平成20年 8月27日(水):初稿 |
○「パフォーマンス(PM)研究会開催要領」に記載したとおり、私の自宅AVルーム(小松AVスタジオと自称)で10名弱の親しい仲間が集まり平成3年から1年間ほどパフォーマンス研究会を開催し、その時の様子を撮影したビデオテープが2巻ほど残っていました。パフォーマンス研究会事業の一つに演技研究があり、その筆頭は役割演技法(ロールプレイング)でした。 ○役割演技法(ロールプレイング)は、生涯職業能力開発促進センターのロール・プレイングによると「1923年に精神学者のヤコブ.L.モレノが開発したサイコドラマ(心理劇)から発展した技法で、もともとはノイローゼやうつ病、アルコール依存症などを治療する心理療法の技法でしたが、近年は、管理者訓練やセールスマン訓練などの研修技法として広く応用されて」いるとのことです。 ○私が最初にロールプレイングに出会ったのは、確か昭和61年頃、異業種交流グループライジングアップで鈴木誠一さんが会長の時代に紹介されたときです。このとき実際にライジングアップの行事として実行させて頂き、これは私のような内気でシャイな人間の矯正にうってつけの方法だと実感しました。 ○そこでパフォーマンス研究会で私なりにロールプレイングについてまとめたものを紹介します。生涯職業能力開発促進センターのロール・プレイングの解説の方がより具体的で詳しいので興味ある方はこちらをご参考にして下さい。 ******************************** 一 概要 1 方法ー一定の状況設定し2名を指名して役割を与え実験的対話場面を作り、観察者とビデオカメラの前で実演させてチェックする。 2 役割ー役割とは周囲の人々がその人に対して抱いている期待の合計値をいう。自分と他人の割合をよく理解し、お互いに相手の立場を認め、自分の役割を果たすように努める。 3 演技ー自分の解釈に従ってできるだけ自然に自由に自分の地を出したり又は全く自分とは正反対のキャラクターを作り出したり自由に演技してよい。 二 目的・効果 1 内向的、消極的性格の是正 公開の場で内気になりすぎ芝居じみたことを嫌がり、はにかみ屋で人前で自ら積極的に何かしようとはしない他者依存傾向を是正する。 2 状況の変化に臨機応変に機転を利かせて対応する能力の養成強化。 3 自発的創造性、感受性、表現力の開発強化。 4 他者を演技し自己の中に他者を作り出すことにより、自己を客観的に把握しかつ感情を制御して行動する能力(セルフコントロール能力)を身に付ける。 5 以下の点の認識、理解を深める ①相手の話を完全に聞き取ることの難しさ。 ②相手を説得することの難しさ。 ③相手は自分を映し出す鏡であることの認識。 ④自己を客観視し、相手の立場を理解することの難しさ。 ⑤知ることと行うことのギャップの認識。 ⑥自分の癖、習慣の再認識。自分と相手の弱点の認識。 ⑦自分が変化する事により相手が変化すること。 三 実践方法 1 準備ー場面、役割の設定。別添Case study参照。 具体的行動を詳細に明示しないで曖昧にしておく。曖昧なるが故に演技者が自発的に自分のやり方で行動することを期待。 但し登場人物のキャラクターは明確に決めておく(明るい、暗い、のん気、短気、自信家、気弱etc)。 参加者の役割はその場でくじを引くか、指導者が決定。 Case study決定後、演技者は与えられた役割についていかに演ずるかについての考える時間を3分間与えられる。 2 実演ー対話を抽象的な段階に留めず、身ぶり手ぶり等の動作を入れ具体的につっこんで演技する。できるだけ相手の意表をつく言葉を発する程、相手方の臨機応変な対応力、機転力の強化につながる。 実演の大まかな段取りは次のとおりである。 ①アプローチ段階 ②本論(相互理解、意思疎通)段階 ③結論(承認、決裂)段階 ①~③まで時間は5分程度でおさめるように計算して演技する。同じケーススタディについて同一演技者が演技者ABを交換して二度行うこともある。 指導者Ⅰ、演技者AB、観察者C~によって行う。 3 分析ー実演中、観察者は観察表でチェックしながら観察。 反省 実演後、ビデオによる再現をみながら観察表を完成させる。 観察者は観察表により演技者に対する批評を発言。 演技者地震の反省の発現ー観察者の批評をふまえた演技に対する自己批判。 演技の展開結果について、演技者自身の反省だけでなく観察者の意見を交換。 ex.あのセリフに対しては、こんなセリフで対応した方が面白い。 (注1)演技そのものの巧拙のみならず応答の本質的ポイントの検討が必要。 (注2)設定されたキャラクターを前提とした演技者の観察が必要。 以上:1,915文字
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