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ご訪問有り難うございます。当HPは、私の備忘録を兼ねたブログ形式で「桐と自己満足」をキーワードに各種データを上記14の大分類>中分類>テーマ>の三層構造に分類整理して私の人生データベースを構築していくものです。
なお、出典を明示頂ければ、全データの転載もご自由で、転載の連絡も無用です。しかし、データ内容は独断と偏見に満ちて正確性に欠けることがありますので、決して鵜呑みにすることなく、あくまで参考として利用されるよう、予め、お断り申し上げます。データに関するご照会は、電話・FAXではなく、全て投稿フォームでお願い致します。
■ 携帯電話やスマートフォーンでご覧いただいてます皆様へ。下記からもアクセス可能です。ご利用下さい
・モバイル版トップページ http://komatsu-law.com/ ・交通事故関係http://komatsu-law.com/koutu/
 ・男女問題関係  http://komatsu-law.com/danjyo/ ・相続家族関係 http://komatsu-law.com/souzoku/

H29- 6-24(土):スケジュール管理はグーグルカレンダーで十分と判明-不便な点
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○「スケジュール管理はグーグルカレンダーで十分と判明」の続きです。
スケジュール管理はグーグルカレンダーで十分と判明」で「全くの無料で、レンタルエクスチェンジサーバー利用アウトルックでのスケジュール管理よりグーグルカレンダーの方が良いことずくめです。」と記載していましたが、平成29年6月7日から使用を初めて2週間ほど経過し、アウトルックと比べて不便な点も見えてきました。

○先ず一番不便な点は、スケジュールを丸ごとコピーできない点です。アウトルックでは、入力したスケジュールを開始時刻・終了時刻・分類項目・公開方法等付随項目データも含めて丸ごとCtrl+Cでコピーして他の日時にCtrl+Vで貼り付けることが出来ました。しかし、グーグルカレンダーでは、スケジュールの表題テキスト文字だけしかコピーできません。開始時刻・終了時刻・予定の色情報等付随項目データも含めてスケジュールを丸ごとコピーしたいのですが、これが出来ないのが大変不便です。

○また、アウトルックでは、スケジュールを複数コピーして、複数そのまま貼り付けることが出来ました。しかし、グーグルカレンダーではこれができません。アウトルックでは、「ストレッチ・筋トレ・入浴等」等毎日行うスケジュールは1週間分まとめてコピーして他の週にまとめて貼り付けることができました。ところが、グーグルカレンダーはこのようなまとめコピーが出来ず、一つずつコピー・貼り付けを繰り返さなければなりません。これも大変不便です。

○次に表示ですが、アウトルックでは2つ以上のスケジュールが同じ時間帯に重なると等分された同じ幅で表示され、スケジュールが重なって表示されることはありません。しかし、グーグルカレンダーでは、複数のスケジュールが同じ幅に縮まらず重なって表示されるため一部文字が見えなくなります。以上の不便な点を「設定」等で改善できないものか、色々、探してみましたが、現時点では見つかっておりません。パソコンインストラクターの方に確認したら、無料ソフトなので余りきめ細かに作られていないはずとのことでした。

○エクスチェンジサーバーサービス打ち切り後、スマホの電話帳連絡先を見たら、殆どのデータが消えていました。再度入力するのは大変な作業です。幸い、事務所のクライアントパソコンにはアウトルックの連絡先データが残っていました。そこで、これをエクスポートとしてグーグルカレンダーの連絡先データにインポートできないものかネットで調べると、その方法が解説されていました。

○その解説に従って、アウトルック連絡先データをCSVデータで書き出して、これをグーグルカレンダー連絡先に読み込んだら、見事に決まり、これは大変助かりました。名称・住所・電話番号等の項目順が異なっていたら困るなと思っていましたが、その心配は杞憂でした。スマホの連絡先にも同期できて、元に戻りました。兎に角、無料ソフトなので、色々試行錯誤しながら、出来る範囲で便利に使う方法を探っていきます。
以上:1,238文字
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H29- 6-23(金):h29/6現在ツルカメ第二スタジオ保有UltraHDBlu-rayソフト一覧
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○ツルカメ第二スタジオでもサムスン有機ELTV65インチを導入しUltraHDBlu-rayが鑑賞出来るようになりました。以下、ツルカメ第二スタジオで鑑賞できるUltraHDBlu-rayソフト一覧覚書です。「映画コム」での解説URLも併記しました。


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(ファンタジー)
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 http://eiga.com/movie/82276/
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1 http://eiga.com/movie/53520/
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2 http://eiga.com/movie/54734/
ウォークラフト http://eiga.com/movie/83709/

(ミステリー・サスペンス・パニック)
アルゴ http://eiga.com/movie/57493/
カリフォルニア・ダウン http://eiga.com/movie/79814/
ジェイソン・ボーン http://eiga.com/movie/84297/
ロスト・バケーション http://eiga.com/movie/84802/
インフェルノ http://eiga.com/movie/55374/
ガール・オン・ザ・トレイン http://eiga.com/movie/85580/

(アクション)
X-ミッション http://eiga.com/movie/81637/
キング・オブ・エジプト http://eiga.com/movie/81864/
シン・ゴジラ http://eiga.com/movie/81507/
マグニフィセント・セブン http://eiga.com/movie/85244/

(SF)
インデペンデンス・デイ http://eiga.com/movie/42521/
オデッセイ http://eiga.com/movie/82409/
チャッピー http://eiga.com/movie/81798/

(アドベンチャー)
エベレスト http://eiga.com/movie/81189/
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 http://eiga.com/movie/57676/
レヴェナント:蘇えりし者 http://eiga.com/movie/82912/

(ドラマ・ラブロマンス)
白鯨との闘い http://eiga.com/movie/79815/
ハドソン川の奇跡 http://eiga.com/movie/83990/

以上:1,087文字
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H29- 6-22(木):通常損耗原状回復義務発生要件を定めた最高裁判決全文紹介
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○「建物賃貸借での退去時の原状回復義務」の続きです。
ここでは、平成16年2月版「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(改訂版)」を紹介していましたが、その後の裁判例を追加し、更に種々の見直しをしたのが平成23年8月版「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」です。全169頁もありますが、不動産賃貸業者には必須の文献です。

○平成16年2月改訂版以降の代表的な判例として、平成17年12月16日最高裁判決(判タ1200号127頁、判時1921号61頁)全文を紹介します。「建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要である」としています。

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主   文
原判決を破棄する。
本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 

理   由
 上告代理人○○○○ほかの上告受理申立て理由(ただし、排除されたものを除く。)について
1 原審の確定した事実関係の概要等は、次のとおりである。
(1) 被上告人は、地方住宅供給公社法に基づき設立された法人である。

(2) 第1審判決別紙物件目録記載の物件(以下「本件住宅」という。)が属する共同住宅旭エルフ団地1棟(以下「本件共同住宅」という。)は、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(以下「法」という。)2条の認定を受けた供給計画に基づき建設された特定優良賃貸住宅であり、被上告人がこれを一括して借り上げ、各住宅部分を賃貸している。

(3) 被上告人は、平成9年12月8日、本件共同住宅の入居説明会を開催した。同説明会においては、参加者に対し、本件共同住宅の各住宅部分についての賃貸借契約書、補修費用の負担基準等についての説明が記載された「すまいのしおり」と題する書面等が配布され、約1時間半の時間をかけて、被上告人の担当者から、特定優良賃貸住宅や賃貸借契約書の条項のうち重要なものについての説明等がされたほか、退去時の補修費用について、賃貸借契約書の別紙「大阪府特定優良賃貸住宅and・youシステム住宅修繕費負担区分表(一)」の「5.退去跡補修費等負担基準」(以下「本件負担区分表」という。)に基づいて負担することになる旨の説明がされたが、本件負担区分表の個々の項目についての説明はされなかった。
 上告人は、自分の代わりに妻の母親を上記説明会に出席させた。同人は、被上告人の担当者の説明等を最後まで聞き、配布された書類を全部持ち帰り、上告人に交付した。

(4) 上告人は、平成10年2月1日、被上告人との間で、本件住宅を賃料月額11万7900円で賃借する旨の賃貸借契約を締結し(以下、この契約を「本件契約」、これに係る契約書を「本件契約書」という。)、その引渡しを受ける一方、同日、被上告人に対し、本件契約における敷金約定に基づき、敷金35万3700円(以下「本件敷金」という。)を交付した。
 なお、上告人は、本件契約を締結した際、本件負担区分表の内容を理解している旨を記載した書面を提出している。

(5) 本件契約書22条2項は、賃借人が住宅を明け渡すときは、住宅内外に存する賃借人又は同居者の所有するすべての物件を撤去してこれを原状に復するものとし、本件負担区分表に基づき補修費用を被上告人の指示により負担しなければならない旨を定めている(以下、この約定を「本件補修約定」という。)。

(6) 本件負担区分表は、補修の対象物を記載する「項目」欄、当該対象物についての補修を要する状況等(以下「要補修状況」という。)を記載する「基準になる状況」欄、補修方法等を記載する「施工方法」欄及び補修費用の負担者を記載する「負担基準」欄から成る一覧表によって補修費用の負担基準を定めている。このうち、「襖紙・障子紙」の項目についての要補修状況は「汚損(手垢の汚れ、タバコの煤けなど生活することによる変色を含む)・汚れ」、「各種床仕上材」の項目についての要補修状況は「生活することによる変色・汚損・破損と認められるもの」、「各種壁・天井等仕上材」の項目についての要補修状況は「生活することによる変色・汚損・破損」というものであり、いずれも退去者が補修費用を負担するものとしている。また、本件負担区分表には、「破損」とは「こわれていたむこと。また、こわしていためること。」、「汚損」とは「よごれていること。または、よごして傷つけること。」であるとの説明がされている。

(7) 上告人は、平成13年4月30日、本件契約を解約し、被上告人に対し、本件住宅を明け渡した。被上告人は、上告人に対し、本件敷金から本件住宅の補修費用として通常の使用に伴う損耗(以下「通常損耗」という。)についての補修費用を含む30万2547円を差し引いた残額5万1153円を返還した。

2 本件は、上告人が、被上告人に対し、被上告人に差し入れていた本件敷金のうち未返還分30万2547円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案であり、争点となったのは、
① 本件契約における本件補修約定は、上告人が本件住宅の通常損耗に係る補修費用を負担する内容のものか、
② ①が肯定される場合、本件補修約定のうち通常損耗に係る補修費用を上告人が負担することを定める部分は、法3条6号、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律施行規則13条等の趣旨に反して賃借人に不当な負担となる賃貸条件を定めるものとして公序良俗に反する無効なものか、
③ 本件補修約定に基づき上告人が負担すべき本件住宅の補修箇所及びその補修費用の額
の諸点である。

3 原審は、前記事実関係の下において、上記2の①の点については、これを肯定し、同②の点については、これを否定し、同③の点については、上告人が負担すべきものとして本件敷金から控除された補修費用に係る補修箇所は本件負担区分表に定める基準に合致し、その補修費用の額も相当であるとして、上告人の請求を棄却すべきものとした。以上の原審の判断のうち、同①の点に関する判断の概要は、次のとおりである。
(1) 賃借人が賃貸借契約終了により負担する賃借物件の原状回復義務には、特約のない限り、通常損耗に係るものは含まれず、その補修費用は、賃貸人が負担すべきであるが、これと異なる特約を設けることは、契約自由の原則から認められる。

(2) 本件負担区分表は、本件契約書の一部を成すものであり、その内容は明確であること、本件負担区分表は、上記1(6)記載の補修の対象物について、通常損耗ということができる損耗に係る補修費用も退去者が負担するものとしていること、上告人は、本件負担区分表の内容を理解した旨の書面を提出して本件契約を締結していることなどからすると、本件補修約定は、本件住宅の通常損耗に係る補修費用の一部について、本件負担区分表に従って上告人が負担することを定めたものであり、上告人と被上告人との間には、これを内容とする本件契約が成立している。

4 しかしながら、上記2の①の点に関する原審の上記判断のうち(2)は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
(1) 賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃借物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ、賃貸借契約は、賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり、賃借物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると、建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。

(2) これを本件についてみると、本件契約における原状回復に関する約定を定めているのは本件契約書22条2項であるが、その内容は上記1(5)に記載のとおりであるというのであり、同項自体において通常損耗補修特約の内容が具体的に明記されているということはできない。また、同項において引用されている本件負担区分表についても、その内容は上記1(6)に記載のとおりであるというのであり、要補修状況を記載した「基準になる状況」欄の文言自体からは、通常損耗を含む趣旨であることが一義的に明白であるとはいえない。したがって、本件契約書には、通常損耗補修特約の成立が認められるために必要なその内容を具体的に明記した条項はないといわざるを得ない。被上告人は、本件契約を締結する前に、本件共同住宅の入居説明会を行っているが、その際の原状回復に関する説明内容は上記1(3)に記載のとおりであったというのであるから、上記説明会においても、通常損耗補修特約の内容を明らかにする説明はなかったといわざるを得ない。そうすると、上告人は、本件契約を締結するに当たり、通常損耗補修特約を認識し、これを合意の内容としたものということはできないから、本件契約において通常損耗補修特約の合意が成立しているということはできないというべきである。

(3) 以上によれば、原審の上記3(2)の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は、この趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、通常損耗に係るものを除く本件補修約定に基づく補修費用の額について更に審理をさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官・中川了滋、裁判官・滝井繁男、裁判官・津野 修、裁判官・今井 功、裁判官・古田佑紀)
以上:4,453文字
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H29- 6-21(水):T字路進入車過失に関する平成23年3月14日横浜地裁判決要旨紹介
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○一時停止標識のあるT字路からの進入自動車と優先道路走行中自動二輪車の衝突事故についての過失割合が争いになる事案を扱っており、その過失割合認定の参考判例を探していたところ、T字路交差点に入ろうとする「右左折進入車は交差道路を通行する車両等に注意するだけで足りる」ことから十字路交差点進入車とは異なり、直進単車、右左折四輪車の過失割合は「単車直進車に有利に修正すべき点もある」と判示した平成23年3月14日横浜地裁判決(自保ジャーナル・第1849号)が見つかりました。

○事案は、16歳男子高校生の亡Aは、平成21年11月10日午後11時頃、神奈川県藤沢市内で自動二輪車を運転直進中、一時停止道路から右折進入してきた被告運転の乗用車と衝突、死亡したため、両親は自賠責保険金を控除して父3447万6787円、母3435万5400円を求めて訴えを提起したものです。

○判決は、雨の夜間、40㎞制限道路を「55㎞~60㎞」で走行、転倒して衝突のA自動二輪車と一時停止道路からA車を認めたが、先に右折できると発進被告乗用車の衝突の「過失割合はA1割、被告9割」と認定しましたが、その過失割合認定部分を紹介します。

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8 抗弁について
(1) 本件交通事故態様について、被告が亡Aのバイクを直接目視で初めて発見したときの被告車両の位置を除いては、当事者間に争いがない。

(2) 上記(1)に、成立に争いのない証拠(略)を総合すると、次の各事実が認められる。
ア 被告が右折を開始し右方から進行する亡Aのバイクを発見した地点は、一時停止標識に従い一旦停止した位置から時速7㎞程度で前進し、被告運転車両が優先道路である亡Aのバイクが走行してきた道路に入りかかった地点であり、明らかな先入とは認められない。

イ 本件交通事故直前の亡Aのバイクの速度は、時速55㎞から60㎞であったところ、亡Aが走行していた道路の制限速度は時速40㎞であり、また、本件交通事故時は、激しく雨が降り続けていた。

(3) 上記認定事実によると、被告運転車両に明らかな先入があるとの事実は認められない一方、亡Aは、夜間の、かつ、激しく雨が降り続けていた道路において、制限速度15㎞以上の速度違反を犯していたものであり、この点について亡Aには一定程度の過失が認められる。

 しかし、通常の十字路交差点に入ろうとする右左折車は、交差道路を通行する車両等のみならず、反対方向から進行してきて右折する車両等にも注意しなければならないのに対し、突き当たり路からT字路交差点に入ろうとする右左折車は、交差道路を通行する車両等に注意するだけで足りるのであるから、これらの車両等に対しては十字路交差点におけるよりも注意がしやすいといえる。

 他方、直線路を進行する直進車としても、突き当たり路から進入する車両等は徐行してくるであろうと期待するのが一般の運転慣行と考えられ、また、直進路の方が突き当たり路に比して交通量も多く、主要な道路であることが通例であり、T字路交差点における単車(直進)と四輪車(右折)との事故については、四輪車同士の十字路交差点における事故よりも、単車(直進)に有利に修正すべき点もある。


 以上を総合すると、本件交通事故における過失割合は、亡A1割、被告9割とするのが相当である。

(4) 以上によれば、本件交通事故においては、原告ら側にも1割の過失があることが認められるから、これを原告らの損害合計金額との間で相殺すべきである。

以上:1,476文字
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H29- 6-20(火):母指関節可動域制限についての平成25年4月23日京都地裁判決一部紹介
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○「母指関節可動域制限についての平成25年9月30日横浜地裁判決一部紹介」に続いて母指IP関節可動域制限に関する判例紹介です。
左拇指IP関節機能障害を残し自賠責14級9号認定も、労災認定では10級6号が残存する36歳男子給与所得者の後遺障害逸失利益認定につき、「関節可動域表示並びに測定法」等による可動域角度の測定によれば、原告の「左拇指IP関節の屈曲・伸展の可動角度が、健側の2分の1以下に制限されている」と認定して、実収入を基礎収入に、67歳までの30年間27%の労働能力喪失により認めた平成25年4月23日京都地裁判決(自保ジャーナル・第1902号)の逸失利益認定部分を紹介します。


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第三 当裁判所の判断
1 責任原因及び過失割合


        (中略)

3 後遺障害に係る損害
(1)逸失利益(原告主張額1925万4828円)

① 前記第二、1、(4)の丙川医師の症状固定診断に誤りがあることを窺わせる証拠はないから、平成20年9月29日を症状固定日と認める。


ア 労働基準監督署長は、原告の左手第1指IP関節脱臼骨折の後遺障害として、左拇指IP関節の可動域が健側に比して2分の1以下に制限されているから「左手の母指の用を廃した」ものとして、労働者災害補償保険法施行規則別表第二10級6号に該当する障害が残存する旨判断したが(前記第二、1、(5)、②)、被告は、上記機能障害の残存を否定するので、この点について判断する。

イ 証拠(略)によると、原告の拇指IP関節屈曲・伸展の可動域角度について、次の測定結果が存在することが認められる。
(ア) 測定者不明の平成20年11月11日付け測定
 屈曲/伸展 右86/0、左48/-10

(イ) 労災協力医・丙川医師の診断(平成20年12月17日ころ。他動と推測される。)
 屈曲/伸展 右90/0、左48/-10

(ウ) C整形外科・丙川医師の診断(平成21年8月3日。他動)
 屈曲/伸展 右90/0、左50/-10

(エ) B病院丁山医師の診断(平成22年1月6日。他動)
 屈曲/伸展 右90/0、左50/-10

ウ 上記イ(ア)ないし(エ)の診断(検査)結果によれば、症状固定日以降、原告の左拇指IP関節の屈曲・伸展の可動域角度が、健側の2分の1以下に制限されているものと認められる。

エ これに対し、被告は、「診療録によると、原告の左拇指IP関節の可動域は、次第に改善しており、丁山医師の意見書によると、平成20年9月29日の症状固定時の上記関節可動域は、他動で屈曲70度、伸展-5度であり、左拇指IP関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているとはいえない。原告の上記関節可動域は、症状固定後、制限が高まっているが、その合理的理由は見当たらない。」などと主張する。

 証拠(略)によると、丁山医師は、原告の拇指IP関節の屈曲・伸展の可動域角度として、平成19年11月30日左0/30(屈曲/伸展。以下同じ)、同年12月14日左60/-5、同年12月21日左60/0、平成20年2月12日左60/ -25、同年3月26日左75/-10、同年4月15日左75/-10、同年7月1日左他動85/0、同年9月29日左他動90/0、右他動70/-5と測定したことが認められ、これによると、原告の左拇指IP関節の可動域は、本件事故直後に比し次第に改善したかのようであり、また、上記イ認定の各測定結果と対比すると、症状固定後、急激に悪化したかのようである。

 しかし、証拠(略)及び弁論の全趣旨によると、症状固定時前後の測定結果の差異は、丁山医師が、平成20年9月29日以前は、MP関節をできるだけ屈曲させて測定していたのに対し、平成22年1月6日の測定の際はMP関節を0度の状態で測定したこと、及び上記イ(ア)ないし(ウ)の測定者もMP関節を0度の状態で測定したことによるものと認められる。したがって、症状固定時まで上記関節可動域が改善したのは事実と考えられるが、平成20年9月29日までの丁山医師の測定方法と、同年11月11日以降の丁山医師を含む各測定者の測定方法は異なるから、これらの測定数値のみから、症状固定後、可動域制限が悪化したということはできない。

 平成16年6月4日基発第0604003号別添「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」及び日本整形外科学会身体障害者委員会・日本リハビリテーションセンター医学会評価基準委員会作成の「関節可動域表示並びに測定法」によれば、測定にあたっては、基本軸の固定が大切であり、手の拇指IP関節については第1基節骨を基本軸とし、第1末節骨を移動軸とするとされており、また、上記測定要領の参考図からすると、手の拇指IP関節の可動域角度の測定の際には、MP関節を屈曲させない肢位で測定することが予定されているものと認められるから、平成20年9月29日までの丁山医師の測定方法ではなく、同年11月11日以降の各測定者の測定方法が相当である。

 被告は、上記測定方法の相違により測定結果に上記のような差異が生ずることはなく、原告が医師の意見等を取得し、労災において後遺障害等級認定の獲得を目指していた同日以降の時期における測定結果は信用性が高くない旨主張する。しかし、証拠(略)及び原告本人尋問の結果によると、B病院の今井医師が、症状固定直前の平成20年9月12日に、根元を固定しMP関節を屈曲させない方法で原告の左拇指IP関節可動域角度を測定した結果は、屈曲40度、伸展-10度であったことが認められ、これを同月29日以前の丁山医師の測定結果と対比すると、その違いは歴然としており、測定方法の相違が測定結果の差異を生じたさせたことが明らかといえる。これに反する証拠(略)は採用できない。

 前記第二、1、(5)、①の事実も上記認定を左右しない。他に、原告の左拇指IP関節の屈曲・伸展の可動域角度が、健側の2分の1以下に制限されているとの上記認定を揺るがすに足りる証拠はない。

オ 原告は、上記の左拇指IP関節機能障害の後遺障害のため、その労働能力の27%を喪失したものと認める。なお、証拠(略)によれば、原告には、左拇指の運動時痛も残存したことが認められるが、これは、上記機能障害の派生障害と考えられるから、独自の後遺障害としての評価はしない。

 現時点では、本件事故前と比較し、原告に明らかな減収はないとしても、証拠(略)及び原告本人尋問の結果によれば、早出をして前倒しに仕事をするなどの原告の努力もあってのことと認められ、労働能力喪失期間が30年と長きに亘ることも考慮すると、上記の労働能力喪失割合を認めるのが相当である。

③ 証拠(略)によれば、平成19年分の原告の給与収入は463万9075円であることが認められる。これを基礎収入とし、証拠(略)によれば、原告は昭和46年6月生まれで、本件事故時36歳、症状固定当時37歳であると認められるから、症状固定時から67歳までの30年間の逸失利益の同事故時における現価を算定すると、1833万7,961円になる(1円未満切り捨て。以下同じ)。
 463万9075×0.27×(15.5928-0.9523)≒1833万7961
 1833万7961円に2割の過失相殺をすると、1467万368円となる。

(2) 後遺障害慰謝料(原告主張額530万円)
 後遺障害の部位、内容、程度等を総合し、530万円をもって相当と認める。これに2割の過失相殺をすると、424万円となる。

以上:3,139文字
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H29- 6-19(月):民事事件法廷で裁判手続き中に斜向かいの法廷で緊急事態発生に驚愕2
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○「民事事件法廷で裁判手続き中に斜向かいの法廷で緊急事態発生に驚愕」の続きです。
先ず仙台地裁法廷内状況と法廷配置図です。日刊スポーツ写真ニュースから借用しました。


○事件発生時私は斜向かいの民事法廷で民事裁判中でした。民事裁判官は、怒号等大声を聞いて、直ぐに緊急事態発生と判断し、民事裁判を中止しましたが、難聴の私は、なにやら大声が聞こえるな、女性の悲鳴も上がったはずですが、子供でも泣いているのだろうかと思った程で、緊急事態と直ぐには判断できませんでした。聴覚障害があると状況判断が遅くなることを実感し、後で、ちと怖くなりました。

○以下のニュースで、当時の状況が判ってきました。女性の悲鳴も何回か聞こえましたが、「同容疑者の母親とみられる女性が「何をするの」と何度も叫んでいたという。」記事に納得しました。宮城県警の警察官3人が傍聴していて取り押さえてくれたから良かったものの、傍聴人が素人ばかりだったらどうなっていたか大いに不安になる事件でした。

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被告が刃物出し暴れる=判決中、警官2人けが-法廷に5本持ち込み・仙台地裁
2017年06月16日 19時30分提供:時事通信

法廷内で被告が刃物を持ち暴れた事件の後、報道陣が詰め掛けた仙台地裁前=16日午後、仙台市青葉区
 16日午前10時15分ごろ、仙台市青葉区の仙台地裁の法廷で、刑事裁判の判決言い渡し中に被告の男が突然、刃物を取り出し、傍聴席の柵を乗り越えて暴れた。宮城県警仙台中央署によると、傍聴中だった県警本部の男性警部補2人が制止しようとして顔や腹などを切られたが、命に別条はなく、他の傍聴人にけがはなかった。
 その場にいた警察官が男を取り押さえ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。地裁によると、男は山形市の淀川聖司容疑者(30)。今年1月、仙台市内の駅ホームで女性の下着を盗撮したとして県迷惑防止条例違反罪に問われ、保釈中だった。
 同署と地裁によると、淀川容疑者は果物ナイフ3本とカッターナイフ2本を着衣に隠して持ち込んでいた。この公判では、法廷に入る際の金属探知機による所持品検査は行われなかった。
 公判は10時に始まり、淀川容疑者は無罪を主張していたが、懲役1年の実刑を言い渡された。裁判官が判決理由を朗読中、椅子から立ち上がり、「腐った司法制度」などと叫びながら刃物を振り回した。逮捕後の調べに黙秘しているという。
 傍聴席は20席で、ほぼ満席だった。傍聴していた男性(67)によると、廷内は騒然とし、同容疑者の母親とみられる女性が「何をするの」と何度も叫んでいたという。 

仙台地裁切りつけ 刃物5本を隠し持つ 金属探知機使用は月1、2回
2017.6.17 07:00産経新聞

厳粛な空間であるはずの法廷に怒号が響いた。仙台地裁で警察官2人が刃物で刺されるなどした事件。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された淀川聖司容疑者(30)は刃物5本を隠し持っていた。信じがたい事件の背景には、例外を除いて法廷内に危険物の持ち込みが可能な「ノーチェック」の現状がある。(千葉元、林修太郎)

 仙台地裁によると、法廷内には当時、裁判官と書記官、弁護人、検察官が各1人ずつおり、定員20人の傍聴席はほぼ満員だった。裁判官が淀川容疑者に懲役1年の実刑判決を言い渡し、量刑理由を読み上げている最中に暴れ始めたという。

 「裁判官が主文を読み上げた時から、様子がおかしかった」。裁判を傍聴していた矢萩進さん(67)=仙台市太白区=は証言する。矢萩さんは切り付けられた警察官の1人の目の前にいた。淀川容疑者は上着の両ポケットに手を入れ、体を揺らすなど落ち着かない様子で、白いハンカチを取り出し、額の汗を拭う場面もあったという。

検察官も様子がおかしいことに気付き、淀川容疑者のもとへ歩み寄ると「裁判官、ナイフ持ってます!」と叫んだ。すると、淀川容疑者は両ポケットから刃物を取り出し、後ろを向いて柵を乗り越え、出口に向かって走り出した。矢萩さんの後ろで傍聴していた警察官が取り押さえたが、その際に刃物で切りつけた。淀川容疑者はその後、連行される際にも「俺は過激派だ!」と叫んでいたという。

 地裁によると、金属探知機は所内に複数あったが、淀川容疑者に対して身体検査は実施しなかった。検査を行うのは「暴力団が関係するなど、裁判官が危害の蓋然性が高いと判断した場合」のみで、使われるのは月に1、2回程度という。

 今回の事件を受け、同地裁は身体検査の常時検査を行うことも含めて検討し、対策を強化する方針を明らかにした。高裁や家裁、関係職員とも今後の対応を協議していく考えだ。また、同日に地裁で開かれた刑事と民事計18件の裁判で時間や場所を変更。被告が保釈中など拘束されていない刑事裁判5件で、金属探知機を用いて被告らの身体検査を実施した。

<仙台地裁切り付け>衝撃「まさか法廷で」
2017年06月17日土曜日河北新報

「まさか法廷で」。仙台地裁で起きた被告の男による殺人未遂事件に、裁判員制度導入後、「開かれた司法」を掲げてきた裁判所関係者は大きな衝撃を受けた。事件は警備体制の「抜け穴」を浮き彫りにする一方、警備強化は憲法が保障する「傍聴の自由」を制約しかねず、地裁関係者は頭を悩ませている。
 捜査関係者によると、殺人未遂の疑いで逮捕された淀川聖司容疑者(30)が法廷に持ち込んだ刃物は、果物ナイフ3本とカッターナイフ2本。判決宣告中に突然立ち上がり、「でたらめ裁判だ」と叫んで上着から果物ナイフとカッターナイフを取り出した。
 傍聴していた宮城県警の警察官3人が取り押さえようとした際、2人が顔や背中などを切られた。県警幹部は「命を賭してよく取り押さえてくれた。裁判所を見学中の児童にけががなくてよかった」と話した。
 地裁によると、金属探知機などを使った所持品検査は暴力団関係者が絡む事件の公判が大半。裁判官の判断で検査の有無を決めるが、月1、2件程度しか実施していないという。
 近年、全国の法廷内で起きた事件は表の通り。高裁がある全国8カ所の裁判所では東京、札幌、福岡が常時、所持品検査を実施。仙台を含む5カ所は自由に出入りできる。
 「傍聴の自由」は憲法で保障された権利。地裁総務課は「所持品検査を含め、警備体制の見直しを慎重に検討する。警備レベルを上げると市民が入りにくくなる懸念もあり、安全確保とのバランスを取りたい」と語った。

<仙台地裁切り付け>実刑判決に不満か
2017年06月18日日曜日河北新報

 仙台地裁で16日、判決の言い渡しを受けていた被告の男が暴れだし、傍聴席の警察官2人を刃物で切り付けた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された山形市鉄砲町1丁目、コンビニ店員淀川聖司容疑者(30)は直前に宣告された懲役1年の実刑判決に不満を募らせ、犯行に及んだ疑いがあることが17日、分かった。
 淀川容疑者は今年1月、仙台市宮城野区の駅ホームで女子高校生のスカート内に背後からカメラ付き携帯電話を差し入れたとして、宮城県迷惑防止条例違反の罪に問われた。携帯電話に盗撮が疑われる写真や動画は保存されておらず、淀川容疑者は無罪を主張していた。
 弁護側は、検察側が主張する犯行状況と防犯カメラの映像が一致せず、シャッター音を巡る目撃証言が変遷したとして「不自然な点が複数ある」と指摘。結審直前、防犯カメラの映像が再び上映されるなど異例の展開だったという。
 弁護人によると、地裁から16日夜、「判決言い渡しは有効」との連絡があった。宣告途中に事件が起きたため、地裁が取り扱いを検討していた。弁護人は近く、控訴する方針。
 県警や地裁によると、淀川容疑者は判決理由の朗読中に突然立ち上がり、「でたらめ裁判だ」「この腐った司法制度が」などと叫びながら傍聴席の柵を乗り越え、上着とズボンのポケットから取り出したナイフを両手で振り回した。
 取り押さえようとした県警の40代の警察官2人の体を刺し、顔を切り付けて殺害しようとしたとして、仙台中央署に現行犯逮捕された。果物ナイフ3本、カッターナイフ2本を隠し持っていた。保釈中で、凶器を持ち込める状況だった。調べに対し、黙秘しているという。


以上:3,377文字
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H29- 6-18(日):民事事件法廷で裁判手続き中に斜向かいの法廷で緊急事態発生に驚愕
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○平成29年6月16日(金)午前10時10分から仙台地方裁判所で、ある民事事件の第1回口頭弁論があり、訴状陳述等の手続を行いました。多数の被告を相手にした裁判でしたが、被告の中に一人だけ行方不明で訴状が送達されない方がいて、公示送達申立をしていました。裁判官から公示送達を認めるためには、更に調査して頂きたい事項があるとの指示を受け、次回までに調査報告します等伝えて、次回期日を決めようとしたときに、法廷の外から悲鳴のような声が聞こえたようでした。

○裁判官は、直ちに緊急事態発生と捉えて、裁判を中止して書記官に外を見てくるように指示しましたが、難聴の私には、女性の悲鳴か、男性の怒鳴り声のような声を聞こえるのですが、子供の泣き声のようにも聞こえ、何が何だか判断できない状況でした。書記官が戻って裁判官に報告すると、事件発生とのことで、書記官から私の民事事件はいったん中止とするので、危ないですから、待合室に入ってしばらくお待ち下さいと指示されました。

○そこで私も民事法廷から出ると、はす向かいにある刑事法廷に裁判所職員等が大勢駆け寄っているところで、物々しい雰囲気でした。男性の怒鳴り声のような音が聞こえるのですが、補聴器を付けている私には、反響音が響くばかりで何を言っているのかサッパリ判りません。その刑事法廷の入り口を少し出たところに人が顔を押さえて横たわり、裁判所職員が介抱しているようにも見えました。

○どうやら人が刺されたようだとの話し声が聞こえ、兎に角、裁判所に出頭した人が、暴れて傷害事件が発生したのだろう、暴れた人は裁判所職員が取り押さえているが、興奮して大声を出しているのだろうとは、推測できました。しかし、刑事法廷の直ぐ近くまで近寄ることは出来ず、待合室で民事事件が再開されるのを待つ心境にはなれず、果たして倒れている人は、大丈夫だろうか、なかなか警察官も救急車も来ないなと心配しながら、民事法廷入り口の当たりに留まり、野次馬として成り行きを見ていました。

○私の記憶・感覚では10分近く経った頃、ようやく制服の警察官が大勢やってきて刑事法廷に向かい、ホッとしました。かような事態になると警察官の姿を見るとホントに安心します。そこで書記官室に行って裁判官と次回期日を決めて、事務所に戻ることにして、裁判所の門に向かうとサイレンの音けたたましくパトカー数台が到着しており、その外に救急車が3台も到着していました。

○救急車3台と言うことは、3人も怪我人が出たのかと驚きましたが、マスコミ関係者らしき人も大勢裁判所の門の前に集まっており、何が起きたんですかと、私に尋ねてくる方も居ました。法廷で傷害事件が起きたようですが詳細は分かりませんと答えましたが、その日の午前11時30分の民放ニュース、正午のNHKニュースでトップニュースとして報道され、ようやく内容が判りました。

○以下、YouTube動画で私が見分したうちで一番詳しく解説しているニュースを掲載します。刑事被告人が、凶器を5本も所持して法廷に入れる状況はホントに怖いなと実感しました。



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被告が警察官2人に切りつけ 命に別状なし 仙台地裁
NHKニュース6月16日 15時36分


16日午前、仙台市の仙台地方裁判所で、判決の言い渡しを受けていた30歳の被告が傍聴していた警察官2人を刃物で切りつけました。男は殺人未遂の疑いでその場で逮捕され、警察が詳しい状況を調べています。

16日午前10時すぎ、仙台市青葉区の仙台地方裁判所の法廷で、被告の男が傍聴席にいた警察官2人に対しナイフで切りつけました。切りつけられた2人は顔や背中にけがをして病院で手当てを受けていますが、意識はあり命に別状はないということです。

警察や裁判所によりますと、切りつけたのは宮城県の迷惑防止条例違反の罪に問われた○○○○(30)被告で、判決の言い渡し中に傍聴席に入り警察官に対し切りつけたということです。被告は保釈中で持ち物検査は受けていなかったということで、法廷にはカッターナイフと果物ナイフが落ちていたということです。

被告はその場で殺人未遂の疑いで逮捕され、警察が詳しい経緯や状況を調べています。

当時、法廷で傍聴していた男性は「最後に判決が言い渡されたあとに被告の男が急に刃物を持って振り向いて、いきなり傍聴席に襲いかかってきた。当時、15人から20人ほど傍聴していたと思う。狙っていたのが警察官かどうか分からない。あまりに驚いて放心状態になってしまった。切りつけられたのが誰なのかはっきり分からなかったが、頭や首のあたりを切られたようだった」と話していました。

過去にも裁判所に刃物持ち込まれる事件
裁判所の法廷内に刃物が持ち込まれる事件は、これまでにも起きています。

殺人未遂の罪で起訴され、保釈中だった女がことし2月に大阪地方裁判所で判決を受けた際、法廷内で刃渡り16センチの包丁を隠し持っていたことがわかり、銃刀法違反の罪に問われました。
判決の直後に大阪拘置所が荷物の検査をしたところ、リュックから包丁が見つかったもので、被告は今月開かれた初公判で、「弁護士か裁判官を殺そうと思った」などと述べていました。

仙台地裁に金属探知機の設置なし
最高裁判所によりますと、仙台地方裁判所の建物には訪れた人たちの持ち物を調べる金属探知機は設置されていないということです。

金属探知機が設置されているのは東京地方裁判所の建物など全国4か所で、訪れた人たちが危険なものを持っていないか確認するため入り口でバッグなどを調べる際に使われています。
以上:2,314文字
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H29- 6-17(土):2017年06月16日発行第199号”消極弁護士の熱情”
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横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年6月16日発行第199号「消極弁護士の熱情」をお届けします。

○「勘定」と「感情」は、いずれもひらがなでは「かんじょう」ですが、どちらかと言えば、前者は「かん」、後者は「じょう」にアクセントがあり、発音では別の言葉に聞こえます。区別するためアカウントの「かんじょう」、エモーションの「かんじょう」と説明することもあります。

○人間の行動原理は、「勘定」よりも「感情」が遙かに優先します。「感情」にとらわれているお客様に、ここは「勘定」を優先して考えた方が宜しいですよなんてアドバイスは、全く耳に入りません。「勘定」は、「損得」に繋がりますが、「損得」なんかどうでもよい、「損」を承知でも「感情」を優先します。

○「感情」に続く言葉は「……にとらわれる」で、「勘定」に続く言葉は「……ができる」で、どちらかというと、「感情」はマイナスに、「勘定」はプラスに評価されます。目先の「感情」にとらわれ、大きな「損」を被ろうとしているお客様を「感情」のとらわれから「解放」するのが弁護士の重要な役割でもありますが、そのためには弁護士もその感情に同化する作業も必要です。どこまで同化すべきか、そのさじ加減が大変難しいのですが。


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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

消極弁護士の熱情


高校生の娘たちから、英語の勉強について質問を受けます。どれも凄く難しいのです。「理屈じゃなく、覚えろ!」なんて言ってしまうのです。考えてみますと、私が学生のころにも、理解できないことはありました。passive(受身な、消極的な)とpassion(熱情)の関係なんか、すごく不思議でした。同じ系列の単語なのに、正反対の意味です。暗記するのに苦労したのです。

その後、2つの単語は実は同じものを現わしているのだと知りました。実体は同じで、それに対する評価だけが違うのです。私は会社員生活が長かったんですが、人間関係って難しいですよね。普段は我慢していても、「やってられるか!もう辞めてやる。」なんて感情的になることもあります。しかし、理性的に考えると、会社を辞めて家族とどうやって食べて行くのか?子供の学校はどうするのか?そんなことを考えて、普通はぐっと我慢します。しかし最終的に我慢できず、辞表を出したとします。

これを肯定的にとらえると、「やっと、今までの偽りの生活を捨てることができた。熱情(passion)をもって、本来の自分に戻れたんだ!」となります。

一方、同じことを否定的にとらえると、「一時の怒りの感情に、身を任せて(passive)しまった。自分をコントロールできずに恥ずかしい。」ということになるのです。どちらが「正しい」ということもないでしょう。私もそうですし、ほとんどの人が、この2つの気持ちの間で、揺れ動いていると思います。「こらえて生きるも男なら売られた喧嘩を買うのも男」なのです!(ふ、古いなあ。何のことか分かりますか?)

弁護士をしていますと、お客様のこういった、「理性で考えた損得勘定」と、「これは絶対に認められないという感情」に向き合うことが多々あるのです。

刑事事件のお客様で、「自分は絶対にやっていない!」という方は相当数いらっしゃいます。電車の中の痴漢事件など多いですね。弁護士としてはどうしても、理性に基づく損得勘定で話してしまいます。「本気で争えば何年もかかります。勝てるかどうかも分からない。たとえ勝てても、それまでに、家庭も崩壊してしまうのが普通です。腹も立つでしょうが、示談して穏便に終わらせる方が絶対に得ですよ。」

問題社員を首にしたら、逆に訴えられたなんて経営者の方も沢山います。「とんでもない奴だ!たとえ負けても、最高裁まで戦ってやる!」なんて言われたことは、何度もあります。その度に、「怒りに支配されてはダメですよ。冷静に、他の従業員や家族のことを考えて下さい。」なんて言ってきました。今考えると、本人の気持ちを無視した発言に思えるのも事実です。私自身、損得なんか考えずに、熱情の赴くまま行動して、たとえ損しても、「ああ、すっきりした!」と思ったことは何回もありますから。ううう。。。

そうは言いましても、やはり弁護士としては、まず損得を考えて、「感情に支配されてはダメですよ。」とアドバイスするのが筋のように思います。それで思いとどまる人は、最初からその程度の「熱情」だったのでしょう。行動してしまえば、絶対に後から後悔するはずです。私がいくら止めても、「これだけは絶対に許せません!」というお客様は、たとえ損したとしても、本気で何とかしようとしている人だと思います。

そんなお客様には、私も「熱情」を持ってついていく。そんな弁護士になりたいものです。

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◇ 弁護士より一言

高校生の娘は、英語の勉強のため、留学したいと言っていました。ところが先日、「もう英語分かったから、留学しないでもいいかも。」なんて言います。娘によると、海外のレストランで注文できるくらいの英語力を身につけるため、留学したかったそうです。

ところが、メニューを適当に指さして、「This one, please.」と言えばよいことが分かったとのこと。あ、あほか!もっとも私も、アメリカに住んでいたとき、レストランで同じように注文していたのでした。
以上:2,304文字
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H29- 6-16(金):「受動喫煙防止」は政治家の責務-塩崎恭久厚生労働大臣頑張れ!3
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○「「受動喫煙防止」は政治家の責務-塩崎恭久厚生労働大臣頑張れ!2」を続けます。
「受動喫煙防止」は政治家の責務-塩崎恭久厚生労働大臣頑張れ!」で、塩崎恭久厚生労働大臣の「守ろうとしているのは、こういう命であり、こういう声。お金の話なら最後は足して二で割る政治のやり方もある。だが、事は国民の健康に直結する問題なので、そうはいかない。政治家には時代の要請に応える責務がある。」との言葉を紹介し、「塩崎大臣のおいては、『最終的には原則屋内禁煙とすることで譲りませんでした。』との信念を最後まで貫き、是非とも、当初厚労省案通りの『受動喫煙防止法』を成立させるべく頑張って頂きたいところです。」と記載していました。

○以下の報道によると、塩崎厚労相は、正に足して二で割る自民党案を断固として拒否し、結局、受動喫煙防止法案は、今国会での成立は断念となったようです。30㎡以下のバーやスナックだけを規制対象外とした厚労省案に対し、足して二で割る自民党案は、150㎡以下の飲食店を規制対象外にしました。これによると大半の飲食店は規制対象外になるとのことです。

○こんな中途半端な受動喫煙防止法なら、成立しなくて結構と塩崎厚労相は腹をくくったものと思われます。カナダ・イギリス・ブラジル・アメリカ・ロシア・中国まで屋内・公共交通機関まで全面禁煙を実現しています。屋内喫煙でも最も迷惑な喫煙は飲食店での喫煙であり、私が最も必要と思うのは、飲食店での喫煙全面禁止です。それが足して二で割る自民党案では、殆どの飲食店が、従前と変わらず喫煙可となり、受動喫煙防止法の意味がなくなります。

○以下の記事を見ると塩崎厚労相のクビを切れと意見もあるようですが、ここは安倍首相に踏ん張って貰い、塩崎厚労相を立てて次期国会では是非とも厚労省当初案で受動喫煙防止法案を成立させて貰いたいものです。

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受動喫煙防止法案、今国会の成立断念 自民政調と塩崎恭久厚労相の信頼崩壊 迷走重ねた調整
2017.6.6 21:59産経ニュース


今国会での成立が見送りとなった受動喫煙の防止対策強化を盛り込んだ健康増進法改正案。自民党政務調査会は規制推進派と慎重派の双方を説得し、妥協案をまとめたが、最終段階で塩崎恭久厚生労働相が拒否したことで、調整は行き詰まった。塩崎氏のかたくなな姿勢が法案成立を阻んだとの見方が党内では強い。党政調会と塩崎氏の信頼関係は崩れ、修復は厳しい状況だ。  (坂井広志)

「塩崎氏が自民党案に乗ってこないから全てがストップしている」

 5月30日に国会内で行われた慎重派の自民党たばこ議員連盟の臨時総会。野田毅会長はそう経緯を説明し、会合後、記者団に「大臣は法案を潰したいのかね。禁煙原理主義に付き合ったらろくなことがない」と塩崎氏をこき下ろした。
 党政調会と塩崎氏は飲食店の対応をめぐり終始対立した。厚労省案では「食堂、ラーメン店」「居酒屋」などと分類した上で原則禁煙とし、喫煙専用室の設置を容認。30平方メートル以下のバーやスナックなどを規制対象外とした。

 これに対し、茂木敏充政調会長、田村憲久政調会長代理、渡嘉敷奈緒美厚労部会長らが自民党案をまとめたのは5月上旬。自民党案では中小の飲食店の影響を指摘する声が強いことにも配慮。業態による分類はせず、「飲食店」としてひとくくりにした上で、神奈川、兵庫両県の条例に準じ、客室面積は100平方メートル以下、厨房(ちゅうぼう)は50平方メートル以下の計150平方メートル以下を規制対象外にした。

 厚労省案に比べ規制が緩んだ形となったが、規制強化を訴えていた党受動喫煙防止議連の山東昭子会長らも譲歩し、自民党案を受け入れた。現状より受動喫煙の実態が改善に向かうことを優先したからだった。
 規制推進派から事前に理解を取り付けた以上、塩崎氏もすんなり自民党案をのむだろう-。自民党の厚労部会関係者らがそう踏む中、茂木、塩崎両氏による「トップ会談」が5月24日、都内で行われた。

 しかし、予想に反して塩崎氏の回答は「厚労省案じゃないとダメだ」の一点張りだった。同席した田村氏は渡嘉敷氏に電話をかけ、「決裂した。塩崎氏は1ミリも寄ってこなかった」と伝達。翌25日に厚労部会を開く予定でいた渡嘉敷氏は周囲にこうつぶやいた。
 「異常事態だ。まさかの大臣の抵抗だ」

 もっとも、塩崎氏の抵抗はこのときに始まったわけではない。塩崎氏も出席した5月15日の厚労部会では、厚労省案を支持する声が相次いだ。これまでの部会では厚労省案に対しては反対論ばかりが目立っていたが、このときばかりは様子が違った。
 「塩崎氏が巻き返しの工作をしたな…」。政調幹部はそう漏らした。結局部会では、執行部への「一任」も取り付けることができず、田村氏は会合後、塩崎氏にかみついた。

 「党の政調が頑張ってまとめようとしているのに、大臣が壊そうという形で動くのは筋が違う。どういうことなんですか!」
 しかし、塩崎氏から返ってきたのはちゃぶ台返しの提案だった。「きょうからキックオフでいいじゃないか。プロジェクトチームでも開いて、もっと広く議論すべきじゃないのか」

 憤然とした田村氏は「話にならない」と席を立った。
 こうした塩崎氏の態度は安倍晋三首相の耳にも届いていた。首相は5月23日、衆院本会議場の自席で、茂木、田村、渡嘉敷の3氏を前に、首相の隣の塩崎氏の机をさすりながら「問題はこの人だね。任せるから今国会での成立をよろしく」と励ました。
しかし、塩崎氏が今月1日に田村氏に提示した妥協案は、実施までの猶予期間を延ばすものの、内容は厚労省案のままだった。

 政調幹部は「党側がのめない妥協案をこの時期に出すのは、厚労省も汗をかいていることを示すアリバイ作りでしかない」と憤る。
 この法案をめぐって、党と塩崎氏の信頼関係は完全に崩壊した。法案を提出し、成立させるには「まず人事で関係者を変えて協議し直すしか手立てがないかもしれない」(閣僚経験者)と指摘する声もある。


以上:2,498文字
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H29- 6-15(木):協議離婚届には届出時に離婚意思が必要とする最高裁判例紹介
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○以下の都道府県別協議離婚の割合の年次比較を見ると各県によって多少の増減はありますが、年間20数万件ある離婚の内協議離婚が85%以上を占めています。


○協議離婚届出に関する民法の規定は以下の通りです。
第763条(協議上の離婚)
 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。
第765条(離婚の届出の受理)
 離婚の届出は、その離婚が前条において準用する第739条第2項の規定(※証人2名)及び第819条第1項の規定(※親権者の決定)その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
2 離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離婚は、そのためにその効力を妨げられない。


○協議離婚は上記民法の規定の通り、離婚当事者が署名押印して作成した離婚届出書を戸籍係に提出しこれが受理されることによって成立します。当事者の一方が、離婚届出書に署名押印したときは離婚する意思があっても、届出をする時点では心変わりして離婚の意思がなくなっていた場合、他方当事者が離婚届出書を戸籍係に提出し、戸籍上離婚と記載されてもその離婚は無効です。

○しかし、いったん戸籍上離婚が記載されるとこれを覆すためには離婚届出無効確認の訴えを提起して判決を取る必要があります。そこで、離婚意思を欠く届出がなされるのを防止するため戸籍係に対し、離婚届出についての不受理処分をするように申し出る不受理申出制度が戸籍法で定められています。その規定は以下の通りです。
戸籍法27条の2第3項「3 何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等の届出がされた場合であつても、自らが市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。」

○離婚意思のない離婚届出は無効とであるとの昭和34年8月7日最高裁判決全文を紹介します。「離婚の合意は届出書作成のときに正当に成立したのである。この合意を届出書という形式によつて市町村長に届け出ることによつて離婚は当然に効力を発生するのである。そして、その届出行為を他人に依頼してその届出書をその他人に托した後において、本人が内心、変心してその他人が届出行為を実行する瞬間において、たまたま本人が離婚の意思をなくしていたとしても、それだけの事実で、その届出が当然無効となるものではない。離婚意思の喪失によつて届出による離婚の効力の発生を阻止するためには、届出の受理される以前に、届出による表示行為の効力の発生を妨げるに足りるなんらかの行為がなされなければならないものと解する。」との補足意見も紹介します。

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主  文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理  由
 上告代理人○○○○の上告理由第一点について。

 原審の引用する第一審判決によれば、本件協議離婚届書は判示の如き経緯によつて作成されたこと、右届出書の作成後被上告人は右届出を上告人に委託し、上告人においてこれを保管していたところ、その後右届出書が光市長に提出された昭和27年3月11日の前日たる同月10日被上告人は光市役所の係員甲野太郎に対して上告人から離婚届が出されるかもしれないが、被上告人としては承諾したものではないから受理しないでほしい旨申し出でたことおよび右事実によると被上告人は右届出のあつた前日協議離婚の意思をひるがえしていたことが認められるというのであつて、右認定は当裁判所でも肯認できるところである。

 そうであるとすれば上告人から届出がなされた当時には被上告人に離婚の意思がなかつたものであるところ、協議離婚の届出は協議離婚意思の表示とみるべきであるから、本件の如くその届出の当時離婚の意思を有せざることが明確になつた以上、右届出による協議離婚は無効であるといわなければならない。そして、かならずしも所論の如く右翻意が相手方に表示されること、または、届出委託を解除する等の事実がなかつたからといつて、右協議離婚届出が無効でないとはいいえない。従つて、論旨は採用できない。

 同第二点について。
 原判決挙示の関係証拠中、証人甲野太郎の「離婚届出の前、昭和27年3月10日と思う(届書を受付ける前であることは確実である)が被上告人から戸籍吏員たる同証人に対し上告人との離婚届が出されるかも知れないが被上告人としては承諾したものではないのだから受理しないでほしいとの申入れがあつた」旨の証言(記録44丁裏)によれば、被上告人が協議離婚を翻意した事実を充分に推認することができるから原審に所論の違法はない。
 よつて、民訴401条、95条、89条に従い、主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官藤田八郎の補足意見があるほか、全裁判官一致の意見によるものである。
 (裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

藤田裁判官の補足意見
 原判決は「協議離婚は市町村長に対してこれを届出でて始めてその効力を生ずる身分上の要式行為であるから市町村長に対して届出がなされた当時に夫婦ともに協議離婚をしようとする意思を保有することが必要であつて、たとえ、協議離婚の合意が成立して当事者双方署名捺印した届書を作成してもこれを市町村長に提出した当時離婚の意思を有しなくなつた場合はその届書の提出を依頼(委任)された者にその委任を解除したかどうか、又その依頼を受けた者が当事者の意思の変更を知ると否とを問はずこの届出は、本人の意思に基かないものであるから無効と解するのを相当とする」と判示している。

 若しも原判決の判意が、離婚届出書作成当時、すなわち届出書に当事者双方が署名捺印をした当時、当事者に離婚の意思がありその合意が成立したとしても、本件のようにその市長村長に対する届出を他人に托した場合、この届出書がその他人によつて市町村長に提出された当時において、当事者が離婚の意思を有しなくなつた場合は、それだけで、その届出は本人の意思にもとづかないものとして離婚は無効であるとする趣意であるならば甚だ疑問であるとしなければならない。

 離婚の合意は届出書作成のときに正当に成立したのである。この合意を届出書という形式によつて市町村長に届け出ることによつて離婚は当然に効力を発生するのである。そして、その届出行為を他人に依頼してその届出書をその他人に托した後において、本人が内心、変心してその他人が届出行為を実行する瞬間において、たまたま本人が離婚の意思をなくしていたとしても、それだけの事実で、その届出が当然無効となるものではない。離婚意思の喪失によつて届出による離婚の効力の発生を阻止するためには、届出の受理される以前に、届出による表示行為の効力の発生を妨げるに足りるなんらかの行為がなされなければならないものと解する。

 ところが本件においては原判決の認定するところによれば、被上告人(原告)は右届出提出の前日頃市役所に来て係員に対して上告人(被告)から離婚届が出されるかも知れないが被上告人としては承諾したものでないから受理しないでくれと申し入れをしたというのであつて、この申し入れによつて、右届出撤回の意思は当該吏員に対し明瞭に通達されたと解することができるのであるから、これによつて、本件離婚の届出は遂にその効力を発生するに至らなかつたものと解すべきであると思料する。

以上:3,107文字
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H29- 6-14(水):職業画家を考慮し自賠責等級12級で労働能力喪失率50%認めた判決紹介
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○画家の後遺障害についての損害賠償請求事件を扱っていますが、自賠責では併合第11級と認定されたものを、等級認定は併合12級としながら、画家という職業に与える影響等を考慮して労働能力喪失率を12級の14%ではなく、50%(自賠責等級基準では第7級56%と8級45%の中間)を認定した平成18年6月16日大阪地裁判決(自動車保険ジャーナル・第1698号)の損害認定判断理由部分を紹介します。


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第三 争点に対する判断
1 被告の過失、過失割合


(中略)

2 損害額
(1) 治療費、投薬費 69万7490円

 治療費及び投薬費の額が少なくとも69万7490円であったことは当事者間に争いがない。被告はC病院の治療費が13万5,940円であったと主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。

(2) 休業損害 254万6005円
ア 証拠(略)によれば、平成12年の原告の画家としての売り上げが851万円であったことが認められる。原告が売り上げの立証のため提出する証拠(略)は、筆跡も別々であり、記載内容について原告の供述との整合性も認められることから、信用性は認められる。

 これに対し、経費については十分な立証がなされたとはいえないし、証拠(略)によれば、新築祝いに原告の絵をプレゼントしている工務店勤務の者から依頼を受けていると思われる画商に売り上げの多くを依存していること、平成12年度の確定申告はしばらくぶりになされたものであり、申告所得額も275万円と低額であったこと、平成12年度以前には絵の売り上げは年間600万円程度であったことが認められ、自分の作品を売って生活できるようになったとはいえ、原告は画家としてはまだ無名であって、売り上げも継続的な購入が期待できる顧客は少ないうえ、特定の顧客への依存度が高く、今後も同様の売り上げを確保できるかははっきりしていないことに鑑みれば、売り上げの60%にあたる年収510万6000円を基礎収入として採用するのが相当である。

イ 証拠(略)によれば、症状固定の診断がなされた平成13年7月31日時点でも、右肩の可動域制限や右手の握力の低下があり、リハビリも継続中で、画家としては稼働できなかったことが認められるが、症状固定時においてもリハビリを継続しており、本件事故から症状固定まで6か月という期間に転職することも期待できないことからすると、本件事故から症状固定までの間は100%稼働できなかったと認めるのが相当である。

ウ 基礎収入を年収510万6000円として、本件事故から症状固定日までの182日間100%稼働できなかったとすると、以下の計算式により、休業損害は上記金額となる。
 510万6000円÷365×182

(3) 傷害慰謝料 80万円
 傷害慰謝料を80万円とすることについては、当事者間に争いはない。

(4) 後遺障害逸失利益 1814万6213円
ア 証拠(略)によれば、以下の事実が認められる。
(ア) 原告は、本件事故による後遺障害について以下のような診断を受けた。
a 傷病名
 右肩・肘・膝打撲傷、右膝後十字靱帯損傷、右肩関節外傷後関節拘縮、右上肢不全麻痺

b 自覚症状
 右手が思うように使えない、絵をかけない、書字困難、箸・包丁・銛・金槌が使えない、右肩・右膝の不安定、階段を下りるときに疼痛、脱力感、駆け足不能、自転車で少しの上り坂がこげない、500m以上の連続歩行で疼痛出現

c 他覚症状
 握力 (右)16.5㌔㌘ (左)37.0㌔㌘
 ピンチ力(栂指示指側面) (右)1.2㌔㌘( 左)7.8㌔㌘
 ピンチ力(栂指示指指先) (右)0.4㌔㌘ (左)5.0㌔㌘
 徒手筋力テスト 肩関節屈伸・内外転(右)4-、(左)4
 上腕周囲径( 右)29.0㌢㍍、(左)29.0㌢㍍
 前腕周囲径 (右)26.5㌢㍍、(左)26.5㌢㍍
 右手栂指・示指・中指々尖知覚鈍麻(+)
 第5・6頸髄神経領域に低下
 作業療法による精査で手指巧級運動検査で(右)5分21秒、(左)4分と右で遅延持続力テストで右上肢挙上1分15秒(左3分以上)で遂行不能
 箸作業は従来右利きにも拘わらず、右手障害期間が長く利き手交換練習により左手の操作性が勝っていた、右では小さいものや重いものを箸でつまむことが不能、持久力に乏しく検査中短時間で右上肢に脱力感を生じた
 頸椎X線にて第4-7頸椎椎体後方から骨棘(+)
 EMGにて右三角筋・橈側手根伸筋に脱神経電位を軽度認める
 右膝は前後不安定性を認め、MRIにて後十字靱帯損傷認め、関節液の貯留も認める

d 関節機能障害
 別紙関節機能障害のとおり。

(イ) 原告は、自動車損害賠償責任保険における後遺障害等級認定において以下のとおり、認定された。
a 結論
 自動車損害賠償責任保険等級併合第11級
b 理由
 右肩関節運動機能は腱板損傷後の拘縮として、運動機能障害第12級6号。
 右手指症状は、神経系統の障害として、第12級12号。

(ウ) 原告は、高校卒業後、D短期大学英米語学科に通いながら、美術研究所に5年間研修生として通い、デッサンを学んだ。大学卒業後は家業であった小中学校への教科書以外の教材等卸売業の仕事を行いつつ、絵画の勉強をしていた。その間、絵画を展覧会に出展したり、絵画教室で絵を教えたりもしていた。
 そして、50歳を過ぎたころ、家業を廃業し、絵画のみで生計を立てるようになった。

 原告は平成13年には、美術年鑑に登録し、1号あたり、4万5000円という値段設定がなされていた。この値段設定は年々上がっていく仕組みになっていた。

(エ) 本件事故後、原告は利き手である右手に思うように力が入らなくなり、職業画家として絵を描くことはできなくなってしまった。現在は左手で絵をかけるように訓練中である。
 また、右足に体重がかけられず、歩行も短距離しかできず、立ち続けることも5分くらいしかできない。


(ア) 右膝関節について
 証拠(略)によれば、本件事故直後の診断では右膝の痛みについて医師への訴えがなされていたが、その後は、平成13年3月2日に膝の痛みに関する訴えがなされているが、同月9日、診療録には右膝について腫脹なし、関節可動域制限は全稼働、不安定性なしとの記載がなされ、同月16日には自転車に2時間乗った旨が報告されており、同年7月31日の時点では右膝の痛みもなくなっていた旨の診断がなされたが、その後、平成15年3月17日にC病院においてMRI検査が行われ、同月25日、右膝後十字靱帯損傷の診断がなされていることが認められるが、このような経緯に鑑みれば、右膝に関しては、平成13年7月31日の時点で痛みもなく、可動にも問題がない状態であったと判断せざるを得ないのであって、その後平成15年に右膝後十字靱帯損傷の診断がなされたとしても、本件事故との因果関係は認めがたい。

(イ) 右手指の症状について
 証拠(略)によれば、前記アで示された原告の右手指の症状については、神経学的所見として筋力低下や知覚障害、筋電図の異常所見がみられ、事故の態様からすると右腕神経叢不全損傷の可能性も否定できないことが認められ、これらの事実に照らせば、局部に頑固な神経症状を残すものとして12級12号に該当すると認められる。

(ウ) 右肩関節について
 証拠(略)によれば、本件事故後、原告は右肩の疼痛を訴え、関節可動域にも制限があり、平成13年7月31日では右肩関節の可動域は左肩関節の4分の3まで制限されていたが、平成15年3月25日の検査では、外転の可動域が改善したため可動域が4分の3までは制限されていないことが認められるが、可動域制限以外に他覚的所見が認められないことからすると、右肩については局部に神経症状を残すものとして14級10号に該当すると認められる。

ウ 前記アによれば、原告は画家としての能力を喪失していると認められ、原告の年齢、経歴、後遺障害の程度を考えると、原告が就くことができる職業もかなり限られることを考慮すれば、喪失した労働能力の割合は一般的な事例と比較して大きく評価するのが相当である。しかしながら、右手指、右肩の機能も一部失われたに留まり、身体全体の機能のかなりの割合が未だ維持されていることを考慮すれば、労働能力喪失率は50%と認めるのが相当である。

エ 労働能力喪失期間については、画家としての作業の身体能力への依存度が低いことは確かであるが、もともと、画家としての作業が可能であるか否かとは別に、継続してゆくことが困難な職業であり、原告については、顧客は個人的なつながりのある者に限られており、作業が可能な状態であれば当然に画家としての職業を全うできる蓋然性までは認められないから、平均余命の2分の1にあたる9年間と認めるのが相当である。

オ 基礎収入は休業損害の場合と同様である。

カ 以上を前提に逸失利益を計算すると、下記の計算式により、上記金額となる。
 510万6000円×(1-0.5)×7.1078

(5) 生活介護費費用
 生活介護費については、後遺障害の等級に関係なく、受傷の内容及び程度、被害者の年齢等から、必要性を判断すべきであるが、原告は利き手が思うように動かなかったり、連続歩行が困難であったりという状況はあるが、右膝の障害については本件事故との因果関係は認められず、右手の障害については、障害の程度に鑑みて、介護が必要な程度に達しているとは認められないから、生活介護費費用は認められない。

(6) 後遺障害慰謝料 390万円
 前記(4)で認定した後遺障害を等級で表すと併合12級ということになるが、右手指の後遺障害により、現在訓練を継続中ではあるものの、画家としての能力を喪失している現状に鑑みれば、後遺障害慰謝料は390万円と認めるのが相当である。

(7) 増額慰謝料
 後遺障害逸失利益は前記(4)のとおりであり、これによって画家としての能力喪失分は評価されているから、増額慰謝料は認められない。

3 損益相殺
 以上を合計すると、その額は2608万9708円となる。原告が合計547万8722円の支払いを受けていることは当事者間に争いがないが、それ以上の支払いを受けている事実を認めるに足りる証拠はないから、前記損害額から支払われたと認められる額を控除すると、残額は2061万0986円となる。

4 弁護士費用 200万円
 本件の認容額や事件の内容など諸般の事情を考慮すれば、原告に対する弁護士費用は200万円と認めるのが相当である。

5 結論
 以上より、原告の請求は、2261万0986円及びこれに対する平成13年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由がある。
 よって、主文のとおり判決する。
以上:4,454文字
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H29- 6-13(火):整備不良原因で発生した人身事故と自賠法運行供用者責任1
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○整備不良車両運行中に整備不良が原因で発生した人身事故についての人身損害をその整備不良車の自賠責保険請求が出来ますかとの質問を受けました。具体的には、AさんがBさんからBさん所有車両車検手続後、車検を依頼した自動車修理会社Cの工場からその車両を運行してBさん宅に運ぶことを依頼され、その搬送のための運行中にC社の整備不良のため搬送途中で車両が暴走してブレーキが効かなくなり、最終的にギアをパーキングに入れて緊急停車し、その結果、Aさんの上半身がハンドルに激突し、頚椎捻挫等で半年間通院をしたという事案です。

○C社は整備不良の責任を認め、半年間の通院治療費は支払ってくれましたが、半年後に倒産して支払不能状態となり、Aさんに生じた通院治療費以外の損害としての休業損害・慰謝料等のC社への請求が出来なくなりました。そこで休業損害・慰謝料等の人身損害について、Bさん所有車両にかけていた自賠責保険に請求できますかとの相談です。

○関係する自賠法の規定は次の通りです。
第3条(自動車損害賠償責任)
 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
第11条(責任保険及び責任共済の契約)
 責任保険の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる。


○Bさんは、自賠法第3条の「自己のために自動車を運行の用に供する者」に当たりますので、「その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。」ことになり、また、「自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明」することはできませんので、Aさんに生じた損害の賠償責任があるようにも読めそうです。

○問題は、「その運行」をしていた運転者はAさんであり、この運転者Aさんが「他人」に該当するかどうかです。また、運転者Aさんの運行に関して、本件事故発生についての過失はありません。事故発生の原因は、C社の整備不良にあることがハッキリしているからです。とするとAさんは、他人に該当しないし、且つ、運転に関して無過失は明らかであるから、この事案は、Bさんに運行供用者責任は生じないという理屈も成り立ちそうです。

○そこでこのような場合の裁判例を探しているのですが、現時点では見つかっていません。事故発生後、Aさんは速やかに警察に連絡して、事故状況を調査して貰い、整備不良によって発生した人身事故として扱ってくれ、事故証明書もあるとのことです。事故証明書には、通常、甲欄に加害車両及び加害運転者名が、乙欄に被害車両と被害車両運転者名が記載されます。本件では、加害車両の運転者はAさんであり、また、被害者もAさんとなります。このような事故証明書がホントに発行されたのかどうか、現在、事故証明書の取寄を要請しているところです。

○本件は、不良整備をしたC社に責任があることは明白なのでC社が損害賠償義務を全うすれば自賠責保険の問題は生じません。ところがそのC社が支払不能状態になったために生じた誠に希有な事例であり、その結論については、さらに裁判例・学説等の調査を継続します。
以上:1,530文字
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