その結果は上方の土地の所有者に酷な場合が少なくなく、このような場合、妨害予防等の請求はなしえず、相隣関係の規定を類推し、共同の費用をもって予防の措置を講ずべきであるとした昭和58年3月17日東京高裁判決(判タ497号117頁)全文を紹介します。

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【判旨】
一 防護擁壁設置請求について
1 控訴人が控訴人所有地(一)及び(二)を所有し、その両地上に控訴人居宅を、控訴人所有地(一)上に控訴人工場をそれぞれ建築所有して、右両土地を占有していることは当事者間に争いがない。

2 控訴人は、右両土地の所有権又は占有権を妨害されるおそれがある旨主張するので、これを検討する。
 被控訴人が右両土地に隣接してその北西側上段に位置する被控訴人所有地を所有しているが、同所有地は被控訴人が昭和30年に訴外Aから買受け、以来これをみかん畑として占有耕作してきたこと、被控訴人所有地のうち控訴人所有地(一)及び(二)に隣接する部分は控訴人所有地(一)及び(二)側に向け急傾斜しており、その表層は俗に「まぐそ岩」と呼ばれる極めて風化し易い土層であること及び昭和49年7月7日の夜の豪雨に際し被控訴人所有地の土砂が控訴人所有地内に流入したことは当事者間に争いがない。

 右の事実に、〈証拠〉を総合すると、控訴人所有地(一)及び(二)と被控訴人所有地とはもと一筆の土地で、訴外Aの所有であり、そのうち山裾に当る部分はほぼ平坦で野菜畑となつており、その北西側上段の傾斜面(山側)に当る部分はみかん畑となつていたが、控訴人は昭和26年秋ころ右土地のうち山裾に当る公道沿いの部分を買取り控訴人所有地(一)及び(二)と分筆のうえ所有権移転登記を経由し、昭和28年ころ同土地のうち北西側山裾の傾斜面に接する部分の土を削り取つて整地したうえ、同年12月ころその地上に控訴人居宅を建築し、次いで控訴人所有地(一)上に木造二階建工場(以下、「旧工場」という。)を建築し、次いで昭和45年旧工場を取毀し、同年中にその跡地に現存の控訴人工場を建築し、同工場で印刷業を営んでいること、他方、被控訴人は昭和30年7月Aから前記土地のうち控訴人所有地(一)及び(二)の北西側上段の傾斜面(山側)に当る部分を買い取つて被控訴人所有地として所有するにいたり、以来これをみかん畑として占有耕作していること、被控訴人所有地のうち控訴人所有地(一)及び(二)と隣接する部分は従来から土砂崩落を繰り返えしており、殊に昭和41年秋ころには同地の土砂が控訴人所有地(一)内に崩落し、これにより同所内の被控訴人所有地との境界付近に植栽してあつた檜一本が旧工場の裏に倒れたことがあり、昭和43年には同様に控訴人の旧工場内に土砂が流入し工場内の印刷機械に被害を生じたことがあり、昭和46年5月ころにも同様に控訴人の居宅の床下に土砂が流入し、控訴人方の水道管が切断されるなどの被害があつたことがあつたところ、昭和49年7月7日夜本件事故の際には被控訴人所有地内に地滑りが生じ、被控訴人所有地内の土砂、水など大量が控訴人所有地(一)及び(二)内に崩落流入するなどし、控訴人が多大の財産的損害を蒙つたこと、被控訴人所有地内にはその後も時々小規模の土砂の崩落が生じていること、以上の事実が認められる。

 右の事実によれば、被控訴人所有地内の土砂等が将来大量の降雨の際などには再びかなりの規模による崩落を生じ、これが控訴人所有地(一)及び(二)内に流入する危険があることを推認するに難くなく、これを覆えすに足りる証拠はない。してみれば、控訴人は被控訴人所有地内からの土砂等の崩落により控訴人所有地(一)及び(二)の所有権又は占有権の円満な状態が侵害される危険があるということができる。

 ところで、およそ所有権又は占有権の円満な状態が他から侵害される危険があるに至つたときには、所有権又は占有権を有する者は、その効力として、権利の円満な状態を保全するため、現にこの危険を生ぜしめつつある者に対しその者の費用において危険防止の措置を請求することができ、しかも当該危険が右の者の行為に基づくと否とを問わず、又、その者の故意、過失の有無を論じないものというべきであるが、右の危険が相隣地の関係にある場合に、それが土地崩落を内容とするものであり、しかも隣接土地所有者の人為的作為に基づくものでないときには、前記の請求をなし得ないものと解するのが相当である。

 けだし、相隣地の関係にある場合には、右のような危険は相隣地両地に共通に同時に発生する特性を有するものであり、右予防措置を講ずることは相隣地両地にとつて等しくその必要性があり利益になるものといえるうえ、これを実施するには多大の費用を要することが一般であるから、このような場合において、一方の土地の所有者又は占有者にかかる請求権を認めることは著しく衡平に反するものといわねばならないからである。そして、このような場合には、むしろ土地相隣関係の調整の立場から民法223条、226条、229条、232条の規定を類推し、相隣地所有者が共同の費用をもつて右予防措置を講ずべきである(なお、予防措置のための工事の実施、費用分担などについては、まず相隣地当事者間で協議し、もし協議が調わないときは、一方でこれを施工したうえ、他方にもその分担すべき費用の補償を請求すべきである。


 そこで、本件において前示危険が被控訴人の人為的作為に基づくものであるか否かの点につき審究する。
〈証拠〉によれば、被控訴人は前示のように、昭和30年7月被控訴人所有地を買受けて以来、これを占有、耕作するに至つたものであるが、買受後間もない頃それまで同地上に生立していたみかんの古木約20本を伐り倒し、その跡地及び空地に3年生のみかんの苗木約50本を植栽し、その際深さ約30センチメートル、直径約50センチメートルの植穴を掘り、その間右みかん栽培のため肥料、農薬を搬入しこれを施したこと(被控訴人がその所有地にみかんの木を植栽し、肥料を搬入したことは当事者間に争いがない。)、昭和49年7月7日の本件事故に際しては、降雨は同日午後8月30分ころ強くなつたものであつて、それ以前はそれほど強くはなかつたところ、午後8時ころ被控訴人所有地内の土砂が控訴人所有地(一)内に崩落し始め、午後9時過ころ更に被控訴人所有地内の土砂と水が控訴人所有地(一)及び(二)内に急激に崩落したものであることが認められるので、本件事故の原因は前示七夕豪雨にあるのではなく、したがつて被控訴人の右行為が前示危険の原因であると考えられる余地もあるかのようであるが、他方、〈証拠〉によれば、被控訴人所有地のうち控訴人所有地(一)及び(二)に隣接する部分は傾斜は急であるが、階段状をなし、いわゆる段畑となつていたこと、被控訴人は前示みかんの植栽に際し、他から土砂を搬入したり、機械を用いて他に大穴を掘つたり、必要以上に耕土を掘り起こしたりしたことはなかつたこと、被控訴人所有地内には右みかん畑以外に工作物は一切存在せず、また被控訴人は右みかん植栽には施肥・剪定・採取などに機械力を用いず、すべて手作業で行い、更に前記段畑の法面には野草をもつて表土を保護するように配慮していたこと、前示数度にわたる被控訴人所有地内からの土砂の崩落はいずれも降雨の際であり、殊に前示本件事故の際にはその約1週間以前から降雨が断続的に存した状況にあつたことが認められ、これに前示被控訴人所有地の表層は「まぐそ岩」といわれる極めて風化し易く、風化するともろく崩壊する性質を有するものであること、被控訴人が被控訴人所有の占有耕作及びみかんの植栽に際し、とくにその崩壊を招くような行為をしたことを認めうる証拠がないことを併せ考えると、前認定の被控訴人所有の占有管理の方法など人為的作為が本件事故はもちろん将来における被控訴人所有地からの土砂の崩落の危険の原因となつているものということは困難であり、みしろ右危険は主として被控訴人所有及び控訴人所有地(一)及び(二)の存する位置、地形、土質の状況に降雨の自然条件が加わつて出現するに至るべきものと考えるのが相当である。

 被控訴人は、被控訴人所有地内からの土砂の崩落の危険は、控訴人がした本件事故後の復旧工事施工によつて原状を大きく変形させ新たに作出された旨主張するのであるが、〈証拠〉によれば、控訴人は本件事故後の復旧工事施工を訴外B建設株式会社に依頼し、控訴人居宅及び工場裏から土砂を排出するとともに、同所に再び土砂の流入の生ずることを防ぐための応急措置として、同所に接する被控訴人所有地内の崩落し易い表層土をかなり大量に削り取つたことが認められるが、前掲各証拠によれば、右復旧工事も被控訴人所有地内の一部について施工されたに止まることが認められるから、前示危険は依然として存することが明らかであり、右復旧工事をもつて新な危険を作出したということはできない。

 そうだとすれば、本件において、被控訴人所有地内から控訴人所有地(一)及び(二)に土砂崩落流入の危険が依然として存在するものの、被控訴人所有地と控訴人所有地(一)及び(二)とは相隣地関係にあるところその危険は被控訴人の人為的作為に基づくものということはできない。しかも、被控訴人所有地はみかん畑であり、控訴人所有地(一)及び(二)は宅地であつて被控訴人所有地内からの土砂崩落防止の必要と利益は被控訴人と控訴人とに共通にかつ等しく存するところであり(被控訴人所有地は収益がそれほど多くないとみられるみかん畑であるのに対して、控訴人所有地は公道沿いの宅地であつて、同地上の本件工場で現に印刷業を営む工場用地兼住宅用地であるから、崩壊を予防することの必要と利益は被控訴人の方がはるかに大である。)、更に右危険防止措置としての防護擁壁設置工事を施工するには多大の費用を要すること〈証拠〉によれば、右工事には少くとも900万円程度の費用を要することが認められる。)からしても、控訴人が被控訴人に対しその費用のみをもつて右防止措置を求める請求権を取得することはできないものというべきである。

 以上のとおりであるから、被控訴人に対し本件防護擁壁設置を求める控訴人の請求は理由がない。
(岡垣學 磯部喬 大塚一郎)

以上:4,443文字
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H29- 2-19(日):洋泉社MOOK"ストレッチの科学"紹介
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○「ふりふりストレッチについての説明に衝撃を受ける!」に「・今まで、筋肉を伸ばして柔らかくするストレッチは、運動前に行うことでケガの予防効果があると言われてきたが、最近の研究によってストレッチにはケガ予防に効果がないということが明らかになった
・従来の体を柔らかくするストレッチは、筋肉がゆるむことで、筋力が低下してしまい、ふんばりがきかないせいで転びやすくなってしまう
・ストレッチは柔軟性がアップするものの、筋力低下によってケガ予防の効果は期待できない
」なんて記載していました。

○しかし、私は、毎朝、筋トレ前に、午前7時頃から20分以上かけて真向法を中心とするストレッチ運動を継続しています。やはり、ウオーミングアップは、必要と感じて身体がストレッチを要求するからです。ストレッチの後に筋トレを行いますが、ストレッチをしないでいきなり筋肉に負担をかけるのに抵抗感があります。ストレッチをしたからといって、筋力が低下するとの実感もありません。ですから上記ストレッチで筋肉が緩んで筋力が低下するとの理論にも違和感というか抵抗感がありました。

○先日、たまたま、表題の洋泉社「ストレッチの科学」という書籍を見つけて早速購入しました。上記ストレッチ筋力低下論を検証したいと思ったからです。以下、備忘録です。

・ストレッチとは主に筋肉を伸ばす行為、筋肉は「起始」・「停止」と呼ばれる両端があり、これを遠ざけることで筋肉を伸ばすのがストレッチ
・ストレッチで伸ばされるのは、筋肉のみならず、筋肉を取り囲む筋膜・腱・関節・皮膚・神経・血管等も同時に伸ばしている
・仕事やスポーツの終了後、筋肉は疲労して硬くなる→筋肉内血管・リンパ管を圧迫→血流が悪くなり疲労物質がたまりやすい状態となる→疲労
・ストレッチで筋肉を伸縮することで、筋肉内血管・リンパ管にマッサージ効果→血流の改善・良化→疲労物質の除去
・仕事終了後、そのまま眠るのと、入浴後ストレッチをしてから眠るのでは翌日のコンディションは相当異なる
・ストレッチの効果として骨盤歪み改善-股関節の動きにかかわる筋肉のいずれかが硬くなりバランスが崩れると骨盤が歪むので、ストレッチで筋肉群のバランスをとる








以上:912文字
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H29- 2-18(土):DNA鑑定結果について評価の分かれた地裁・高裁判決の上告審結果について
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○「DNA鑑定採用で父子関係を否定した平成10年5月14日福岡高裁判決紹介」で、「この高裁判決の原審平成9年11月12日大分地裁判決(判タ970号225頁)は、DNA鑑定結果を排し、親子関係不存在確認請求を棄却していました。この判決は、親子関係不存在確認訴訟とDNA鑑定について詳細に論じており、大変、参考になりますので、後日、紹介します。」とし、その翌日から「DNA鑑定無視で父子関係認定した平成9年11月12日福岡高裁判決紹介1」として掲載していました。

○この大分地裁判決についての感想を含めたホームページ投稿フォームからのメールを頂き、表題の誤りに気付きました(^^;)。「平成9年11月12日大分地裁判決」とすべきところを、「平成9年11月12日福岡高裁判決」と誤って記述していました。そこで早速、4つに分けた判決紹介記事の表題を訂正しました。メールされた方には感謝申し上げ、山口裁判官にはお詫び申し上げます。

○このメールされた方からは、「小松弁護士様のお人柄のにじみ出たホームページやコメントも素晴らしいですが(いつも、感心・感銘を受けています。)、いろいろ参考になる判決文の全文を掲載されておられることが、とてもとても重宝で役立っています。」と暖かい励ましを頂き、重ねて心より感謝申し上げます(^^)。

○この方は、平成9年11月12日大分地裁判決について、「とても感銘を受けた判決文でした。山口裁判官の良心と当事者に対する慈愛に満ちたまなざしが感じられる判決文で、こんな裁判官もいらっしゃったのかという素直な驚きがありました。」と感想を述べておられますが、私も山口裁判官の判決文をもう一度読み直しました。感想は、全く同感で、これを破棄した福岡高裁の判決に、正に杓子定規判決と憤りを感じてしまいました。

○福岡高裁判決では、「被控訴人は、離婚、その後の損害賠償請求訴訟という控訴人と春子間の紛争の巻き添えとなり、突然父親と信じていた控訴人から本件訴訟を提起されたのであり、その心情は察するに余りがあり、極めて不幸な事態というべきではある。」とも述べており、この「その心情は察するに余りがあり、極めて不幸な事態」を回避するために山口裁判官の「良心と当事者に対する慈愛に満ちたまなざし」を維持していいじゃないですかと、言いたいところです。

○この福岡高裁判決は、最高裁に上告されて、既に結果は出ているはずですが、その判決文はおそらく裁判所HP等判例集には掲載されていません。上告受理申立は受理されなかったと思われます。高裁判決に変更があった場合は、どこかの判例集に公表されるのが普通だからです。上告受理申立の不受理決定は、
第一 主文
1 本件を上告審として受理しない。
2 申立費用は申立人の負担とする。
第二 理由
 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
で、オシマイです。たとえ数十万字の上告受理申立理由書を書いても、その回答は僅か100文字足らずで終わります。何ら理由も付されないのが普通です。この福岡高裁判決に対する上告受理申立も同じ結論と思われます。
以上:1,297文字
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H29- 2-17(金):2017年02月16日発行第191号”コーデリア弁護士の正直”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年2月16日発行第191号「コーデリア弁護士の正直」をお届けします。

○「絶対に正直なことしか言えない。」なんてまるで私を形容しているみたいですが(^^;)、他人の紛争解決を業務とする弁護士業務の方針としては、「絶対に正直」よりは「ウソも方便」の考え方の方が重要でしょう。「ウソも方便」は、「谷沢永一先生の『知ったかぶり日本史』-上手い嘘が大事」に繋がります。

末弘厳太郞博士の「嘘の効用」なんて大論文もネットに掲載され、「全く嘘をつかずにこの世の中に生き長らえることは、全然不可能なようにこの世の中ができているのです。」と仰って、「われわれお互いにこの世の中に生きてゆきたいと思う者は、これらの嘘をいかに処理すべきか、というきわめて重大なしかもすこぶる困難な問題を解決せねばなりません。」と大真面目に論じており、私も勉強してみます。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

コーデリア弁護士の正直


コーデリアというのは、シェイクスピアの「リア王」の娘です。三人姉妹の末娘ですね。父親のリア王は、それまで治めていた自分の国を、3人の娘たちに譲ろうと考えます。そこで、各娘たちに、父である自分を、いかに愛しているのかを話させます。その内容に応じて、何を与えるのかを決めようというわけです。上の娘たちが、「お父様以外は一切愛せません。」といったおべんちゃらを長々と言い、それを喜んだリア王は、二人に沢山の領土を上げます。

ところが、リア王が一番かわいがっていた、末娘のコーデリアは、姉たちのように嘘はつけないということで、正直な気持ちを話すのです。「お父様のことは心から愛していますが、いずれ結婚したら、夫のことも同じように愛します。」これを聞いて激怒したリア王は、コーデリアに何一つやらずに、放り出してしまいます。その後リア王は、口のうまかった姉二人の下で暮らしますが、すでに権力も財産も娘に渡しています。娘二人にひどい仕打ちを受けて、住んでいた城を追い出され、荒野をさすらいます。それを知ったコーデリアが、愛する父親を助けに行ったが。。という悲劇ですね。長々書いて済みません。

この話について通常は、娘たちの本当の気持ちを見抜けなかった、愚かなリア王の悲劇ということで理解されています。リア王は、正直な気持ちを話したコーデリアの、真心を見ることができなかったんですね。これはまあ、その通りだと思います。

その一方、なんだってコーデリアは、「正直」に話したんだろう、という疑問も禁じ得ないのです。自分をかわいがってくれている父親の気を悪くすることを、正直に話す必要なんてないじゃないですか。

「言葉というのは、現在の真実を述べるものではない。将来を良くするためのものである。」なんてことを、かつて読んだことがあります。コーデリアは、父親に対する自分の言葉で、将来がこんな風になってしまうことを考えていたのだろうか、という疑問です。

どんなに腕が良くても、患者の生きる力を奪うのは「ヤブ医者」だと思います。余命1年だと思っていても、「正直」にそんなこと言われたら、がっかりして半年で死んじゃいそうです。嘘でもいいから、「全然大したことありません!」と言ってもらえたら、元気が出て1年半は生きるかもしれないじゃないですか。

「絶対に正直なことしか言えない。」みたいな人は、弁護士にもいるんです。例えば、示談交渉の場面です。自分の依頼者が、絶対に相手は受けないだろうという要求をしてくることはよくあります。そういう場合、私なんかは、「嘘」にならない範囲で、手加減して相手に伝えます。「正直」に伝えたら、さらに争いが大きくなってしまうからです。ところが、「正直」に全てを相手方に伝える弁護士も、相当数いるのです。弁護士が入らないほうが、紛争が早期に解決したなんて、本当にありうるのです。「正直」に言わないということは、「嘘」をつけということとは違います。コーデリアの場合では、「嘘」をつかずに、ただ泣けばよかったのです。「お父様が大好きです!」と言って。

男性用の、小のトイレを綺麗に使ってもらうには、どんな表示をすれば良いかという、問題があります。正解は、「綺麗に使っていただき有難うございます!」なんです。これで、嘘が本当になるそうです。言葉は、こういう風に使うべきです。一方、最悪なのは、「一歩前に。貴男のはそんなに大きくない!」
真実なだけに、私なら意地でも一歩下がります!

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◇ 弁護士より一言

 中学生の娘は、学校で古典の暗記をしています。「奥の細道」とか「平家物語」とか、いろいろありますよね。娘が頑張って覚えていたので、よせばいいのに、全部言って見せました。「パパ、すごい!」という、娘の声を期待していたのです。
ところが現実には、「パパ、ヤバッ!そんなに沢山暗記していた、パパの青春って何なの?」
コ、コーデリアだって、リア王にこんな酷いことは言わなかったぞと、大いに憤慨したのでした。
以上:2,175文字
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H29- 2-16(木):RU平成29年2月例会映画"五つの銅貨"共同鑑賞会開催報告
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○「RU平成26年3月例会出会いの会報告」以来、3年ぶりにRU(ライジングアップ)の話題です。
平成29年2月15日は、当事務所内ツルカメ第一スタジオでRU平成29年2月例会を開催しました。繰り返し記載していますが、RU(ライジングアップ)は、昭和56年頃設立された異業種交流グループで、私も昭和59年に参加し、以来、33年を経過しました。参加当初33歳の若き弁護士も、前期高齢者になっています。

○このメンバーの一人「鈴屋金物株式会社」社長鈴木誠一氏作成HPの「RUメンバー」に現在の会員がほぼ掲載されていますが、平成29年は3年程前に参加された関根進会員が1巡目会長で、「映画で音楽を楽しむ」との企画で、第1回目が、アメリカの古き良き時代の映画「五つの銅貨」でした。

○ツルカメ第一スタジオは、昼は、小松法律事務所会議室で、最大11名のメンバーで、10台中合7台のディスプレイが同じ映像を映せるようになっており、私がお客様と打ち合わせをしながら、パソコンで打ち込む画面を11名のお客様に同時にお見せして文章作成が可能になっています。11名も集まることは滅多にありませんが、4,5名のお客様に3台程度のディスプレイを見て頂くことはしょっちゅうやっております。

○今回は、PC画面ではなく、テーブル下に密かに配置しているBDプレーヤー映像を7台のディスプレイで同時に映して、6名の参加者で映画「五つの銅貨」を鑑賞しました。関根会長は、筋金入りのジャズファンで小学校時代からジャズ映画を繰り返し鑑賞したきたとのことです。「五つの銅貨」は小学校高学年時代、初めてTV放映された物を鑑賞して大感激し、その後、映画館でも鑑賞したとのことです。

○私は、ジャズは前記鈴木誠一氏主催ビバップスの演奏会で聴く程度で、自ら好んで聴くことはなく、「五つの銅貨」も、今回の鑑賞会のためアマゾンから927円で購入して初めての鑑賞でした。Yahoo!映画情報によると「5つの銅貨 (1959) 」「ジャズ・プレイヤー、レッド・ニコルズの半生を描いた伝記的作品。娘の小児麻痺で一度はジャズを捨てた彼が、再びカムバックするまでを感動的に描く」と解説されていますが、父と娘の愛憎を巡ってホロリとさせられる場面が多く登場します。

○ジャズを殆ど知らない私でも知っている有名なルイ・アームストロングが実物で、名前だけは知っているグレン・ミラーが他の役者で出てきますが、ジャズ好きにはたまらない映画と思われます。放映終了後の鑑賞感想披露会では、グレン・ミラーは第二次世界大戦で戦死したはずなのに映画では戦後の場面に出てきたのではないとの細かい意見が出され、再度、確認する必要が出てきました(^^;)。
以上:1,120文字
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H29- 2-15(水):高低差のある土地の境界擁壁修繕費用負担に関する判例紹介2
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○「高低差のある土地の境界擁壁修繕費用負担に関する判例紹介」の続きで、2m程の高低差のある低地隣接地所有者からほぼ境界に沿った擁壁について倒壊のおそれがあり妨害予防請求として改修を要求されているとの相談に関連する判例として、仮換地に土砂崩壊予防のための擁壁を放置する費用を仮換地使用収益権と隣地所有者との共同負担とした昭和51年4月28日東京高裁判決(判例タイムズ340号172頁、判例時報820号67頁)全文を紹介します。

○妨害予防請求としての予防工事の請求について、「一審原告Xが一審被告Yに対しその費用のみをもつて本件予防工事の実施を求める請求は理由がないとせざるをえない(右予防工事の実現については、両者の協議、合意でまずなすべきであるが、協議が整わないときは一方がまずこれを施工したうえ、その費用の補償を他方に請求すべき筋合である。)」として棄却しました。

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主 文
一、第一審被告Yの控訴(昭和47年(ネ)第2570号事件)について
(一) 原判決主文第二項を取り消す。右部分についての第一審原告Xの請求を棄却する。
(二) その余の部分についての控訴を棄却する。
二、第一審原告らの控訴(昭和47年(ネ)第2577号事件)を棄却する。
三、訴訟費用は、第1、2審を通じ、これを10分し、その五を
 第一審原告Xの、その三を第一審被告Yの、その二を第一審原告Xを除く五名の、名負担とする。

事 実《省略》

理   由
第一 一審原告らの一審被告Yに対する請求について

一 一審原告Xが本件土地を所有してその地上に本件建物を所有していたこと、本件土地付近一帯の土地が区画整理地区に編入され、一審被告Yの先代Aに対しその従前の土地に対する仮換地として本件仮換地が指定され通知されたこと、その指定、通知は右Aあてになされたけれどもこれを相続人である一審被告Yに対する指定、通知として有効と解することができること、したがつて一審被告Yは本件仮換地に対する使用収益権を取得したこと、しかし一審被告Y自身は右指定、通知を知らなかつたこと、昭和41年6月28日台風に伴う風雨のため本件仮換地の一部が崩壊し、その土砂が本件土地に流下して一審原告X所有の本件建物を損壊するとともに右建物に居住中の亡B(一審原告中Xを除く5名の母)が死亡したこと、本件仮換地が高さ約20メートル、約5○度の傾斜地でくずれやすいこと、しかしながら一審被告Y自身としては、本件仮換地が自己のため指定、通知されたことを知らなかつたため隣地所有者たる一審原告X及び同所に居住するB及びその相続人たる前記一審原告5名に対して損害を与えることを知りまたはこれを予見しうべきものであつたとはいえず、したがつて一審原告らに対し民法第709条による損害賠償責任を負うとは認められないこと、以上の点についての当裁判所の認定と判断は、次に訂正するほかは、原判決理由の冒頭(原判決13丁裏5行目)からその五の30行目(原判決18丁表4行目)までと同一である。

 原判決の訂正〈省略〉

二 そこで一審原告Xの一審被告Yに対する妨害排除の請求につき検討する。
 本件土地内に前記風雨により本件仮換地から崩壊流下した少くとも約150立方メートルの土砂が現に堆積され本件土地の利用が妨害されていることが、〈証拠〉によつて認められるが、右土砂は、一審被告Yが使用収益権を有する本件仮換地の一部を形成していたものが流下したものであり、同人はその所有者に準ずる地位にあるものということができるから、同人は右土砂堆積により一審原告Xに対し本件土地の利用を妨害しているものと認められる。したがつて、一審原告Xは、本件土地の所有権に基づく物上請求権により、一審被告Yに対しその費用をもつて右土砂を撤去すべきことを請求することができるもいうべきである。

 この点につき一審被告Yは、当審において、右義務のないことを種々の理由をあげて主張するので、これらにつき判断する(前記事実欄の一審被告Yの主張(一)ないし(四))。
(一) 右主張の(一)について。仮換地に対する使用収益権が所有権そのものでないことはいうまでもないが、所有権と同一内容のものである。(土地区画整理法第99条第1項)から、その裏腹として、たとえ現実にこれを使用収益していなくても、その使用収益しうべき地位から生ずる対社会的な義務は仮換地指定がなされた者が負うものと解すべきであり、本件のような妨害排除の義務もこれに属するといえる。かく解されないと、その義務は仮換地自体の所有者(従前の土地としての所有者)に属することとなり、使用収益権を奪われた者に義務を負わす不合理を生ずる。よつて一審被告Yの右主張は採用できない。

(二) 右主張の(二)について。物上請求権は物権の円満な行使が妨げられた状態そのものによつて生ずるものであり、その妨害者の責に帰すべき事由の存否を問わないものである(大判昭和12年11月19日、民集16巻14号1881頁参照)。なお、不可効力による場合は別に考える余地があるとしても、本件の場合は、風雨による土砂崩壊であるとはいえ、本件仮換地がともかく一審被告Yのため有効に指定されていたこと、しかも崩壊の蓋然性の存する土地であることを考えると、不可抗力に基づいて生じた妨害状態とまではいえない。

(三) 右主張の(三)について。この主張は当審に至つて初めてなされたものではあるが、そのため訴訟を遅延せしめるものとはいえないから、時機に遅れたものとして却下されるべきものとは認められない。ところで、本件仮換地がその地形からみて利用価値が乏しいことは検証の結果により肯認できないではないが、全然無価値なものといえないことはもちろん、〈証拠〉によれば、その従前の土地も傾斜地で、本件仮換地はこれに照応するものとして指定処分がなされたことが認められるから、一審被告Yに不利益のみを する処分ではなく、したがつて違法な処分とは到底いえないから(なお妨害予防の義務について後記するところ参照)、この主張も理由がない。

(四) 右士張の(四)について。一審被告Yは本件仮換地の従前の土地の所有権を放棄することにより本件妨害排除義務を免れる旨主張するけれども、およそ権利の放棄は、これにより第三者の権利を害する場合には許されないか、放棄しても当該第三者の権利には影響を及ぼさないものと解すべきである(民法268条1項、第398条、民訴法第598条第1項等の趣旨参照)。本件において、一審被告Yは本件仮換地の使用収益権者たる地位において前記妨害排除の義務を負つたことは前記のとおりであるから、その侵害状態発生後において従前の土地の所有権、したがつて仮換地の使用収益権を放棄すれば、一審原告Xは妨害排除を求める相手方を失うことになり、その権利を害することは明らかであるから、一審被告Yの権利放棄の主張は理由がない。

三 次に一審原告Xの一審被告Yに対する妨害予防の請求についてみる。
 本件仮換地が急な傾斜地でくずれやすい土地であることは前認定のとおりであり、現に本件の土地崩壊が起こつたことを考えると、将来も激しい風雨などにより再び同様の事故が発生するおそれがあると認められる。しかしながら、本件土地と本件仮換地とは相隣地の関係にあり、本件仮換地につき将来の土地崩壊を予防することは、両地にとつて等しく利益となり、その必要も両地に等しく存するといえる。しかもその予防工事には莫大な費用を要することは明らかであるから、一方的に一審原告Xの一審被告Yに対する物上請求権に基づく予防工事施行の請求を認めることには躊躇せざるをえない(予防工事施行の請求を認めることは、その相手方たる一審被告Yのみの費用をもつて実施すべきことを命じることになることは、民法第414条第2項から明らかである。)。

 そこで右予防については、土地相隣関係の調整の見地からこれを考えるべきものと解されるが、民法上その直接の規定を欠く。もつとも民法第216条はこの場合に比較的近いようであるが(この場合には、損害を受けるおそれのある土地所有者が相隣地所有者に対しその費用をもつて予防工事を求めうる。)、同条は水流に関し、しかも工作物の破壊ないし阻塞による損害の場合であるから、本件のように単に土砂崩壊による損害の場合に短推するのは適当でなく、むしろ本件において一審原告Xが設置を求める擁壁のごときは、高地低地間の界標、囲障、しよう壁境界線上の工作物に近い性質をあわせ有することも考えると、民法第223条、第226条、第229条、第232条等の規定を類推し、相隣者たる一審原告X、一審被告Yが共同の費用(通常は平分と解する。)をもつてこれを設置すべきものと解するのが相当である。したがつて、一審原告Xが一審被告Yに対しその費用のみをもつて本件予防工事の実施を求める請求は理由がないとせざるをえない(右予防工事の実現については、両者の協議、合意でまずなすべきであるが、協議が整わないときは一方がまずこれを施工したうえ、その費用の補償を他方に請求すべき筋合である。)。

 以上のとおりであるから、本件予防工事の実施を求める請求は、その他の主張に論及するまでもなく理由がないものというべきである。

第二 一審原告らの一審被告横浜市に対する請求について。
 一審原告らは、一審被告横浜市ないしその市長が行政上の指導による防災義務を懈怠したことを理由として、一審原告らが本件事故により受けた損害の賠償を求めるものであるが、当裁判所もその理由はないものと判断するものであつて、その詳細は、原判決19丁表末行から20丁表1行目までに説示するところと同一である。

第三 結論
 以上説示のとおりであるから、一審被告Yの控訴に基づき、原判決中その主文第二項を取り消して、一審原告Xの一審被告Yに対する擁壁設置の請求を棄却し、一審被告Yのその余の部分に対する控訴を棄却し、一審原告らの控訴はいずれも理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法第95条、第96条、第89条、第92条、第93条を適用し、主文のとおり判決する。
 (瀬戸正二、小堀 勇、青山 達)
以上:4,222文字
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H29- 2-14(火):高低差のある土地の境界擁壁修繕費用負担に関する判例紹介
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○2m程の高低差のある低地隣接地所有者からほぼ境界に沿った擁壁について倒壊のおそれがあり妨害予防請求として改修を要求されているとの相談を受けました。20年以上前はこのような相談が良くあったように記憶していますが、最近は殆どなくなっていました。民法の相隣関係の問題で、結構判断が難しいものです。

○境界が、その高低差のある上の土地の端としても、その擁壁は、上の土地を支えるためのもので、上の土地の所有者は、修繕義務は一切負担しなくても良いと簡単に断定することはできません。このような場合、高低差ができた経緯等を考慮する必要もあり、その改修費用の負担は結構難しい問題となります。関連判例を探していたところ、隣地との間に約4mの高低差のある低地所有者から高地所有者に対し所有権に基づく妨害予防請求としてなされた擁壁の改修請求について、土地相隣関係調整の見地から、低地所有者に改修費用の3分の1を負担させて認容した昭和61年2月21日横浜地裁判決(判タ638号174頁、判時1202号97頁)がありました。

関係する民法条文は以下の通りです。

第223条(境界標の設置)
 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
第226条(囲障の設置及び保存の費用)
 前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。
第229条(境界標等の共有の推定)
 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。


関係部分を以下に紹介します。

*********************************************

四 請求の趣旨2項(二)につき
1 本件擁壁上部大谷石3、4段目までの部分が現状において倒壊又は崩落の危険性があることは、前記1、3、(三)認定のとおりである。
 そして、本件擁壁上部大谷石3、4段目までの部分が倒壊又は崩落した場合には、原告所有土地又は原告所有建物に損害を与えるおそれがあることは、前記二認定のとおりである。
 そうすると、原告は、被告Aに対し、所有権に基づく妨害予防請求権に基づき、本件擁壁上部大谷石3、4段目までの部分が倒壊又は崩落しないような工事をすることを求めうるといえる。

2 そこで、右工事内容につき、検討する。
 第一に、右工事対象につき検討するに、擁壁は、その構造上、一体として、土圧に対する耐久力や排水機能等を備えていなければ、その目的を達成することができないものであるところ、前記1、2、3認定のとおり、本件擁壁は、その素材が大谷石であつて旧擁壁部分に面する地盤は自立しており、差当り崩壊する危険性が認められないとはいつても、その風化が著しく、その背部に裏込めがなく、水抜穴も十分に設置されているとはいえないから早晩その改修を余儀なくされるものと思われること、本件地盤には、所々に透水性のスコリアの混入している部分があり、本件擁壁側の関東ローム層には切裂もあり、その地層は、北側から南側(本件擁壁側)へかけて低くなるようなゆるやかな流れ盤構造形をなしていることなどの事実に照らすと、本件擁壁上部大谷石3、4段目までの部分が倒壊又は崩落しないようにするためには、右部分の改修にとどまらず、右部分とその下方部分との結合を強固にし、右部分の下方の擁壁の背部にも裏込めを施すなど本件擁壁全体についての改修工事が必要であるというべきである。

 次に、右工事の具体的方法につき検討するに、原告は、横浜市宅地造成工事技術資料(甲第7号証)に基づき、本件擁壁を新擁壁に改修することを求めるところ、右改修工事方法は、前記一認定の諸事実に照らして、必要かつ相当であると認められる。

3 ところで、被告Aは、本件擁壁を原告主張のような新擁壁に改修する必要があるとしても、その費用は、原告及び被告Aが共同して負担すべきである旨主張する。
 そこで検討するに、原告所有土地と被告A所有土地とは相隣関係にあり、被告A所有土地の崩落を予防することは原告所有土地にとつても等しく利益になり、その予防工事に莫大な費用を要することも明らかであるから、右予防工事については土地相隣関係調整の見地から、原告の求める新擁壁の如きは、高低地間の界標、囲障、しよう壁等境界線上の工作物に近い性質を併有することを考え、民法223条、226条、229条、232条等の規定を類推適用して、相隣者たる被告A及び原告が共同の費用をもつてこれを設置すべきものと解するのが相当である。

 そこで更に右費用負担の割合につき検討するに、前記1、1、2認定の事実及び弁論の全趣旨によれば、原告所有土地は、昭和35、6年ころ、被告A所有土地に隣接する部分につき、約2メートルの切土がなされて宅地造成がなされ、このため、被告A所有土地側に高さ約2メートルの旧擁壁が造られたことが推認でき、また、前記1、1認定のとおり、被告A又は被告A所有土地の前所有者は、昭和42年夏ころ、被告A所有土地に高さ約2メートルの盛土をして原告所有土地よりその地上面が約4・1メートル高い平坦地とし、このため、旧擁壁上に大谷石を三段高さ約1メートル分積み加えて大谷石10段積高さ約3・1メートルの本件擁壁を造つたものであるから、高さ約3・1メートルの本件擁壁のうち、高さ約2メートルの部分は、原告及び被告Aの双方にとつて等しく改修の利益があり、高さ約1メートルの部分は被告Aにとつてのみ改修の利益があるものとみうるところ、右事実のほか本件にあらわれた諸般の事情を斟酌すると、原告は被告Aに対し、被告Aの費用を2、原告の費用を1とする割合の費用負担をもつて、本件擁壁を新擁壁に改修することを求めうるというべきである。

4 以上のとおり、原告は、被告Aに対し、所有権に基づく妨害予防請求権に基づき、被告Aの費用を2、原告の費用を1とする割合の費用負担をもつて、本件擁壁を新擁壁に改修することを求めうるので、原告の被告Aに対する請求の趣旨2項(二)にかかる請求は、右の限度で理由があるが、その余の部分は理由がないことになる。

以上:2,506文字
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H29- 2-13(月):映画"ハドソン川の奇跡"を観て-兎に角、感動
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○平成29年2月12日夕方、自宅の私の部屋に設置したサナス社のフルモーションマウント壁掛け金具で取り付けたサムスン有機ELテレビOLED55C6Pで、パナソニックUltraHDブルーレイプレーヤーUB90に、"ハンクスとイーストウッド。「夢のタッグ」が実現"とのキャッチフレーズの「ハドソン川の奇跡」4KULTRAHD版を鑑賞しました。しかし、このキャッチフレーズを読まず監督がイーストウッドとは知らないまま鑑賞しました。

○ハドソン川の奇跡と言えば、数年前に100数十人の乗客の旅客機が、空中で鳥の大群と衝突してエンジン不調になり、ハドソン川に不時着して、乗客全員の生命を救ったとして、一躍、その飛行機の機長が英雄扱いされて世界中の大ニュースとなったことをシッカリ記憶していました。ですから、てっきり、その空中での鳥の大群との衝突とハドソン川不時着に到るまでの手に汗握る状況が中心の映画で、ハラハラ・ドキドキ・ワクワクの映画と期待して鑑賞を始めました。

○Yahoo!映画Japanでのあらすじ紹介は「2009年1月15日、真冬のニューヨークで、安全第一がモットーのベテラン操縦士サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、いつものように操縦席へ向かう。飛行機は無事に離陸したものの、マンハッタンの上空わずか850メートルという低空地点で急にエンジンが停止してしまう。このまま墜落すれば、乗客はおろか、ニューヨーク市民にも甚大な被害が及ぶ状況で彼が下した決断は、ハドソン川への着水だった。 」となっています。

○しかし、映画の本題は、上空での派手な空中戦ではありませんでした。Yahoo!映画解説に「機長の手記を基に描かれる、奇跡の脱出劇の背後に隠された真実に言葉を失う。 」とあり、同映画レポートの「『ハドソン川の奇跡』機長は英雄か、犯罪者か? 老成してなお鋭さを増すイーストウッドの演出力」との表題で見事にこの映画の本質が解説されています。

○私は、このレポート「『ハドソン川の奇跡』機長は英雄か、犯罪者か? 老成してなお鋭さを増すイーストウッドの演出力」を全く読まないで、この映画を、イーストウッド監督の作品とも判らないまま漫然と鑑賞しました(^^;)。最初の内は、何だ、予想と違って、かったるい作品だなと感じましたが、忽ち、シッカリと主人公の機長の心情に感情移入して、グイグイ引き込まれて、最後は、副機長のジョークに涙を流しながら、正に泣き笑いの感動で終わりました。

○最後に、実際の機長の映像が出てきますが、真冬の厳寒状況がヒシヒシと感じられる素晴らしい映像に、人間の温かさ・素晴らしさをシッカリと感じて、大感動で終わり、映画っていいな!、と大満足でした。それにしても、86歳のイーストウッド監督は凄い!の一言です。

以上:1,151文字
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H29- 2-12(日):6年ぶりに弁慶橋を渡って"ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町"初宿泊2
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○「6年ぶりに弁慶橋を渡って"ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町"初宿泊」を続けます。
ここ数年、東京出張の際の定宿は、赤坂エクセル東急ホテルのプレミアルーム46㎡(1泊2万円弱)で、平成29年2月も5・6日と2連泊し、3泊目だけ無理して、旧赤プリ跡地にできた平成28年7月開業の「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」のエグゼティブキングルーム36㎡(1泊5万円弱)に宿泊してみました。正に一生に一度の話の種としてでした(^^;)。

○旧赤プリは、平成14年から平成23年3月まで10年近く東京出張の度に利用し、桐師匠【多遊】さんのデータベースソフト桐レッスンが最重要イベントで、その他にもフラメンコギターミニコンサートやミニ同窓会、桐講習会等開催し、時に東京のお客様との打ち合わせ等に大いに活用させて頂きました。しかし、「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」になってからは、宿泊料金が旧赤プリの3倍以上の私には縁のないホテルとなり、今は、専ら赤坂エクセル東急ホテルを利用し、時々、桐レッスン、また、お客様との打ち合わせ等に利用しています。

○案内ボーイと一緒に私が初宿泊した32階の3253号室に入ると、部屋の使用方法について色々説明されましたが、一番、驚いたのが、部屋の中央部にあるバスルームの仕切りでした。普段は透明で風呂に入りながら、大きな窓の夜景も楽しむことができます。ところがバスルーム入り口の操作盤スイッチ一つで仕切り全面が曇りガラスに変わって内部が見えなくなります。

○ホテル案内書は、紙ではなく、iPadのタブレットに収められており、メニューから約款等を見ることができます。最初にお願いというメニューがあり開いてみると「完全禁煙にご協力下さい」には気を良くしましたが、「飲食物は一切持ち込まないで下さい」には、なんと狭量なと、気を悪くしました。

○冷蔵庫には多数の飲み物・ワイン等が入っており、食品ボックスにも種々のウイスキーやつまみのスナック・チョコレート類が入っていますが、全て定価の3倍を軽く超えた有料です。ホテルの入っているビル2階にはファミリーマート等コンビニも入っているのに「飲食物は一切持ち込まないで下さい」には不愉快でした(^^;)。

○私はホテルに入ると先ず行うのがノートPCとディスプレイ2台のトリプルディスプレイ設定とWi-Fi設定です。机の幅が狭いのが不便でしたが、なんとか3台繋いで電源を入れると、ディスプレイが点滅状態で映りません。赤坂エクセル東急ホテルでは全く問題なく映るので、こちらは電圧が低いためと思われます。しばらく放っておいたら一時映るようになりましたが、安定しません。更に、Wi-Fi接続の速度も最初20Mくらいあったものが、徐々に落ち始め、TeamViewerでの事務所サーバー接続が途絶えがちになり、速度を測定すると0.1程度まで落ちていました。どうやらIT環境には相当の問題があるようで、私のようなビジネス目的での宿泊には向いていません。

○窓際は細長いベッド様になっており寝転びながら夜景等を満喫できるのは最高でした。また部屋のセイフティネットや調度品等私がこれまで宿泊したホテルの中で最高峰の最高級ホテルであることは間違いありません。しかし、ビジネス用にはむかず、用途に応じて利用すべきでしょう。

1.窓からの夜景・ライトアップされた東京タワーも見えます  
    

2.明け方午前6時前の風景・東京タワーが明け方からライトアップされています  
    

3.昼間のホテル眼前の風景・赤坂エクセル東急ホテルの建物が細長いことが良く判ります、窓に突然サングラスをかけた一団が現れ、驚嘆しました(^^;)
    

4.部屋の内部に入ります、  
      

5.部屋の内部、壁掛けTVの下に細長いテーブルがありますが、仕事をするには狭すぎ、ビジネス仕様ではないことが良く判ります、  
     

6.洗面・バスルームに入ります、バスルームの仕切りがスイッチ一つで瞬時に透明から曇りガラスの変わります
     

7.トイレと洗面小道具等、各種操作盤とiPadタブレット案内板、スイッチが入っていません 
        

8.冷蔵庫等各種ボックス、ウイスキー・ワイン・各種スナック菓子類等が定価の3倍以上で販売されています、普通に買えば1本100円程度のチョコスティック2本を1000円で購入しました。
     
以上:1,814文字
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H29- 2-11(土):6年ぶりに弁慶橋を渡って"ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町"初宿泊
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○平成23年3月9日付「さよなら赤プリーお世話になりました」記載の通り、平成14年半ばから平成23年3月まで10年近く東京での定宿は赤坂プリンスホテル通称赤プリでした。月曜日に開催される日弁連業革委員会出席のため日曜日から利用しました。原則、月に1回でしたが、2~3連泊で利用することも良くありました。

○当HPトップページ検索ウインドウにに「赤プリ」と入力して検索をかけると関連記事が28件も出てきます。一番古い記事は、平成17年3月8日「サンフランシスコ報告2-鈴木淳司弁護士事務所訪問等」で「離日前夜、独り悠々と宿泊した1泊2万9140円の赤プリスイートルームとは雲泥の差です。それにしても2万9140円の赤プリスイートルームは超割安です。私はたった独り悠々と泊まりましたが、同伴者が居たら大いに喜ばれるでしょう。」なんて記載しています。

○赤プリは、私が宿泊を始めた平成14年頃には宿泊料金が相当ダンピングされており、平成16年頃からは3万円弱でスイートルームが利用でき、スイートルーム利用が原則となりました。88㎡と広く、バスルームが2つあったので、桐師匠【多遊】さんを招待して、桐特別レッスンを受けるのが最重要目的でした。そのお陰で自称世界一便利なデータベースソフト桐による桐HPBを開発して頂き、当HPは、平成16年8月1日開設以来、一日も休まず更新を継続し、平成28年2月11日現在全5353頁にも膨れ上がっています。

○その赤プリが平成23年3月で終了となり、私の最後の宿泊は平成23年3月9日でした。3月9日東京近辺在住中学時代同級生4人を招待して還暦祝い会を開催しましたが、その2日後3月11日、あの東日本大震災が発生し、赤プリはしばらくの間被災者の避難所として利用されました。赤プリ終了後は、平成23年5月から赤坂エクセルホテル東急が定宿となり、現在に到っています。

○赤プリ解体後の跡地には、「"赤プリ"後継"ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町"は1泊6万円」記載の通り、平成28年夏に「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」が開業しました。このホテルは、プリンスホテルグループ最高峰の最高級ホテルということで、私には縁のないホテルとして、赤坂エクセル東急ホテルに行くときに眺めるだけでした。

○それがある口実で、平成29年2月7日、1泊だけ利用することになりました。現在の定宿赤坂エクセル東急ホテルは、46㎡のプレミアルームを1泊2万円弱で利用していますが、ザ・プリンスギャラリーは一番小さな36㎡のエグゼティブキングが1泊5万円弱でコストパフォーマンスは全くあいません。正に、一生に1回、話の種の経験です(^^;)。以下、写真です。

1.赤坂エクセル東急ホテルから6年ぶりに弁慶橋を渡ってザ・プリンスギャラリーに向かいます  
    


2.ザ・プリンスギャラリー紀尾井町に到着、赤プリ時代の上り坂が全くなくなっていました  
    


3.ホテルのフロントがどこか判らずウロウロしているとなんと最上階の36階にありました  
    


4.私が初宿泊した部屋は32階の3253号室です、宿泊スペースは30~36階だけでした
    

以上:1,313文字
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H29- 2-10(金):間男・間女に対する慰謝料請求権消滅時効起算点東京高裁判決全文紹介
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○夫と同棲関係を継続して離婚に至らしめた女性に対する妻の慰謝料請求権の成否とこの請求権の消滅時効の起算点について離婚の成立の時から進行すると解した平成10年12月21日東京高裁判決(判タ1023号242頁)全文を紹介します。一審平成10年7月29日東京地裁判決は、婚姻関係の破綻前の肉体関係について第三者の不法行為責任を認めながら、配偶者の慰謝料請求権の時効による消滅を認めていたのですが。


****************************************

主  文
一 原判決を次のとおり変更する。
1 被控訴人は、控訴人に対し、金220万円及びこれに対する平成10年3月27日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
2 控訴人のその余の請求を棄却する。
二 訴訟費用は、第1、2審を通じ、これを10分し、その九を控訴人の、その余を被控訴人の各負担とする。

事実及び理由
第一 控訴の趣旨

一 原判決を取り消す。
二 被控訴人は、控訴人に対し、金2200万円及び内金2000万円に対する平成9年5月22日から、内金200万円に対する平成9年9月3日から、それぞれ支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
三 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。

第二 事案の概要
 本件は、控訴人が被控訴人に対し、控訴人の元夫と被控訴人との肉体関係ないし同棲による不法行為に基づき、慰謝料2000万円及び弁護士費用200万円の損害賠償を求めた事案である。
 そして、控訴人は、当審において、被控訴人の右肉体関係ないし同棲の継続により、控訴人が元夫と離婚をやむなくされたこと及び両名間の長男が精神的に発病し、このため控訴人が長男の介護等に明け暮れていることを被控訴人の不法行為として追加主張している。

一 争いのない事実及び前提事実
1 控訴人と訴外甲野太郎(以下「太郎」という。)は、昭和36年11月13日婚姻し、昭和37年4月29日、長男一郎をもうけた(争いのない事実)。

2 被控訴人は、勤務先の日興證券株式会社(以下「日興證券」という。)A支店において、同僚として太郎と知り合い、男女関係を結ぶに至った。
 その後、太郎は、自宅を出て、被控訴人と同棲し、昭和54年4月30日付けで、日興證券を退職し、太郎の父の住職の地位を受け継いで、現住所地において被控訴人と同居している(争いのない事実、甲一、乙3、4)。

3 太郎と被控訴人との間に、昭和57年2月10日、夏子が生まれたが、太郎はこれに先立ち、同年1月22日、夏子を胎児認知した(争いのない事実)。

4 控訴人は、昭和60年、太郎を相手方として、東京家庭裁判所に夫婦関係調整の調停を申し立てたが、同年11月6日不調に終わり、同日、太郎を相手方として、同裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てた。この事件は、結局、昭和63年12月19日、太郎が控訴人に対し、昭和62年1月から離婚又は別居解消まで毎月16万円(昭和60年11月から昭和61年12月までは毎月14万円)を婚姻費用として支払うことを命じる審判によって決着がついた(甲1、2)。
 太郎は、平成6年、控訴人を被告として、東京地方裁判所に離婚訴訟(平成6年(タ)第108号)を提起し、同裁判所は、平成7年7月28日、離婚請求認容等の判決をした(甲一)。

 控訴人は、これを不服として控訴したが、東京高等裁判所は、平成9年7月24日、離婚請求に係る部分の控訴を棄却し、太郎から控訴人に対する控訴人居住の土地建物及び2500万円の財産分与(慰謝料的要素を除く。)を認めた(平成7年(ネ)第3592号、甲二)。
 控訴人は、さらに、これを不服として上告したが、最高裁判所は、平成10年3月26日、上告棄却の判決をし、これにより太郎と控訴人との離婚及び財産分与の裁判が確定した(原審証人太郎)。

5 被控訴人は、平成9年11月19日の原審第三回口頭弁論期日において、控訴人の被控訴人に対する本件損害賠償請求権につき、消滅時効を援用した。

二 争点
1 夫婦の一方と不貞行為をした第三者の他方配偶者に対する不法行為責任の有無
(被控訴人の主張)

 性に関する問題は、極めて個人的な事柄であり、公開の法廷でこれを争わせることは、法が個人のプライバシーに介入することにもなりかねない。また、不貞行為の相手方の責任を追及することは、婚姻制度の安定にはつながらない。
 個人には、性に関して自己決定権があり、また、貞操義務は、夫婦間の問題であって、当事者だけを拘束するものであるから、不貞行為の相手方には、常に不法行為は成立しない。

2 控訴人と太郎との間の婚姻関係の破綻と被控訴人の不法行為責任の有無
(被控訴人の主張)

 控訴人と太郎との婚姻関係は、昭和41年ころ、既に破綻していたのであるから、それ以後に生じた被控訴人と太郎との同棲関係は、控訴人に対する不法行為とならない。

(控訴人の主張)
 仮に、控訴人と太郎との別居の時期をもって両名の婚姻関係が破綻したとみるべきであるとしても、それは昭和54年に太郎と被控訴人とが同居を始めた頃からであり、それ以前は太郎の生活の本拠は控訴人方にあり、いまだ破綻には至っていなかった。
 被控訴人は、右同居以降、太郎と共謀して、控訴人と太郎との婚姻関係を破綻させ続け、その修復を不可能にさせてきたのであるから、現在もなお不法行為が継続しているものというべきである。

3 本件損害賠償請求権の消滅時効の起算点
(被控訴人の主張)
 仮に、控訴人と太郎との婚姻関係が破綻する以前に被控訴人と太郎との間で若干の期間の同棲関係があったとしても、控訴人の被控訴人に対するその間の不法行為に基づく損害賠償請求権は、消滅時効によって消滅した。

(控訴人の主張)
 本件においては、控訴人と太郎との裁判による離婚成立時から、控訴人の被控訴人に対する本件損害賠償請求権の消滅時効が進行すると解すべきである。

第三 争点に対する判断
一 前記争いのない事実及び前提事実、証拠(甲一ないし3、5ないし23、26、27、3四、35の2ないし11、36、37、乙一ないし4、原審証人太郎、原審における控訴人本人)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、以下の事実が認められる。
1 太郎は、昭和36年に控訴人と婚姻し、昭和37年に控訴人との間に長男一郎をもうけた後、昭和38年、日興證券B支店販売課長代理となり、大阪で控訴人及び一郎と共に暮らしていたが、昭和41年ころから控訴人以外の女性と肉体関係を持つようになった。
 太郎は、昭和43年、日興證券C支店勤務となり、同年7月ころ、日興證券の社内住宅融資と控訴人の母甲山松子の資金援助により、東京都練馬区大泉学園町に土地を購入し、建物を建築して、同所で控訴人及び一郎と共に生活していた(以下、この土地建物を「大泉の土地建物」という。)。

2 ところで、太郎は、昭和45年3月末ころ、日興證券A支店次長となり、同支店に勤務していた被控訴人と知り合い、昭和47年初めころから、被控訴人と肉体関係を持つようになり、同年中に家を出て、千葉県市川市のアパートで被控訴人と同棲するようになった。もっとも、太郎は、その後も、控訴人に対し生活費を届けるため、あるいは、世間体を取り繕う目的で、時々控訴人宅に帰宅しており、控訴人との完全な別居は、昭和54年5月以降のことであった。

3 太郎は、××寺などの住職をしていた父甲野次郎の引退の後を継ぐため、昭和54年4月30日付けで日興證券を退職し、被控訴人を伴って現住所地の××寺の境内建物に移り住み、××寺などの住職等として勤務するようになった。そして、太郎は、以後、控訴人からの電話連絡にも応じなかった。
 この間、太郎は、昭和53年ころ、控訴人との離婚を決意し、昭和54年ころ、控訴人に対し、その旨を申し入れたが、控訴人は、これを全く受け入れなかった。

4 被控訴人は、太郎と共に××寺の境内建物に移転してから、太郎には妻である控訴人があることを熟知しながら、その近隣、太郎の親戚及び寺の関係者等に対し、太郎の再婚した妻として振る舞っていた。
 そして、被控訴人は、昭和57年2月10日、太郎との間に夏子をもうけたが、太郎は、これに先立ち、同年1月22日、夏子を胎児認知し、さらに、昭和60年10月12日、夏子の親権者を太郎と定める届出を、昭和62年5月6日、夏子の氏の変更(太郎の氏を称する入籍)をした。
 控訴人は、昭和57年ころには、戸籍の取寄せなどにより、右夏子の出生及び胎児認知の事実を知るに至った。

5 太郎は、昭和57年1月以降、控訴人に対し、生活費の送金をしなくなった。
 控訴人は、昭和60年、太郎を相手方として、夫婦関係調整の調停を申し立て、それが不調となった同年11月、さらに婚姻費用分担の調停を申し立てたが、その結果は前示のとおりである。
 また、太郎は、平成6年、控訴人を被告として離婚訴訟を提起したが、同訴訟に関するその後の経過は前示のとおりであり、平成10年3月26日の上告棄却の判決により、太郎と控訴人との離婚並びに太郎から控訴人に対する大泉の土地建物及び2500万円の財産分与(慰謝料的要素を除く。)が確定した。

6 ところで、太郎と控訴人との間の長男である一郎は、昭和58年4月、金沢市の私立大学薬学部に入学したが、そのころからノイローゼ状態に陥り、同大学卒業後、平成2年6月、ようやく薬剤師の資格取得のための国家試験に合格し、その後、病院のパートタイムの職を得たものの、ノイローゼ状態が継続かつ深刻化し、社会に適応できず、平成9年4月16日、退職のやむなきに至った。

 一郎の診療に継続的に当たってきた足立共済病院の医師は、同年5月17日付けで、一郎は、対人関係において継続的に強い緊張状態にあると共に異常な疲労感を伴い、就労困難な状態にあること、一郎の平成8年12月ころからの急激な病状悪化の原因は、両親の間で行われていた前記離婚訴訟の進行状態及びその結果に対する不安感にあるとみられること、今後、一郎に幻覚や幻聴等の症状が現れてくれば、精神分裂病の診断をすることになること、一郎の病状はかなり深刻であり、最悪の場合には、病状が進行して治癒せず、入院したままの状態で一生を終わるという可能性も否定できないこと、などの意見を述べている。

7 控訴人は、慢性膵炎の持病があり、通院治療を受けながら、長男一郎の看護にも当たる生活を続けている。
 そして、控訴人は、被控訴人が妊娠を避けず太郎との間に夏子をもうけ、太郎の実家に再婚した妻と称して入り込んだことなどに対し、強い憎しみを抱いており、また、家庭を守るため太郎との離婚を最後まで望んでいなかったにもかかわらず、離婚をやむなくされたことに深刻かつ多大な精神的苦痛を被っている。

二 そこで、以上認定説示の事実に基づき、争点について順次判断する。
1 まず、被控訴人は、夫婦の一方と肉体関係を持った第三者には、常に不法行為は成立しない旨主張するが、夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである(最高裁昭和54年3月30日第二小法廷判決・民集33巻二号303頁参照)から、被控訴人の右主張は採用することができない。

2 次に、被控訴人は、控訴人と太郎との婚姻関係は、昭和41年ころには既に破綻していた旨主張し、甲5、14、乙一及び原審証人太郎の供述中には、これに沿う趣旨の部分がある。
 しかし、太郎が昭和47年まで控訴人と同居していたこと、太郎が、同年中に被控訴人と同棲するようになってからも、時々控訴人宅に帰宅していたこと、太郎が控訴人に対し離婚の申し入れをしたのは、昭和54年ころであること、太郎と控訴人とが完全な別居状態となったのは、同年5月以降であり、そのころから、太郎は控訴人からの電話連絡にも応じなくなったことは前示のとおりであるから、控訴人と太郎との婚姻関係は、昭和41年ころには既に破綻していたものと認めることはできない。
 したがって、被控訴人の右主張は採用できない。

3 もっとも、控訴人と太郎との婚姻関係は、昭和54年5月に完全に別居した時点をもって、既に修復が不可能な程度にまで破綻したものと認められないわけではなく、したがって、被控訴人と太郎とのその後の同棲関係の継続は、もはや、控訴人に夫婦としての実体を有する婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益は存しないともみられるから、不法行為としての違法性を帯びるものではないとも考えられる。

 しかし、控訴人の本件慰謝料請求は、単に被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲の違法を理由とするものではなく、被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲の継続によって、最終的に太郎との離婚をやむなくされるに至ったことにより被った慰謝料の支払をも求めるものであるところ、前示の事実関係によれば、被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲の継続により右離婚をやむなくされ、最終的に離婚判決が確定したのであるから、離婚に至らしめた被控訴人の右行為が控訴人に対する不法行為となるものと解すべきである。

 なお、最高裁平成8年3月26日第三小法廷判決(民集50巻四号993頁)は、「甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。」旨を判示するが、右判決は、事案を異にし、本件に適切でない。

4 さらに、被控訴人は、控訴人と太郎との婚姻関係が破綻する以前に被控訴人と太郎との間で若干の期間の同棲関係があったとしても、控訴人の被控訴人に対するその間の不法行為に基づく損害賠償請求権は、消滅時効の完成によって消滅した旨を主張する。
 確かに、夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同棲により第三者に対して取得する慰謝料請求権については、一方の配偶者が右の同棲関係を知った時から、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行すると解するのが相当であり(最高裁平成6年1月20日第一小法廷判決)、本件においても、控訴人は、太郎が昭和47年に被控訴人と同棲した事実をその後数年のうちには知ったものと推認される。

 しかし、控訴人の本件慰謝料請求は、単に被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲によって精神的苦痛を被ったことを理由とするのみならず、右肉体関係ないし同棲の継続により最終的に太郎との離婚をやむなくされるに至ったことをも被控訴人の不法行為として主張していることは前示のとおりであるところ、このように第三者の不法行為により離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由として損害の賠償を求める場合、右損害は離婚が成立して初めて評価されるものであるから、第三者との肉体関係ないし同棲の継続等を理由として離婚を命ずる判決が確定するなど、離婚が成立したときに初めて、離婚に至らせた第三者の行為が不法行為であることを知り、かつ、損害の発生を確実に知ったこととなるものと解するのが相当である(最高裁昭和46年7月23日第二小法廷判決・民集25巻五号805頁参照)。

 そうとすれば、被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲の継続により、控訴人が太郎との離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由とする慰謝料請求権は、控訴人と太郎との離婚の判決が確定した平成10年3月26日から、初めて消滅時効が進行するものというべきである。
 したがって、被控訴人の右主張は、結局理由がないものである。

5 そこで、以上認定説示の事実(控訴人が長男一郎の看護に当たっている事実を含む。)その他本件口頭弁論に現れた一切の事情を総合考慮すれば、控訴人が、被控訴人と太郎との肉体関係ないし同棲の継続により、太郎との離婚をやむなくされたことによって被った精神的苦痛は、深刻かつ多大なものというべきであり、これを慰謝する金額としては200万円が相当である。

 また、本件訴訟の経過、認容額等にかんがみ、右慰謝料の1割に当たる20万円をもって、被控訴人の右不法行為と相当因果関係にある弁護士費用の損害と認める。

三 以上の次第で、控訴人の本訴請求は、被控訴人に対し、慰謝料200万円及び弁護士費用20万円の合計220万円及びこれに対する控訴人と太郎との離婚の判決が確定した日の翌日である平成10年3月27日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容すべきであり、その余は理由がないから棄却すべきである。
 よって、これと異なる原判決を右のとおり変更することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法67条二項、64条を適用して、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 塩崎勤 裁判官 橋本和夫 裁判官 大渕哲也)

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