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民法抵当権抹消請求手続・破産法での破産管財人担保権消滅手続条文確認

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令和 5年 9月26日(火):初稿
○抵当権を強制的に抹消する手続として、昔、滌除(てきじょ)と言う制度があり、何回か利用したことがありますが、現在は滌除制度は廃止され、抵当権抹消請求制度となっています。請求主体は、抵当不動産の第三取得者で、破産管財人は第三取得者になるかどうか調べたところ、破産法186条以下に破産管財人として担保権消滅の許可の申立て制度がありました。

○担保権消滅許可手続とは、破産財団に属する財産で担保権の目的となっている財産を破産管財人が任意売却する際に、売却代金の一部を破産財団に組み入れる可能性を認めつつ、裁判所の許可により担保権を消滅させる制度と説明されています。以下、取り敢えず、民法の抵当権抹消請求と破産法の担保権消滅の許可の申立に関する各条文の確認です。

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民法
第379条(抵当権消滅請求)

 抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

第380条 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

第381条 抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができない。

第382条(抵当権消滅請求の時期)
 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

第383条(抵当権消滅請求の手続)
 抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面
第384条(債権者のみなし承諾)
 次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。
一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。
二 その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。
三 第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。
四 第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民事執行法第188条において準用する同法第63条第三項若しくは第68条の三第三項の規定又は同法第183条第一項第五号の謄本が提出された場合における同条第二項の規定による決定を除く。)が確定したとき。

第385条(競売の申立ての通知)
 第383条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、前条第一号の申立てをするときは、同号の期間内に、債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。

第386条(抵当権消滅請求の効果)
 登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。

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破産法
第186条(担保権消滅の許可の申立て)

 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。

一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額
二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額

2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。

3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。
一 担保権の目的である財産の表示
二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称
四 消滅すべき担保権の表示
五 前号の担保権によって担保される債権の額
六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
七 前項の規定による協議の内容及びその経過

4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。

5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

以上:2,725文字

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