平成20年 9月15日(月):初稿 |
○平成20年9月14日(日)午後9時からNHKスペシャル「兵士はどう戦わされてきたか」を観ました。アメリカでは,「戦場の兵士を襲う『殺される恐怖』と『人を殺す恐怖』。極限状況における人間心理を、国家はあらゆる角度から研究し、人間を戦闘マシンに近づける方法を模索してきた。」とのことですが、この国の非情さを実感というか痛感させてくれるものでした。 ○高校を卒業したばかりの19歳の若者を戦場に送り出す前に普通人から一人前の軍人(戦闘マシン)にするための訓練風景が映し出されましたが,正に映画「フルメタル・ジャケット」の風景がそこにあり、驚愕しました。映画「フルメタル・ジャケット」はスタンリー・キューブリック監督1987年制作アメリカ映画で、ベトナム戦争を題材にした戦争映画ですが、10年以上前にLDで鑑賞しており、最近もBD版を購入して観ていました。 ○この映画では鬼軍曹による「貴様らは蛆虫以下の存在」と罵倒し続けながらのアメリカ海兵隊の非情に徹底した新兵訓練ぶりがオーバーに描かれていると思っていたら、NHKスペシャル「兵士はどう戦わされてきたか」の作り物ではない実際の新兵訓練ぶりが正に映画「フルメタル・ジャケット」の訓練シーンそのものだったことに衝撃を受けました。 ○兎に角、戦争に勝つとの目的だけのために、人間を殺戮兵器(マシン)に作り替えてしまうアメリカという国の非情さに、日本の自衛隊の隊員訓練はこれほどまで非情に徹底して行われているのだろうかと疑問を感じ、このような非情な国には、決して軍事力で勝ろうなんて馬鹿げた考えを持たずこれまで通りその傘の下で守り続けて貰った方が良いのではとつくづく思いました。 ○アメリカでは「第二次大戦で『敵に発砲できない兵士』が広範に存在することをつきとめた米軍は戦後、訓練法の改善を重ねることで、条件反射的に発砲できる兵士たちを作り出す」ことに成功したとのことですが、このように作り出された兵士が、「従軍したベトナム戦争では、日常生活に復帰できないPTSD患者が大量発生した」とのことで、更にイラク戦争ではPTSD患者にならないような訓練がなされているとのことです。 ○太平洋戦争での二度に渡る原爆投下から明らかなとおりアメリカは正に非情の国ですが、「西方対馬・佐世保研修第2日その2」に記載したとおり「太平洋戦争末期本土爆撃では海軍基地のある佐世保も激しく攻撃されたとのことですが、不思議に基地として重要な場所は爆撃されず、そこは後にアメリカ海軍基地となったという話が印象的でした。アメリカは戦後処理を考える余裕を持って攻撃し」、その後日本占領統治をおそらく戦争中から長い時間をかけて立案していたとおりのプログラムで行い、軍国日本徹底弱体化の目的を実現しました。 ○「齋藤孝のざっくり!日本史」を読み始めていますが、同著「第8章『占領』と戦後日本」に私がアメリカに対し、漠然と思っていたことが、実に判りやすく的確に齋藤氏の言葉で記述されており、大変、参考になり、アメリカという国の凄さを再認識させられています。 以上:1,267文字
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