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令和天皇自然体で親善深められ 即位後初の宮中晩餐会お言葉紹介

令和 1年 5月28日(火):初稿
○令和元年5月27日、令和初の国賓としてトランプ大統領夫妻歓迎宮中晩餐会のTV中継を見ましたが、令和天皇のお言葉に感銘を受けました。自然体で親善を深められたとの新聞記事もありますが、流石、幼少から天皇として帝王学の英才教育を受けた来られ、今後、立派に天皇の務めを果たされると確信しました。

○以下のお言葉は、おそらく宮内庁に起案要員が居て、推敲に推敲を重ねて、相当気を遣って手堅く完成させるのでしょうが、令和天皇ご自身の経験・感想が記述されており、ご自身も相当筆を入れていると思われます。以下、初の宮中晩餐会、お言葉備忘録です。

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トランプ米大統領を迎えた宮中晩さん会での天皇陛下のお言葉は次の通り。(全文)

この度、アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ閣下が、令夫人と共に、我が国を再びご訪問になりましたことを心から歓迎いたします。

特に、私が皇位を継承してから最初の国賓として、こよい、大統領ご夫妻を晩さん会の席にお迎えすることができ、うれしく思います。

我が国が、鎖国を終えて国際社会に足を踏み出したのは、今から165年前の1854年に、貴国との間で日米和親条約を締結したことに始まります。それ以来、日米両国とその国民は、さまざまな困難を乗り越え、相互理解と信頼を育み、今や太平洋を隔てて接する極めて親しい隣国として、強い友情の絆で結ばれております。特に近年、両国の関係が、政治や経済にとどまらず、芸術、文化、スポーツ、最先端技術など、幅広い分野で深みを増していることを、喜ばしく思います。

また、日米両国が困難な時に互いに助け合える関係にあることは大変心強く、とりわけ、8年前の東日本大震災の折に、2万人を超える貴国軍人が参加した「トモダチ作戦」をはじめ、貴国政府と貴国国民から、格別の温かい支援を頂いたことを、私たちは決して忘れることはないでしょう。

貴国と皇室との交流の歴史にも、また特別なものがあります。私の祖父である昭和天皇は、香淳皇后とご一緒に、1971年、ご即位後初めての外国ご訪問の途次に立ち寄られたアラスカにおいて、ニクソン大統領ご夫妻より、そして、1975年にご訪米をされた折には、フォード大統領ご夫妻より、それぞれ歓迎を頂きました。

また、私の両親である上皇、上皇后両陛下も、皇太子時代の1960年に初めて貴国を公式訪問された折には、アイゼンハワー大統領ご夫妻はじめの歓待を受けられたほか、ご即位後の1994年には、国賓として、クリントン大統領ご夫妻をはじめ貴国の国民から手厚くおもてなしいただいたとうかがっています。

私自身の貴国との最初の思い出は、1970年の大阪万博であり、当時私は10歳でしたが、月の石を間近に見たことや、チャールズ・リンドバーグ飛行士に、水上飛行機シリウス号の操縦席に乗せていただいたことを、今でも鮮明に覚えています。その後、1985年に、英国留学の帰途、貴国を初めて長期に訪れた折には、レーガン大統領から温かくお迎えいただきました。マンハッタンの摩天楼、サンフランシスコやニューオーリンズの街並み、グランドキャニオンの威容など、都市や自然のスケールの大きさと多様性に強い印象を受けたことが懐かしく思い起こされます。皇后も、幼少の時期をニューヨークで、また、高校、大学時代をボストン郊外で過ごしており、私どもは貴国に対し、懐かしさと共に、特別の親しみを感じています。

トランプ大統領ご夫妻が、前回のご訪問の折にお会いになった上皇陛下は、天皇としてご在位中、平和を心から願われ、上皇后陛下とご一緒に、戦争の犠牲者の慰霊を続けられるとともに、国際親善に努められました。今日の日米関係が、多くの人々の犠牲と献身的な努力の上に築かれていることを常に胸に刻みつつ、両国の国民が、これからも協力の幅を一層広げながら、ゆるぎない絆を更に深め、希望にあふれる将来に向けて、世界の平和と繁栄に貢献していくことを切に願っております。

日本は、今、緑の美しい季節を迎えています。大統領ご夫妻の今回のご滞在が、楽しく、実り多いものとなることを願うとともに、お二方のご健勝、そして、アメリカ合衆国の繁栄と貴国国民の幸せを祈り、杯を上げたく思います。


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