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大阪弁護士会”インターネット法律相談事業関与規則”等紹介

平成25年 3月15日(金):初稿
○「弁護士法72条と弁護士紹介サイトとの関連2」を続けます。
ウエブサイトを利用した弁護士広告について、その対価が一定の月額であれば許されるが、売上に比例した成功報酬的要素が入ると「周旋」に対する対価となって許されないとの解釈が弁護士業界では一般です。大阪弁護士会では、ネット利用法律相談の激増を受けて、おそらく膨大な時間と労力をかけて「インターネット法律相談事業関与規則」と詳細な補足説明である「インターネット法律相談ガイドライン」を作成していますが、いずれも弁護士法第72条に違反しない形で行うことに相当神経を使っていることが一目瞭然で、相談事業者と関与する弁護士に対し、弁護士第72条違反と取られないように、厳しく規制する規定があります。

○先ず相談事業者に対する規則条文です。
規則第4条
二号 インターネット法律相談事業者が、相談希望者に対する弁護士の紹介又は相談事業者による弁護士の選定に関与しないこと
五号 インターネット法律相談事業者は、名目の如何を問わず、相談希望者又は相談者から金銭その他の報酬を受領しないこと

※「法律相談」の周旋は、厳禁であり、また、相談希望者側からはの対価の受領は一切禁止するということで、弁護士法第72条をより厳格に遵守する姿勢です。

○この点についてガイドラインでは、「弁護士又は弁護士法人以外の者が運営主体となっているウエブサイトにおいて、利用者に対し弁護士や司法書士等の専門家を紹介したり、法律相談に応じることを目的に、利用者から紹介料や法律相談料を、弁護士からは登録料を徴収することになれば、それは明らかに弁護士法第72条、同法27条に違反することになる。従って当該サイトは、利用者から、名目の如何を問わず金銭を授受してはならない。」と説明しています。

○次に相談に当たる弁護士に対する規則条文です。
規則第5条
2項 会員は、インターネット法律相談事業者に対し、広告の対価以外の金員を支払ってはならない。
3項 前項の広告の対価は、インターネットサイトへの登録期間及び登録スペースなどから客観的かつ定額的に定められるものでなければならない。

※会員即ち弁護士側からのインターネット法律相談事業者に対する対価の支払は、あくまで広告部分だけであり、その対価の額は、登録期間、登録スペースに見合う定額としなければならないとして、弁護士法第72条の「周旋」の対価と受け取られないように注意せよと言うことです。

○この点についてガイドラインでは、「ウエブサイト事業者と弁護士との間では周旋の対価としての性格をもった金員を授受してはならない。」、そのため「広告料は、一定のスペース上への情報掲載料のように客観的かつ定額的に算出されなければならない。客観的かつ定額的とは、登録期間とスペースなどで、その算出過程が明白かつ客観的に明らかになることを指し、必ずしも不変的な額を指すものではないが、ウエブサイト事業者の裁量が入りやすいコンサル的な名目の広告料の授受は、周旋の対価との区別を曖昧にするもので、ウエブサイト事業者らの脱法的行為に手を貸す恐れが強く、許容できない。」、「着手金や報酬に一定率をかけて広告費を算出する算定基準は、法律事務処理の対価を一部にせよ支払うもので、『周旋』の対価性を否定することができず、許容できない。」と相当神経質に説明しています。

○インターネット法律相談での相談料の支払方法についての規則条文です。
規則第4条
六号 相談料金は、担当した弁護士又は当該弁護士の所属する弁護士法人に、相談者から、直接、支払われることとすること。

これについてガイドラインは、ウエブサイト事業者口座経由での支払は簡便と思われるが、相談料回収業務委託費用等の控除は、「控除額をいかに低額ないし定額に抑えようとも、相談料の『ピンハネ』、つまり法律相談料の一部を受け取るとの疑念を払拭できない。」から禁止すると説明しています。超神経質に弁護士法第72条遵守に気を遣っています。

以上:1,638文字

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