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ネットで長時間かけて調べた各種数値データ紹介8(業務予測等雑感)

平成30年 1月15日(月):初稿
○「ネットで長時間かけて調べた各種数値データ紹介7(法曹人口データ)」を続けます。
ネットで長時間かけて調べた各種数値データ紹介6(裁判所データ追加)」で紹介した裁判所事件数データと法曹人口データを比較した感想です。

○先ず驚いたのが刑事被告人と少年事件の激減です。刑事被告人数は、昭和40年約521万人が平成28年約100万人と5分の1以下に、少年事件は昭和40年約109万人が平成28年8万3000人と13分の1に大激減です。これに対し刑事事件を扱う検察官数は、昭和41年1173人が平成28年1855人と60%近く増員されています。

○警察官と警察職員のデータがないか調べてみると昭和56年度警察庁合計7630人、都道府県警察合計24万2747人、平成17年度警察庁合計7501人、都道府県警察合計27万7611人が発見できました。昭和55年刑事被告人数約270万人、少年事件約59万人が平成17年刑事被告人数約157万人、少年事件約24万人と相当減少しています。職員数は都道府県では3万人強増えていますので、職員1人当たりの刑事事件・少年事件の数は相当減っています。警察職員に仕事は楽になっているのでしょうか。

○民事事件数は、平成15年約352万件が平成28年約147万件と200万件以上の大激減です。ところが裁判官数は平成15年2352人が平成28年3008人と30%近く増えています。裁判官1人当たり担当民事事件数は相当減っている計算になりますが、実際の裁判官の感想を聞いてみたいものです。

○裁判所事件で唯一増えているのは家事事件だけで平成では元年約35万件が平成28年102万件と3倍近く激増しています。家事事件の主なものは離婚事件と遺産分割ですが、これらが増えているということで、確かに仙台家庭裁判所も、待合室はいつも混み合っており、調停事件で調停成立等裁判官の立会が必要になる場合、相当待たされることが多く、家事裁判官は相当忙しそうです。

○日弁連HPに平成27年「弁護士1人当たりの民事事件・家事事件数比較」がPDFファイルで掲載されています。これを桐ファイル化しようとしたらテキストコピー不許可になっており、できませんでした。著作権侵害を許さないとの立場と思われますが、日弁連もケチ臭いものです。これによると平成27年新受地裁通常訴訟事件の弁護士1人当たりの件数は、最少東京3会2.3件、最大三重の8.5件で平均は4,5件のようです。我が仙台は5.0件でした。ちなみに当事務所平成27年は、全新受事件103件中24件が地裁訴訟事件でしたので恵まれています(^^)。

○上記の通り家事事件は統計的には増えているのですが、平成27年弁護士1人当たり件数は最少東京3回0.9件、最大釧路13.6件、仙台は6.4件でさほど多くありません。通常訴訟事件にしても家事事件にしても必ず弁護士が就くとは限りませんので実際の弁護士1人当たりの件数は更に低くなります。

○刑事被告人数も平成28年約100万人で弁護士3万7680人で割ると1人当たり26人になりますが、弁護人が必要な事件数は、日弁連HPの「必要的弁護事件の事件数及び国選弁護人選任率の推移(地方裁判所)」を見ると地裁事件で5万件足らずであり、これに簡裁、高裁事件を合わせても10数万件程度と思われます。だとすると弁護士1人当たりの刑事事件数も数件止まりと推測されます。

○こうしてみると弁護士業務の将来性は気が重くなるばかりです(^^;)。しかし、世の中にはかような厳しい状況で業績を伸ばしている事務所が多数あり、特に家事事件数は増えていますので、マーケッティングの力を入れようと思っております。
以上:1,517文字

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