平成18年 4月23日(日):初稿 |
○平成18年4月22日、弁護士知財ネット東北地域会主催で仙台で初の弁護士と弁理士による知財問題無料相談会開催を弁護士会館で開催しました。スタッフは、弁護士知財ネット東北地域会の会員弁護士が9名に仙台でアート特許商標事務所を経営されている弁理士の須田篤さんの合計10名でした。 ○相談担当弁護士は、①特許・実用新案、②商標・意匠、③不正競争防止、④著作権の4分野を2名1組としてメインとサブを決め相談に当たることにし、知財全般のアドバイザーとして須田弁理士に待機して貰いました。 ○事前に開催宣伝チラシを作成し、宮城県知財関係部署、仙台地域知的クラスター創成事業、発明協会宮城県支部、河北新報社等に配付していたのですが、相談者は僅かに2件のみでしかも内1件は不動産についている登記関係についての相談で知財問題ではなく、知財問題相談は僅かに1件のみでした。 ○私は弁護士になって平成18年で27年になりますが、この27年間で知財関連問題は、不正競争防止法関係が2件、商標に関する相談が1件、特許権に関する契約書についての相談が1件の僅か4件のみで、そのうち裁判手続を取ったのは1件のみで後は相談止まりでした。 ○要するに知財に関する事件は殆ど取り扱っていません。弁護士等実務家が事件に熟達するのは実際事件を取り扱うことに尽きます。実務家は事件によって育てられるものでいくら本を読んでも所詮畳の上の水練に過ぎず、実際事件を取り扱わないと実務能力は殆どつきません。 ○今回は仙台初の弁護士による知財問題相談会と銘打って臨んだのですが、仙台には知財に関する問題があまりないのか、或いは仙台には知財を扱える弁護士が居ないとの風評はなかなか覆せないのか、無料相談会にも拘わらず、殆ど相談者が居ない状況をどう考えるべきか、終了後、懇親会を開いてスタッフの弁護士で協議しました。 ○いずれにしても弁護士知財ネット東北地域会としての知財事件への取組は始まったばかりであり、この結果にめげず地道に活動を続けようとなりました。須田弁理士のお話では、弁理士も需要に対して数が少ないとのことで、従前は毎年の合格者が80名程度だったものが現在は300名前後に増えているとのことです。 ○弁護士についても特に地方において知財事件を扱える弁護士が少ないので養成せよとの目的で弁護士知財ネットが立ち上がって1年以上を経過していますが、知財ネットの全国的活動が殆ど見えません。そこで今度は知財ネット本部が中心となって貰い全国での知財問題一斉相談会でも開こうと言う勇ましい意見も出ました。 以上:1,059文字
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