平成26年 4月12日(土):初稿 |
○「弁護士バッチ(記章)の携帯及び呈示義務がありました」の続きです。 裁判所関係者から「どうして弁護士バッチをしていないのか」、「バッチをつけるのが、エチケットだろう」と注文をつけられたことについて、「結果として、弁護士は弁護士バッチ着用義務があり、裁判所関係者の注文は、この義務履行を求めたと言えるものでした。」、「注文をつけるのは正当であり、何ら、この注文に対して文句は言えません(^^;)。」と記載していましたが、正確には正しい評価ではありませんでした。 ○先ず、日弁連会則第29条2項「弁護士は、その職務を行う場合には、本会の制定した記章を携帯しなければならない。ただし、本会の発行した身分証明書の携帯をもつてこれに代えることができる。」の「携帯」について、私は、この「携帯」を衣服に「着用」して、常に外部から見える状態にしておくことと認識して記載しました。しかし、「携帯」とは、「身につけたり,手に持ったりして持ち運ぶこと」であり、例えば財布の中に入れて持ち歩くことも「携帯」に該当します。 ○次に弁護士記章規則第4条(弁護士記章の番号の提示)の「弁護士は、その職務を行なう場合に、裁判所その他の関係人の要求があるときは、その帯用する弁護士記章の番号を示さなければならない。」との規定の「帯用」の意味ですが、Yahoo!辞書では「帯用に一致する情報は見つかりませんでした。」とあり、また、ATOKで「たいよう」として変換しても「帯用」は出てきません。余り一般的には使われていないようですが、その字体からは、「携帯」と同様「身につけて持ち運ぶこと」で「着用」ではないと思われます。 ○結論として、日弁連会則第29条も弁護士起用規則第4条も、弁護士業務を行うに当たって弁護士バッチ「着用」を義務化してはいないと思われます。これについて会務に精通した弁護士さんから、「(以前は)確かに衣服に着用する義務があり、これをカバンに入れるなどしていても形式的には会則違反となったのだと思います。ただ、これはちょっと行き過ぎだろうと言うことで、確か去年だったか一昨年に会則が変わったのだと思います。」とのご意見を頂き、私の不勉強を恥じ入りました(^^;)。 ○日弁連会則の改正経過を見ると昭和24年7月9日制定から始まって、昭和25年4月9日から平成25年12月6日まで63年間で50数回も改正され、ほぼ毎年1回改正されています。日弁連からは、1ヶ月1回以上の頻度で、全会員宛に活動報告等のFAX文書が入ってきますので、おそらくその会則の改正情報も提供されているはずです。しかし、私の場合、その日弁連から送られるFAX文書は殆ど読まずミスコピー用紙保管庫行きで、裏面を試し刷り印刷に使うだけです(^^;)。 ○そこで日弁連会則第29条2項、弁護士記章規則第4条から弁護士バッチ「着用義務」があると思った私の判断は誤りと判明しました。弁護士には、弁護士バッチ「着用義務」はなく、「携帯義務」であり、ポケットに入れておいて「裁判所その他の関係人の要求があるとき」にポケットから出してみせれば良いだけです。従って、問題の裁判所関係者は、私のように弁護士は弁護士バッチ着用義務があると誤解して「エチケット」と表現したのかもしれませんが、「どうして弁護士バッチをしていないのか」、「バッチをつけるのが、エチケットだろう」との注文も行き過ぎとの結論になりました。 ○しかし、この結論も「独断と偏見に満ちて正確性に欠けることを、予め、お断り申し上げます。 」であり、私自身は、懲りずに特定のスーツに付けっぱなしにしておき、万一、弁護士バッチ呈示を要求されたら、すみませんと謝り、今は持参していませんが、必要とあれば次の機会に持参しますと逃げるでしょう(^^;)。 以上:1,557文字
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