平成25年 6月26日(水):初稿 |
○「韓国弁護士法での非弁提携禁止・有償周旋禁止規定紹介」の続きです。 ここで「韓国では弁護士法を改正して『弁護士紹介制度』導入が企画されたことがあるとのことです。しかし、結局は見送られたとのことです。そこで日弁連弁護士紹介制度PTの有志で、その経緯について直接、韓国の大韓弁護士協会(日本の日弁連)、法務府(日本の法務省)を訪問して取材してくることになりました。私もその視察調査団の加わります。」と記載していました。 ○平成25年7月14日から16日までの2泊3日で韓国視察旅行の予定でした。韓国は、平成12年12月の秋期事務所旅行以来13年ぶりで、且つ、個人旅行では到底行けない大韓弁護士協会、法務府(法務省)を訪問して担当者に韓国の「弁護士紹介制度」問題点等をインタビューしてくる予定でしたので、大いに楽しみにしていました。 ○ところがこの「弁護士紹介制度」については、現在も大韓弁護士協会内部で激論が交わされており、法務府としても現在係属中の案件であり、日弁連というオフィシャルな立場からの意見照会に応じられる状況にはなく、インタビューには応じられないとの回答があり、結局、韓国視察旅行は中止となりました。考えてみれば、現在もまだ進むべきか退くべきか揉めている問題について、いずれの立場でどのように回答すべきか、答える方にとっては、大変微妙な悩ましい問題もあり、インタビューを断られても致し方ありません。 ○残念ながら13年ぶりの韓国大韓協会・法務府等視察旅行は中止となりましたが、韓国弁護士法について「韓国弁護士法での非弁提携禁止・有償周旋禁止規定紹介」で誤った紹介をしていましたので、訂正します。 韓国WEB六法というサイトに掲載されていた以下の韓国弁護士法第27条を紹介していました。 第27条(弁護士でない者との提携禁止等) ①何人も法律事件又は法律事務の受任に関して当事者その他関係人を特定弁護士に紹介・斡旋・誘引し、その対価で金品・饗応その他利益を受け、又はこれを要求してはならない。 ②弁護士は、その情を知って第90条第1号・第2号又は第91条第1号に規定された者から法律事件又は法律事務受任の斡旋を受け、又はこのような者に自分の名義を利用させてはならない。 ③弁護士でない者は、弁護士を雇用して法律事務所を開設・運営してはならない。<新設96・12・12> ④弁護士でない者は、弁護士でなければすることができない業務を通じて得た報酬その他利益の分配を受けてはならない。 この条文は、<新設96・12・12>との記述があるように1996年(平成18年)頃の法律のようです。 現在日弁連で所持している「ぎょうせいオンライン」発行現行韓国六法記載の弁護士法では、上記第27条(弁護士でない者との提携禁止等は以下の通り、第34条(弁護士でない者との同業禁止等)と条文番号・内容とも変更されています。 第34条(弁護士でない者との同業禁止等) 何人も法律事件又は法律事務の受任に関して、次の各号の行為をしてはならない。 一 事前に金品・酒宴又はその他の利益を受け、又は受けることを約束し、当事者又はその他の関係人を特定の弁護士又はその事務職員に紹介・斡旋又は誘因する行為 二 当事者又はその他の関係人を特定の弁護士又はその事務職員に紹介・斡旋又は誘因した後、その代価として金品・酒宴又はその他の利益を受け、又は要求する行為 ②弁護士又はその事務職員は、法律事件又は法律事務の受任に関して、紹介・斡旋又は誘因の代価として金品・酒宴又はその他の利益を提供し、又は提供することを約してはならない。 ③弁護士又はその事務職員は、第109条第1号、第111条又は第112条第1号に規定された者から法律事件又は法律事務の受任の斡旋を受け、又はこのような者に自らの名義を利用させてはならない。 ③弁護士でない者は、弁護士を雇用して法律事務所を開設・運営してはならない。 ④弁護士でない者は、弁護士でなければすることができない業務を通じて得た報酬その他利益の分配を受けてはならない。 実質的な内容は殆ど変更ありませんが、規制される主体が「特定の弁護士又はその事務職員」となって「その事務職員」が加わっています。おそらく、「事務職員」による非弁活動が多かったからと思われます。韓国弁護士業界の「弁護士紹介制度」についての勉強を継続していきます。 以上:1,771文字
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