サイト内全検索
 

[全 8678頁] 本日 昨日累計
ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
         

R 8- 2- 3(火):映画”ランニング・マン”を観て-”バトルランナー”より見応えあり
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ランニング・マ…」←リンクはこちらでお願いします
○令和8年2月1日(日)は早朝、TOHOシネマズ6番アイマックスシアターで1月30日(金)公開の映画「ランニング・マン」を鑑賞しました。映画コムでは「逃げ切れば大金を手にできるが、捕まれば即死という命懸けの鬼ごっこに挑む男の運命を描くノンストップアクション。ベストセラー作家スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で1982年に発表し、1987年には「バトルランナー」として映画化された小説を、「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督が新たに映画化した。」と解説されています。

○「映画”バトルランナー”を観て-残念ながらつまらないの一言」記載の通り、同じ原作で1987(昭和62)年にシュワルツェネッガー氏主演で製作された映画「バトルランナー」はつまらない映画でしたが、この映画「ランニング・マン」はそのリメイクではなく、原作により忠実に再現を試みたとの触れ込みです。確かに映画「バトルランナー」とはスケールがまるで違って、大いに楽しめました。

○主人公ベン・リチャーズを演じたグレン・パウエル氏は、映画「トップガン・マーヴェリック」でパイロットのハングマン役を好演して一躍人気者になったとのことですが、よく覚えていませんでした。ボディビルダーのシュワルツェネッガー氏ほどではありませんが、厚みのある肉体はなかなかのもので、その如何にも強靱そうな肉体を駆使して次から次へと襲いかかる危機を脱出するアクションをシッカリ楽しむことができました。

○2025年から43年前の1982年に2025年の未来の物語として描かれたストーリーですが、社会は一握りの富裕層と大部分の貧困層に分断され、30日間逃げ切れば大金が手に入り、捕まえられれば即処刑殺人というゲームをライブで多くの聴衆が楽しんでいます。こんな状況は、2025年の現実にはなっていないはずで、決してなって欲しくはないのですが。

映画『ランニング・マン』本予告|2026年1月30日(金)公開


以上:821文字
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ランニング・マ…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 2- 2(月):2026年02月01日発行第406号”弁護士の「嘘つき!」”
ホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター3 > 「2026年02月01…」←リンクはこちらでお願いします
○横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和8年2月1日発行第406号「弁護士の「嘘つき!」」をお届けします。

○大山先生は、ChatGPTを良く利用されるとのことですが、私はグーグルAIを良く利用します。確かに結構便利ですね。同じ質問をChatGPTとグーグルAI両方にしてみるとほぼ同じような回答が返ります。

○最近、訴訟中のお客様から、訴訟での問題点についてChatGPTで確認した内容をメール送付されてきた方が居ました。これからはそのような方が増えるかも知れませんので、私も度々利用するようになりました。法律上の問題点だけでなく、健康上の問題や、趣味の映画での疑問点など全ての問題について、万遍なく回答してくれます。法律上の問題点は、グーグルAIでは、最後に「弁護士などの専門家に相談して手続きを進める必要があります。」、「AIの回答には間違いが含まれている場合があります。」と述べて良心的です。ChatGPTにはそのような添え書きはなく、自信たっぷりに回答するように感じました。

○お客様が間違ったことを言ってきた場合、お客様の心情を考えると、ズバリ本当のことを言いづらい場面は、時々生じます。その場合、ChatGPTやグーグルAIに確認し、かれらはそのように言ってますねと、言いづらいことを、ChatGPTやグーグルAIに言わせる手もあるなと思いつきました。しかしこれを繰り返すとこの弁護士、頼りないなと思われそうで、心配な面もあります。ChatGPTやグーグルAIの利用方法は色々検討が必要です。

*******************************************
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の「嘘つき!」

多くの人が、生成AI のChatGPTを「チャッピー」と呼んで相談相手にしているそうです。姑や嫁に対する愚痴などにも、とても親身に応えてくれるんですね。さらには恋愛相談にも乗ってくれるとのことです。「あの男の子と私ってうまくいくかな? 」などと質問しても、決して否定的な回答はしない。前向きな、気持ちよくなる回答をしてくれるそうです。私もChatGPTをよく使います。法的問題のリサーチなど、とても便利なんです。ただ、困ったことにチャッピーはよく嘘をつきます。間違った情報を、自信たっぷりに教えてくれちゃいます。

まあ、ネットにある情報をまとめて回答しているので、元の情報が間違っていると、チャッピーも間違えるのはしょうがないです。別に「嘘つき!」と非難しようとは思いません。で、でも、間違いを指摘すると、先ほどの回答のことはスルーして、自信たっぷりに新しい回答を示してきます。「まず謝れよ!」と、心の狭い私は憤慨しちゃうのです。。。 しかし、このような「間違い」と、恋愛相談で全く脈の無い相手についても、常に肯定的な回答をするということは、違う話に思うのです。

「私はロボット」という有名なSF小説があります。ロボット工学のスーザン・カルヴィン博士(SF界では「心理歴史学」のハリ・セルダン教授と並ぶ大科学者です)が活躍する短編集です。その一つに「嘘つき」というのがあります。人間より優れたロボットができた未来社会で、ロボットが人間を害さないように、「ロボット三原則」というのができます。この中で一番重要な原則は、「ロボットは人を傷つけてはならない」というものです。まあ、当然と言えば当然の原則であり、これに従い全てのロボットは作られます。そういう中で、人の心を読むことができるロボットが出てきます。

スーザン博士は、ロボットの調査をするうちに、好きな同僚のことを相談するようになるんです。スーザンは当時アラフォーで、学者としては凄い人ですけど、もてる女性ではなかった。そんなスーザンに、ロボットは「相手もあなたに気がありますよ」みたいなことを言うんです。疑いながらもスーザンも良い気分でいたんですが、その同僚が他の女性と結婚まぢかと知って、現実に戻されます。「何故そんな嘘をついたのか」とスーザンに問い詰められて、ロボットは答えます。「私は人の心が分かるのです。みんな口では『真実を知りたい』と言いますが、本心ではそんなことを望んでいない。私には人を傷つけるような本当のことは言えません」 これに対してスーザンから「私はあなたの嘘で酷く傷ついた、あなたはロボット三原則に違反している」といった具合に責められて、結果としてロボットは壊れてしまいます。壊れたロボットに対してスーザンが「噓つき!」という言葉を投げかけて話は終わります。

弁護士の業務でも、依頼者に対してどこまで本当のことを言うのかは非常に悩ましい。私なんか気が弱いので、依頼者が自信たっぷりにおかしなことを言ってきても、「それは違います!」とはっきり言えないのです。高収入の夫が実家に援助するのを禁止したいという、奥さんからの相談がありました。よくよく聞いてみると、夫は自分の小遣いから援助しているんですね。「それはあなたの我儘です!」と言いたかったんですが言えない。「なるほど。。。そうですよね。まずは家庭を大切にして欲しいですよね」なんて言ってしまいました。「弁護士も私と同意見だった」などと言われそうで心配になります。さらに心配なのは、自分の主張がおかしいと分かったとき、こんな風に言って弁護士を非難しそうなところです。「嘘つき!」

*******************************************

◇ 弁護士より一言

卓球教室で、息子くらいの年齢のコーチに教わっています。コーチは本当によく褒めてくれるんです。「大山さん、その年齢とは思えないほど、体がよく動きますね」「今度、リーグ戦出てみましょう。いいとこまで絶対行きますよ!」なんて言ってくれるので、その気になって参加したら、卓球を始めて半年の小学生にもぼろ負けしちゃいました。「う、嘘つき!」

以上:2,473文字
ホーム > 事務所 > 大山滋郎弁護士ニュースレター3 > 「2026年02月01…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 2- 1(日):映画”ギャラクシー・クエスト”を観て-シガニー・ウィーバー氏若い!
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ギャラクシー・…」←リンクはこちらでお願いします
○令和8年1月31日(土)は、午後最近入手した4KUHDソフトで1999(平成11)年製作映画「ギャラクシー・クエスト」を鑑賞しました。映画コムでは「79年から放映された人気TVシリーズ「ギャラクシー・クエスト」は、宇宙船プロテクター号の乗組員たちの活躍を描いたSFもの。放送打ち切りから20年たった今でも、コンベンション会場は熱狂的なファンで超満員だった。しかしそこへ紛れ込んでいたのは“サーミアン”と名乗るネビュラ星エイリアン。TV放映を宇宙で傍受しドキュメンタリーと勘違いした彼らは、宿敵エイリアンと戦うため力を貸して欲しいと出演者たちの元へやってきたのだ。」とあらすじが説明されています。

○1949年生まれシガニー・ウィーバー氏50歳の時の作品で、1979年製作名作映画「エイリアン」出演時30歳のときから妊娠・出産を経て20年経過しての出演です。映画「ギャラクシー・クエスト」鑑賞時、同氏の若々しさは、映画「エイリアン」出演時とさほど変わらず50歳とは到底思えませんでした。人気TVシリーズ「ギャラクシー・クエスト」主人公出演者の中では唯一の女性で、インタビューを受けると胸のことしか聞かれないと不満を述べていましたが、これほど見事なバストの持ち主ということは映画「エイリアン」では気付きませんでした。

○いつも思うのですが、宇宙は無重力で、実際の宇宙船では、宇宙飛行士が空間に浮いたまま食事を取ったりしている場面を見ますが、「スター・トレック」等SF映画の中の宇宙船は、地球上と同じように重力があるように描かれているのが不思議です。その理由をグーグルAIに聞いてみたら「映画やSF作品の宇宙船内で重力があるように描かれるのには、科学的な理由(作中の設定)と、制作上の都合(演出・実用性)の2つの側面があります。」とのことでした。

○科学的理由とは、船の回転(回転重力)・加速減速(慣性力)を「重力」として利用しているとのことですが、その理由が科学的に正しいのかは不明です。制作上の都合とは、「撮影のコストと困難さ: 実際に無重力状態をセットで表現するのは撮影費用や技術的に非常に手間がかかります。また、俳優がずっと浮いて演技をするのは演技の制限や負担が大きくなります。」とのことです。

○参考に実際の宇宙は無重力ではないとして、「実は、宇宙空間(地球の衛星軌道上)自体が完全な無重力というわけではありません。国際宇宙ステーション(ISS)が飛んでいる高度400kmでも、地球の重力は地上の約90%残っています。ISS内の宇宙飛行士が無重力状態になるのは、地球の周りを高速で回っていることによる遠心力と、地球の引力(重力)が釣り合って、常に自由落下している状態だからです。 」と解説されています。

○さて映画「ギャラクシー・クエスト」ですが、映画「スター・トレック」・「スター・ウォーズ」等SF映画のパロディということで、奇抜な設定を結構楽しめました。人気TVシリーズ「ギャラクシー・クエスト」のしょぼくれた主人公達が実際に本物の邪悪な宇宙人(エイリアン)達と闘う羽目になり、実は不仲だった出演仲間が団結して元気になっていく様子は痛快に鑑賞できました。SFファンタジー映画ですが、シガニー・ウィーバー氏の見事なバストに限らず、一見の価値はありました。

映画「ギャラクシー・クエスト」 (2000) 日本版劇場公開予告編 Galaxy Quest Japanese Theatrical Trailer


以上:1,444文字
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”ギャラクシー・…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-31(土):賃料支払滞納後に滞納を解消しても解除は有効とした地裁判決紹介
ホーム > 貸借売買等 > 賃貸借 > 「賃料支払滞納後に滞納…」←リンクはこちらでお願いします
○「保証会社代位弁済があっても本人不払を理由に解除認めた地裁判決紹介」の続きで、一時賃料支払を滞納した場合、その後に滞納額全額を支払ったとしても、原被告間の信頼関係は破壊されているとして解除を認めた令和6年12月20日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○賃貸人原告は、被告が賃料等を、2024年4月までに金39万7045円を滞納したので、2024年4月18日付内容証明郵便で未払賃料等合計金39万7045円全額を上記内容証明郵便到達後1週間以内に支払うよう催告し、上記期間内に全額の支払いがない場合は、本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をし、催告期間内に支払がないとして明渡を求めました。

○被告は、滞納額は3か月分を僅かに上回る程度で、同年9月分及び10月分の滞納については月内に解消され、同年12月には1か月分を上回る17万円を支払い、保証会社とも協議するなど、被告は滞納の解消に向けた真摯な努力をしているので、原告による本件賃貸借契約の解除の時点では、原告と被告との信頼関係は未だ破壊には至っていないと主張しました。

○これに対し判決は、賃貸期間の開始後間もない同年9月分から滞納が生じ、その後も不定期かつ不十分な支払が繰り返され、令和6年4月20日時点では賃料等の滞納額が3か月分を超える39万7045円に至っており、賃料支払を2か月分相当額以上怠ったときは、原告は催告を要せずに契約を解除することができるとの約款があり、被告は滞納額の支払の催告を受けた後も催告期間内にその支払をしなかったのであるから、被告の債務不履行が軽微であったとも、原告と被告との信頼関係が破壊され、原告による解除の効力は否定されないとしました。

○所定の賃料支払滞納が生じた場合、その後賃料支払滞納を解消したとしても、信頼関係は破壊されると評価した判例であり、賃貸人側としては当然の判決です。

*********************************************

主   文
1 被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の建物を明け渡せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 主文同旨

第2 当事者の主張
1 原告の主張

(1)別紙「請求の原因」に記載のとおり(同別紙中の略語は、以下においても用いる。)。このうち未払賃料等の内訳は、別紙「準備書面1」に記載のとおり。

(2)被告は、令和5年9月から本件賃貸借契約に基づく賃料及び共益費(以下「賃料等」という。)を滞納するようになり、令和6年3月27日を最後にその支払をしていない。被告は、原告が解除の意思表示をした時点で、半年以上もの長期間にわたり、原告に対して滞納に至る経緯や今後の見通し等について何ら説明することなく、賃料等の滞納を続けており、真摯な対応をしてきたとは到底いえない。
 したがって、原告と被告との信頼関係は破壊されていたというべきであり、原告がした本件賃貸借契約の解除は有効である。

2 被告の主張
(1)別紙「請求の原因」のうち、1項、2項、3項(第2文)及び4項は認め、3項(第1文)は不知。

(2)原告が本件賃貸借契約の解除の意思表示をした令和6年4月20日時点において、賃料等の滞納額は3か月分をわずかに上回る程度であった。これは、被告が令和5年10月に虫垂炎で10日間入院して収入が途絶えたことに、収入の季節変動等の要素が加わり、やむなく滞納が続いてしまったものである。また、同年9月分及び10月分の滞納についてはそれぞれ月内にいったん解消されているし、同年12月には1か月分を上回る17万円を支払い、保証会社とも協議するなど、被告は滞納の解消に向けた真摯な努力をしていた。
 これらの事情からすれば、原告による本件賃貸借契約の解除の時点では、原告と被告との信頼関係は未だ破壊には至っていないから、同解除は効力を有しない。

第3 当裁判所の判断
1 別紙「請求の原因」のうち、1項、2項、3項(第2文)及び4項は、当事者間に争いがない。

2 本件賃貸借契約に基づく令和5年9月分以降の賃料等(口座振替手数料及び追加保証料を含む。)の発生及び支払の経緯につき、原告は別紙「準備書面1」のとおり主張するところ、被告は、これを特に争わず、これと異なる弁済等の事実の主張立証もしないから、原告の主張のとおり認めることができ、これによれば、令和6年4月20日時点での賃料等の滞納額は39万7045円であったものと認められる。


(1)そして、原告は、被告に対し、令和6年4月20日、上記滞納額を1週間以内に支払うように催告し、その期間内に支払がされない場合には本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしたが、被告はその催告期間内に賃料等の支払をしなかったものである(前記1)。

(2)この点につき、被告は、原告と被告との信頼関係は未だ破壊には至っていなかったから、原告による解除は効力を有しない旨主張する。

 しかし、本件賃貸借契約に基づく賃料等の支払の経緯(前記2)をみると、契約上は毎月27日に翌月分の賃料等を口座引き落としの方法により支払うこととされていたにもかかわらず、賃貸期間の開始(令和5年7月26日)後間もない同年9月分から滞納が生じ、その後も不定期かつ不十分な支払が繰り返され、令和6年4月20日時点では賃料等の滞納額が3か月分を超える39万7045円に至っていたのであり(なお、本件賃貸借契約上、被告が債務の支払を賃料の2か月分相当額以上怠ったときは、原告は催告を要せずに契約を解除することができるものとされている(14条1号。甲1)。)、しかも、被告は同日に滞納額の支払の催告を受けた後も催告期間内にその支払をしなかったのであるから、被告の債務不履行が軽微であったとも、原告と被告との信頼関係が破壊されていなかったともいえず、原告による解除の効力は否定されないものというべきである。

 被告は、入院による収入の途絶や収入の季節変動等により、やむなく滞納が続いた旨主張するが、仮に被告の収入が減少する事情があったとしても、被告が原告に対してそのような事情を説明し、滞納に係る了解を得ていたとはうかがわれないから、信頼関係の破壊を否定すべきものとはいえない。被告が主張するその他の事情も、以上の判断を左右するに足りない。

(3)したがって、本件賃貸借契約は、原告による解除の意思表示(前記(1))により、その催告期間の経過をもって、解除されたものと認められる。

4 以上によれば、原告は、被告に対し、本件賃貸借契約の終了に基づき、本件建物の明渡しを求めることができる。
 よって、原告の請求は理由があるから、これを認容することとし、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第37部
裁判官 貝阿彌亮

別紙 物件目録
(略)
以上:2,809文字
ホーム > 貸借売買等 > 賃貸借 > 「賃料支払滞納後に滞納…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-30(金):名の変更許可申立を認容した家裁審判紹介1
ホーム > 法律その他 > なんでも参考判例 > 「名の変更許可申立を認…」←リンクはこちらでお願いします
○「名の変更申立を却下した家裁審判紹介-名の変更許可要件は厳しい」の続きで、名の変更許可申立が認容された昭和57年11月29日山形家裁鶴岡支部審判(家庭裁判月報36巻3号161頁)全文を紹介します。

○名の変更許可申立審判は結構あるようですが、認容要件は厳しく、認容された例は余り見当たりません。認容例として、出生届に際し、母が、心ならずも父が決めていた名前とは違う名前を命名して届け出た名を、3ヶ月後には父母間で協議し合意のできた名前にして、その使用を継続して、家裁に名の変更することの許可を求めた事案を紹介します。

○山形家裁審判は、従前の名の届出の効力自体は否定できないが、従前の名が社会生活上いまだ定着していないと認あられる特段の事情がある限り戸籍法107条2項の「正当な事由」があると解すべきであるとした上、子の年齢(審判時1年4月)、現在の生育状況等から右の特段の事情が認められるとして、名の変更を許可しました。

********************************************

主   文
申立人の名「高也」を「吉政」に変更することを許可する。

理   由
一 本件申立の理由の要旨は、申立人の名「高也」は、申立人の母土井真佐江が申立人の父土井修の意思に反して命名し届出をしたものであるから,父母協議により、これを「吉政」に変更することの許可を求める、というにある。

二 当裁判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。 
 申立人の父母は昭和53年9月26日婚姻の届出をした夫婦で、婚姻後暫く東京都内に居住していたが、昭和55年ころ父の出身地である山形県鶴岡市に転居した。ところが、母は昭和56年2月5日都内の自分の実家にかつてに戻り、鶴岡市内に留まつた父との別居生活を始め、右別居中の同年7月29日、都内で申立人を出産した。申立人の出産前から父は男子ならば「吉政」の名がよいと考え、母にこのことを手紙で連絡し、母も右「吉政」が気に入つていた。

しかるに、申立人の出産後、母の兄が「高也」の名がよいと主張したため、母は、兄に出産費用を負担して貰うなど世話になつていた手前、同年8月7日、心ならずも「高也」の名で自ら申立人の出生届を出した。父は「吉政」の名が届け出られたものと思つていたが、同年10月ころ、「高也」の名で届出がされていることを知つた。同年11月ころ、父母は話合いの末同居して遣り直すことに決め、その結果同年12月5日母は申立人を伴い鶴岡市に移つて再び父と同居するようになつた。

その後、父母は申立人を専ら「吉政」と呼び、申立人は「高也」と呼ばれても反応せず、「吉政」と呼ばれた場合のみ反応するようになつており、近所に対しても「吉政」で通しているもので、今般、父母において、申立人の名を「高也」から「吉政」に変更する旨協議・合意の上本件申立がなされた。
以上の事実が認められる。

三 そこで検討するに、一般に、出生した子の名の命名は父母の共同親権事項と解すべきであるが、出生届の届出義務者について戸籍法52条1項が「父又は母」と定め、双方届出主義を採つていない関係上、父母の一方による他方の意思に反しての命名に基づく子の出生届がなされることも事実上起こり得ないではなく、そうした場合でも、ひとたび右届出が行われ戸籍への記載がなされた以上、これを前提として種々の法律関係が順次形成されていくものであることから見て、かかる届出の効力自体を否定するのは、もとより相当ではない。

しかしながら、この場合、父母の協議により双方の合意に基づく名への変更の申立がなされたときは、従前の名が社会生活上未だ定着していないと認められる特段の事情がある限り、同法107条2項の「正当な事由」があるものとしてこれを許すことができるというべきである。けだし、そうすることにより、法的安定を期しながらも、親権行使上の瑕疵を実質的に除去することができるからである。

 そこで、本件を見ると、本件は申立人の母が父の意思に反して申立人の名を命名しこれが届出をしたものであり、本件申立は、申立人の父母の協議により双方の合意に基づく名への変更を求めるものであることが明らかで、しかも、申立人の年齢、現在の生育状況等に照らすと、申立人の従前の名が社会生活上未だ定着していないと認められる特段の事情があるものといえる。そうすると、本件申立は、同法107条二項の「正当な事由」があると考えられる。

四 よつて、本件申立は正当であるからこれを認容することとし、主文のとおり審判する。
(家事審判官 福岡右武)
以上:1,889文字
ホーム > 法律その他 > なんでも参考判例 > 「名の変更許可申立を認…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-29(木):高市首相突然解散の令和8年1月29日時点結果予想記事紹介
ホーム > 弁護士等 > 政治・社会・司法等 > 「高市首相突然解散の令…」←リンクはこちらでお願いします
○令和8年1月23日衆議院解散となり、2月8日が投票日と決まりましたが、この突然の解散劇について令和8年1月29日時点での予想記事2つ紹介します。宮城県は5区ありますが、自民勝利確実なのは5区の小野寺五典候補だけで、1・3区は自民中道横一線、2・4区は中道やや先行と河北新報が報じています。前回は、1~4区全て立憲でしたので、自民が健闘しているようです。私は高市政権は支持していませんが、かといって、与党過半数割れで高市首相退陣となると政局混乱と株価暴落が予想され、何とか現状維持を望んでいます。

○以下の二ツの記事は、一方は自民苦戦、他方は自民単独過半数・中道伸び悩みの予想ですが、どちら予想が当たるか気になるところです。宮城1・3区は自民中道横一線との予想は、高市人気の影響なのでしょうか。高市政権を積極的には支持できませんが、かといって野党側には政権担当能力があるとは思えず、当面、高市政権が継続して貰いたいところです。

**********************************************

自民大勝はない、創価学会の動きは侮れない 「選挙の神様」久米晃さんの衆院選予想
Jcastニュース1/28(水) 17:00配信

 衆議院総選挙が2026年1月27日に公示され、12日間の選挙戦に突入した。与党は勝敗ラインとされる233議席をクリアできるのか、選挙後の政局はどうなるのか、「選挙の神様」とも言われる久米晃・元自民党事務局長(選挙・政治アドバイザー)に聞いた。久米さんは、自民の大勝はないと見る。

(略)

岸田内閣解散時の261議席を基本にすると、「30小選挙区は敗北確実」
―― 公示直後の現状で、「自民対中道」の議席数は、どこまで読めますか?
「前回(24年10月の石破内閣選挙)の自民党の獲得議席191をベースにすると、裏金問題での逆風があっての結果だから、岸田内閣時の総選挙(21年10月)の261議席を基準にした方がわかりやすい。この時の自民党候補者で、次点の候補に1万票差で勝ってきた人たちが30人くらいいるんです。ここは、確実に厳しいと思います。仮に、ここですべて敗北するとすれば、今の自民党の現状は、261-30の約230が中心軸になると思います。この当時は参政党はなく、これと国民民主党とは比例区の取り合いですから、自民党の比例議席も当然減ることになります。維新も減るでしょう。立憲民主党は今回、公明党の底上げはあるけれど、逆に、参政党や国民党が奪われる議席もある。この両党は今回、参議院選の時よりも勢いは収まっていると思いますが、参政党は前回3議席しかとってないから、2ケタには上げてくるでしょう。国民民主は前回を若干上回るのではないか

(略)

自民・中道の議席予想は微妙だが、総選挙後の政局展開はどうなる?
―― 与党が過半数を維持しても、自民党内には、高市首相への不満が残る?

「選挙が終わった後にひと波乱あるでしょう。麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長は、今回の解散には何の相談にもあずかっていない、『高市自己中解散』と言われています。不信、不満が渦巻いています。高市さんが、麻生さんも鈴木さんも信用していない。それは、逆も言えますよね。圧勝すれば別ですけど。石破茂前首相に限らず、高市氏の保守的な考え方とは距離がある人たちも少なくありませんから。例えば、党の執行部の残留を望んでもお断わりする、とか。高市さんは、内輪の人間だけで政権運営せざるを得なくなる」

―― 「中道改革連合」は負けたら分裂ですか?
「立憲の左の部分は切れるでしょう、たぶん。でも、多くの人間は後がない公明出身者と一体となって、この先を目指して残ることになると思います。この塊がひとつになって、自民に向かってくれば、脅威になります。とくに小選挙区では」

―― しかし、次の参議院選挙は、2年余り先ですね。
「来年は統一地方選挙がある。44道府県で地方議員選挙がある。地方議会では、公明党が組織として残っており、自民党との協力関係を結んでいる地域が少なくありません。県議会では一人区が多い。自公協力が残っているんです。
 一方で、自民党の場合、選挙に負けなければ総裁を追い出せない。ただ、参議院選挙で負けてやめた総裁は多いです。宇野宗佑さん、橋本龍太郎さん、安倍晋三さんや森喜朗さんもそれに近い。安倍さんと高市さんが決定的に違うのは、高市さんの周りには人がいない。安倍さんは人が自ずと集まってきていた。高市さんは苦境に陥った時に、あっという間に倒れるかもしれません」

(後略)


*******************************************

【速報】自民“単独過半数上回る勢い” 中道“伸び悩み” 序盤情勢分析
日テレNEWS NNN によるストーリー

NNNは、読売新聞と衆議院選挙の世論調査を行い独自の取材も加えて序盤の情勢を分析しました。その結果、自民党が単独で過半数を上回る勢いであることがわかりました。一方、中道改革連合は伸び悩んでいます。

衆議院選挙は小選挙区289、比例代表176の465議席をめぐって争われます。

NNNが、読売新聞と27日から28日にかけて世論調査を行い、独自の情勢取材も加えて分析したところ、自民党が過半数の233議席を単独で上回る勢いであることがわかりました。

日本維新の会は公示前の34議席の確保は見通せない情勢ですが、自民と維新を合わせた与党では法案や予算を審議する上で安定的な国会運営が可能な絶対安定多数261議席を上回る勢いです。

一方、野党側です。

新党の中道改革連合は公示前の167議席から議席を減らす見通しです。

短期決戦の中、中道は有権者に十分に浸透しておらず伸び悩んでいます。

国民民主党は公示前の27議席の現有議席確保に止まる情勢です。

去年の参院選で躍進した参政党は公示前の2議席から比例代表で議席を伸ばす見通しで2ケタ議席を獲得する勢いです。

チームみらいは公示前は議席はありませんでしたが、小選挙区での議席獲得は難しいものの比例代表の複数ブロックで議席を獲得する情勢です。

共産党は公示前の8議席の確保は厳しい見通しです。

減税日本・ゆうこく連合は小選挙区で議席を獲得するかギリギリの情勢です。

れいわ新選組、日本保守党、社会民主党は議席獲得が難しい情勢です。

しかし、一定数の回答者が小選挙区や比例代表で投票する候補者や政党をあげておらず今後、情勢が変化する可能性もあります。

調査は電話とインターネットで実施し、あわせて29万6268人から回答を得ました。

【NNN・読売新聞 衆院選情勢調査】

1月27日~28日に全国で実施

固定電話   7万1430人が回答

携帯電話   4万6103人が回答

ネット調査 17万8735人が回答

合計    29万6268人が回答
以上:2,800文字
ホーム > 弁護士等 > 政治・社会・司法等 > 「高市首相突然解散の令…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-28(水):名の変更申立を却下した家裁審判紹介-名の変更許可要件は厳しい
ホーム > 法律その他 > なんでも参考判例 > 「名の変更申立を却下し…」←リンクはこちらでお願いします
○40年近く前に以下の戸籍法107条の2に基づく名の変更許可申立をして認められたことがあります。幼児時代に養子縁組した子について、養子縁組後、実親が名付けた名前Aを使わず、Bという名前で通し、5年以上経過し小学3年生になった時に、名前の長年使用等を理由に名の変更許可申立をして、認められました。氏の変更は比較的認められやすいのですが、名の変更はなかなか認められません。
戸籍法第107条の2
 正当な事由によつて名を変更しようとする者は、名及び名の振り仮名を変更することについて家庭裁判所の許可を得て、その許可を得た名及び名の振り仮名を届け出なければならない。


○この「正当な事由」とは、名の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうものと解され、認定要件は大変厳しいものです。

○申立人は、重篤なPTSD及びうつ病により複数の自殺未遂をしてきたところ、戸籍上の名である「a」の名を使用し続ければ、申立人の精神的健康、治療からの回復、生命に対する重大かつ継続的な脅威となり、申立人の治療を妨げ、その社会生活に重大な支障を生じさせるのであり、単なる不便や主観的な不快感の問題にとどまらないとして、名の変更許可を申し立てました。

○これに対し、申立人が、うつ病と診断されたこと、申立人が両親の言動に苦痛や不満を長年抱いていたことを医師に伝えていることは認められるものの、それらは主観的なものにとどまり、戸籍名を使用することで社会生活において著しい支障を来すことを裏付ける的確な資料は提出されていないから、戸籍法上の名を変更すべき事情としての客観的合理性・妥当性は認め難く、また、申立人は、b(▽▽▽)という通称名を使用していると主張し、これを裏付ける資料も提出するが、その資料によっても、いまだ相当期間にわたって「b」(▽▽▽)という通称名が広く社会一般に通用しているとまでは認められないから、申立人の名を「a」(▽▽▽)から、「b」(▽▽▽)に変更することについては、戸籍法107条の2に定める正当な事由があるとは認められないとして、本件申立てを却下した令和7年10月20日東京家裁立川支部審判(LEX/DB)全文を紹介します。

**********************************************

主   文
1 本件申立てを却下する。
2 手続費用は申立人の負担とする。

理   由
第1 申立ての趣旨及び理由の要旨
1 申立ての趣旨

 申立人の名「a」(▽▽▽)を「b」(▽▽▽)と変更することの許可を求める。

2 申立ての理由の要旨
 申立人は、重篤なPTSD及びうつ病により複数の自殺未遂をしてきたところ、戸籍上の名である「a」の名を使用し続ければ、申立人の精神的健康、治療からの回復、生命に対する重大かつ継続的な脅威となり、申立人の治療を妨げ、その社会生活に重大な支障を生じさせるのであり、単なる不便や主観的な不快感の問題にとどまらない。
 よって、名の変更許可を申し立てる。

第2 当裁判所の判断
1 本件記録によれば、以下の事実が認められる。
(1)申立人は、平成11年△△月△△日にcとd(以下、それぞれ「父」、「母」という。)との間の長男として出生し、名を「a」【名の振り仮名】▽▽▽)と届け出られた。

(2)申立人は、令和6年2月10日、医師の診察を受け、問診票には、主訴を「何事にもやる気が起きなく、ご飯をたべること・入浴・歯磨きなどが億劫になっている。」、発症時期を「6か月くらい前から」、思い当たる原因を「幼少期からの両親からの精神的虐待」と記入した(甲3の1)。申立人は、同月14日、「気分の落ち込み、意欲低下、思考制止症状、自殺企図、さらには幼少期からの精神的ハラスメントによりそういった症状が生じている」として、PTSD、二次性うつ病を傷病名と医師に診断され(甲1の1)、同年8月5日には、うつ病であると医師に診断された(甲1の2)。

(3)e医療センター精神神経科担当医師fによる令和6年8月13日作成の診療情報提供書には、申立人の現病歴として、「幼少期より2歳下の妹と比べられることが多く、「優秀な妹」は好きな物を何でも買い与えられたが、本人はおこづかい制で欲しいものはお金を貯めて買うしか無かった。(中略)学校で作った美術の作品を持って帰ってきても、両親から「うわ、ゴミ持ってきたよ」と言われ、ゴミ箱に捨てられたり、学校での問題があると両親いずれからも激しく罵られ、物を投げられたりしたことがあった。」、「法学部入学を目指して予備校に通ったが、(中略)その過程で両親から「勉強もしないで引きこもっていて、お前には生きている価値なんかない」と言われることもあった。」、「2023年の夏に法科大学院の受験ラッシュがあり、複数校受験したものの全て落ちてしまい、両親から「お前なんかが弁護士になれるわけない。予備校時代も全然勉強しなかったのに、受かるわけないだろ」と否定的な言葉を言われたことで、法科大学院受験の意欲を一気に失ってしまった。好きだった料理も段々と出来なくなり自炊をしなくなり、昼夜逆転、抑うつ気分、意欲低下、食欲低下、情動不安定(突然泣き出す)、全身倦怠感等が出現するようになり、趣味の好きだったアイドルの音楽や料理もする気にならなくなった。」との記載がある。

 外来経過には、「背景に、法科大学院を失敗した事による反応性の抑うつの要素もあると考え、御本人には少しずつ行動を増やしていくことが抑うつの改善に重要であることを外来で説明しております。」と記載されている。また、【まとめ】の○家庭の項目には、「(今までは)親からのハラスメントに悩まされてきたが、これからは、一人の人間として強く生きたい。(もし母が)改心して、精神的ハラスメントをしないと宣言してくれるなら1度くらい会ってみても良いと思う。(もし私の父が)私の意見に耳を傾けてくれていたら、今でも信用関係が続いていたことだろう。」との記載がある。

(4)申立人は、令和6年8月6日、申立人の名aをbと変更することを求める旨の名の変更許可の申立てをしたが(当支部令和6年(家)第2061号)、同年9月27日、申立ては却下され、これに対する申立人の抗告(東京高等裁判所令和6年(ラ)第2506号)も、同年12月3日に棄却され(甲2の3)、これに対する申立人の特別抗告(最高裁判所令和7年(ク)第97号)も、令和7年3月12日に棄却された(甲2の4)。

(5)株式会社g作成の「電気ご使用量のお知らせ」と題する書面の宛先として,令和6年9月30日締切分から「b様」と印刷されている(甲6の2)ほか、令和6年9月20日以降の領収書の宛名が「b様」と記載されている(甲6の7)。

(6)父及び母は、令和6年12月12日頃、申立人に対し、これまでの4年8か月の間、アパートの賃料、生活費、大学の授業料等を仕送りしてきたこと、予備校、運転免許取得及びロースクール受験の費用等の要望に対しても、少しでも自立に向かえばと思い、認める形で支援してきたことを述べるともに、「今月の12月20日を最後に以降の貴方への仕送りを停止することを通告します。」などと記載した「仕送りの停止通告」と題する書面を送付した(甲4の2)。申立人は、父及び母に対し、支払督促の申立て(木更津簡易裁判所令和6年(ロ)第451号)をし、同人らは、令和6年12月23日、督促異議の申立てをした(甲4の3)。 

2 戸籍法107条の2は、名の変更につき「正当な事由」を必要としているところ、その趣旨は、名は、氏とともに人の同一性を表す呼称であることから、みだりに変更することを許さず、客観的に合理性・妥当性があると認められる場合に限って許可することとしたものであると解され、「正当な事由」とは、名の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうものと解される。

 申立人は、その心的外傷後ストレス障害及びうつ病の症状が、申立人の両親、特に父による長年にわたる精神的虐待の直接的な結果として発症したものであり、申立人の現在の戸籍名「a」は、心的外傷後ストレス障害及びうつ病の症状を誘発・悪化させる直接的かつ持続的な原因となっているとして、「a」を使用することの不都合を主張する。

しかし、前記認定事実によれば、申立人が、うつ病と診断されたこと、申立人が両親の言動に苦痛や不満を長年抱いていたことを医師に伝えていることは認められるものの、それらは主観的なものにとどまり、戸籍名を使用することで社会生活において著しい支障を来すことを裏付ける的確な資料は提出されていないから、戸籍法上の名を変更すべき事情としての客観的合理性・妥当性は認め難い。また、申立人は、b(▽▽▽)という通称名を使用していると主張し、これを裏付ける資料も提出するが、その資料によっても、いまだ相当期間にわたって「b」(▽▽▽)という通称名が広く社会一般に通用しているとまでは認められない。

 以上によれば、申立人の名を「a」(▽▽▽)から、「b」(▽▽▽)に変更することについては、戸籍法107条の2に定める正当な事由があるとは認められない。

3 よって、本件申立ては理由がないから、主文のとおり審判する。
令和7年10月20日
東京家庭裁判所立川支部
裁判官 小林愛子
以上:3,840文字
ホーム > 法律その他 > なんでも参考判例 > 「名の変更申立を却下し…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-27(火):賃貸物件以外の物件不法占拠理由に解除を認めた最高裁判決紹介
ホーム > 貸借売買等 > 賃貸借 > 「賃貸物件以外の物件不…」←リンクはこちらでお願いします
○古い判例ですが、賃借人の賃借物件以外の賃貸人所有物件不法占拠を理由に信頼関係破壊による解除を認めた昭和40年8月2日最高裁判決(判時424号34頁、判タ181号114頁)全文を紹介します。

○本件家屋賃貸借は、約定期限の経過とともに借家法による法定更新により期間の定めのない賃貸借となてしましたが、賃借人の上告人が賃借した部分は本件建物中A、B、C、Dの範囲のみであり、E、F、Gの部分については占有権原がなく、不法占有でした。

○賃貸人の被上告人は被告の不信行為(E、F、G部分の不法占拠)を原因として解約の申し入れをしており、この不信行為は信頼関係を著しく阻害するもので、無断転貸等に準ずるものであるから、直ちに、又は解約告知の方法により、賃貸借関係を終了させることができ、本件家屋中上告人が賃借していた部分については解約告知から6か月の経過または解除により賃貸借が終了していると認定して請求を全部認容した原判決を支持し、上告を棄却しました。

********************************************

主   文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○、同○○○○の上告理由第一点について。

 記録によれば、
(い)被上告人が本件訴状において、上告人が本件建物中のEFG部分を不法に占拠したことを責めており、その後の口頭弁論においても、常に不信行為の責任を追求している旨および
(ろ)被上告人が判示解約の申入をした真意は、上告人の不信行為を重要な原因としたものである旨の原審の認定は、いずれも是認でき、右認定の経路に審理不尽、理由不備の違法はない。
所論は、ひつきよう、原審が適法にした事実の認定ならびにこれに基づく当事者の主張の解釈を非難するものであつて、採用できない。

 同第二点について。
一 原審の証拠関係に徴すれば、
(い)上告人において本件建物中のG部分を不法占拠した時期は訴外甲のEF部分退去後である旨の認定、
(ろ)本件建物は上告人がその全部を被上告人から賃借し、訴外甲に対しては、上告人が右建物の一部を転貸したものであるとの上告人の主張に添う証人らの供述は措信し難く、他に右主張を肯認するに足る証拠はない旨の事実上の判断、
(は)上告人が本件建物中のE部分を被上告人に無断で使用した旨の認定、
(に)上告人が甲から被上告人に支払うべく託された賃料の一部を自ら領得した旨の原審の認定は、いずれも首肯できないものではなく、右認定判断の経路に採証法則違背、審理不尽の違法はない。
原審の事実認定に関し論旨の主張するところは、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断および事実の認定を非難するにすぎないものである。

二 しかして、原審が適法に認定したところによれば、上告人は、被上告人からその所有の本件建物の一部であるACE部分を賃貸し、また、D部分の使用をも黙認され、これらを店舗兼居宅として使用してきたが、昭和28年10月頃本件建物中のEF部分の賃借人である訴外甲が該部分から立ち退くや、被上告人に無断で該部分を占拠するの挙に出、あまつさえ、階上のG部分も同様に不法に占拠し、右EFG部分を前記賃借物件使用の便宜に宛てているというのであり、その他原審が確定した一切の事実関係を斟酌すれば、上告人の右行為は、本件建物の賃貸借契約の基礎にある当事者相互の信頼関係を裏切つて、賃貸借関係の継続を著しく困難ならしめる不信行為であるといわざるをえない。

かかる場合に、被上告人が右不信行為を理由に、賃貸借を解除できるとした原審の判断は正当である。右判断を云為する論旨は、原審の認定と相容れない事実を前提とし、独自の見地に立つて原判決を攻撃するものでしかない。
 論旨はすべて採用できない。
 よつて、民訴法401条、95条、89条に従い裁判官の全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)
以上:1,654文字
ホーム > 貸借売買等 > 賃貸借 > 「賃貸物件以外の物件不…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-26(月):不貞期間2年に慰謝料130万円の支払を認めた地裁判決紹介
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞期間2年に慰謝料…」←リンクはこちらでお願いします
○原告夫が、その妻であるCと平成31年3月から令和3年6月頃までの間、継続的に不貞行為を行った被告男性に対し、不法行為に基づき、慰謝料1000万円と弁護士費用100万円の合計1100万円の損害賠償を求めました。1000万円もの慰謝料を請求したのは、不貞行為発覚後不眠、精神不安に伴う動悸などの症状が生じていると診断されていることなどによると思われます。

○被告男性は、不貞行為の事実は認めるも、不貞行為時点で原告・C夫婦間婚姻関係は破綻しており、また慰謝料金額が高すぎると争いました。

○これに対し、不貞行為時点で原告・C夫婦間婚姻関係は破綻していないとして、2年間の不貞行為期間、Cには被告以外にも不貞行為があったこと、不貞行為発覚後の原告の精神的打撃等を考慮して、慰謝料130万円の支払を認めた令和6年11月27日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

*********************************************

主   文
1 被告は、原告に対し、143万円及びこれに対する令和5年5月11日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを6分し、その5を原告の、その余を被告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 被告は、原告に対し、1100万円及びこれに対する令和5年5月11日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言

第2 事案の要旨
 本件は、原告が、その妻であるC氏(以下「C氏」という。)の不貞相手である被告に対し、不法行為による損害賠償を請求する事案である。
1 前提事実
(1)原告は、平成22年12月31日、C氏と婚姻し、平成24年○月に長女が出生した。
(2)C氏と被告は、平成31年3月から令和3年6月頃までの間、継続的に不貞行為を行った。
(3)原告は、令和5年3月頃、C氏と被告の不貞行為を知るに至り、同年5月10日に被告に到達した内容証明郵便により、被告に対し損害賠償として1000万円の支払を請求した。(甲2の1、2)
(4)原告は、令和6年3月頃、長女とともに転居してC氏と別居した。(甲7)

2 争点(原告の損害の額)の及びこれに対する当事者の主張
(1)原告の主張
 C氏と被告の不貞行為による原告の精神的苦痛を慰謝するためには、少なくとも1000万円の慰謝料の支払が相当である。
(2)被告の主張
 被告がC氏と不貞行為を行ったことは認め、慰謝料の金額は争う。

第3 当裁判所の判断
1 被告の不貞行為は、原告の平穏な婚姻関係を破壊するものであり、不法行為を構成する。なお、被告は、不貞行為の時点で原告とC氏との婚姻関係は破綻していたとも主張するが、このことを認めるに足りる証拠はない。

2 そこで原告の損害の額について検討すると,原告とC氏との婚姻期間が現時点で約14年間に及ぶこと、C氏と被告との不貞行為の期間は2年以上にわたっており、被告の主張を前提としても10回から15回程度の性交渉があったと認められること(被告本人17頁)、原告は被告の不貞行為によってC氏と別居に至っていると認められること、原告が不貞行為を把握して以降、不眠、精神不安に伴う動悸などの症状が生じていると診断されていること(甲4)などの事情に加え、原告とC氏は離婚には至っていないこと、C氏には被告以外にも不貞相手が存在した点に争いはなく、原告とC氏が別居に至ったことの原因が被告のみにあるとは解されないことなど、本件にあらわれた一切の事情を考慮すれば、本件における慰謝料の額としては130万円をもって相当と判断する。これに弁護士費用相当額13万円を加算した14
3万円が、本件不貞行為と相当因果関係のある損害額と認める。 

第4 結論
 よって、原告の請求は主文第1項の範囲で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第12部
裁判官 秋山沙織
以上:1,689文字
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞期間2年に慰謝料…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-25(日):幅員2mの範囲での民法213通行権を認めた高裁判決紹介
ホーム > 法律その他 > 民法 > 「幅員2mの範囲での民…」←リンクはこちらでお願いします
○判例時報最新の令和8年1月号2336号118頁掲載の通行権に関する令和7年3月27日大阪高裁判決を紹介します。現時点ではウエストロージャパンにもLEX/DBにも掲載されていませんが、次回判例勉強会で私がレポート担当なので、以下、判例時報を読んでのレポート概略を紹介します。

○先ず要旨は以下の通りです。
1 原告の所有する土地につき公道に通ずる通路はあるがその幅が狭いために土地の効用を全うできないとして、より広い幅の通路の確保のために、被告の所有する土地につき民法213条に基づく通行権を認めた事例
2 民法213条に基づく通行権の範囲を定める際の一事情として、建築基準法43条1項所定の接道要件を満たすべき必要性を考慮した事例
(大阪高判令7・3・27〈参考原審:大阪地判令6・9・27〉)
論点は、民法213条通行権の有無及びその範囲で、参照条文は民法第213・210条と建築基準法第43条1項です。

○事案は以下の通りです。
s30年代2964番土地所有者Rが、添付参考図のとおり、2964番1~6に分筆
土地1~6として販売、
土地4と6の間に通路(本件道路)設置し、土地3・5所有者が道路利用(参考図参照)
r2に2886番1所有者Qが5を取得し、5と本件道路の間に塀を設置し本件道路使用をしなくなった
土地6所有者Y2は土地3所有者Xに本件道路の土地6部分使用を許さないと主張

主な争点
①本件道路の土地6部分にXは民213通行権が認められるか
②Xに認められる民213通行権の範囲
Xは、建築基準法43Ⅰに基づき約2.5mの幅を認めるべきと主張

r6.9.27大阪地裁判決
①を肯定
②は幅2mの範囲で通行権認める

Y2のみ控訴

○東京高裁判示概略は以下の通りです。
判示
Y2の控訴棄却
理由
(1)昭和30年代の本件各土地分筆の経緯からは
添付参考図での土地3・5の所有者は、本件道路につき、土地3の所有者は4部分のみ、土地5の所有者は6部分のみ通行するものではなく、それぞれ設けられた通路全体を通行する213条通行権を取得

(2)213条通行権の範囲
昭和56年承諾書においては、土地4・6の元所有者は、本件道路4部分を土地5所有者のために、本件道路6部分を土地3所有者のためにそれぞれ通行権の負担を承諾していたことを示す
建築基準法上接道要件を事情として考慮する必要がないとするのは相当でない
通行権の範囲は、土地3・5所有者のために幅2mを認めるべき

以上:1,006文字
ホーム > 法律その他 > 民法 > 「幅員2mの範囲での民…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-24(土):映画”バトルランナー”を観て-残念ながらつまらないの一言
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”バトルランナー…」←リンクはこちらでお願いします
○令和8年1月23日(金)は、ツルカメフラメンコアンサンブルの練習日でしたが、練習後夕食を取りながら恒例の映画館紹介は、最近息子が購入した4KUHDソフトで1987(昭和62)年製作映画「バトルランナー」を鑑賞しました。シュワルツェネッガー氏主演映画で、封切り当時映画館で鑑賞していたような記憶がありますが、内容は忘却の彼方でした。映画を観ているうちにところどころどこかで観たことがあるようなシーンが登場しました。

○1947年生まれのシュワルツェネッガー氏40歳の時の作品で、同氏はその当時映画「ターミネーター」、映画「プレデター」等大ヒットした有名作品で大スターになっており、私も大ファンになっていました。そこで映画館で鑑賞したと思われますが、内容は忘却の彼方だったのは、内容がつまらなくて記憶に残らなかったためと思われます。今回ほぼ40年ぶりの鑑賞で、ところどころ思い出しましたが、今回も感想はつまらないの一言でした。

○映画コムでは「21世紀を舞台にTV中継の殺人ゲームの標的になる男たちの反乱を描いたアクション映画。」と解説されていますが、シュワルツェネッガー氏のアクション映画としては、迫力に乏しくてハラハラ・ドキドキ感が殆ど感じられません。敵役として登場する人物もみな中途半端で、シュワルツェネッガー氏演ずる主人公に簡単に滅ぼされてゆきます。ストーリー展開が余りに安易すぎて、殆ど感情移入できないまま終わってしまいました。よくぞ、この映画が4KUHDソフト化されたものです。

『バトルランナー』日本版劇場予告編


以上:656文字
ホーム > 趣味 > 映画3 > 「映画”バトルランナー…」←リンクはこちらでお願いします
R 8- 1-23(金):LPガス供給契約解除に伴う違約金請求を棄却した最高裁判決紹介
ホーム > 法律その他 > 民法 > 「LPガス供給契約解除…」←リンクはこちらでお願いします
○「LPガス供給契約解除に伴う違約金請求を認容した高裁判決紹介」の続きで、その上告審令和7年12月23日最高裁判決(裁判所ウェブサイト)全文を紹介します。

○LPガス供給事業者が、約定供給期間10年間の経過前に契約解除したLPガス供給契約相手方に対し、違約金約17万円の請求をして、一審地裁判決はこれを棄却したところ、原審高裁判決は違約金支払合意が存在し、それが消費者契約法にも違反せず、また、錯誤も認められないとして、LPガス供給事業者の請求を認め、これを不服とした相手方が上告しました。


○最高裁判決は、消費者が液化石油ガスの供給等に関する契約を終了させる場合に消費設備に係る配管の設置費用等に関して所定の金額を液化石油ガス販売事業者に支払う旨を定めた条項は、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの)9条1号にいう「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」に該当し、消費者が液化石油ガスの供給等に関する契約を終了させる場合に消費設備に係る配管の設置費用等に関して所定の金額を液化石油ガス販売事業者に支払う旨を定めた条項は、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの)9条1号により無効となるとして、原審高裁判決を取り消し、LPガス供給事業者の請求を棄却しました。

○LPガス供給事業者は、LPガス供給契約相手方に対し約定供給期間経過前に契約解除した場合、違約金或いは売買代金名下に配管設備代金の一定金額返還を求めて、契約解除しないように縛りをかけるのが一般です。しかし、「LPガス供給のための戸建住宅設置配管設備の住宅付合を認めた最高裁判決紹介」で紹介した同じ日の最高裁判決も含めてこのような縛りは認められないことが確定しました。

*************************************************

主   文
原判決を破棄する。
被上告人の控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。 
 
理   由
 上告代理人○○○○の上告受理申立て理由(ただし、排除されたものを除く。)について
1 原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
(1)被上告人は、液化石油ガス(以下「LPガス」という。)の供給等を業とする株式会社である。
(2)被上告人は、令和元年頃、株式会社Aが販売する戸建て住宅(以下「本件住宅」という。)にLPガスの消費設備に係る配管及びガス栓(以下、併せて「本件消費設備」という。)を設置したが、本件消費設備の部品代金や設置費用、給湯器やそのリモコンの設置費用等(以下、本件消費設備と給湯器等を併せて「本件消費設備等」といい、本件消費設備等の設置費用等を「本件設置費用」という。)をAに請求しなかった。

(3)上告人は、令和元年6月、Aから本件住宅を購入した。その際、Aは、上告人に対し、Aが指定するLPガス販売事業者である被上告人からLPガスの供給を受ける必要があるなどと説明した。
(4)上告人は、令和元年7月、被上告人との間でLPガスの供給等に関する契約(以下「本件供給契約」という。)を締結し、本件住宅へのLPガスの供給を受けるようになった。

(5)本件供給契約に係る契約書には、次のような条項がある。
ア 被上告人が本件住宅にLPガスを供給する期間は、供給開始日から10年以上とする。
イ 被上告人が負担した本件設置費用は21万円(消費税込み)であり、上告人が被上告人から本件住宅へのLPガスの供給を受けている間、被上告人はこれを請求しない。
ウ 上告人は、供給開始日から10年経過前に本件住宅へのLPガスの供給を終了させる場合、本件設置費用に関し、被上告人に対し、次の算定式で得られた金額(以下、当該算定式で得られる金額を「本件算定額」という。)を、供給終了後、直ちに支払う(以下、この条項を「本件条項」という。)。
 (算定式)
 21万円-{21万円×0.9×(供給開始日から供給終了日までの経過月数/120)}

(6)本件消費設備は、本件住宅に付合しており、本件供給契約が締結される前から上告人がこれを所有している。

(7)上告人は、令和3年6月、被上告人に代わって日本瓦斯株式会社から本件住宅へのLPガスの供給を受けることとし、被上告人からの供給は終了した。

2 本件は、被上告人が、本件条項は、本件設置費用に関し、上告人に本件算定額の支払義務があることを定めた合意である旨主張し、上告人に対し、本件算定額である17万3775円及び遅延損害金の支払を求める事案である。
 上告人は、本件条項は、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの。以下同じ。)9条1号にいう「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」(以下「違約金等条項」という。)に当たり、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴って被上告人に生ずべき平均的な損害は存せず、その全部が無効になるなどと主張して争っている。

3 原審は、前記事実関係等の下、本件条項は、10年間にわたって上告人から被上告人に対して支払われるガス料金の中から回収することが予定されていた本件設置費用について、その未回収分を上告人において支払う旨の合意であって、違約金等条項に当たらないと判断し、被上告人の請求を認容した。

4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。
(1)被上告人は、本件住宅に本件消費設備等を設置しながら、Aに対して本件設置費用を請求しておらず、上告人は、本件住宅の購入に当たってAより被上告人からLPガスの供給を受ける必要がある旨説明を受けていた。このことからすると、被上告人は、Aの協力の下に、本件住宅を購入した者との間で優先的にLPガスの供給契約の締結について交渉することができる事実上の地位を確保するため、自らの判断で本件設置費用をAに請求しなかったということができる。

また、被上告人は、上告人と本件供給契約を締結するに当たり、上告人が被上告人からLPガスの供給を受けている間は上告人に本件設置費用を請求しないこととするとともに、本件条項により、上告人が供給開始日から10年経過前に本件供給契約を終了させる場合は、経過期間に応じて本件設置費用に関して支払われるべき本件算定額を逓減させることとしていたが、これらは、本件供給契約を締結するように上告人を誘引し、併せて本件供給契約が短期間で解約されることを防止し、本件供給契約を長期間維持するためのものであったといえる。このような本件供給契約の締結に至るまでの経緯及び本件供給契約の内容からすると、本件設置費用は、本件供給契約を獲得し、これを長期間維持するために先行投資された費用ということができる。

 また、本件条項は、一見すると、本件消費設備等の設置の対価として本件算定額の支払義務を定め、上告人が10年間にわたって被上告人に支払うガス料金から本件設置費用を回収することを予定するものであったようにもみえる。しかしながら、本件供給契約上、本件算定額は供給開始日から10年が経過するまでの間において1か月ごとに一定額ずつ減少するとされているものの、10年経過後には上告人が被上告人に支払うべきガス料金が減額されるという定めはなく、本件設置費用とガス料金との関係は明確にされておらず、本件設置費用がガス料金から回収されることになっていたのかも明らかではない。

このような本件供給契約の内容に加え、被上告人が、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約を多数締結しているLPガス販売事業者であることからすると、被上告人においては、既に消費設備の設置費用の回収が終わっている契約者に対し、従前と同様のガス料金を設定するなどし、他の契約者の消費設備の設置費用を負担させることができるような料金体系となっていて、実際には、上告人のみならず、契約者全体から得られるガス料金から本件設置費用を回収する仕組みとなっていたことがうかがわれる。これらのことからすると、本件算定額が本件消費設備等の設置の対価といえるものかどうかは明らかではないといわざるを得ない。

 以上からすると、本件条項は、本件消費設備等の設置の対価を定めたものではなく、本件供給契約が供給開始日から10年経過前に解約されるなどして被上告人がその後のガス料金を得られなくなった場合に本件算定額の支払義務を負わせることで、短期間の解約が生ずることを防止し、本件供給契約を長期間維持することを図るとともに、併せて先行投資された本件設置費用に関して被上告人が被る可能性のある損失を補てんすることも目的の一つとするものというべきであり、実質的にみると、解除に伴う損害賠償の額の予定又は違約金の定めとして機能するものということができる。したがって、本件条項は、違約金等条項に当たるというべきである。

 以上と異なる見解の下に、本件条項が違約金等条項に当たらないとした原審の上記判断には法令の解釈適用を誤った違法がある。


(2)本件条項が違約金等条項に当たることからすると、本件算定額の全部又は一部が、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害、すなわち、一人の消費者と被上告人との間で、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約が解除されることによって被上告人に一般的、客観的に生ずると認められる損害の額を超えるものである場合、本件条項は当該超える部分について消費者契約法9条1号により無効となる。そして、この点について、本件条項の目的の一つが、先行投資された本件設置費用に関して被上告人が被る可能性のある損失を補てんすることにあることからすると、LPガスの供給契約が解除されてそれ以降のガス料金を得られなくなると、被上告人において先行投資費用として負担した消費設備に係る設置費用の未回収分の損害が生じたようにみえなくもない。

 しかしながら、上記のとおり、供給開始日から10年が経過しても上告人が被上告人に支払うべきガス料金が減額されることになっておらず、本件設置費用とガス料金との関係が不明確なものとされていたという本件供給契約の内容等からすると、被上告人において、ある契約者に係る消費設備の設置費用は、契約者全体から得られるガス料金から回収する仕組みとなっていたものというべきである。

このことに加え、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約においてLPガスの価格に法令上の規制がなく、LPガス販売事業者は自由にガス料金を設定することができることも併せて考慮すると、被上告人としては、解除時点では消費設備に係る設置費用の全部を回収できていない契約者が一定数生ずるという事態が起きることを見越し、利益が確保できるように契約者全体のガス料金を適宜設定し、設置費用が未回収となったことの負担を他の契約者に転嫁することが可能になっていたといわざるを得ない。そうすると、上記事態が起きたとしても、被上告人に上記未回収分の損害が生じたとはいえないというべきである。

 そして、他に、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害に当たり得るものは見当たらない。
 以上からすると、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害は存しないというべきである。
 したがって、本件条項は、その全部について消費者契約法9条1号により無効となるというべきである。


5 以上によれば、原審の上記違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであって、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、以上に説示したところによれば、被上告人の請求は理由がなく、これを棄却した第1審判決は是認することができるから、被上告人の控訴を棄却すべきである。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。なお、裁判官林道晴の補足意見がある。
 裁判官林道晴の補足意見は、次のとおりである。
(省略)
以上:4,919文字
ホーム > 法律その他 > 民法 > 「LPガス供給契約解除…」←リンクはこちらでお願いします