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”最高裁「裁判の電子化」調査へ 国際競争の遅れに危機感”紹介

平成30年 1月10日(水):初稿
○「”日本の司法インフラ-審理スピードやデジタル化遅れに不満多数”記事紹介」の続きです。
この記事の中に「大手金融機関は『書面の提出方法がファクス、郵送などに限られ、諸外国と比較し電子化が遅れている』と記述。」との記載がありましたが、ホントにこれを実感します。訴訟では、訴状の提出から始まり、熾烈な争いのある事件では、判決等一応の手続終結までに、相当、大量の書面の遣り取りがあります。この書面を裁判所に送る方法は、FAX送付か郵送に限られます。FAX送付は、数百頁に渡る大量の書面やカラー画像書面、細かい文字で記載された書面等の送付は適しませんので、事実上、郵送に限られる場合も相当あります。

○特に数十頁・数百頁に渡る書面などテキストファイル或いはPDFファイルになっている場合、いちいち紙に印刷したものを封筒に入れて送付する作業が大変です。これらの文書をテキストファイル或いはPDFファイルのままメール送付できたらどれほど楽だろうかと思うことが良くあります。

○私は20年以上前から裁判外の催告書・通知書等はいちいちパソコンで作成した文書データをいちいち紙に印刷して封筒に入れて切手を貼って郵送する作業が面倒なため「通知書」、「スターファックス一発送信」記載の通り、FAXモデムで直送することを原則としております。これによる省力化は大変なものです。

○訴訟書類も、FAXモデムで直送まではいかなくても、せめてメールで遣り取りできればといつも思っているのですが、実現の兆しが全く見えませんでした。なにしろ、裁判所にパソコンワープロファイルが存在するはずの証人尋問調書すらいちいち紙に印刷したものをアナログコピーする方法しか認められていないからです。

○ところが以下の記事によると、最高裁は約4900万円の調査費を予算に盛り込み「諸外国に後れを取る『裁判の電子化』を進める方向で調査する」とのことです。兎に角、せめて準備書面のメール送受信だけでも早く認めた貰いたいものです。

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最高裁「裁判の電子化」調査へ 国際競争の遅れに危機感
2018年1月9日 5時6分 朝日新聞デジタル


現在書面で行われている民事裁判で、電子データやインターネットの活用が進むよう、最高裁は2018年度当初予算案に初めて約4900万円の調査費を盛り込んだ。

諸外国に後れを取る「裁判の電子化」を進める方向で調査する。企業の経済活動を円滑化するほか、一般の人にも手続き期間が短縮されたり、簡略化されたりする利点がある。

訴状などの裁判書類は民事訴訟法で、原則「書面」で提出する、と定められている。最高裁は18年度、裁判手続きの電子化で、どのような効果が得られるかを本格的に調査。裁判書類に多く含まれる個人情報の流出や拡散を防ぐセキュリティー対策も調べるという。

最高裁は04年7月から約4年半、札幌地裁で法廷期日の変更や証人尋問の申し立てなどをネットで行えるよう試行。06年9月には東京地裁管内の簡裁で、借金の借り手に返済を命じる「督促手続き」をネットでできるようにし、全国にも広げてきた。

それでも、諸外国に比べ、立ち遅れは否めない。日本政府のまとめなどによると、米国は1990年代から州ごとに裁判手続きを電子化。シンガポールは00年から訴状の電子申請を義務付けた。韓国も11年に全民事裁判のやりとりを電子化し、原則、紙か電子データかを選べるという。

以上:1,440文字

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