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FRIDAY7/16号”実録弁護士は儲からない”雑感

平成22年 7月 7日(水):初稿
○花水木法律事務所のブログ経由で知りましたが、FRIDAY7/16号で「実録 弁護士は儲からない」との特集をしているとのことです。それによると
●弁護士の平均収入は2005(平成17)年の約2100万円から2008(平成20)年の約800万円に(厚生労働省 賃金構造基本統計調査)
●弁護士資格はあるものの、実態はフリーターという若手が大量に生まれている(海渡雄一日弁連事務総長)
●ネットカフェに寝泊まりして、携帯電話一本で仕事をしていた若い弁護士さんがいる(宇都宮健児日弁連会長)

等々のようです。

○平成21年12月に記載した「弁護士収入平成19年は大激減どころか?」で、「弁護士白書2009年版の弁護士の収入調査では、確かに貧富の差が開き始めたようで、20~30年未満経験の弁護士では、1億円以上の売上が9.6%即ち10人に1人近く居ることに驚きました。」と記載し、儲かっている弁護士は儲かっているとの、当たり前のことを報告していました。弁護士白書2009年版は、前年2008年の収入についての調査結果なので、調査の対象年は更に1年前の2007(平成19)年ですが、上記FRIDAYの厚生労働省賃金構造基本統計調査では、平均申告所得が2008(平成20)年は800万円に下がったようです。

○弁護士白書2009年版の弁護士の収入調査では、2007年の弁護士全体平均所得は定かではありませんが、申告所得で1000万円以下が36.1%になっています。1000万円以上2000万円以下が25%も居て、2000万円以下の合計が61%ですから、全体平均ではまだ平均所得は1000万円以上いっているようにも見えます。

○いずれにしても全体的には弁護士の収入が、ここ数年低下していることは間違いないと思われます。私が加入しているMLでも、最近は、多重債務事件が激減したせいか、「ここ数か月、東京の大きな法律事務所で働いている同期の弁護士何人かと話をする機会があったのだが、みんな口々に、『不景気だ。』とこぼしていた。」なんていう弁護士のブログが紹介されていました。平成22年6月の日弁連業務改革委員会でも委員長から、アメリカの弁護士業界も大不況との報告を受けており、日本の弁護士業界も同様であろうとの見解が述べられました。

○しかし、数日前に某サラ金業者との過払金返還訴訟事件での和解の席上、出頭した仙台支店支配人の方に過払金返還請求事件も山を越えて減ってきているでしょうと聞いてみたら、とんでもない、増えては居ないが、減ってもおらず相変わらず事件数が多くて困っているとのことでした。良く聞いてみると、一般の弁護士からの過払金返還請求事件は相当減っているが、TV等で派手な宣伝を打っている特定事務所からの事件はむしろ増えており、全体には減っていないということでした。

○事件獲得のためにTVでの宣伝や或いは新聞チラシで宣伝広告をしての無料相談会の実施など営業活動を必死でやっている事務所は「不景気」とは無関係に商売繁盛しているようで、当たり前といえば、当たり前ですが、弁護士も本気で宣伝広告等営業活動を考えないと、やっていけない時代が来ているようです。
以上:1,308文字

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