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映画”アメリカン・スナイパー”を観て-安保法案雑感

平成27年 8月 2日(日):初稿
○平成27年8月1日(土)の夜は、自宅リビングルームミニシアターで、「米軍史上最多、160人を狙撃したひとりの優しい父親」とのキャッチフレーズのクリス・カイル氏の自叙伝を実写化した共和党支持派クリント・イーストウッド監督作品「アメリカン・スナイパー」を鑑賞しました。

○ウィキペディアで「アメリカ合衆国が主体となり2003年3月20日から、イギリス、オーストラリアと、工兵部隊を派遣したポーランド等が加わる有志連合によって、イラク武装解除問題の進展義務違反を理由とする『イラクの自由作戦』の名の下に、イラクへ侵攻したことで始まった軍事介入」と説明されているイラク戦争での英雄の話ですが、観ていて気が重くなるものでした。

○当初は、英雄としての最優秀アメリカ軍人の功績を讃える映画化と思って見始めたのですが、実は世界の警察官、というより番犬としてのアメリカを実態を描き出したものでした。極端に言えば番犬アメリカを讃えるどころか、茶化したのではとさえ思えます。その番犬アメリカに接した故に悲惨な運命となるイラク人一般家族の状況は、この映画で最も残忍なシーンで、大変な衝撃でした。

○戦争の実態、敵に殺されないために、ただただ敵を殺しまくらなければならない緊迫感は、正に手に汗を握って実感させられました。特に主人公最後の4回目のイラク行きの戦闘場面での、砂嵐で視界殆どゼロの中、銃弾が縦横に飛び交う中での逃亡劇は、胸が詰まる思いでした。しかし、最後の最後に、非情な結論が待っていたのには、驚きました。

○味方を殺されないために、ひたすら相手に照準を定めて正確に確実に殺していく場面が連続しますが、主人公は敵を殺すことに何の躊躇もない殺人マシンと化していますが、「NHKスペシャル『兵士はどう戦わされてきたか』を観て」を思い出しました。

○現在、世上を賑わせている集団自衛権を前提とした安保法案、集団自衛権の違憲性は兎も角、安保法案の必要性については、20年来のテニス仲間小野寺五典前防衛大臣の判りやすい解説を聞いたときは、必要かなとも思いますが、反対論者の話を聞くと必要性に疑問を感じるなど、未だに定見が持てずフラフラしています。

○安保法案は、詰まるところアメリカの要請によるもので、アメリカに逆らえずにやむを得ず提案せざるを得なくなっている面があるはずです。日本は、戦前、アメリカに逆らって完膚なきまでに叩きのめされた歴史があります。現在のアメリカは、戦前のドイツみたいなもので、戦前と同じ状況だとの見方もあるようですが、私には、到底そうは思えません。国家の根幹である国防に関するアメリカの要請に逆らった場合、その後の反動も心配です。

○なんだかんだ言ってアメリカは非情の国と見ています。アメリカ追随を止めてしまえ、それによって真の国家としての独立が果たせるとの、勇ましい論も昔からあります。しかし、戦後70年、戦闘行為での自衛隊員死者を1人も出していないとの奇跡の歴史は、憲法9条を縦に、アメリカに追随してその傘の下でおとなしくしていたが故です。それが安保法案で、自衛隊員が、非情のアメリカ兵士と一緒に闘うことになるとすれば、それは気の毒であり、ちと無理なのではと、実感したのが「アメリカン・スナイパー」の感想でした。
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