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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちており、正確性は担保致しません。データは、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。
また、恐縮ですが、データに関するご照会は、全て投稿フォームでお願い致します。電話・FAXによるご照会には、原則として、ご回答致しかねますのでご了承お願い申し上げます。
     

H31- 3-22(金):翻訳サイトのリンクとその性能比較2
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○「RU平成31年3月例会-人間とは何だ?パート1 AIについて」に関連して続けます。
「AI(人工知能)まるわかり」によると、「機械翻訳の精度が人並みに近づく-ニューラル機械翻訳の登場」という小見出しで、2016年にグーグルが自社の翻訳サービスで実践したニューラル機械翻訳と呼ばれる技術の登場により、翻訳時の誤り率を、ほぼ人並みに抑えることに成功したと記述されています。AIについて講義された藤木教授もウェブ上の翻訳サイトも従前に比較し相当精度が向上していると説明されました。

○そこで、平成21年記載「翻訳サイトのリンクとその性能比較」に続けて試してみました。先ず、日本文「私は一日少なくとも10時間以上は勉強する。」の各英訳文例と、この英訳文例です。

[Google 翻訳]http://translate.google.com/?hl=ja#
I study at least 10 hours a day.
私は一日に少なくとも10時間勉強します。


以上完全に一致しています。平成21年12月当時は以下の通りで、「無料翻訳サイトの英訳文は余り当てにならないようです。」と記載した状況でしたから、10年の経過で、翻訳精度は、相当向上しています。

Google 翻訳http://translate.google.com/?hl=ja#
I am at least 10 hours or more a day to study.
勉強には、少なくとも10時間以上12日午前。


○そこで、少々難しい英文「She will make him a good wife.」を試してみました。
残念ながら、[Google 翻訳]での日本語回答は「彼女は彼をいい妻にするだろう。」で、誤りでした。
[Google 翻訳]に日本語として「彼女は彼をいい妻にするだろう。」と入力し、英語翻訳を見ると「She will make him a good wife.」となり、完全に一致しました。

○「She will make him a good wife.」の正しい日本語訳は、「”She will make him a good wife.”に戸惑う」に記載したとおり、「彼女は彼の良い妻になるだろう。」です。流石のグーグル翻訳も、この英文に関しては正しく学習がなされていませんでした。
以上:973文字
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H31- 3-21(木):RU平成31年3月例会-人間とは何だ?パート1 AIについて
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○平成31年3月20日(水)は、RU(異業種交流会・ライジングアップ)3月例会で、7名が参加して、ツルカメ第二スタジオにおいて、RU会員である東北文化学園大学科学技術学部知能情報システム学科/東北文化学園大学大学院健康社会システム研究科学科長教授藤木澄義氏の「AIについて」の話しを聞きました。藤木氏の知能情報ネットワーク研究室では、ニューラルネットワークと情報ネットワークを研究していますとのことで、AIの話しについては正にうってつけの方でした。

○AI=人工知能については、人間の仕事を奪ってしまうのではとのことで、最近相当話題になっていますが、その具体的中身については、サッパリ分からず、事前に素人にも分かり易いとの触れ込みの「AI(人工知能)まるわかり」を購入し、第1章「なぜ、今AIが注目されているか」だけを読んで藤木氏の講義に臨みました。

「AI(人工知能)まるわかり」によるとAIブームは、第1次が1950~60年代で実用性のあるものはほとんどできず、第2次は1980年代でエキスパートシステムの研究が進みビジネスへの応用は限定的でブームはしぼみ、第3次が現在で先進的機械学習の実用化が原動力になっているとのことです。機械学習とは、コンピューターに大量のデータを学習させ、人間のように音声や画像を認識させ最適な判断を下すことができるようにする技術とのことです。

○機械学習技術には様々な手法があるが、特に注目度が高いのがディープラーニング(深層学習)で、人間の脳を模した「ニュートラルネットワーク」を使って大量のデータを学習する方法で、現在主流のディープラーニングの実現手法は2006年から登場したとのことです。人間の脳の神経回路の構造を模倣との解説は、「AI(人工知能)まるわかり」27頁以下にありますが、この辺で、私にはその説明がチンプンカンプンになってきます(^^;)。

○ディープラーニング等AI技術の具体例として世界トップの棋士に勝ったアルファ碁がありますが、これは①次の一手の予測、②最終局面までの予測、③勝率の予測の3つの機能を駆使して実現しているとのことでディープラーニング(深層学習)のみでなく従来からある機械学習や探索技術の強化版等多くの技術を組み合わせて構築しているとのことです。

○藤木氏の講義で見せられた現在時点でのロボットの能力を示す動画には驚嘆しました。これまでのロボットはぎこちなく動くだけのイメージでしたが、あたかも人間のように自然な動きをして、バク転なども鮮やかに決め、障害物を巧みに乗り越えて進行するのに、ここまでできるようになったのかと目を見張りました。
以上:1,094文字
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H31- 3-20(水):法律事務所譲渡に伴う事件・顧問先の譲渡は”紹介”に該当するか?
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○現行弁護職務基本規程第13条では
弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。
2 弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。

と規定されています。

○弁護士法第72条では、
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
と規定され、法律事務の周旋について、弁護士自身は規制されていません。

○ですから現行弁護職務基本規程第13条での弁護士の依頼者紹介についての対価授受禁止は、弁護士法の要請ではありません。日弁連の職務基本規程逐条解説(コンメンタール)によれば、依頼者紹介対価支払禁止の趣旨は、弁護士が、単に依頼者を紹介したということだけで、その相手方から対価(紹介料)をもらうことは品位にもとるからであると解説されています。要するに弁護士は、一般的事業者ではなく、世の指導者たるべきであり、一般の事業者には当然に許されている仕事を紹介して紹介手数料を貰うようなえげつないことはするなという趣旨です。

○弁護士が高齢・病気等を理由に法律事務所を他の弁護士に譲渡する場合、机・打合せ机等什器備品・書籍等動産物件の譲渡だけでなく、現在受任中の事件或いは顧問契約を締結して定額の顧問料を頂く契約を譲渡することになります。この受任事件或いは顧問先(顧問契約)を譲渡して対価を貰うことは、弁護士職務基本規程第13条事件紹介に該当して、対価授受禁止規定が適用されるのかとの問題があります。もし適用されるとすれば、弁護士は対価を受け取って事業を譲渡することができなくなります。

○法律事務所の譲渡の際に、苦労して得た事件や顧問先を譲渡しても対価が受領できないというのは極めて不合理です。そこで私は、弁護士職務基本規程第13条の「紹介」には、事業としての委任契約の受任者の地位「譲渡」は含まれないと解釈すべきと考えています。「紹介」とは弁護士法第72条の「周旋」と同義とすれば、紹介も周旋も「(訴訟)事件の当事者と訴訟代理人との間に介在し、両者間における委任関係成立のための便宜をはかり、其の成立を容易ならしめる行為を指称し、必ずしも委任関係成立の現場にあつて直接之に関与介入するの要はない」と定義されます(昭和34年2月19日名古屋高裁金沢支部判決)。

○法律事務所譲渡に伴う受任中の事件或いは顧問先の譲渡は、既に譲渡人弁護士と依頼者の間には委任契約が成立しています。この成立した委任契約で弁護士は受任者の立場であり、その譲渡は、委任契約の受任者たる地位の譲渡になります。「紹介」とは「周旋」と同義であるとすれば、「事件の当事者と訴訟代理人との間に介在し、両者間における委任関係成立のための便宜をはかり、其の成立を容易ならしめる行為を指称し、必ずしも委任関係成立の現場にあつて直接之に関与介入するの要はない」ことになります。

○この「紹介」での弁護士の立場は、「両者間における委任関係成立のための便宜をはかり、其の成立を容易ならしめる行為」という事実行為をすることです。紹介された弁護士が依頼者と委任契約に至りますが、紹介した弁護士は、単に紹介だけであり、自ら法律行為である委任契約締結には至りません。これに対し、法律事務所譲渡に伴う受任中の事件や顧問先の他の弁護士への譲渡は、既に成立している事件委任契約や顧問契約という委任契約の受任者たる地位を譲渡する契約を締結します。従って譲渡契約の相手方である譲受人から対価を取得しても、それは事件や顧問先の「譲渡」の対価であり、単なる「紹介」に対する対価ではなく、弁護士職務基本規程第13条に違反しないとの結論です。
以上:1,645文字
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H31- 3-19(火):脳脊髄液減少症、診療ガイドライン改定へ-大いに期待しています
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○交通事故後に脳脊髄液減少症が発症したとして自賠責後遺障害申請をしても、脳脊髄液減少症が後遺障害と認定されることは、私の経験では100%ありません。脳脊髄液減少症の発症自体が認められないことが殆どで、希にその発症が認められても交通事故との因果関係が認められず、いずれにしても自賠責保険実務では、脳脊髄液減少症が交通事故による後遺障害と認められることは、まずありません。

○脳脊髄液減少症に罹患された方は、ブラッドパッチ療法を数回受けている方が多いのですが、当事務所に相談に来られた方の殆どは、ブラッドパッチ療法で多少の改善はあっても、多くの症状が残ったままです。そこでその苦しみについての損害賠償を求めて相談に来られます。

○過去の裁判例で交通事故による脳脊髄液減少症の発症が認められた僅かの事案は、多くがブラッドパッチ療法で相当程度症状改善が認められたものです。ブラッドパッチ療法が効果を上げることは、脳脊髄液減少症が発症したからだとの論理です。逆に、ブラッドパッチ療法が殆ど効果がないということは、脳脊髄液減少症ではない他の原因による症状だとなり、脳脊髄液減少症の発症はないと認定されます。他の原因がハッキリしない限り、どれほど症状が重くても交通事故による損害とは評価されません。

○ブラッドパッチ療法は、脳脊髄液減少症の原因が、髄液の「漏れ」によるもので、その「漏れ」を防ぐ手段として自家血を注入して髄液「漏れ」の原因となる「硬膜やクモ膜に生じた穴」を塞いで「漏れ」をなくして脳脊髄液減少を改善するものです。ですからこの療法で改善されないということは、脳脊髄液の「穴」からの髄液「漏れ」がないすなわち脳脊髄液減少症は発症していないとの認定につながっていました。

○ところが、以下の「脳脊髄液減少症、診療ガイドライン改定へ 「事故で発症」理解されず」との産経新聞報道によると「荒木信夫・埼玉医科大教授によると、外傷が自律神経に作用して髄液をつくる力が低下するケースがある」とのことです。ということは脳脊髄液減少症の発症は、「穴」からの髄液「漏れ」によるものだけではなく、髄液が正常につくられなくなることも原因となることもあり、ブラッドパッチ療法が効果を上げないことだけをもって脳脊髄液減少症発症否認の理由にはならなくなります。

○問題は、「外傷が自律神経に作用して髄液をつくる力が低下する」ことにより発症する脳脊髄液減少症の診断基準です。この診断基準が明確になれば、ブラッドパッチ療法で効果を上げない多くの脳脊髄液減少症患者の福音となります。診断基準の「改定版は来年中の完成を目指す」とのことで、大いに期待しているところです。

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脳脊髄液減少症、診療ガイドライン改定へ 「事故で発症」理解され
産経新聞2/7(木) 18:56配信


交通事故の外傷などをきっかけに激しい頭痛やめまいを引き起こす「脳脊髄液減少症」の診断基準を明確化しようと、日本頭痛学会の医師らが、頭痛の診療ガイドラインの改定を検討していることが7日、分かった。脳脊髄液減少症は国の研究班による診断基準などがあるものの、一部の症例に対応していない。ガイドラインが改定されれば、これまで確定診断できなかった患者の治療や補償に影響する可能性もあり、救済の一助として期待がかかる。

脳脊髄液減少症は、15年ほど前に一部医師が外傷で発症すると指摘して注目されたが、否定的な医師も多く診断がばらついた。脳神経外科医中心の厚生労働省の研究班が平成23年、外傷による髄液漏れを認めた診断基準を公表。同省は28年、漏れを自分の血液で止める治療法「ブラッドパッチ」の保険適用を認めた。

この基準は画像で明確に漏れを確認できたものを陽性としているが、外傷後に症状が出ても漏れが写らない患者もみられ、漏れ以外の理由で髄液が減少する可能性が指摘されていた。
28年度から学会の神経内科医らも臨床を本格化。研究チーム代表の荒木信夫・埼玉医科大教授によると、外傷が自律神経に作用して髄液をつくる力が低下するケースがあると分かってきた。これら症例はブラッドパッチで完治しないこともあり、多くの保険会社は事故後の賠償をめぐる交渉で発症を否定する。

同チームの光藤尚(たかし)同大助教は「『漏れていないから同症ではない』という誤解が診断や裁判で混乱を招いている」という。
学会の診療ガイドラインは25年のものが最新。改定版は来年中の完成を目指す。荒木教授は「最新の知見を盛り込むことで専門外の医師らにも病態を理解してほしい」と話している。

■「理解されない苦しさ」
認知度が低い脳脊髄液減少症の症状を知ってもらおうと、支援団体は15日、東京都千代田区の衆議院第1議員会館でシンポジウムを開く。登壇する患者の女性は「理解されず苦しむ人はたくさんいる」と訴える。
愛知県碧南市の宮田和子さん(67)は、平成22年3月、軽乗用車で信号待ちをしていたところ、乗用車に追突された。大きな外傷はなかったが、3~4週間後から視界がギラギラと光って見え、冷や汗や頭痛など全身に異変を感じるように。整形外科で診察を受けたが異常は見つからない。症状を訴えても「更年期だ」「あなたは気にしすぎる」などといわれた。

事故から3カ月後、雑誌で脳脊髄液減少症の存在を知り「これだ」と直感。詳しい医師がいる総合病院で検査を受けると同症とわかり、治療を受ければ「つぶれた豆腐が角まで整っていく感覚」があった。
しかし当時、治療は保険適用外で、3回のブラッドパッチでかかった約90万円は自費に。加害者の保険会社に治療費を求めたが発症を否定され、逆に債務不存在確認を求める調停を起こされ訴訟にも発展した。

訴訟で加害者側は、症状の改善は医学的効果ではなく、治療を有効だと思うことで回復する「偽薬効果」などと指摘。「命がけで治療しているのに」と涙が出るほど悔しかった。昨年6月に和解したが、裁判所は発症を認めなかった。
目のギラギラや倦怠感(けんたいかん)は今も残る。それでも講演を引き受けたのはほかの患者や熱意ある医師らに出会ったから。「ここまで治していただいた私が、人ごとにしてはいけないと思う」

シンポジウムは午後3時から。問い合わせは脳脊髄液減少症患者・家族支援協会東京事務所(042・325・8225)
以上:2,618文字
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H31- 3-18(月):”ニュージーランド銃所有率、じつは世界トップクラス”-に驚く
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○「平成27年12月事務所旅行開始-初めてのニュージーランド行きです」に「ネットで,テロとは無縁の安全な国を探したところ,国内にテロ組織,反政府組織の存在は確認されていない国としてニュージーランドが浮かび上がりました。」と記載していました。

○平成27年11月16日から、事務所旅行でフランスに行く予定でしたが、同月14日パリで発生したテロのため飛行機が運航中止となり、事務所旅行自体が中止となりました。そこで同年12月、急遽、他の国への事務所旅行を企画し、世界一、二番目に安全な国としてニュージーランドを選びました。

○ですから平成31年3月15日にニュージーランドのクライストチャーチで発生した犠牲者50人にも及ぶテロ事件には驚愕しました。しかし更に驚いたのは、以下の「ニュージーランド銃所有率、じつは世界トップクラス」との報道でした。「ニュージーランド一般市民の住民100人あたりの銃保有率は、世界で17番目に高い26.3丁だ」とのことです。ちなみに日本は、「市民100人当たり0.6丁」で「178カ国中164位」、「市民の総所有数は71万丁」とのことです。

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ニュージーランド銃所有率、じつは世界トップクラス、銃による殺人はまれ
Yahoo!ニュース3/16(土) 19:30配信 クーリエ・ジャポン


ニュージーランドの銃所有率はここ10年で、世界のトップクラスに入るほど上がっている。だが、銃による殺人の割合は、世界平均を大きく下回る。銃器所有者の多くが狩猟家と農家だからだ。

3月15日、クライストチャーチで起こった銃乱射事件で、少なくとも49名の死者が出た。これは2017年、ニュージーランドで起こった殺人総件数よりも1人多い数だ。

今回の2つのモスクでの襲撃は、同国ではこの70年以上で最悪の乱射事件となった。この乱射事件は、人口500万人弱のニュージーランドで銃規制議論の新たな材料になろう。

同国の銃器取締法は、隣国オーストラリアよりも緩いと見られてきた。一方で、米国に顕著な銃をめぐる議論の深刻な二極化からはおおむね自由だった。

「シドニー公衆衛生学校」が母体の「GunPolicy.org」によれば、ニュージーランドでは一般市民の銃所有が2005年から62%増加した。一般市民が所有する銃の総数は、合法・違法合わせて、2017年には150万丁に及んだと同団体は報告している。

サイズも大きめで、両手で射撃するライフル銃と散弾銃が、ニュージーランド国民には好まれている。つまり、狩猟か、あるいは農家が家畜を守るために使われる可能性が高いということだ。

今回のクライストチャーチでの乱射事件を「テロリストによる襲撃」と見なしたジャシンダ・アーダーン首相は、2017年にラスベガスで起こった銃乱射事件をうけ、銃取締法に関する自身の見解を示唆していた。

「このようなゾッとする状況を見れば、リベラルな銃取締法を正当化するものはどこにもありません」

そう国営放送「TVNZ」で語ったのは、同年10月、彼女が首相に就任する前のことだ。

2018年6月にジュネーブで公表された「小型武器調査」によれば、ニュージーランド一般市民の住民100人あたりの銃保有率は、世界で17番目に高い26.3丁だ。比較すると、米国は住民100人あたり銃120.5丁で世界最高の保有率だ。オーストラリアと英国はトップ25にも入っていない。

GunPolicyによれば、2017年、ニュージーランドで保持されている銃器のなかで、拳銃は3%にも満たなかった。

今回のクライストチャーチ乱射事件容疑者のひとりは、オーストラリアでは禁止されている半自動式・高性能型の銃器を使用した疑いがある。

銃による殺人はそれでもまれだ。2015年までの10年間、ニュージーランドで銃殺事件が10件以上を超えたのは2年しかなかった。2015年の「世界保健機構(WHO)」報告書によると、ニュージーランドの10万人あたり全殺人発生率1.2%で、世界平均の6.4%よりかなり低い。

ニュージーランドでは、銃携行許可証は16歳から取得できる。住民は警察武器取締事務所、たいていは警察署に行き、本人が直接申し込まなければならない。

国内法では、個人からピストルを買うには許可が必要で、半自動式銃には規制があり、銃販売業者の免許証は毎年更新されねばならない。

以上:1,829文字
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H31- 3-17(日):2019年03月16日発行第241号”大往生したけりゃ弁護士とかかわるな”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成31年3月16日発行第241号「大往生したけりゃ弁護士とかかわるな」をお届けします。

○私も昭和55(1980)年に弁護士登録し、平成31年(2019)年は登録40年目になりますが、40年の弁護士稼業で、結果として弁護士が介入したため紛争が、深刻・重大化したと感じる例を相当数見てきました。

○しかし、弁護士が介入したことで紛争が、適正な結論に収まったものが大部分とも感じています。特に当事者間の紛争が、既に相当深刻・重大化している事案を受任するときは、相手方も弁護士をつけて欲しいと念願する場合も多く、弁護士がついてホッとすることもあります。

○弁護士に成り立ての頃、先輩弁護士から、優れた弁護士とは、勝つべき事件に勝ち、負けるべき事件に負ける弁護士であり、負けるべき事件で勝つのは優れた弁護士ではないと教えられました。勝つべき事件、負けるべき事件の判断が大変難しいところですが、お客様にとって何が適正な結論かを、大局的・総合的判断ができる弁護士になりたいものです。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

大往生したけりゃ弁護士とかかわるな


「大往生したけりゃ医療とかかわるな」は、何年か前のベストセラーです。自然死のすすめという副題がついているとおり、医療とかかわらずに大往生を遂げることを勧めています。著者によると、間違って医療に頼ってしまうと、死にたくても死なせて貰えないそうです。身体中に管を付けられて、食べることも動くこともできない中、苦しみながら生き続けるんですね。

憎い相手に、「楽に死ねると思うなよ!」なんていうことがありますが、日本の医療にかかわると、死ねずに最後の最後まで拷問にあうように苦しむことになるぞと、本の中で忠告してくれてます。「かなり一方的な意見では?」と思う一方、確かにこういう問題があることも事実なんだろうなと思ったのです。

もっとも考えてみると、かかわるとろくなことがないという点では、医療も弁護士も同じような気がしてきました。「弁護士に係わった結果かえって大問題に発展した」なんて、結構よくある話です。少し前に、他人と喧嘩して、大怪我をさせた人の話を聞きました。当然のことですが、怪我をした方は大変怒りまして、相場よりはかなり高い賠償金を請求してきたんです。これだけ払えば、警察には言わないからということです。私が加害者から相談されていたら、「気持ちよく払った方が良いよ。」とアドバイスしてましたね。その人も、払っちゃおうと思ったんですが、つい魔が差して、弁護士に相談してしまったんです。

その弁護士は張り切ってしまい、相手方と交渉して、相当値切ろうとしたんですね。憤慨した相手が警察に告訴して、加害者の人は逮捕されてしまいました。ちなみにその弁護士は、加害者から苦情をいわれて、「私は刑事事件とは無関係ですから。」と言ったという落ちまでついていました。もっともこれなんかは、たまたまその弁護士の大局観が欠けていた話でしょう。

しかし、多くの弁護士が当然のように行っている業務にも、本当にそれが依頼者のためになっているのか感じるものはあります。会社がどうにもいかなくなると、破産手続きをとることになりますね。これなど会社のお葬式のようなものです。それに対して、「どうにかなるかもしれない」という場合は、会社を再生させる手続きをとる場合があります。民事再生とか会社更生という手続きです。ただこれは、本来は元気な会社だが、何か一つ大きな問題(トップの使い込みみたいな)があって潰れそうになっているときには役に立ちます。これはあたかも、現代の医療が、「この問題を治せば、後は自力で復活できる。」という場合に、その部分を治すために威力を発揮できるのと同じなんです。

それなのに、老いや生活習慣からくる病気に対しても、同じような「治療」を行ってしまうから、死ぬに死ねずに拷問を受けるようなことになってしまう。破産企業の再生も、根本的にダメな会社を再生させようとすると、ちっともうまくいかずに、関係者がみんな苦しむことになります。弁護士に頼まずに、会社を終わらせておいた方が、みんな幸せだったと思える場合がかなりありそうです。

個人労働事件などでも、弁護士と関わらない方が良いのではと感じることはよくありますね。「不当な扱いを受けた」ということで、従業員に勧めて、裁判など起こさせる弁護士は相当数います。誰が見ても不当な扱いで、そこさえ対処できれば自力で回復出来る人ならそれで良いと思います。

しかし、多くの場合はそうは思えないんです。自分自身の力を向上させる機会を逃し、わずかなお金と引き換えに、人としての信用を無くすのに、弁護士が加担しているように感じる場合もあります。かかわって良かったと言われる弁護士になれるように頑張ります!

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◇ 弁護士より一言

このニュースレターも、毎月2回発行で、丸々10年続けて参りました。発行当時3歳だった息子も、今では中学生なったと、感無量です。これだけ続けてこれたのも、励ましのコメントを送ってくれた、多くの方々のお陰と、心から感謝しております。
ここまで来たので、あとは行けるところまで行ってみようとの気持ちでいます。今後とも、末永くお願い申し上げます。
以上:2,289文字
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H31- 3-16(土):風俗産業においても男女平等化が急速に進んでいる報道紹介
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○「やはりソープ・ボーイは“生き地獄”?」に「女が男を買うことは相当抵抗があるのではと思われ、性産業として成り立つだろうかと疑問を感じていましたが、後記記事によると女の男を買うことへの抵抗はやはり強かったようです。」と平成19年11月に記載していました。

○しかし、その後10年経過し、後記「「女性専用風俗」はなぜ増えた? 解放される、身近な男たちで満足できない欲望」との記事によると「ここ数年、めざましい成長を遂げているサービス業が「女性専用風俗」」とのことです。同記事で紹介されたハラ・ショー氏著「女性専用:快感と癒しを「風俗」で買う女たち」によると「(平成30年12月)現在、日本全国で女性専用風俗の数は300軒近くにもなっている。個人経営の店舗も含めれば、もっと膨れ上がるだろう。ここ3年で女性専用風俗の紹介サイトへの月間アクセス数も7倍に増えた。」とのことで、女性専用風俗の時代は相当進んでいます。

「女性向け風俗情報サイトKaikan」には、300軒もあるという女性向け風俗のおそらくごく一部の店のHPが紹介されています。そのうちの女性向け風俗店のサイトを開いてみてビックリ、私には想像もできない世界が開いています。風俗産業においても男女平等化が急速に進んでいることが実感できました。LGBTが盛んに取り上げられる現在は、おそらくゲイ専用風俗、レズ専用風俗なども、相当進んでいるかも知れず、性の多様性を認めるという意味の時代が進化していると評価できるでしょう。

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「女性専用風俗」はなぜ増えた? 解放される、身近な男たちで満足できない欲望
2019年3月10日 18時0分 ダ・ヴィンチニュース


ここ数年、めざましい成長を遂げているサービス業が「女性専用風俗」である。そのほとんどの店舗では男性従業員が「セラピスト」を名乗り、女性客にマッサージを施していく。やがて彼らは、女性側の要求に応えながら性的絶頂に導くのだ。男性向け風俗店でいうところの「性感マッサージ」に近いが、その実態は少々異なっている。

『女性専用:快感と癒しを「風俗」で買う女たち』(ハラショー/徳間書店)は、女性専用風俗の経営者、従業員、そして顧客への取材レポートである。どうして女性たちは知らない男性を求めるのか、恋人や夫ではなぜ満たされないのか、本書にはその答えがある。

本書によれば、現在、日本全国で女性専用風俗の数は300軒近くにもなっている。個人経営の店舗も含めれば、もっと膨れ上がるだろう。ここ3年で女性専用風俗の紹介サイトへの月間アクセス数も7倍に増えた。著者は女性専用風俗が急成長した原因を3つ挙げる。「社会環境の変化」「店の健全化」「女性の意識変革」である。中でも、働き方改革によって正社員の副業が促進された「社会環境の変化」は、男性セラピストの増加をあおった。

とはいえ、男性なら誰でもセラピストとして採用されるわけではない。本書に登場する経営者や人気セラピストは、性欲のためだけにセラピストを志望する男性たちを一刀両断する。人気店ともなれば、100人応募してきて1人と面接するかどうか。選考基準は、容姿はもちろん、礼儀作法ややる気、コミュニケーション能力など、非常に細かく厳しい。少数精鋭のセラピストたちが日々、技術を磨ける環境が守られており、だからこそ女性たちはのめりこんでいくのである。

セラピストたちを指名する女性客の事情はさまざまだ。夫との性交渉がなくなった人妻や、初体験の練習をしたい処女、娘から薦められた75歳のお客もいたという。また、セラピストに求めるレベルも女性客によって異なる。女性専用風俗では本番が厳禁だが、それでも期待しているお客がいないわけではない。一方で、通常の施術すら必要なく一晩中添い寝してほしいだけの女性もいる。

ただし、自ら男性セラピストを攻めたがる女性が少ないのは、男性向け風俗との大きな違いだろう。女性客は「どうしてお金を払っているのに相手を気持ちよくさせなければいけないのか」という発想が働くのだという。こういう現実的な思考は女性ならではだ。

そして、著者は女性専用風俗のプレイ内容を確かめるため、「カップルコース」を選んで突撃取材を敢行する。知人の女性や常連客を誘い、彼女たちがセラピストたちから施術を受ける様子をできる範囲で描写していくのである。その詳細は本書でご確認いただきたいのだが、言えるのは「間違いなくプフェッショナルの技」だったということだ。女性の感想は
「初対面なのに、私の体を10回くらい扱ったことがあるみたいだった」
というのだから、すさまじい。

そして、お客たちの幸せそうなコメントが印象的である。男性の風俗客が抱きがちな罪悪感や劣等感とは、彼女たちは無縁だ。中には、セラピストにひたすら感謝している女性もいた。女性専用風俗とは、恋愛感情や夫婦の絆だけでは味わえない、新たな種類の快楽を提供してくれる場所である。そして、女性専用風俗が拡大している背景には、これまで抑圧されてきた女性の欲望が解放されつつあることも忘れてはならない。浮気でも売春でもなく、より手軽な方法で女性たちは心身の満足を得られるようになってきた。本書は風俗産業の最先端から、社会の多様性を示しているのだ。
文=石塚就一
以上:2,204文字
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H31- 3-15(金):介護保険の標準報酬額を基準に寄与分を認めた家裁審判紹介
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○「相続人妻の被相続人介護について寄与分を認めた高裁決定紹介」の続きで、介護寄与分655万円を認めた平成29年5月31日横浜家裁川崎支部審判(ウエストロージャパン)全文を紹介します。

○介護をした相手方は、相手方が行っていたとする看護行為,介護行為に対応する介護保険点数を計算し,これに訪問看護,訪問介護の報酬単価を乗じると,相手方の寄与分は約4538万円になると主張しましたが、老人ホームに入所すれば自己負担分が毎月20万円程度であり、相手方の介護がなければ約4500万円も減少していた蓋然性があるとは言えないとして相手方主張は退けられました。

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主   文
1 相手方の寄与分を655万0145円と定める。
2 被相続人の遺産を次のとおり分割する。
(1) 申立人は,別紙遺産目録記載1(1)及び同2(1)の各不動産を単独取得する。
(2) 相手方は,同目録記載1(2)及び(3)並びに同2(2)の各不動産を単独取得する。
(3) 相手方は,同目録記載3の預貯金を単独取得する。
(4) 相手方は,申立人に対し,(2)及び(3)の遺産取得の代償として,2913万9258円を支払え。
3 手続費用は各自の負担とする。

理   由
 一件記録に基づく当裁判所の事実認定及び法律判断は,以下のとおりである。
1 相続の開始,相続人及び法定相続分
 被相続人は,平成26年○○月○○日,死亡し,相続が開始した。
 その相続人は,被相続人の長男である申立人及び二男である相手方であり,法定相続分は,各2分の1である。

2 遺産の範囲及び評価
 被相続人の遺産は,別紙遺産目録(以下「目録」という。)記載の不動産及び預貯金である。
 申立人と相手方は,不動産について,相続開始時と分割時を通じ,目録記載1及び2のとおりの評価額で評価することについて合意している。これによれば,目録記載1及び2の各不動産の評価額の合計額は1558万2588円である。
 預貯金額は,相続開始時の残高が合計5048万9810円であり,申立人と相手方は,これを分割時の残高として計算することについて合意している。
 以上によれば,遺産の総額は,6607万2398円である。

3 寄与分
(1) 認定事実

 一件記録によれば,以下の事実が認められる。
ア 相手方と被相続人の生活状況等
 相手方は,平成12年に退職し,その後は貯金を取り崩して生活しており,目録記載2(2)の建物で,被相続人及びその夫(申立人及び相手方の父)と同居していた。
 被相続人は,認知症を発症し,これに伴う足の不自由が進行したため,寝たきり状態となり,平成22年○○月○○日,要介護4と認定された。
 被相続人の夫(申立人及び相手方の父)は,同年○○月に入院し,同年○○月に死亡した。
 相手方は,同年○○月から被相続人の介護をした。
 被相続人は,同年○○月○○日,要介護5と認定された。
 被相続人は,同年○○月○○日,成年後見に付され,後見人から毎月10万円の生活費が支給され,被相続人と相手方の生活費に充てられていた。

イ 被相続人の心身の状態
 平成22年○○月頃の状態は,大要,次のとおりである(乙3)。
 両上下肢にマヒがあり,寝返り,起き上がり,両足での立位保持,歩行,立ち上がり,片足での立位はできず,座位保持は,支えてもらえればできる。洗身,爪切り,移乗,移動,食事摂取,排尿,排便,口腔清潔,洗顔,整髪,上衣の着脱,ズボンの着脱は全介助を要する。嚥下はできる。失禁がある。視力は見えているのか判断不能であり,聴力は普通の声がやっと聞き取れる。意思はほとんど伝達できず,毎日の日課の理解,短期記憶,今の季節の理解,場所の理解はできず,生年月日・年齢を言うことと自分の名前を言うことはできる。前頭側頭型認知症,狭心症,神経痛性筋萎縮症と診断されている。

 平成24年○○月頃には,次のとおり,症状が進行している(乙4)。
 四肢の欠損,肩関節,股関節,膝関節の拘縮が生じている。聴力は聞こえているのか判断不能である。嚥下は見守り等が必要である。生年月日・年齢を言うこと,自分の名前を言うこともできない。失禁のためおむつを使用している。
 平成26年○○月頃の状態は,次のとおりである(乙5)。

 寝たきりで,意思疎通ができず自分の意思で四肢を全く動かせない。胸元で拝むように両腕が拘縮している。股関節は20cmしか開かないため,おむつ替えが困難である。両足が「く」の字に曲がり伸展できない。全く寝返りができないため,介護者が定期的に体位変換し向きを変え,補助パット等を当てている。

ウ 被相続人が受けていた介護サービスの内容等(調査報告書)
 平成22年頃から被相続人が受けていた介護サービスの内容は,次のとおりである。
 平日は朝夕30分,土曜日夕方と日曜日朝夕は60分,それぞれ朝夕2回,訪問介護を受けていた。訪問介護では,ヘルパーが,清拭,部分浴,足浴,手浴,おむつ交換,シーツの交換,更衣の援助,口腔ケア等を行っていた。60分の訪問介護では,ヘルパーがおむつ替えなどを行った後,被相続人の体調が良いときは車椅子に座らせ,食卓まで安全に移動させた上で,食事の介助を行っていた。

 週1回,通所介護(デイサービス)を受けており,午前9時過ぎ頃に自宅を出て,午後3時過ぎから午後5時前には帰宅していた。被相続人の体調が比較的良かった時期は月10回前後,短期入所生活介護(ショートステイ)を利用していたが,死亡する数か月前は体調が悪く利用できていなかった。

 デイサービスやショートステイのための送り出しがあるときは,ヘルパーが,おむつ替えなどを行った後,車椅子に安全に座らせて送り出しを行い,帰宅するときは,迎え入れて,車椅子からベッドに安全に写し,おむつの確認等をしていた。
 相手方が被相続人を入浴させることは困難であったため,デイサービスやショートステイを利用したときは施設内で入浴しており,施設へ行かせることができない場合に,週1回又は2回,1時間の訪問入浴を受けていた。

 2週に1回,訪問診療を受け,週1回,訪問看護を受けていた。訪問看護では,看護師が排泄のコントロール,皮膚の状態の観察などを行っていた。便をかき出す摘便は看護師と相手方とが行い,便が出た後の処理は相手方が行っていたと考えられる。血圧,体温の測定,服薬の管理は,相手方が行っていた。

エ 相手方が行った介護の内容
 相手方は,被相続人の介護をヘルパー任せにせず,食事や給水の際は1口ずつ被相続人の口に運んで介助をし,摘便を行い,素人には難しい痰の吸引も行っていた。

(2) 検討
ア 特別の寄与
 (1)で認定した事実によれば,被相続人は,近親者の療養看護を必要とする状態であったところ,相手方は,無償で継続的に被相続人の看護に専従して特別の貢献をし,これによって介護費用の出費を減少させ,被相続人の財産の維持に特別の寄与をしたと認めることができる。

イ 寄与分の算定方法
 要介護者の療養監護については,介護保険制度により,要介護度に応じて定められた標準報酬額の負担のみで一定の介護サービスを受けることができるから,寄与分を算定するに当たっては,介護保険の標準報酬額を基準にするのが相当である。
 もっとも,介護報酬基準等は,基本的に看護又は介護の資格を有している者への報酬を前提としており,扶養義務を負う親族と第三者とでは当然に報酬額も異なるべきものである。
 したがって,寄与分を算定するに当たっては,介護報酬基準額に基づく報酬相当額に療養看護の日数を乗じ,さらにそれに修正を加える必要がある。


ウ 介護報酬基準額に基づく報酬額
 要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年4月30日厚生省令第58号)は,要介護4を要介護認定等基準時間が90分以上110分未満である状態又はこれに相当すると認められる状態,要介護5を要介護認定等基準時間が110分以上である状態又はこれに相当すると認められる状態と定めている。

 一方,指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)の指定居宅サービス介護給付費単位数表(平成26年度介護報酬改定前のもの)によれば,身体介護が中心である場合の訪問介護費は,所要時間90分以上120分未満の場合につき6670円(1点10円で円単位に換算。以下同じ),120分以上150分未満の場合につき7500円になる。

 以上によれば,要介護4の場合は所要時間90分以上120分未満の訪問介護費である6670円を,要介護5の場合は所要時間120分以上150分未満の訪問看護費である7500円をそれぞれ介護報酬(日当)として採用するのが相当である。

エ 療養看護の日数
 被相続人が要介護4の認定を受けていた期間に相手方が被相続人の療養看護を行った日数は,平成22年○○月○○日から同年○○月○○日までの100日であり,この期間におけるショートステイの利用日数は18日であり,デイサービスの利用日数は4日である(調査報告書)。

 そうすると,この期間における相手方が特別な寄与に相当する療養看護を行った日数は100日からショートステイの利用日数18日を控除するのが相当であり,デイサービスを利用した日数は半日として計算するのが相当である。
 これによれば,療養看護を行った日数は80日と算定される。
 被相続人が要介護5の認定を受けていた期間に相手方が被相続人の療養看護を行った日数は平成22年○○月○○日から平成26年○○月○○日までの1601日である。この期間におけるショートステイの利用日数は200日であり,デイサービスの利用日数は449日である(調査報告書)。

 そうすると,この期間における相手方が特別な寄与に相当する療養看護を行った日数は1601日からショートステイの利用日数200日を控除し,デイサービスを利用した日数は半日として計算するのが相当である。
 これによれば,療養看護を行った日数は1176.5日と算定される。

オ 裁量割合
 前記のとおり,ショートステイ又はデイサービスを利用した日以外についても,被相続人は,朝夕2回の訪問介護及び週1回の訪問看護を受けていたものである。また,入浴等については訪問入浴等で行われていたことが認められる。また,相手方の介護の内容をみると,相手方の主張によっても,食事の介助と痰の吸引,摘便が主なものである。被相続人の後見人から毎月10万円の生活費が支給され,被相続人と相手方の生活費に充てられていたことも認められる。

 他方で,相手方は,左股関節人工骨頭置換術を受け,身体障害者4級と認定されており,被相続人の介助には困難が伴う中で,献身的に看護を行ったことが認められる。
 以上の事情を総合考慮すれば,相手方の療養監護による寄与分については,介護の報酬に相当する金額に,いわゆる裁量割合として0.7を乗じることが相当である。

カ 小括
 以上を前提として計算すると,被相続人が要介護4の認定を受けていた期間における寄与分は,要介護4の介護報酬6670円に80日を乗じ,これに0.7を乗じた37万3520円になる。
 また,被相続人が要介護5の認定を受けていた期間における寄与分は,要介護5の介護報酬7500円に1176.5日を乗じ,これに0.7を乗じた617万6625円になる。
 これらを合計すると,相手方の寄与分は,655万0145円と算定される。


キ 相手方の主張に対する判断
 相手方は,ウのような要介護認定等基準時間をもとにした介護報酬の算出方法に関し,要介護認定等基準時間は,各人の要介護度を要支援1から要介護5までにランク付けするための相対的なものさしに過ぎず,実際の介護・看護時間とは異なるから,これによって実際の介護に見合った介護報酬額を算出することはできず,これを寄与分算出の基準とするのは誤りであると主張する。

 しかし,要介護認定等基準時間は,介護の必要性を量るものさしとして用いられるもので,要介護認定における高齢者の要介護認定等基準時間の推計は,実際に施設に入所・入院している高齢者に対する調査結果に基づいて行われている(当裁判所に顕著な事実)。このことからすると,要介護認定等基準時間を寄与分算定の基準として用いることは,一定の合理性があるということができる。

 相手方は,相手方が行っていたとする看護行為,介護行為に対応する介護保険点数を計算し,これに訪問看護,訪問介護の報酬単価を乗じると,平成22年○○月から平成26年○○月までの相手方の寄与分は4538万2722円になるなどと主張する。

 しかし,前記のとおり,介護報酬基準等は,基本的に看護又は介護の資格を有している者への報酬を前提としており,これを相手方による介護についてそのまま適用することは相当でない。

 相手方は,相手方が介護を行わなければ介護保険を使って第三者の専門職を頼むしかないから,その場合に支払われる出費額が寄与分額になるのは当然のことであるとも主張する。

 しかし,要介護4又は5の状態の人が介護付き老人ホームに入所した場合,自己負担分は1か月約20万円程度であり,前記の介護期間にこれを乗じたとしても1120万円にとどまると認められる(申立人準備書面(1)別添資料1)。このことからすると,仮に,相手方の行った介護を専門の有資格者が行った場合に4500万円を超える介護報酬が発生するとしても,相手方の介護がなければ相続財産がその分減少していた蓋然性があるということはできない。
 以上によれば,相手方の主張は採用することができない。

4 具体的相続分
 以上によれば,申立人及び相手方の具体的相続分は次のとおりになる(1円未満四捨五入。以下同じ。)。
(1) 申立人の相続分
 (6607万2398円-655万0145円)×1/2=2976万1127円

(2) 相手方の相続分
 (6607万2398円-655万0145円)×1/2+655万0145円=3631万1272円

5 遺産の分割方法
(1) 当事者の意

 申立人は,目録記載1(1)の土地上の同目録記載2(1)の建物に居住しており,これらの不動産の取得を希望している。
 相手方は,目録記載1(2)及び(3)の土地上の同目録記載2(2)の建物に居住しており,これらの不動産の取得を希望している。
 申立人及び相手方は,預貯金については,現物分割をするよりも,相手方がすべて取得し,申立人に代償金を払うことを望んでいる。

(2) 当裁判所の判断
 (1)によれば,当事者の意見に基づき,不動産及び預貯金をそれぞれ希望する当事者に取得させ,相手方が申立人に代償金を支払う方法で遺産分割を行うことが相当である。なお,これによれば,相手方は,代償金の支払額を超える預貯金を取得することになるから,代償金の支払能力を有することは明らかである。

 以上によれば,申立人は,合計62万1868円に相当する不動産を,相手方は,合計6545万0530円に相当する不動産及び預貯金を取得することになる。
 そうすると,相手方が申立人に支払う代償金は,次のとおり2913万9258円になる。
 6545万0530円-3631万1272円=2913万9258円
 横浜家庭裁判所川崎支部

 〈以下省略〉
以上:6,275文字
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H31- 3-14(木):葬式費用はその実質的主宰者が負担すべきとした地裁判決紹介
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○「相続財産に関する費用-特に葬儀・法要費用について」で昭和61年1月28日東京地裁判決(判タ623号148頁、判時1222号79頁)の一部を紹介していました。葬式費用は、特段の事情のない限り、形式的な喪主ではなく、実質的に葬式を主宰した者が負担すべきものと解するのが相当であるとした判例です。その理由文全文を紹介します。

○本判決は、①葬式費用は、民法885条の相続財産に関する費用と解することはできない、②民法306条、309条1項は、死者の身分相応の葬式費用については、その限度で、相続財産が担保になる旨を規定しているにすぎない、③相続税法13条1項二号は、相続人が負担する葬式費用を控除して相続税を課税することを規定したにすぎない、④労基法80条、国家公務員共済組合法63条1項、2項も、死亡の相続人が常に葬祭ないし埋葬を行い、葬祭料ないし埋葬料の支払を受けることを当然のこととしているわけではない、としたうえ、葬式費用は、特段の事情のない限り、実質的に葬式を主宰した者が負担すべきものと解するのが相当としました。

○本件においては、Aの葬式で喪主とされたのは妻Y3であるが、それは形式上喪主とされたのにすぎず、実際は、Xらにおいて、葬式の段取り、準備、火葬場の手配、香典の管理、香典返し、参列者への飲食の準備を行い、Aの葬式を主宰したというべきであるから、相続人Yらが葬式費用を負担すべきいわれはないと判断し、Xの請求を棄却しました。

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主  文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。

事  実
第一 当事者の求めた裁判

一 請求の趣旨
1 原告に対し、被告Y1は、金192万3669円、同Y2及び同Y3は、それぞれ各金96万1834円とこれらに対する被告Y1及び同Y2は、昭和60年1月19日から、同Y3は、同年同月17日から各支払ずみまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
3 仮執行の宣言。
二 請求の趣旨に対する答弁
 主文と同旨。

第二 当事者の主張

         (中略)


理  由
一 請求原因1及び2は当事者間に争いがない。

二 亡Aの葬式が行われたことは当事者間に争いがない。

三 原告は、右葬式費用として、別表のとおり、合計金384万7339円を支払つた旨主張する。
 ところで、葬式費用とは、死者をとむらうのに直接必要な儀式費用をいうものと解するのが相当であるから、これには、棺柩その他葬具・葬式場設営・読経・火葬の費用、人夫の給料、墓地の代価、墓標の費用等が含まれるのみであつて、法要等の法事、石碑建立等の費用は、これに含まれないと解する。

 そうすると、原告主張の別表(1)(通夜と告別式の費用)のうち番号9ないし26に記載の寿司、料理、酒、ジュース、菓子等の各飲食代金及び同表(2)ないし(5)(49日法要、納骨代、葬儀後見舞客食費、その他の支払)に記載の各代金の合計金170万8539円は、少なくとも、右にいう葬式費用には含まれないものといわなければならない。

 したがつて、原告が葬式費用であると主張する金384万7339円のうち金170万8539円は、右葬式費用には含まれないものであることが明らかであるから、これを前提とする立替金請求のうち、右の部分については、前提を欠き、失当である。

四 原告は、右葬式費用(金213万8800円)は、相続財産に関する費用であり、相続財産が分割承継された場合には、相続人が法定相続分に従い、これを負担すべきであるから、相続人である被告らが法定相続分に従い、右葬式費用を負担すべきであると主張する。

 しかしながら、相続財産に関する費用(民法885条)とは、相続財産を管理するのに必要な費用、換価、弁済その他清算に要する費用など相続財産についてすべき一切の管理・処分などに必要な費用をいうものと解されるのであつて、死者をとむらうためにする葬式をもつて、相続財産についてすべき管理、処分行為に当たるとみることはできないから、これに要する費用が相続財産に関する費用であると解することはできない。したがつて、これを前提とする原告の主張は失当である。

 また、民法306条3号、309条1項は、債務者の身分に応じてした葬式の費用については、その総財産の上に先取特権が存在する旨規定しているが、これは、貧者にも、死者の身分相応の葬式を営ましめようとの社会政策的な配慮から、身分相応の葬式費用については、その限度で、相続財産(遺産)が担保になる旨規定しているにすぎないと解すべきであつて、これをもつて、葬式費用が相続財産に関する費用であると解することも、まして、葬式費用の負担者が相続人であると解することもできない。

 しかも、仮に、この規定を右のように解するとすれば、身分相応の程度を超えた葬式費用については、規定していないこととなるから、この部分の費用を結局誰れが負担するかについては、また別個に根拠を求めざるを得ないし、たまたま、相続財産が充分に存在する場合は格別、相続財産が皆無か、あるいは、存在しても、身分に相応した葬式費用を負担するに足りないときは、右のように解するときは、かえつて、債権者に不測の損害を蒙むらせることとなり相当でない。また、葬式費用を身分に相応した部分とそうでない部分とに区別して、その負担者を別異に取扱うこととなるのも当を得ない。

 相続税13条1項2号は、相続財産の価額から被相続人に係る葬式費用を控除した価額につき、相続税が課税される旨規定している。しかし、右は、葬式費用のうち、相続人の負担に属する葬式費用につき、控除する旨規定していることが明らかであつて、葬式費用を負担しない場合でも、相続財産の価額から葬式費用が当然に控除される旨規定しているものではない。したがつて、この規定をもつて、葬式費用が相続財産に関する費用であり、相続人が負担するものであると解する根拠とすることはできない。

 葬式は、死者をとむらうために行われるのであるが、これを実施、挙行するのは、あくまでも、死者ではなく、遺族等の、死者に所縁ある者である。したがつて、死者が生前に自己の葬式に関する債務を負担していた等特別な場合は除き、葬式費用をもつて、相続債務とみることは相当ではない。そして、必ずしも、相続人が葬式を実施するとは限らないし、他の者がその意思により、相続人を排除して行うこともある。また、相続人に葬式を実施する法的義務があるということもできない。したがつて、葬式を行う者が常に相続人であるとして、他の者が相続人を排除して行つた葬式についても、相続人であるという理由のみで、葬式費用は、当然に、相続人が負担すべきであると解することはできない。

 こうしてみると、葬式費用は、特段の事情がない限り、葬式を実施した者が負担すると解するのが相当であるというべきである。そして、葬式を実施した者とは、葬式を主宰した者、すなわち、一般的には、喪主を指すというべきであるが、単に、遺族等の意向を受けて、喪主の席に座つただけの形式的なそれではなく、自己の責任と計算において、葬式を準備し、手配等して挙行した実質的な葬式主宰者を指すというのが自然であり、一般の社会観念にも合致するというべきである。

 したがつて、喪主が右のような形式的なものにすぎない場合は、実質的な葬式主宰者が自己の債務として、葬式費用を負担するというべきである。すなわち、葬式の主宰者として、葬式を実施する場合、葬儀社等に対し、葬式に関する諸手続を依頼し、これに要する費用を交渉・決定し、かつ、これを負担する意思を表示するのは、右主宰者だからである。そうすると、特別の事情がない限り、主宰者が自らその債務を葬儀社等に対し、負担したものというべきであつて、葬儀社等との間に、何らの債務負担行為をしていない者が特段の事情もなく、これを負担すると解することは、相当ではない。したがつて、葬式主宰者と他の者との間に、特別の合意があるとか、葬式主宰者が義務なくして他の者のために葬式を行つた等の特段の事情がある場合は格別、そうでない限り、葬儀社等に対して、債務を負担した者が葬式費用を自らの債務として負担すべきこととなる。

 してみると、右の理は、相続財産の多寡及び相続財産の承継の有無によつて左右されるものではないことが明らかであるから、仮に、被告らが多額の財産を相続したからといつて、右認定、判断に消長をきたすものではない。


 また、労働基準法80条は、労働者が業務上死亡した場合において、使用者は、葬祭を行う者に対して、所定の葬祭料を支払わなければならないと規定しているのみであり、国家公務員共済組合法63条1項、2項も、組合員が公務によらないで死亡したときの所定の埋葬料は、死亡の当時被扶養者であつた者で埋葬を行うものに対し、あるいは、埋葬を行つた者に対し、支給すると規定しているのみであつて、当然に、相続人が葬祭ないし埋葬を行い、これの支払を受けることを前提としていない点も右認定判断をするにつき斟酌すべきである。

 そこで、これを本件についてみるに、亡Aは、昭和58年10月20日死亡し、その葬式が行われたこと、その喪主とされたのは、被告Y1であることは前記のとおりであるところ、同被告が喪主とされたのは、原告を含むその親族(亡Aの父母ら)の意向によつてであつて、亡Aの相続人である被告らの意向を諮つたうえ、これを汲んでされたものではなく、まして、右親族らが亡Aの妻である被告Y1及び養子である被告Y2らを喪主とすることが妥当でないと判断して、亡Aとは長期間別居し、社会的経験にも乏しい被告Y1を喪主としたものであつて、しかも、実際は、原告らにおいて、本件葬式の段取り、準備、火葬場の手配等を行い、かつ、香典を管理し、香典返しをし、参列者への飲食等の準備などもしたものであることは、原告の自陳するところである。

 してみると、本件葬式は、原告らが相続人である被告らを排除して、その責任において、取りしきり、挙行したものであることが明らかであるから、本件葬式を主宰した者は、原告らであつて、被告らではないというべきである。そして、原告と被告らとの間に本件葬式費用の負担についての合意があつたとか、原告が被告らから委託を受けてこれをしたものであるとかの事情もないうえ、本件葬式の実施が被告らの義務であるといえないことは前述したところであるから、原告が被告らのためにこれをしたものということもできない。

 なお、香典とは、葬式費用に充てることを目的として、葬式の主宰者である喪主に対し贈与されるものと解するのが相当であり、したがつて、香典返しも右主宰者において責任をもつて行うものというべきところ、原告らにおいて、本件葬式に関する香典を受領し、かつ、これを葬式費用の一部に充てるなどしたうえ、香典返しを行つたことは、原告の自陳し、あるいは、弁論の全趣旨から明らかであるから、この観点からしても、本件葬式が原告らの責任において主宰されたものであるということができる。

 以上によれば、本件葬式は、原告らにおいて主宰したものであつて、被告Y1は、原告らの意思で、形式上の喪主とされたにすぎないというべきであり、被告らが右葬式を主宰したということは到底できないから、右葬式に要した費用は、被告らが負担すべきものであるということはできない。他に、被告らが右葬式費用を負担すべきものとする根拠もない。

 そうすると、本件葬式費用を被告らが負担することを前提とする原告の本件請求は、その前提を欠き、その余の点につき判断するまでもなく失当であるというべきである。

五 よつて、原告の請求はいずれも失当であるから、棄却し、訴訟費用の負担につき、民訴法89条を適用して、主文のとおり判決する。
 (裁判官 後藤邦春)
以上:4,906文字
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H31- 3-13(水):他人の添え手による自筆証書遺言を無効とした地裁判例紹介
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○「自筆証書遺言書有効性判断に動画内容を参考にした地裁判例紹介」で、自筆証書遺言作成状況を動画撮影し、この動画内容が遺言書有効性の判断資料とされたことを紹介していました。

○遺言書作成当時、亡母に自書能力はなかったところ、遺言書の作成過程が動画に記録されていることをもって直ちに民法968条1項の「自書」の要件を充たすものと解したりすることは法の趣旨に反するなどとし、亡母の自書能力という点からも、運筆において許容される補助の程度という点からも、「自書」の要件を充たさないとして、その効力を否定した平成30年1月18日東京地裁判決(金法2107号86頁)を紹介します。

○事案は、亡母の子である原告X1及び原告X2が、同じく亡母の子である被告に対し、亡母が所有していた本件不動産につき、主位的に、平成24年12月14日付けの本件遺言書による亡母の遺言(平成24年遺言)に基づいて各3分の1の割合でこれを承継取得したと主張して、予備的に、本件不動産の全てを被告に相続させること等を内容とする平成22年8月11日付けの遺言公正証書による亡母の遺言(平成22年遺言)は無効であるから、法定相続分に従ってこれを承継取得したと主張して、所有権移転登記の更正登記手続をすることを求めたものです。

○判決は、原告らは動画によって本件遺言書の作成過程が記録されている点を強調するが,動画によって遺言書の作成過程が記録されたとしても,当該動画に記録された情報は遺言書そのものとは別個の媒体による情報であり,遺言書のみによって本人が書いたものであることを判定し,それ自体で遺言が遺言者の真意に出たものであることを保障することができない以上,作成過程が動画に記録されていることをもって直ちに「自書」の要件を充たすものと解したり,当該遺言を自筆証書遺言又はこれに相当するものと解したりすることは,前記の法の趣旨に反するものといわざるを得ないとしています。

○この判決の結論からは、自分の手で書くことができなくなった方は、自筆証書遺言作成は無理で、公正証書遺言にするしかないと覚えていた方が良いでしょう。

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主  文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由
第1 請求

1 被告は,原告らに対し,別紙物件目録記載1の土地につき,東京法務局墨田出張所平成27年8月4日受付第47718号をもってされた所有権移転登記を,原告ら及び被告の持分を各6分の1とする所有権移転登記に更正する更正登記手続をせよ。
2 被告は,原告らに対し,別紙物件目録記載2の建物につき,東京法務局墨田出張所平成27年8月4日受付第47719号をもってされた所有権移転登記を,原告ら及び被告の持分を各300分の14とする所有権移転登記に更正する更正登記手続をせよ。

第2 事案の概要
 原告ら及び被告はA(平成27年6月10日死亡。以下,特に示さない限り,「A」という。)の子であるが,本件は,原告らが,Aが生前所有していた別紙物件目録記載1及び2の土地及び建物の各共有持分(以下,併せて単に「本件不動産」という。)につき,①主位的に,平成24年12月14日のAの遺言(以下「平成24年遺言」という。)に基づいて各3分の1の割合によりこれを承継取得した,②予備的に,Aの死亡により法定相続分に従って各3分の1の割合によりこれを承継取得したとした上で,本件不動産について被告がこれを全部承継取得したことを前提とする所有権移転登記がされていると主張して,被告に対し,所有権に基づく妨害排除請求として,上記所有権移転登記の更正登記手続をすることを求める事案である。

         (中略)

第3 当裁判所の判断
1 認定事実

 前提事実,各証拠及び弁論の全趣旨によれば,別紙事実経過のとおりの事実が認められる。

2 争点(1)(平成24年遺言が有効か否か)について
(1) 判断枠組みについて

ア 昭和62年第一小法廷判決の解釈の適否について
 運筆について他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言が民法968条1項にいう「自書」の要件を充たすためには,遺言者が証書作成時に自書能力を有し,かつ,上記補助が遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか,遺言者の手の動きが遺言者の望みに任されていて単に筆記を容易にするための支えを借りたにとどまるなど添え手をした他人の意思が運筆に介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できることを要するものと解され(昭和62年第一小法廷判決参照),本件の平成24年遺言の効力の判断においてもこれと別異に解すべき理由は見当たらない。

イ 原告らの主張について
 原告らは,本件遺言書は動画によって作成過程が記録され,Aの意思に基づいて作成されたことが明らかであるから,昭和62年第一小法廷判決の射程外である旨等を主張するので,以下検討する。

(ア) 自筆証書遺言の方式として,遺言者自身が遺言書の全文,日付及び氏名を自書することを要することとされるのは(民法968条1項),筆跡によって本人が書いたものであることを判定でき,それ自体で遺言が遺言者の真意に出たものであることを保障することができるからにほかならず,自筆証書遺言は,他の方式の遺言と異なり証人や立会人の立会いを要しないなど,最も簡易な方式の遺言であるが,それだけに偽造,変造の危険が最も大きく,遺言者の真意に出たものであるか否かをめぐって紛争の生じやすい遺言方式であるといえるから,自筆証書遺言の本質的要件ともいうべき「自書」の要件については厳格な解釈を必要とするというべきである。「自書」を要件とするこのような法の趣旨に照らすと,前記アのような条件の下でのみ「自書」の要件を充たすものと解するのが相当である(昭和62年第一小法廷判決参照)。

(イ) 原告らは動画によって本件遺言書の作成過程が記録されている点を強調するが,動画によって遺言書の作成過程が記録されたとしても,当該動画に記録された情報は遺言書そのものとは別個の媒体による情報であり,遺言書のみによって本人が書いたものであることを判定し,それ自体で遺言が遺言者の真意に出たものであることを保障することができない以上,作成過程が動画に記録されていることをもって直ちに「自書」の要件を充たすものと解したり,当該遺言を自筆証書遺言又はこれに相当するものと解したりすることは,前記の法の趣旨に反するものといわざるを得ない。
 このほか,原告らが指摘する各事情を考慮しても,現時点において,前記解釈を否定すべき理由は見当たらないというべきである。

(ウ) なお,原告らは,「自書」の要件の解釈に当たっては,Aが平成24年12月当時,被告によって軟禁され,公正証書遺言を選択することができない状況にあったことを考慮すべきであるなどとも指摘する。しかし,平成24年遺言当時,Aが原告らの主張するような状況にあったものと認めるに足りる的確な証拠は見当たらない。かえって,現に本件遺言書が作成されている以上,原告らと一定の連絡が可能であったものと認められるから,公正証書遺言を選択することができない状態にあったという上記指摘は,前提を欠くものとして採用の限りでない。

(エ) 前記(ア)~(ウ)によれば,「自書」の要件に関する原告らの前記主張は採用することができない。

(2) 平成24年遺言の効力について
 前記(1)を前提に本件遺言書を見ると,Aが本件遺言書作成当時に自書能力を有していなかった以上(前提事実(3)),平成24年遺言は「自書」の要件を充たしていないというべきである。更に付言すると,証拠(甲2,20の各1,2)によれば,本件遺言書の記入に当たっては,BがAの手を取っているが,B及びAによる運筆の状況や記入中のAの姿勢,態度等からすると,Bによる補助が遺言者の手を用紙の正しい位置に導くものにとどまるとか,Aの手の動きがその望みにまかされていて単に筆記を容易にするための支えを借りたものにとどまるなどとは認められず,Bの意思がAの運筆に介入した疑いが残るものといわざるを得ない。
 そうすると,平成24年遺言は,Aの自書能力という点からも,運筆において許容される補助の程度という点からも,民法968条1項にいう「自書」の要件を充たさないものとして,その効力を否定せざるを得ない。

(3) 原告らのその余の主張について
 原告らは,本件遺言書の作成に至る経緯,作成過程,本件遺言書の内容その他の事情を指摘して,平成24年遺言が有効である旨を主張するが,前記(1)及び(2)を前提とすると,上記各指摘の当否について判断するまでもなく,平成24年遺言は無効であるといわざるを得ない。

3 争点(2)(平成22年遺言について適式な口授がされたか否か)について
(1) 平成22年遺言の方式に不備が認められないことについて

 証拠(甲6)及び弁論の全趣旨によれば,平成22年遺言は,①証人二人の立会いの下,②Aが遺言の趣旨を公証人に口授し,③公証人が,これを筆記して,A及び証人に読み聞かせ,かつ閲覧させた上で,④A及び証人が筆記の正確なことを承認した後,証人がこれに署名し,押印するとともに,Aが署名することができないため,公証人がその事由を付記したこと,そして,⑤公証人が,当該遺言公正証書は民法969条1号~4号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して,これに署名し,押印したことが認められる。
 そうすると,平成22年遺言は,法令の定める方式に欠けることはないものといえる。

(2) 原告らの主張について
 原告らは,被告の主張及び供述によれば,平成22年遺言は事前準備なく当日初めてAから公証人に内容が示されたにもかかわらず,意思確認が20分程度で終わったこととなるなどとし,公証人による十分な意思確認がされたとはいえない旨を主張する。しかし,遺言者であるAと公証人の間で相応の準備がされていたとすれば,当日の意思確認が短時間で終わったとしてもそのことが不自然であるとはいえない。そして,被告の供述を見ると,要するに,被告自身は案を含めて遺言の内容を関知していなかったという前提で,推測を交えつつ,自らの認識する限りの当日の状況を述べるものにとどまり,事前準備が全くされていなかったとか,遺言に当たって公証人に交付された資料の種類や内容を網羅的に述べるものではない。そうすると,平成22年遺言の作成過程に関する被告の主張及び供述が不自然であるとか,公証人の意思確認が十分にされなかったなどとは認められないから,原告らの上記主張は採用することができない。

(3) 小括
 前記(1)及び(2)によれば,平成22年遺言はAの口授に基づいて適式に行われたものと認められ,方式の不備を理由にその効力を否定することはできないというべきである。

4 争点(3)(Aの意思表示の瑕疵により平成22年遺言が無効となるか否か)について
(1) 原告らの主張について

 原告らは,種々の事由を指摘した上で,Aによる口授がされていたとしても,平成22年遺言は原告ら及び被告が遺産を均等に分けるというAの意思に反するから無効であるなどと主張するので,以下検討する。
ア 原告らは,①平成22年遺言の作成過程に関する被告の主張内容が虚偽であり,実際は,被告が事前に遺言内容を準備しておき,当日は形式的に内容の確認等がされたにすぎないなどとし,作成過程に被告が深く関与している旨,②平成22年遺言当時,Aが被告に逆らえない状況にあった旨を指摘する。しかし,各証拠を精査しても,平成22年遺言の作成に被告が立ち会ったとか,あらかじめその意に沿うようにA又は公証人らと調整ないし通謀をしたといった事情は認められない。かえって,遺言公正証書(甲6)によれば,公証人が前記3(1)の手順を経て直接Aの意思を確認したものと認められるところ,Aが被告から公証人の前で自由な発言等ができない程に強い干渉を受けていたものと認めるに足りる的確な証拠は見当たらないから,原告らの上記指摘は採用することができない。

イ 原告らは,平成22年遺言の内容は親の財産を独占しようとする被告の意図に沿うものである旨を指摘する。しかし,平成22年遺言の内容が被告に有利であったとしても,これが遺言当時のAの意思に反することを直ちに基礎付けるものではない。かえって,遺言の内容を見ると,本件不動産以外の財産については,全て,原告ら及び被告に均等の割合によって相続させるものとされており(前提事実(2)イ),必ずしも被告が全遺産を独占するという内容にもなっていないこと,前記3のとおり遺言がAの適式な口授に基づいて行われたものと認められることからすると,上記指摘は採用の限りでない。

ウ 原告らは,Cの遺産について被告が主張するような争いが生じたことがなく,Aには平成22年遺言を行う動機がなかった旨を指摘する。しかし,原告らの指摘する証拠(甲9の1,2,甲10)を含む各証拠を精査しても,平成22年遺言当時のAの動機又は認識が原告らの主張のとおりのものであったことを認めるに足りる的確な証拠は見当たらないから,原告らの上記指摘は採用の限りでない。

エ 原告らは,被告が家業を行っていないなどとし,Aが被告に本件不動産全部を承継させる理由がない旨を指摘するが,原告ら独自の考え又は推測に基づく指摘にとどまり,遺言が適式な口授に基づいて行われたものと認められる本件事実関係(前記3)の下においては採用の限りでない。

オ 原告らは,被告が,①平成22年遺言の執行者とされているにもかかわらず,その存在を原告らに報告しなかったことや,②家族である原告らとAの面会を執拗に拒み続けたことが不自然である旨を指摘する。
 上記①の点については,証拠(原告X2本人,被告本人)によれば,被告が原告らに積極的に平成22年遺言の存在を知らせなかったことは認められるものの,これは被告の事後の対応にすぎず,そのこと自体は遺言の内容が遺言当時のAの意思に反することを直ちに基礎付けるものではない。

 上記②の点については,原告らと被告の間において,特に平成24年以降,原告らとAの面会の可否及び条件,簡易生命保険の名義等をめぐって,長期間にわたり対立又は紛争が続いたことが認められるものの(別紙事実経過),これらの経過は,平成22年遺言当時のAの意思の所在という本論点との関係では,いずれも関連性が乏しいものというほかはない。
 原告らの上記指摘はいずれも採用の限りでない。

(2) 小括
 前記(1)によれば,各証拠を精査しても,平成22年遺言当時のAの意思が原告らの主張のとおりであったことを認めるに足りる的確な証拠が見当たらないから,原告らの前記主張は,その法律的な根拠の有無について判断するまでもなく,事実的な根拠を欠くものとして採用の余地がない。

5 まとめ
 前記2によれば,平成24年遺言は無効であるから,原告らが平成24年遺言に基づいて本件不動産の所有権を取得したものとは認められない。そして,前記3及び4によれば,平成22年遺言の効力を否定する理由が見当たらないから,本件不動産に係るAの所有権(持分権)は,Aの死亡により,被告がその全てを承継取得したものと認められる。
 そうすると,原告らが本件不動産に係るAの所有権を承継したものとは認められないこととなるから,被告は原告らの請求する更正登記手続を行う義務を負わないものと認められる。

第4 結論
 以上によれば,原告らの請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとする。
 よって,主文のとおり判決する。
 東京地方裁判所民事第10部
 (裁判官 岡部弘)
以上:6,484文字
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H31- 3-12(火):遺留分減殺請求で葬儀費用は債務として控除できないとした判例紹介1
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○遺留分減殺請求をされている方から、数百万円支出した葬儀費用を遺留分減殺対象財産から債務として控除できませんかと質問を受けました。葬儀費用は相続税の申告においては債務として控除されますが、以下の民法第885条の解釈として葬儀費用は相続財産に関する費用に当たるとしても、同条2項により、遺留分権利者の減殺請求に対しては、債務として控除はできないとされているのが一般の解釈のようですと回答しました。

第885条(相続財産に関する費用)
 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。
2 前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。


○遺留分減殺請求と葬儀費用控除の問題を含む判例を探したところ、葬儀費用の支払義務は葬儀を主催した者に帰属し、相続人の負担に帰すべきものではないから、葬儀費用額は被相続人遺産から控除されないと認定した平成25年4月25日東京地裁判決(ウエストロージャパン)がありましたので、該当部分を紹介します。葬儀費用支払義務喪主に帰属し相続人が負担する債務ではないとの理由で遺留分減殺対象財産から控除できないとしたもので、民法第885条2項を理由に控除できないとしたものではありません。

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主   文
1 被告Y1は,原告X1に対し,51万2648円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
2 被告Y1は,原告X2に対し,34万9199円及びうち26万1949円に対する平成24年5月27日から,うち8万2750円に対する平成22年2月15日から各支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3 被告Y1は,原告X3に対し,26万1949円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
4 被告Y2は,原告X1に対し,51万2648円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
5 被告Y2は,原告X2に対し,26万1949円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
6 被告Y2は,原告X3に対し,26万1949円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
7 原告らの被告らに対するその余の請求をいずれも棄却する。
8 訴訟費用はこれを2分し,その1を原告らの負担とし,その余を被告らの負担とする。
9 この判決は第1項ないし第6項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

1 被告Y1は,原告X1に対し,104万2672円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
2 被告Y1は,原告X2に対し,60万3836円及びうち52万1086円に対する平成24年5月27日から,うち8万2750円に対する平成22年2月15日から各支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3 被告Y1は,原告X3に対し,52万1086円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
4 被告Y2は,原告X1に対し,104万2672円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
5 被告Y2は,原告X2に対し,52万1086円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
6 被告Y2は,原告X3に対し,52万1086円及びこれに対する平成24年5月27日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,いずれも遺留分減殺請求として,被告Y1(以下「被告Y1」という。)及び被告Y2(以下「被告Y2」という。)に対し,原告X1(以下「原告X1」という。)が,それぞれ104万2672円,原告X2(以下「原告X2」という。)及び原告X3(以下「原告X3」という。)が,それぞれ52万1086円ずつ及びこれらに対する訴状送達の日の翌日(記録によれば被告らにつきいずれも平成24年5月27日と認められる。)から支払済みまで民法所定年5パーセントの割合による遅延損害金の各支払を,原告X2が被告Y1に対し,不法行為(遺産である預金債権の無断払戻)に基づく損害賠償請求として8万2750円及びこれに対する不法行為の日である平成22年2月15日から支払済みまで民法所定年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求めるものである。

         (中略)

(4) 葬儀費用は訴外Aの遺産から控除されるか(争点4)
(被告らの主張)
 被告Y1は,亡Aの葬儀費用として合計28万7750円を支払った。
 かかる葬儀費用は,相続財産に関する費用(民法885条1項)として,訴外Aの遺産から控除される。
(原告らの主張)
 被告Y1が同人の財産を原資として葬儀費用を支払ったことは否認し,その余は争う。被告Y1は,江戸川区に申請して葬祭費7万円の支払を受けている。

         (中略)

第3 裁判所の判断

         (中略)

(4) 相続債務等(葬儀費用,争点4)
 証拠(乙4の2ないし4の5)によれば,被告Y1は,訴外Aの葬儀を主催したと認められる。葬儀は,相続財産に関わるものでないから,葬儀費用は相続財産に関する費用(民法885条1項)とはいえない。葬儀費用の支払義務は,これを主催した者に帰属し,相続人の負担に帰すべき債務ではないから,被告Y1が,訴外Aの葬儀費用を支払ったとしても,それは自らの債務を履行したに過ぎない。
 よって,争点4についての被告らの主張は理由がなく,葬儀費用額は訴外Aの遺産から控除されない。
以上:2,480文字
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H31- 3-11(月):不貞行為第三者責任が”害意”なしとして破産免責された判例紹介3
ホーム > 男女問題 > 不倫問題 > 「不貞行為第三者責任が…」←リンクはこちらでお願いします
○「不貞行為第三者責任が”害意”なしとして破産免責された判例紹介2」の続きで、平成21年6月3日東京地裁判決(ウエストロー・ジャパン)全文を紹介します。

○事案概要は、原告の妻が夫Y1とその不貞行為相手方女性Y2を被告として500万円の慰謝料請求の訴えを提起したところ、Y2は東京地裁破産手続で免責決定を受け、原告の被告Y2に対する損害賠償請求権は破産法253条1項2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく」ものかどうかが争点になりました。

○判決は、被告Y2が破産法253条1項2号の悪意,すなわち積極的な害意をもって被告Y1の不貞行為に加担したことを認めるべき証拠は存在しないとして原告の請求を棄却しました。原告の主張に対し、判決は、破産者の不貞行為に基づく損害賠償請求権は,たとえそれが故意又は重大な過失によるものであるとしても,破産法第1項3号の「人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」と同視すべきものであると解することまではできないとも述べています。

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主   文
1 被告Y1は,原告に対し,150万円及びこれに対する平成19年10月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告の被告Y1に対するその余の請求及び被告Y2に対する請求を棄却する。
3 訴訟費用は,原告と被告Y1との間に生じたものはこれを3分し,その2を原告の,その1を被告Y1の負担とし,原告と被告Y2との間に生じたものは原告の負担とする。
4 この判決は,原告勝訴部分に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告らは,原告に対し,連帯して500万円及びこれに対する平成19年10月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,原告と婚姻していた被告Y1(以下「被告Y1」という。)が被告Y2(以下「被告Y2」という。)との不貞行為に及ぶなどして原告に精神的苦痛を与えたとして,原告が被告らに対し,共同不法行為たる不貞行為による損害賠償請求権に基づき,慰謝料500万円及びこれに対する不法行為の日の後であり原告と被告Y1とが協議離婚をした日の翌日である平成19年10月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めた事案である。

1 争いのない事実(後記(9)は文中,文末の括弧内の証拠等によりその事実を認める)
(1) 原告と被告Y1は,平成14年4月(原告主張による)又は同年6月ころ(被告ら主張による),原告が当時被告Y1の勤務先であった銀座のクラブを客として訪れて互いに知り合い,その後交際を始めた。その当時,原告は丸紅株式会社に勤務していた。
(2) 原告と被告Y1は,平成15年1月,東京都内の原告宅に同居して生活するようになった。
(3) 原告と被告Y1は,平成18年6月19日,婚姻届を提出して夫婦となった。
(4) 原告は,平成18年8月,a株式会社に転職するとともに,それに伴って大阪府内に単身赴任した。
(5) 被告Y1と被告Y2は,平成18年10月,被告Y2が被告Y1の勤務先であった前記のクラブを客として訪れて互いに知り合った。
(6) 原告と被告Y1は,平成18年12月17日,東京都内に親族を集めて,いわゆる挙式と披露宴を行った。
(7) 被告Y1は,平成19年1月12日,当時の自宅から出て,同月中に,被告Y2との同居生活を開始し,同年10月9日,被告Y2との間の子を出産した。
(8) 原告と被告Y1は,平成19年10月29日,協議離婚をした。
(9) 原告は,平成20年1月21日に本件訴状を提出したが(記録上明らかである),被告Y1と同Y2は,本訴係属中の同年5月14日,婚姻届を提出して夫婦となった(乙1)。
(10) 被告Y2は,東京地方裁判所において,平成20年7月23日に破産手続開始決定を,同年12月3日に免責許可決定を受け,後者の免責許可決定は,平成21年1月6日確定した。

2 争点及び当事者の主張
 本件の争点は,
(1)被告らが男女の関係を開始した時期はいつか,
(2)被告らが男女の関係を開始した時点において,原告と被告Y1との婚姻関係は破綻していたかどうか,
(3)原告の被告Y2に対する損害賠償請求権は破産法253条1項2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく」ものかどうか,
(4)原告の損害額,
であり,これらに関する当事者の主張は,以下のとおりである。

(1) 争点(1)(被告らが男女の関係を開始した時期はいつか)について
 (原告の主張)
 被告らが男女の関係を開始したのは,互いに知り合った平成18年10月ころからである。

 (被告らの主張)
 被告らは,平成18年12月29日に交際を開始したが,それ以前に男女の関係はなかった。

(2) 争点(2)(被告らが男女の関係を開始した時点において,原告と被告Y1との婚姻関係は破綻していたかどうか)について
 (被告らの主張)
 被告Y1は,原告との交際を開始した直後の平成14年9月,原告の子を妊娠したが,原告から,子供は既に2人いるので必要ないといわれ,やむなく中絶した。
 その後,被告Y1は,原告と同居して生活するようになったが,原告から,婚姻を前提として付き合う旨はおろか,温かい言葉,ねぎらいの言葉をかけられたことがなく,かえって,被告Y1の行いについて原告から必ず言いがかりをつけられ,命令や一方的な話を受けてばかりいた。
 被告Y1は,原告からの求めを断り切れずに婚姻届をし,また,原告の友人からの勧奨を断ることができずに結婚式を挙げるなどしたが,それ以前に原告の性癖や性生活に嫌気がさしており,平成18年9月ころからは,原告との性交渉もなくなり,婚姻関係の実体はなくなった。
 したがって,被告らが男女の関係を開始した時点において,原告と被告Y1との婚姻関係は破綻していた。

 (原告の主張)
 原告は,被告Y1から,原告の子を妊娠したと告げられた際に,被告Y1の言を信じて,産んでもよいと告げている。
 原告が被告Y1と最後に性交渉をもったのは,平成18年12月3日である。
 被告らが男女の関係を開始したのがいつであるにしても,その時点において,原告と被告Y1との婚姻関係は破綻していたということはない。

(3) 争点(3)(原告の被告Y2に対する損害賠償請求権は破産法253条1項2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく」ものかどうか)について
 (原告の主張)
 本件で問題となる不貞行為に関しては,社会的に極めて強い道徳的非難がなされている。また,侵害される権利は,人格権であり,生命・身体に関する権利に準ずる高い価値を有するものである。かような観点に照らせば,破産法253条の適用上,不貞行為に基づく損害賠償請求権に関して,同条1項2号の「悪意」は,同項3号を準用し,「故意又は重大な過失」を意味するものと解するべきである。しかるに,被告Y2は,故意又は重大な過失により本件の不貞行為に及んだものであるから,原告の被告Y2に対する損害賠償請求権は,非免責債権に該当する。

 (被告Y2の主張)
 原告の主張は争う。

(4) 争点(4)(原告の損害額)について
 (原告の主張)
 本件の不貞行為により原告は慰謝料500万円に相当する精神的苦痛を受けた。
 (被告らの主張)
 原告の主張は争う。

第3 当裁判所の判断
1 争点(1)(被告らが男女の関係を開始した時期はいつか)について

 原告は,被告らが男女の関係を開始したのは,互いに知り合った平成18年10月ころからであると主張するが,その事実を認めるべき客観的な証拠は存在しない。他方,被告らは,同年12月29日に交際を開始したと主張し,当事者尋問に際しても,その旨を供述するところ,かかる主張ないしは供述を排斥するのに十分な証拠は存在しない。

 したがって,被告らが男女の関係を開始した時期については,被告らが主張し供述するとおりに認めるのが相当であり,これに反する原告の主張は,採用することができない。

2 争点(2)(被告らが男女の関係を開始した時点において,原告と被告Y1との婚姻関係は破綻していたかどうか)について
 被告らは,被告らが男女の関係を開始した時点において,原告と被告Y1との婚姻関係が破綻していたと主張するが,前記争いのない事実(3)によれば,原告と被告Y1は,平成18年6月19日,婚姻届を提出して夫婦となっていることが認められるから,それ以前に婚姻関係が破綻していたというのは,社会通念上あり得ないことというべきであるし,その婚姻後,前記認定のとおり被告らが男女の関係を開始した同年12月29日までの間に,原告と被告Y1との婚姻関係が被告Y1の単なる好き嫌いといった一方的な心情とは別に客観的にみて破綻していたというに足りる事情を認めるべき証拠は存在しない。
 したがって,被告らの上記主張は,これを採用することができない。

3 争点(3)(原告の被告Y2に対する損害賠償請求権は破産法253条1項2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく」ものかどうか)について
 破産法253条1項柱書及び3号は,破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権は,免責許可の決定が確定したときであっても,破産者がその責任を免れるものではない旨を定めているが,破産者の不貞行為に基づく損害賠償請求権は,たとえそれが故意又は重大な過失によるものであるとしても,上記の「人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」と同視すべきものであると解することまではできない。
 そのほか,被告Y2が破産法253条1項2号の悪意,すなわち積極的な害意をもって被告Y1の不貞行為に加担したことを認めるべき証拠は存在しない。
 したがって,この点に関する原告の主張は,これを採用することができず,被告Y2は,免責許可決定の確定により,原告が訴求する損害賠償請求権について,その責任を免れたものといわなければならない。


4 争点(4)(原告の損害額)について
 前記争いのない事実,被告Y1の当事者尋問における供述及び弁論の全趣旨によれば,原告と被告Y1とは,原告が婚姻後間もなくして単身赴任したこともあって,夫婦としての確固たる信頼関係を形成できずにいたところを,被告Y1の不貞行為によって,婚姻関係の破綻に至ったものと認められる。このような婚姻関係の破綻の経緯及び破綻に至るまでの婚姻期間が比較的短いことその他本件記録に顕れた一切の事情を総合勘案すると,被告Y1の不貞行為によって原告が受けた精神的苦痛を慰謝料として金銭的に評価すれば,150万円に相当するものと認められる。かかる認定を左右するような証拠は存在しない。

5 よって,主文のとおり判決する。
 (裁判官 石橋俊一)
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