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パナデロス・フラメンコスのパコ・デ・ルシア演奏イントロ部分画像解析

令和 1年11月 5日(火):初稿
○「岡弘祠FG教室第43回門下生研究発表会出演-やはり実力不足を痛感」の続きで、パコ・デ・ルシア氏の演奏するパナデロス・フラメンコスに関する情報です。

○パナデロス・フラメンコスは、純粋フラメンコの曲ではなく、フラメンコ・ギタリストEsteban de Sanlúcar(エステバン・デ・サンルーカル、1910-1989)氏が作曲した曲で、作曲者の楽譜が公表されているフラメンコ曲としては珍しい曲です。殆どのフラメンコギタリストは、パコ・デ・ルシアもそうですが、楽譜が読めず、また、書けないと言われているからです。ちまたに公開されているフラメンコギター曲の楽譜は、楽譜の読み書きができるフラメンコギタリストや作曲家等音楽家が、レコード等で演奏を聴き、採譜したものです。ですから採譜者によって、楽譜は微妙に違っているのが普通です。

○このパナデロス・フラメンコスは、パコ・デ・ルシアがスペインで1969年に録音・発売し、日本では1972年頃発売された、2枚目のLPレコード「幻想」に収録されています。この曲が有名になったのは、パコ・デ・ルシアがLPレコードに収録し、また、レパートリーの一つとして演奏したからだと言われています。

○私が入手したパナデロス・フラメンコスの楽譜では、冒頭イントロ部分のラスゲアード連続部分が、音をしっかり出すためには、コードの瞬時の正確な移動が必要で、最も難しいと感じています。ところが、パコ・デ・ルシアのYouTube動画をよく聴き、左手の動きをよく見ると正確に楽譜通りに演奏されていません。そこで、YouTube動画を、Googlechromeで、速度を0.25に落として、コード移動毎にキャプチャーした静止画を紹介します。


第1小節の冒頭第5フレットセーハでのAコード



第1小節3拍目前半の半拍、楽譜では第2フレットセーハのB7コードで、小指が第5弦5フレットDを押さえることになっているが、パコ・デ・ルシアの演奏は、第2フレットセーハのF#mコードになっている



第1小節3泊目後半の半拍第4フレット、楽譜では第4フレットセーハのC#7コードで小指が第5弦7フレットDを押さえることになっており、パコ・デ・ルシアもその通り、押さえているように見える



第2小節目、冒頭と同じ第5フレットセーハでのAコードに戻り、繰り返し



第2小節3泊目、楽譜では3拍目の前半の半拍が第7フレットセーハのBコード、3拍目後半の半拍が第7フレットセーハのE7コードだが、パコ・デ・ルシアの演奏は、3拍目が第7フレットセーハのBmコードのようにも見えるが、よく見ると第7フレットセーハで、9ポジションを4・3・2指で押さえるEコードと思われる


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