平成27年 1月 4日(日):初稿 |
○内閣官房HPの第14回 法曹養成制度改革顧問会議(平成26年12月16日開催)と言うページに「【資料3】 65期・66期会員に対する就業状況等に関するアンケート調査の結果及び弁護士実勢調査の結果について(日本弁護士連合会)」と言う表題のPDFファイルが掲載されています。 日弁連によるアンケート調査結果のようですが、日弁連HPの「各種統計情報」では見つけることが出来ませんでした。 ○当HPの「弁護士はお金持ちか否か-弁護士収入実態」に日弁連執行部で平成16年に設問を簡明にして全弁護士に収入状況等のアンケート調査をして4446名から回答を得て弁護士センサス集計として、2004年10月30日発行弁護士白書2004年版に掲載された平成15年の弁護士収入(総売上)と弁護士所得(経費控除後申告額)について仙台弁護士会会員数換算予測と合わせて記載していました。 ○今般、「【資料3】 65期・66期会員に対する就業状況等に関するアンケート調査の結果及び弁護士実勢調査の結果について(日本弁護士連合会)」を発見しましたが、これは平成25年の弁護士収入状況のアンケート検査結果で、「弁護士はお金持ちか否か-弁護士収入実態」に記載した平成15年から丁度10年経過しています。この10年で弁護士収入状況がどのように変化したか見るため比較して記載します。 弁護士の収入(経費控除前の総売上) 2004年調査 2014年調査 金額 割合 累計 (仙台弁護士会換算) 割合 累計 (仙台弁護士会換算) 2000万円未満 26.4% 26.4% (63名、 63名) 52.2% 52.2% (204名、204名) 2000万円~4000万円 32.9% 59.3% (78名、141名) 20.5% 72.7% (80名、284名) 4000万円~6000万円 15.8% 75.1% (38名、179名) 6.7% 79.4% (26名、310名) 6000万円~8000万円 7.8% 82.9% (19名、198名) 2.8% 82.2% (11名、321名) 8000万円~1億円 5.1% 88.0% (12名、210名) 1.4% 83.6% (6名、327名) 1億円以上 4.5% 92.5% (11名、221名) 2.4% 86% (9名、336名) 未回答 7.5% 14.1% 弁護士の所得(経費等控除したもの) 2004年調査 2014年調査 金額 割合 累計 (仙台弁護士会換算) 割合 累計 (仙台弁護士会換算) 1000万円未満 25.9% 25.9% (62名、 62名) 58.2% 58.2% (227名、227名) 1000万円~2000万円 33.4% 59.3% (80名、142名) 17.4% 75.6% (68名、295名) 2000万円~3000万円 17.9% 77.2% (43名、185名) 4.7% 80.3% (18名、313名) 3000万円~4000万円 6.8% 84.0% (16名、201名) 1.6% 81.9% (6名、319名) 4000万円~5000万円 4.0% 88.0% ( 9名、210名) 0.7% 82.6% (3名、322名) 5000万円以上 4.8% 92.8% (11名、221名) 1.5% 84.1% (6名、328名) 未回答 7.3% 16% ○平成15年の調査結果では、「おそらく全国弁護士平均の収入(経費控除前の総売上)は3500~4000万円前後、所得は1500~2000万円程度ではないかと思います」と記載していましたが、平成25年の調査結果では、全国弁護士平均の収入(経費控除前の総売上)は平均値約2400万円、中央値約1430万円、平均所得は平均値約900万円、中央値約600万円となっています。平成15年予想上限と比較すると10年間で売上が40%、申告所得が55%減少しています。 ○当事務所で言えば、平成15年は52歳時で私自身の50代平均売上を上げていましたが、まだ右肩上がりの時代でした。売上最高潮は平成20年57歳時で、以降下降に転じ、60歳代に入った平成23年東日本大震災の影響もありますが、売上は一気に最高時から47%、前年度から25%減少しました。私の実感では、上記10年間の変遷は、予想よりは、減少幅が小さいということです。全弁護士数は平成15年1万9508人、平成25年3万3624人と72%増加しているところ、弁護士市場規模はおそらくさほど変わりませんので、この程度の減少は当然のことでしょう。 以上:2,091文字
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