平成25年 8月 4日(日):初稿 |
○自称健康オタクの私は、しばしば丸善仙台アエル店の健康本売り場を徘徊します。平成25年2月でしたが、「長生きしたけりゃ肉は食べるな」と、「肉を食べる人は長生きする」との相反する表題の健康本が並べられていました。このように相反する表題の本を2冊並べて陳列するのは、2冊とも購入させるための丸善の販売戦略かなと思いながら、結局、2冊とも購入しませんでした。 ○「長生きしたけりゃ肉は食べるな」の著者若杉知子氏は、表紙に写真が掲載され、「現在76歳ながら白髪も老眼もなく、そのうえ病院に行ったこともないほどの健康体」との触れ込みです。しかし、失礼ながら、その写真を見ると、髪もそれ程厚く黒々としている訳ではなく、顔や手はシワが多く、普通の76歳の老人であり、特に、これはと思う風貌ではなく、これまた大変失礼ながら、人相も良いとは思えません。世間には76歳でも、50歳くらいにしか見えない若々しい方がごまんと居ますが、敢えて、飾らない自然体で撮影したのかも知れません。 ○「嗚呼!メタボ症候群か-体組成計を購入して測定開始」記載の通り、平成20年3月にヨドバシ仙台店で株式会社タニタ製体組成計InnerScan50BC-305を購入して以来、原則として毎日、この体組成計で体重・体脂肪率等を計測し、日誌に記録しています。「嗚呼!メタボ症候群か-とにもかくにも野菜中心・野菜優先」記載の通り、野菜中心の食事に徹している私は、平成25年8月現在、体重は57~58㎏、体脂肪率は12~17で平均14台を維持しています。 ○メタボを指摘され、体重を落とすために野菜中心の食事に変えてからは、肉も牛や豚など動物の肉はなるべく控えて、魚中心の肉食に変えていました。しかし、60歳過ぎたら動物の肉を食べた方がよいとの学説もあることを知り、ここ1年程は動物の肉が食べたいと思うときはその欲求に従って牛や豚の肉も食べるようになっています。 ○前記「肉を食べる人は長生きする」の解説には、「肉を食べると太るとか、コレステロールが増えるとか言われているが、健康な高齢者は肉を常食としていることが多い。本書では、様々な地域で百寿者<100歳以上の高齢者>の調査を行ってきた筆者が、百寿者の共通項を分析し、健康寿命を伸ばす正しい健康習慣を提案している。高齢になってなお、生きがいを持った暮らし手に入れるためには健康が何より必要である。健康はあくまでも日々の暮らしのための一資源であり、生きる目的ではない。しかし、老化は人間である限り避けられないのであり、高齢者が生きがいを持ち続けるためには老化予防の生活機能維持という視点に立った生活習慣を提案している。」と記述されています。 ○これに対し、「長生きしたけりゃ肉は食べるな」は、平成25年3月号「選択」106頁に”「似非栄養学」に騙されるな”との表題の記事で、医師でもなく栄養士でもない料理研究家という若杉友子氏の「肉を食べるな」の根拠としての「肉を食べると、身体が砂糖を使った甘い物をほしがり、腸の働きをマヒさせて、腸の腐敗が起こって便秘の原因になり、さらに有害物質を作って体中にまきちらして、ガンの温床となる」との説は、科学的根拠のない奇天烈なもので、オカルトまがいの説だとこき下ろしています。 ○「肉論争が勃発! 肉食は健康に良い?悪い?」と言うページの記述では、「長生きしたけりゃ肉は食べるな」の方が相当分が悪そうです。慶応大学医学部放射線科講師近藤誠氏は、「何より、肉をはじめとした動物性たんぱく質を摂るなというのは、大いなる間違い。動物性たんぱく質を断って菜食にすると、一気にやせて体の抵抗力が落ち、短命になります。」と断言し、京都光華女子大学教授で医学博士・管理栄養士の廣田孝子氏も、「必須アミノ酸がすべてそろった食品を100点とし、アミノ酸のバランスを見るのを『アミノ酸スコア』と言いますが、肉をはじめ牛乳、卵、魚などの動物性食品は100点満点。WHO(世界保健機関)もそう定義しています。そもそも、穀類や野菜などからだけでは、たんぱく質は摂れません。」とされています。今日は肉が食べたいと身体が要求したら素直に肉も食べていこうと、改めて思った次第です。 以上:1,730文字
|