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司法予備試験初実施-私だったらこちらを選びます

平成23年 6月 7日(火):初稿
○数日前にある法科大学院で実務家教官をしている弁護士数名とたまたま司法試験論議に及びました。教え子達の動向等を話していましたが、極めて優秀なのになかなか合格出来ず、5年間に3回の受験制限まで追い詰められている例、結局、三振した例等が結構あるとのことでした。30数年前の私が受験した時代でも、模擬試験の成績は極めて優秀で、受験雑誌等で見るその模擬試験論文答案は、私なんぞ到底及ばない優れた答案なのに何年も合格出来ずに居る方、また、結局、合格を諦めた方は大勢居て、当時も今も、受験状況は同じだなと感想を持ちました。

○三振後は、再度、法科大学院から挑戦しなければならず、三振したら殆どの受験生は諦めるのかと思っていたら、親が裕福で余裕のある家庭の受験生に限られるでしょうが、三振後、別な法科大学院に入り直す受験生も少なからず居るとの話しでした。これだけ弁護士数が増え、且つ、宣伝・広告が自由になり、弁護士業務も競争にさらされて大変な時代になっているのに、法科大学院を受け直してまで、なお、弁護士を目指すと言うのは、やはり弁護士資格にまだ魅力はあるようです。

○私自身を振り返ると、大学4年から短答試験(択一試験)を受験し始め、実質卒1、卒2と3回連続短答試験不合格で,今で言う三振しましたが、当時、合格まで5年、10年かかった例が溢れており、3回落ちたくらいで合格を諦めるなんて考えは全くありませんでした。実質卒3の4回目の受験で初めて短答試験に合格すると、幸い論文、口述と最終合格に達しましたが、今思うとホントに幸運でした。私なんぞより遙かに優秀でも合格出来ない方が山のように居たからです。

○私が、40年前後若返り、今の時代の大学法学部の学生に戻ったとしたら、司法試験を目指すかと言われると、ちと判断に迷いますが、仮に司法試験を目指すとしても、司法試験予備試験からの受験を考えるはずです。私が受験した昭和50年代の家計状況を前提とすればの話しですが、法科大学院に毎年100万円前後の授業料を支払い、2,3年通学するなど到底無理だからです。

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(朝日新聞ニュースから)
司法予備試験を初実施 法科大学院進めぬ経済事情に配慮
「2011年5月16日5時14分

法曹資格を得るには法科大学院を修了しなくても新司法試験の受験資格が得られる「司法試験予備試験」が15日、初めて実施され、全国8カ所で6477人(速報値)が受験した。事情があって法科大学院に進めない人のために「バイパス」として用意されたルート。合格すれば、大学院修了生と同様に、来年から5年以内に3回まで新司法試験を受験できる。

 15日にあったのは第1段階の短答式試験。東京(2カ所)と札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡で実施された。マークシート方式で憲法や刑法、民法などのほか、一般教養科目から出題された。

 合格者は7月の論文式試験に、さらに合格すると10月の口述試験に進む。最終的な合格発表は11月10日の予定だ。司法試験法によると、「大学院修了者と同等の学識があるか」などが合格判定の基準となる。

 試験結果だけで合否が決まる旧司法試験と、法科大学院修了を原則とする新司法試験は2006年度から併存していたが、昨年度で旧試験は廃止された。代わりに経済的な事情で大学院に進めない人などのために予備試験が始まった。

 予備試験は、年齢や学歴などに制限はなく誰でも受けられる。受験者の属性は公表されていないが、旧試験の不合格者や「5年以内に3回まで」という制限内に新試験に合格できなかった大学院修了者、一般学生や社会人などが想定されている。大学院の現役学生でも受験は可能だ。

 会場の一つ、早稲田大学(東京都新宿区)では2069人が受験した。慶応大学法学部の男子学生(22)は、検察官になるのが夢。「法科大学院に行くお金も時間も節約できる。抜け道との批判は知っており、大学院には進もうと思うが、それでも予備試験は受け続ける」と話した。

 都内の会社員の男性(44)は、旧試験に5回失敗して予備試験に希望をつないだ。「弁護士になりたいが、妻も子もいて大学院に行く余裕はない。誰でも受けられる仕組みは残した方がいい」と語った。(田村剛)」


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