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相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき2

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令和 1年 5月11日(土):初稿
○相続財産管理人選任申立の必要がある事件を取り扱っており、共有財産に関する民法第255条「共有者の一人が、(略)死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」の規定についての確認が必要となり、最重要判例である平成元年11月24日最高裁判例(判時1332号30頁)全文の復習となりました。

○平成元年11月24日最高裁判例(判時1332号30頁)全文は、「相続財産管理人実務-共有者の一人が相続人なくして死亡したとき」で紹介済みでした。

○その判決要旨は、共有者の1人が死亡し、共有持分が民法第255条適用で、他の共有者に帰属する時期は、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了し、さらに民法958条の3に基づく特別縁故者に対する財産分与がされないときというものです。

○民法255条は「共有者の一人が……死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」と規定していますが、民法第958条の3で特別縁故者に対する財産分与の制度も設けられています。そのため、共有者の1人が死亡し、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了したときは、その持分は、直ちに同法255条により他の共有者に帰属する(以下「255条優先説」という。)のか、それとも同法958条の3に基づく特別縁故者に対する財産分与の対象となり、右財産分与がされないときに、同法255条により他の共有者に帰属する(以下「958条の3優先説」という。)のかという問題が生していました。

○平成元年11月24日最高裁判例事案は以下の通りです。
・もと亡Aの所有であった土地について、Aの死亡により、同人の妻BとAの兄弟姉妹(代襲相続人を含む。)28名、合計29名の共有となった(Bの持分は登記簿上22680分の15120)
・Bは昭和57年7月28日死亡し、相続人がいなかったため、甲ら(原告・被控訴人・上告人)は、Bの特別縁故者として大阪家裁岸和田支部へ相続財産分与の申立
・同支部は、昭和61年4月28日、本件土地のBの持分の各2分の1を甲らに分与する旨の審判
・甲らは、同年7月22日、大阪法務局佐野出張所登記官乙(被告・控訴人・被上告人)に対し、この審判を原因とする本件土地のBの持分の全部移転登記手続(甲ら各2分の1あて)を申請
・乙は、同年8月5日、不動産登記法49条二号に基づき事件が登記すべきものでないとの理由でこれを却下する旨の決定
・甲らが、大阪法務局長に対する審査請求手続を経て、本件却下処分の取消を求めて提訴


○第一審判決は、958条の3優先説に立ち、甲らの請求を認容して本件却下処分を取り消したのに対し、原判決は、255条優先説に立ち、一審判決を取り消して、甲らの訴求を棄却したので、甲らが、958条の3優先説を採るべきであり、原判決は民法255条及び同法958条の3の解釈適用を誤ったとして上告しました。

○それまでの下級審裁判例も、学説も、255条優先説と958条の3優先説の真っ二つに分かれて対立していましたが、肝心の登記先例は、早くから255条優先説に立っており(昭37.8.22民事甲第2359号法務省民事局長通達)、本件却下処分もこれに従ったものでした。

○本判決の多数意見は、958条の3優先説を採るべきことを明言して、原判決を破棄し、乙の控訴を棄却しました。その理由は、他の共有者と特別縁故者との利益衡量のほか、民法255条の解釈として、同条により相続人なくして死亡した者の共有持分が他の共有者に帰属する時期は、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了した後、なお当該持分が承継すべき者のないまま残存することが確定した時であり、それは相続財産一般が国庫に帰属する時期と時点を同じくするものであるとした上、さらに同法958条の3による特別縁故者への財産分与の制度が設けられた結果、相続人なくして死亡した者の相続財産の国庫帰属の時期が特別縁故者に対する財産分与手続の終了後とされ、同法255条による共有持分の他の共有者への帰属時期も右財産分与手続の終了後とされることとなったとしています。
以上:1,718文字

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