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映画”秋刀魚の味”を観て-岩下志麻氏の初々しい美しさ堪能

令和 6年10月14日(月):初稿
○令和6年10月13(日)は、ニューデジタルリマスターBDソフトで1962(昭和37)年製作小津安二郎監督作品映画「秋刀魚の味」を鑑賞しました。小津安二郎監督作品の鑑賞は、「映画”彼岸花”を観て-山本富士子氏の美しさを堪能」に記載した映画「彼岸花」を鑑賞して依頼の5ヵ月半ぶりの鑑賞です。映画「彼岸花」を鑑賞して他の作品も鑑賞したくなり、映画「秋刀魚の味」のニューデジタルリマスターBDソフトを購入していました。

○1962(昭和37)年は、小津安二郎監督59歳、主演の笠智衆氏58歳、岩下志麻氏21歳の時の作品ですが、小津氏は、この作品製作後の1963年に60歳で死去され、遺作となった作品とのことです。ヒロインで21歳の岩下志麻氏には若々しく初々しい美しさを堪能できましたが、ストーリーとしては脇役で、笠智衆氏とその元恩師役で当時55歳の東野英治郎氏とその娘役で当時53歳の杉村春子氏が印象に残りました。杉村氏は出番は少ないですが、流石に存在感がありました。

○教え子の笠智衆氏が58歳で、東野英治郎氏の娘役の杉村春子氏が53歳のところ、55歳の東野英治郎氏は、笠智衆氏より老けて見え、また2歳しか違わない杉村春子氏の父親らしく見えるように演じており、流石、役者の演技能力は凄いものだと思いました。昭和38年は令和6年からは62年も前の映画ですが、当時は平均寿命も10数歳短かったため、58歳の笠智衆氏、55歳の東野英治郎氏も、令和の時代の70歳以上の老人に見えました。

○映画は、日常では味わえないハラハラ・ドキドキ・ワクワクを楽しむもので、映画「七人の侍」を初めとする黒澤作品はその典型です。しかし、小津作品は、日常の会話が淡々と続き、ハラハラ・ドキドキ・ワクワクとは余り縁がなく進行しますが、それでもじんわりと心に響きます。設定では東野英治郎氏演ずる元教師は70歳近くなって40歳代の未婚の娘と二人暮らしでの悲哀が描かれ、これを見た主演笠智衆氏が設定では24歳になった一人娘の岩下志麻氏を嫁に出すまでの経緯が描かれ、一人娘を嫁に出す悲哀が、シッカリと感じられました。

○秋刀魚の味との表題ですが、秋刀魚はどこにも出てきません。一人娘を嫁に出す悲哀が、ほろ苦い秋刀魚の味と重なるとの解説がありました。しかし、しっくりきません。

『秋刀魚の味』予告編 / 小津安二郎監督作品 偉大なる映像作家・小津安二郎の遺作


小津安二郎監督作品の独特なテンポの会話 | 秋刀魚の味 | Netflix Japan


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