平成28年 1月31日(日):初稿 |
○「25万部売れた”田中角栄 100の言葉”の印税収入は?」の続きです。 YouTube動画で「日曜夕方の池上ワールド~秘蔵のVTR・未発表の肉声で紐解く田中角栄のすべて!~ 」見つけてアドレスを取っておき、紹介しようと思っていましたが、平成28年1月31日時点では削除されていました。そこで、どこかのサイトでこれを保存しているところがないか探したところ「とらちゃんのラジオがいいね!!」の「✿ 2015年11月09日 19:40 日曜夕方の池上ワールド~秘蔵のVTR・未発表の肉声で紐解く田中角栄のすべて! 懐かしの角栄節再び!未発表の肉声を入手! 【2015.11.08】」にありました。 ○この動画、CMまでシッカリ記録して75分26秒もありましたが、全部、再鑑賞してしまいました。その内容の殆どは、巷に溢れている「角栄本」に記述済みですが、数週間前に最初の鑑賞をしてところを覚えていない部分があるのにガックリしました(^^;)。番組最後に、”「角言録 未発表「田中角栄を聴く、生の声8時間」 [CD]」”の紹介がありました。 ○このCDの商品説明は以下の通りです。 田中角栄の未発表「生の声」 ! CD8時間+収録本。 現在、国際ジャーナリスト、朗読家として知られる編者が、30代から40代にかけて録音した田中角栄の「生の声」。 当時、ブラジル邦字紙の東京特派員として、ロッキード事件で「蟄居」していた角栄の重い口を初めて開かせた編者。 その後、田中邸に出入りし、角栄が病に倒れるまでの3年余、多くの座談や会談に陪席し、発言をメモし録音し続けた。それは大学ノート10数冊分、録音テープは40本余りに及んだ。 著者はそれらの資料を30余年間、蔵し続けてきたが、田中角栄への声望がますます高まる昨今、1人でも多くの読者に、「生の角栄」を「実感」してもらいたいと、公開に踏み切った。 現在、多くの「角栄本」が書店に平積みされている。「語録集」、「写真集」「想い出」と多彩である。だが、本書はそれらとはまったく趣きが異なっている。評論、解説は一切ない。すべて田中角栄の話したままの声と、著者が傍らで取ったメモだけである。 内容もまた凄い。資料もレジュメもなしで、国際政治・軍事問題から国内の政治、経済、産業政策までよどみなく語る。憲法、教育、文化、宗教への目配りも十分であり、農業、鉄道、道路、住宅問題などはもちろんお手の物だ。 したがって、「CD」(8時間)は、政治や経済を論ずる上での「古典」であり、「教科書」である。 だが、その膨大な知識量とアイデア、政策立案ノウハウは、もう「ビッグデータ」そのものだといっていい。と言って難しい、かた苦しい話ばかりではない。ゴルフ、競馬談義、ブラジル雄飛、「徳川無声論」と楽しい、しんみりとしたエピソードもある。そして極めつけは、「親しみのある声」と「語り口」である。佐藤栄作(元総理)がいみじくも言った「田中に会ってはダメだ。会って話すとごまかされる」とは至言である。だが、「ごまかされた」と思った人も、決して悪い気はしない。逆に親近感を増していく。それは不思議な魅力だが、決して「優等生」のそれではなく、「叩き上げ創業者」特有の魅力でもある。将来への不安や社会が激しく変化する今こそ、必聴の8時間 !【商品解説】 ○価格は1万6200円と高価ですが、8時間もの長い時間、田中角栄氏のオフィシャルな演説ではない、生の声を聴けるのは、角栄ファンにとっては大変な魅力で、早速購入します。「日曜夕方の池上ワールド~秘蔵のVTR・未発表の肉声で紐解く田中角栄のすべて!~ 」では、平成27年中に角栄本が10冊近く発売されたとのことで、私もそのうち6冊ほどは購入していますが、全部は購入できませんでした。 ○それにしても角栄氏は、死後においても、関連書籍の出版で多くの著作者に印税収入利益を与え続けており、ホントに凄い人だと実感します。なにしろ政敵だった石原慎太郎氏まで、「天才」なんて表題で褒めちぎった著作を出版する状況です。石原氏の場合は、お金持ちですから、印税収入なんて当てにしない出版と思いますが。 ○しかし、以下のニュース報道もありました。角栄氏のCD、いったんは、東京地裁から出版禁止の仮処分が出されたようです。これが出版に至っていると言うことは、印税配分を巡る和解が成立したのでしょうか。 ****************************************** 国家を語る「田中角栄」音声データを出版させない「田中真紀子」 デイリー新潮 1月4日(月)7時20分配信 「聞き取りにくいダミ声ながら、聴衆の心を掴んで離さない」と、田中角栄元首相の演説は昔も今も評価が高い。その角栄が天下国家を論じた貴重な肉声が、ジャーナリストによって残されていた。角栄の二十三回忌に合わせて出版が予定されていたが、直前に真紀子氏(71)から横槍が入り、計画は頓挫してしまった。 出版中止に追い込まれたのは、国書刊行会が版元の『角言録 未発表「田中角栄を聴く、生の声八時間」』というCD付きの書籍。音声を保管していたのはモンゴル日刊紙東京特派員の佐藤修氏(70)で、ロッキード事件で角栄が逮捕された後、初めて角栄の取材記事を報じた人物だ。佐藤氏が当時を振り返る。 「きっかけは角栄氏へのインタビューの後、秘書の早坂茂三さんから“仕事を手伝ってくれないか”と持ちかけられたことでした。以来、私は4年にわたって東京・目白の田中邸を始め、永田町や地元の新潟県長岡市の事務所などで取材を続けました。今回CDとして作品化した内容は、延べ数十時間以上の膨大な音声記録を編集したものです」 当時、角栄はロッキード事件の公判中ながら、「戦後政治の検証と田中政治の発展」とのテーマで精力的に講演をこなしていたという。 「角栄氏は日中国交正常化を成し遂げたアジア重視の平和主義者であり、『日本列島改造論』を著すなど現在に至る日本の国土計画の先駆者でもある。私は30年以上を経た今も色褪せない角栄氏の金言を、政治家だけでなく広く国民にも知って欲しいと考えた。そこで、CD付きの書籍を出版することを思いついたのです」 国書刊行会の関係者によると初版の刷り部数は1500部あまり。お値段は1万6200円と商売っ気も感じるが、発売日は12月10日とされ、10月からは新聞広告やテレビ番組で音声の一部が放送されるなど、宣伝活動が始まっていた。 ■歴史的価値 が、程なく出版中止を求める文書が相次いで届いたという。先の関係者が言う。 「新潟の田中角栄記念館から警告書が届き、続いて東京地裁に出版差し止めを求める申立書が出されたのです。私たちは“ジャーナリストによる公人への取材記録”と主張しましたが、地裁は記念館の“音声の著作権は記念館にある”との言い分を全面的に認めたのです。12月16日のことでした」 角栄は今も根強い人気を誇る上、初めて公開される肉声の歴史的価値や意義は決して小さくない。そこで、田中角栄記念館に出版差し止めの理由を尋ねると、 「私はよく分からないんです」(田村巖代表) 真紀子氏の指示によるものかと聞くと、 「そうだと思います」 と、実質的に出版差し止めを求めたのは真紀子氏だと言う。そこで真紀子氏に見解を問うと、 「田中記念財団が発売差し止め請求仮処分の申請をし、裁判所に認められました」(田中記念財団) 一方、思わぬ横槍に躓いた格好の佐藤氏だが、 「今回は残念な結果になりましたが、今後もあらゆる機会を通じて、角栄氏の声を広く国民に伝えていきたいと考えています」 真紀子氏は父親譲りの野太い声で、今も周囲を引っ掻き回しているのだ。 「ワイド特集 敵もさる者 引っ掻く者」より 「週刊新潮」2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号 掲載 以上:3,226文字
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