平成22年10月24日(日):初稿 |
○花水木法律事務所ブログ経由で知ったChikirinの日記2010-10-21を読み、世間の常識は弁護士の非常識という言葉を改めて思い出しました。そこで述べられている疑問は、この問題について持っている私の疑問とほぼ同じで、Chikirinさんの考えが常識であるとすれば、私も常識派であると、身勝手に自惚れています(^^)。 ○法曹養成問題に関する私の考えは、ほぼChikirinさんの疑問に対する回答になります。 先ず法科大学院は不要とは言いませんが、少なくとも大学法学部と統合すべきで、必要とあれば法学部の期間を5年でも6年でも必要に応じて延長すれば足ります。私自身は,教養コース1年、法律基礎コース2年、法律専門実務コース2年の5年もあれば十分と思います。この法律専門・実務コースで訴状・準備書面作成等実務に最低限必要な知識を伝授すれば足ります。いずれにしても大学或いは研修所での実務教育は、いわば畳の上の水連であり、実務では殆ど役に立ちませんので長々時間をかけるのは無駄です。資格試験のための最小限必要な実務知識の伝授で十分です。 ○司法試験は法曹資格を得るための第一関門として、所定の法学部教育を受けた卒業者が受験し、合格者は、直ぐに弁護士補としての資格を与えられ、法律事務所に弁護士補として勤務できることとして、最低5年間弁護士見習いとして実務の勉強を実際実務経験しながら継続します。この間、生活できる最低限の給料は弁護士である雇い主が支払うこととします。このような制度であれば私自身複数名の弁護士補を雇用しても良いと考えています。何しろ、ある程度専門知識のある人を安月給でこき使うことが出来ますから(^^)。 ○私は、合格者の数を弁護士が食えるかどうかを基準として制限するなんてとんでもない話しと思っております。この考えは自分たちの職域を守るためのエゴとしか評価できません。合格者の数は、その基準点に達するかどうかに尽きると思います。その基準点に達すれば1000人であろうと1万人であろうと合格させるべきです。 ○問題はその基準点であり、法律専門家としての資格ですから,ある程度厳しくすべきは当然です。しかし、旧司法試験のように合格率僅か1%台に絞るような基準点は余りに厳しすぎます。厳しすぎて運不運によって左右される面が強くなり、合格して然るべき実力を持ちながら、合格出来ない人も多々居たからです。またこの基準点は採点基準も含めて毎年各科目毎に詳細に公開し、出来る限り受験年度による不公平をなくすようにして、受験者自身の結果詳細も本人に公開し、不合格者には基準点とどれだけ開きがあったか判るようにすべきです。 ○上記制度であれば,弁護士補の給料は雇い主弁護士が支払うことになり税金は一銭も使いません。また法科大学院を含む法学部の授業料等は本人負担が当然です。親の経済能力が低い場合は、奨学金等を活用し,或いは、新聞配達等のアルバイトをしながらでも、本人が頑張るだけの話しで、どの世界でも当たり前の話しで、やる気さえあれば、誰でも挑戦できるはずです。税金の援助がないから金持ちしか法律家になれないなんて、情けない泣き言は言えなくなります。 ○弁護士補としての5年間の勤務先法律事務所は自分で見つけることを原則とします。弁護士事務所に弁護士補を雇い入れるべき義務を課すかどうかは大変難しい問題であり、慎重に検討すべきですが、私自身はこのような制度であれば可能な限り協力したいと思っております。 ○5年間の弁護士補経験の後、裁判官、検事、弁護士の法曹資格を得るための2回目の資格試験を受け、これも一定の基準点に達すれば、弁護士の数が増えすぎたどうのこうのということなく、全員合格させて法曹資格を与えるべきです。この法曹資格者の中から裁判所、法務省が一定基準で裁判官、検察官を選抜することは当然のことです。 ○とここまで書きましたが、この制度での最大の問題は、やはり、5年間も弁護士補として勤務する法律事務所の確保と思われ、やはり、やはり一夜ならず一瞬の夢で終わりそうです(^^)。しかし、安月給でこき使うという私のようにさもしい魂胆の事務所が結構出て来て、中には大量に雇い入れてくれる事務所も出てくるかも知れず、案外、心配ないかも知れません(^^;)。 以上:1,762文字
|