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売買契約・売買予約契約成立の有無認定判例概観

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平成25年 8月 3日(土):初稿
○売買或いは売買予約契約が成立したかどうかについて、争いになる場合があります。法律専門家が作成した明確な売買契約書があれば争いになることは先ずありませんが、素人が作成した契約書で、意味が不明確であったり、物件の特定が不十分であったり、契約約款相互に矛盾があったりして、その解釈によって契約の成否が異なる場合は、良くあります。

○このような場合、似たような事案での裁判例が参考になります。裁判例では、契約書の形式的内容だけでなく、その契約に至る前後の事情、人間関係等を総合判断して実質的に契約の成否を判断しています。

売買等契約否定例
昭和57年2月17日東京地裁判決(判タ477号115頁)
・当事者間で、売買の目的物、代金額等についての合意が成立し、売買契約を締結すべき日を定めて仮契約を締結した後に、買主となるべき一方当事者が、売買契約の締結を拒否しても違法ではないとされた
・売買代金及び目的物につき合意に達した後、更に交渉を継続して具体的細部事項を定めたうえ、売買契約を締結することを定めた契約により当事者の負担する債務の内容

昭和59年12月12日東京地裁判決(判タ548号159頁)
・不動産の売買契約の交渉段階において、売主側が買主側に対して「売渡承諾書」を交付した場合であつても、売買契約が成立したとは認められないとされた

平成3年5月30日東京地裁判決(金商889号42頁)
・売渡証明書と買付証明書が不動産取引の当事者間において交換されていても売買契約の成立を否定

売買等契約肯定例
昭和55年4月10日神戸地裁判決(訟月26巻7号1107頁、判タ422号137頁)
・旧軍未登記財産について国(旧陸軍)と旧所有者間の売買契約の成立が認められた

平成元年12月12日東京地裁判決(判タ731号196頁、金商853号36頁)
・間接事実による不動産売買契約成否の認定して否定するも、当初契約時と比較して時価が約4倍に騰貴した不動産売買の予約につき、事情変更による予約の失効の主張が排斥され、売買予約での完結権行使で売買認定

昭和63年2月10日東京地裁判決(判時1289号83頁、金商801号22頁)
・売買の目的を不動産とする覚書が作成されているにもかかわらず、覚書作成にいたる経緯を詳細に認定して、不動産が売買の目的とならないとされた
・不動産引渡請求権が処分禁止仮処分の被保全権利となり得る特別の事情が認められるとの主張を排斥し認められないとした事例

平成19年1月17日東京地裁判決(ウエストロー・ジャパン)
・原告が、被告に対し、本件契約は売買予約ではなく、本契約としての売買契約であるとして、未払売買代金相当額の支払と引換えに、所有権移転仮登記に基づく本登記手続を求めた事案において、売買予約証書が作成されるに至った経緯及び当事者の合理的意思に鑑み、被告は、未払売買代金相当額に加えて、これに対する約定の割合による利息の支払を受けるのと引換えに、原告に対し、所有権移転仮登記に基づく本登記手続をするよう命じた
・上記事案で利息の不払があったとしても、それは本件契約にとっては付随義務に違反する行為に過ぎないから、かかる義務違反をもって解除原因とすることはできないとして、被告の原告に対する本件契約解除の主張が認められなかった

平成20年1月29日東京地裁判決(ウエストロー・ジャパン)
・被告から本件不動産を購入した原告が、被告に対し、本件不動産についての売買契約に基づき、原告が被告に対して売買代金を支払うのと引換えに、本件不動産について所有権移転登記手続をすることを求め、また、本件建物が賃貸されていると主張して、不法行為に基づき、賃料相当損害金の支払を求めた事案において、被告による条件不成就の確定、解除、及び動機の錯誤の主張は、いずれも認められないとして、原告の所有権移転登記手続の請求を認容する一方、本件建物の賃料を取得する権利は、被告にあるとして、損害賠償請求を棄却した

平成23年8月9日東京地裁判決(ウエストロー・ジャパン)
・原告が、訴外会社との間で本件各土地につき売買予約契約を締結した上で各仮登記を経由し、その後、予約完結権を行使したが、本件各仮登記の後に被告らが本件各土地につき仮差押えをしているとして、被告らに対し、それぞれ、本件各仮登記に基づく予約完結権の行使に係る売買を原因とする各所有権移転本登記手続の承諾を求めたところ、被告らが、本件売買予約契約の成否及び有効性等を争うなどした事案において、原告と訴外会社との間に本件各土地に係る本件売買予約契約が有効に成立し、原告が予約完結権を行使したことにより、本件各土地の所有権を取得したものと認められ、原告は、訴外会社に対し、本件各土地についてなされた本件各仮登記に基づく予約完結権の行使に係る売買を原因とする各所有権移転本登記手続請求権を有すると認定した


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