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映画”シビル・ウォー アメリカ最後の日”を観て-静かに戦争狂気を実感

令和 6年10月20日(日):初稿
○令和6年10月19日(土)は夕方、TOHOシネマズ仙台3番シアターで映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を鑑賞しました。映画館で予告編を観て、面白そうだと思ったことと、何より、2024年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が負けた場合、2016年選挙時の議事堂襲撃事件では収まらず、アメリカ内戦に発展するとの陰謀論とも思える予想が飛び交っており、現代のアメリカ内戦が起こったらどうなるかについて興味があったからです。

○映画コムでの解説は、「連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。」とされています。現在のアメリカ合衆国憲法では大統領任期は2期8年までとなっていますが、映画の大統領は憲法を改正して、3期目に入った独裁的大統領の設定です。トランプ氏も終身大統領を目指すと言っているとの噂もあり、トランプ氏が大統領になった場合を想定しているとのレビューもありました。

○この映画は、その独裁的大統領での連邦政府に反旗をあげて19州が離脱し、「西部勢力」として政府軍と内戦になるとの設定ですが、現実の内戦は、トランプ氏が選挙に負けてハリス氏が大統領になった場合、トランプ岩盤支持層を中心に政府に反旗を揚げる設定になりそうです。この場合、政府軍即ちアメリカ軍が一体として政府を守る立場を取った場合は、トランプ反政府軍は全く勝ち目がないと思われます。問題はアメリカ軍が政府軍・反政府軍と分裂した場合で、その可能性があるのかどうか、この映画で政府軍の動きがどのように描かれるのか興味を持っていました。

○しかし残念ながらこの映画では内戦に至る経緯、反政府軍が優勢でワシントンD.C.の陥落目前に至るまでの経緯等内戦の具体的経緯説明は全くなく、政府軍の動きがどうだったのか全く不明です。ですからトランプ氏大統領選挙敗北を原因とする内戦の予習には全くならず、現実に起こると噂されている内戦の参考には全くなりませんでした。内戦での戦闘シーンも、映画最終場面のワシントンD.C.陥落に至る場面で激しい戦闘が繰り広げられるだけで、映画の大半は、ワシントンD.Cに向かう記者達の遣り取りで占められ、激しい戦闘シーンが繰り広げられる通常の戦争映画ではありませんでした。

○それでも戦時写真家の記者達がワシントンD.C.に向かう自動車旅行途中で、垣間見る内戦の一端に、戦争とは正に殺し合いの連続を実感させ、同行する新米の若き女性戦時写真家が、その恐怖で体調を崩し、車中で激しく嘔吐するシーンが印象に残りました。戦争になると、兵士は人を殺すのが当たり前で、何の躊躇もなくいとも簡単に殺人を犯し、遺体を見ても何とも思わなくなる状況が良く判ります。平時は狂気とされることが、戦時は当たり前になり、つくづく戦時にはなりたくないと実感しました。

【10.4 公開】映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』日本版本予告


アメリカで起きる内戦を描く2024年最大の衝撃作ファイナル予告!映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』予告編


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