令和 2年 4月 1日(水):初稿 |
○「120年ぶり民法大改正備忘録-週間ダイヤモンドから」の続きです。 本日令和2年4月1日から120年ぶりの大改正された民法が施行されます。残念ながら私が利用している電子政府の総合窓口e-Gov掲載民法は、現時点では、「データベースに未反映の改正がある場合があります。」と記載の通り、改正法が反映されていません。 ○以下、「120年ぶり民法大改正備忘録-週間ダイヤモンドから」に記載した重要改正部分の正確な条文の備忘録です。以下は、膨大な改正条文のホンの一部です。重要改正条文は結構な量があり、覚えるのが大変です。 ○法定利率が現行5%から3%に引き下げ変動制へ 404条(法定利率) 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。 2 法定利率は、年3パーセントとする。 3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、3年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。 4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。 5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を60で除して計算した割合(その割合に0・1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。 ○個人保証に制限-但し、制限例外で骨抜き 第446条(保証人の責任等) 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。 2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。 3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。 第448条(保証人の負担が主たる債務より重い場合) 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。 2 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。 第二目 個人根保証契約 465条の2(個人根保証契約の保証人の責任等) 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。 2 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。 3 第446条第2項及び第3項の規定は、個人根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。 第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則 465条の6(公正証書の作成と保証の効力) (保証人が法人である貸金等債務の根保証契約の求償権) 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前1箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。 2 前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。 (略) ○賃貸借契約敷金-明確に定義して、経年劣化原状回復義務無しを規定 621条(賃借人の原状回復義務) 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 第四款 敷金 622条の2 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。 一号 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。 二号 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。 2項 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。 ○消滅時効-原則5年に統一 166条(債権等の消滅時効) 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一号 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。 二号 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。 2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。 3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。 167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効) 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1項第二号の規定の適用については、同号中「10年間」とあるのは、「20年間」とする。 168条(定期金債権の消滅時効) 定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一号 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から10年間行使しないとき。 二号 前号に規定する各債権を行使することができる時から20年間行使しないとき。 2項 定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。 以上:2,857文字
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