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ある離婚例

平成10年10月 1日(木):初稿 平成17年 2月 6日(日):更新
■初めに

 鶴亀通信第3号の男女特集「明るく楽しい老後を迎えるための心構え」は、特に主婦の方々から大変好意的に受け止められました。

 ある読者の妻が亭主連中に見て貰うためにコピーして町内会で配ったとの報告を受け、大変感激しました。又、ゴールデンウィーク直前に亭主に見せたら、休み中の家族サービスが強化されたとか、今までしたことのない庭の草むしりをしてくれたなど良い方向での変化があった等の報告も頂きました。

 男性陣からは「このヤロー、一人でカッコつけやがって!」とお叱りを受けることも覚悟しておりました。しかし、概ね男性陣からも好意的なお言葉を頂き、ご意見をお寄せ頂いた方々には感謝申し上げます。

 前回、次号では少しは法律の話もしますと約束しました。私の取扱事例を参考にしたフィクションとしての離婚裁判例に基づき離婚と法律について考えてみましょう。
 尚、弁護士は、取扱事例について守秘義務を負い、そのまま紹介することが出来ません。以下の例はあくまでフィクションであることをご了解下さい。




離婚具体例の紹介
 
大手企業の社員X男は、35才の時、公務員で36才のY女と見合いし、6ヵ月後に結婚した。Yは結婚後も仕事は継続し共稼ぎであった。Xは物静かで大人しく控え目なのに対し、Yは勝ち気で頑固な性格であった。Xは交際期間中にYの性格が自分と対照的なことが気になったが、年齢も考え結婚に踏切った。

 結婚してみると、やはり一寸したことでYの振舞が気になりYに対する嫌悪感が高じ、結婚生活の継続は不可能と感じてきた。そこで結婚後6ヵ月でXの方から別居し、離婚の調停を出した。しかし、Yは頑として離婚を認めず調停は不調に終わった。XがYを嫌になった理由は、一言で言えばデリカシーが足りないという曖昧なものであった。調停不調終了の段階では、Yには離婚理由がなく離婚訴訟を出しても敗訴は確実な状況であった。

 Xはその後5年間の別居生活を経て、K弁護士に離婚の相談をした。K弁護士から5年間の別居の継続をもって『婚姻を継続し難い重大な事由』があり離婚が認められる可能性が高いと説明された。そこでXはようやくK弁護士に依頼して離婚の訴えを提起した。

Yは弁護士Lを依頼して、
①自分には法律上離婚理由が全くないこと、
②自分は今でも心からXを愛していること、
③それなのに離婚を求めるXは全く身勝手であること
等を理由に、離婚は絶対に認められないからXはYと同居して結婚生活を継続する義務があると強硬に主張した。

 K弁護士は、早期解決のためXがYに慰謝料を支払って離婚するとの和解案を出した。Y側のL弁護士も同意見で、Yに和解離婚を説得した。しかしYは説得に全く耳を貸すことなく結婚の継続を主張し続け、結局、判決となり、婚姻関係の破綻を理由にXの離婚が認められた。

 Yは直ちに控訴し、弁護士を1人追加して第一審判決の不当性を訴え、控訴審でも離婚判決が認められたなら抗議の自殺をするとまで言って裁判官に懇願した。控訴審の裁判官もYに対し慰謝料を取って和解離婚するように勧めたがYは全く応ぜず、結局最高裁まで係争して離婚が確定した。Xは、確定離婚判決書に基づき離婚届出を提出し、提訴以来丸3年を経て離婚請求事件は終了した。

以上:1,341文字

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