平成25年 9月28日(土):初稿 |
○「こんな日弁連に誰がした?」の著者小林正啓弁護士のブログは、内向きで視野狭窄と思われる方の多い法曹ブログとは異なり、事実を客観的・実証的に観る姿勢が勉強になり、ちょくちょく訪れて勉強させて貰っています。この小林弁護士のブログ「弁護士の経済的自立論」経由で、中部弁護士会連合平成21年10月16日付「適正な弁護士人口政策を求める決議」全文を知り、ザッと流し読みしました。「弁護士の経済的自立論」の核心部分と思われる記述は、以下の通りです。2 弁護士過剰の弊害○おそらく40期代以前の弁護士の8割方は同調する論調と思われます。40期代までは合格者500人時代で、弁護士業務は①独占・②寡占・③競争排除の三大特権に固く守られ、いったん資格を取得すると余程のミスをしない限りは、さしたる営業努力をせず、殿様商売でも一生安泰に暮らせた古き良き時代で、多くの弁護士はこの時代への郷愁を持ち、この時代の蜜の味が忘れられないからです。 ○私自身もこの蜜の味が忘れられない一人ですが(^^;)、「これからの弁護士-三大特権喪失の時代に備えて」に記載したとおり、早くからこんな特権はいずれ剥奪されると覚悟していました。そこで、私なりに特権剥奪の時代に備えてきたつもりでしたが、あくまで「つもり」に過ぎず、私自身、まだまだ特権剥奪の自覚が不足してと痛感させられることも未だにあります。 ○さて前記中部弁護士会「2 弁護士過剰の弊害」から始まる「弁護士の経済的自立論」ですが、「弁護士が経済的に自立しないと本来の弁護士業務が果たせないので参入規制すべき」との趣旨とすると、私の現在の感覚では、「未だに何を言っているんだろう、良く恥ずかしくなくてこんな事を大っぴらにいえるものだ!こんな論調に世間が同調してくれると、本気で思っているのだろうか?」が正直なところです。 ○小林弁護士は、「こういう中学二年生レベルの青臭い議論をやらなければならないこと自体が、弁護士業界の終わりを象徴しているような気が、しなくもない」と言われてますが、正に同感です。「弁護士の本来業務」として、「人権擁護と社会正義の実現」がありますが、全弁護士に一定の「弱者救済無償奉仕活動義務」、「国民奉仕公務履行義務」を一律に課し制度として弁護士は金儲けできない制約があるのであれば、参入規制の正当化も少しは同調者があるかも知れません。しかし、現実にこのような制度設計はなく、過払事件等やり方次第で幾らでもボロ儲けを許すシステムで且つ合格者数制限参入規制をかけるとの、いわば良いとこ取りだけの主張が、弁護士以外の一般の方々の支持を得ることは、先ずあり得ないと確信しております。 以上:1,932文字
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